丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
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キンセツジムのジムリーダー戦も中盤。
俺とテッセンさんは緊張しながら互いにボールをフィールドに投げる。
「ゴー、ルナ!」
「頼むぞジバコイル!」
コチラが繰り出したのはエースのサーナイトことルナ。彼女は優雅にボールから出てきてニッコリと笑顔を浮かべながらコチラを向いた。
「やっとアタシの出番なのね!」
「ああ、思いっきり暴れてこい!」
「もちろん!」
腕をグルグル回してやる気のルナに対するは通常色のジバコイル。見た感じ、かなり鍛え上げられているのか微動だにしなかった。
「ジバコイル、奴は強敵じゃから油断するなよ」
「ビビィ!」
おそらくニューキンセツにいた色違いのジバコイルレベルはありそう。俺はそう思っていると、ルナがネックレスを手に持ちチラッとコチラを見た。
(なるほど……最初から飛ばしていくか!)
先程は流れを戻されたのでここで作りたいところはある。
俺は左腕につけたブレスレットを構えていると、審判さんが声を張り上げた。
「バトル開始!」
「いくぞルナ!」
「ええ!
「「我が道を照らす未来回路よ、俺達の導く光を作り出せ! メガ進化T!!」」
「はあぁ!!」
「いきなりかの!?」
開始の合図とと共にメガ進化を発動。
ルナの姿がみるみる変わっていき、メガサーナイトTの姿に変化する。
「一気に行くわよ!」
「ああ! まずは、マジカルフレイム!」
「!? ジバコイル、10まんボルトじゃ!」
「ジジジッ!」
ルナが紫色の炎を体の周りに浮かせながら放ち、それがジバコイルの10まんボルトとぶつかった。
(なかなか派手だな)
この二つがフィールドの中央で爆発するが、威力的に『マジカルフレイム』の方が上なのが威力が減衰した炎が相手に直撃した。
「なんという威力じゃ!」
「まだまだよ!」
先程と同じく紫色の炎を出現させて相手に攻撃。
だがそれは読んでいたのかテッセンさんは上手く指示を出した。
「ひかりのかべを展開してからエレキフィールドじゃ!」
「ジバッ!!」
特殊攻撃の威力を半減させるバリアを展開したジバコイルは、ルナの炎を受けてもなんとか持ち堪えた。
そして、テッセンさんの指示通りボロボロになりながら『エレキフィールド』を展開した。
「ぐっ! もう一度マジカルフレイム!」
「わかったわ!」
「やはりそう来るか! なら、コチラも10まんボルト!!」
「ジバッッ!」
体力的には赤ゲージっぽいジバコイルだが、力を振り絞って『10まんボルト』を使った。
すると、エレキフィールドの影響か『マジカルフレイム』と『10まんボルト』は互角に撃ち合い爆発した。
「ちいぃ! ルナ!」
「コッチは大丈夫!」
コチラはほとんどダメージがないので一安心するが、爆発の中からジバコイルが特攻を仕掛けてきた。
「なっ!?」
「ここじゃ! ジバコイル、だいばくはつ!」
「ジバッ!!」
「しまった!」
相手に攻撃を仕掛けようとしたルナだが、その前に相手の『だいばくはつ』に巻き込まれて地面を転がる。
「ルナ!!」
「これくらい平気よ!」
ルナはまだまだ余裕そうに立ち上がり俺はほっとする。
(今回はルナの耐久力に助かったな)
メガ進化Tのおかげで耐久力がかなり上がっている。そのおかげで『だいばくはつ』を耐え切れたのは大きい。
「ふう、お疲れ様じゃ」
テッセンさんは地面に倒れたジバコイルをボールに戻してコチラを見た。
「そこそこ本気のワシをここまで追い込むとは流石じゃな!」
「それは、ありがとうございます」
「じゃが……まだ負けるつもりはない!」
自分の頬を叩いて気合を入れた相手が繰り出してきたポケモン。メガストーンの首輪をしたライボルト。
(ほぼ予想通りだな)
ふとライコウが出てくるかもしれないと焦ったが、ライボルトが出てきてくれて良かった。
「流石に予想していたみたいじゃな」
「もちろんです」
軽口を叩くが、正直ルナだけに目立たさせるとアイツが拗ねそうだ。なので、俺はやる気満々なルナに声をかける。
「ルナー」
「うん? どうかしたの?」
「悪いけど戻って来てくれるか?」
「ええ!?」
ルナに交代の指示を出すと彼女が拗ねたので俺は後でご褒美(2個目)をあげると言って納得させた。
「悪いなルナ」
「別にいいわよ」
ご褒美と聞いてルンルンなルナは俺の腕に抱きついているが、今はジム戦なので離れてもらう。
そして、改めて仕切り直しで俺は最後の1体を繰り出す。
「やっと出番ッスね!」
ボールから出て来たのは青髪ロングの女性・スイクンを見た審判さんは固まったが、そこはプロなのかなんとか立て直した。
「では、バトル開始!」
バトル開始の合図と共に今度はテッセンさんが、ポケットからメガストーンを取り出した。
「今度はワシの番じゃ! ライボルト、メガ進化!!」
「ワフゥ!!」
「でしょうね!」
メガ進化と共にライボルトの姿が変化。前よりも大きくなったタテガミと赤い目。
しかも今はエレキフィールドが残った状態なので……。
「ライボルト、10まんボルト!」
「ワフゥゥ!」
「ちょ!? ダンナ!」
「わかっている! シズク、れいとうビーム!」
威力の上がった『10まんボルト』にビビったが、シズクはなんとか『れいとうビーム』を使い相殺した。
「ほう、さすが幻のポケモンじゃな!」
「ええ! では、今度はコチラからいきます!」
先程は先手を取られたが、今度はコチラから仕掛ける。
「シズク、しんそく!」
「ッス!」
「!? はやい!」
俺が『しんそく』と指示を出した瞬間、シズクが姿を消してライボルトを吹き飛ばした。
「フフン! これがシズクちゃんの力ッスよ!」
「ライボルト、ほうでんじゃ!」
「え?」
ライボルトを吹き飛ばして喜んでいたシズクだが、立ち上がったライボルトの『ほうでん』を受けてダメージを負った。
「ぎゃぁ!?!?」
「あの子、何をやっているのかしら?」
「さ、さあ(汗)」
効果抜群の技を受けても普通に耐え切っているのは流石スイクンと思うが、半泣きになりながらコチラを見て来た。
「うう! 酷い目にあったッスよ!」
「そう思うなら油断するなよ」
「うぐっ、正論をいわれると返す言葉がないッス!」
改めてライボルトを見るシズクの目は本気みたいで、今度は油断しなさそうだ。
「ほう、なら……ライボルト、10まんボルト!!」
「シズク!」
「わかっているッス!」
先程と同じく『れいとうビーム』でライボルトの電撃を相殺。相手の電撃が終わった後、シズクに『しんそく』を指示。
「まだまだ!」
「ええ、では! シズク、ぜったいれいど!」
「なっ!?」
「これでトドメッス!」
「ワフッ!?」
今回の接近は『ぜったいれいど』を使う布石。
シズクは真面目な表情になりながら大技をライボルトにぶち込んだ。
「……」
「ワシの負けじゃな!」
テッセンさんはカチカチに凍ったライボルトをボールに戻した後、審判さんが高々に宣言する。
「ライボルト戦闘不能! 勝者、クウヤ!!」
「ふう、なんとか勝った……」
今回のジムバトルは今までとは違い余裕が少なかったので、思わず尻餅をつくとフィールドからダッシュで近づくシズクに抱きつかれた。
「ウチが相手のエースを倒したッスよ!」
「ああ、ありがとなシズク」
「えへへ!」
嬉しそうに顔を俺の胸にスリスリしているシズクだが、隣にいるルナからの冷たい視線に気づく。
「あらシズク。また教育が必要かしら?」
「ひいぃ!?」
「ああ、ルナ。今回は見逃してあげて欲しい」
「ダンナ!?」
流石に今回は不憫だと思い、俺はルナに向かって頭を下げる。すると彼女は苦笑いを浮かべた後に首を横に振った。
「……わかったわ。でも、私とのデートは2人っきりよ!」
「ああ、その辺はわかっている」
「ならいいわ」
上機嫌に戻ったルナを尻目に俺はシズクの頭を撫でていると、苦笑いを浮かべたテッセンさんが近づいて来た。
「ほほう、クウヤ君はモテるのう」
「あ、ええ、まぁ(汗)」
流石にここはしっかりとしないといけないので、俺はルナとシズクに腕を掴まれながら立ち上がる。
そして、テッセンさんから賞金とジムバッジを受け取り俺はジムを後にする……つもりだったが。
「キンセツ学園のことは3日後に説明するからその時はまた頼むのじゃ!」「あ、はい!」
学園の件を忘れていたがテッセンさんの言葉で思い出し、俺達は秘書さんの案内でキンセツシティ内にある高級ホテルに泊まることになった。
〈追伸〉
ポケモンセンターで3人のダメージを回復させた後、ホテル内でルナ達に捕まりいろいろあった。
そう、いろいろ……。(童貞はなんとか守り切った)
9月26日15時26分、誤字脱字報告ありがとうございます!