丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
今日は22話前半が短かいので後半もアップします。(+めちゃくちゃ嬉しい感想を送ってもらえたのでそのテンションもあります!)
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(そもそも評価やお気に入り+感想や読んでいただけるのはすごく嬉しく感じます♪)
あの後、学園の内部を案内されたが不安な気持ちが大きくなり話の内容が頭の中に入ってこなかった。
(こりゃダメだな)
フラフラと学園内を歩いていると購買を見つけたので、そこで昼食を購入してから客室に案内してもらい俺は部屋の中にあるソファに座る。
「クウヤ大丈夫?」
「あ、いや、まあなんとか」
ねんりきで体を支えてくれるルナに感謝していると、隣に座ったシズクがプンスカと怒っていた。
「なんかアイツらにムカつくからボコボコにしてやりたいッス!」
「クチィィ(その時はオレもいくぞ)!」
「お前らやめとけ!?」
流石にそんなことをすればテッセンさんにも迷惑がかかる。俺はなんとか2人を止めようとするが、彼女達はヒートアップして突っ込みそうだ。
なので、ルナにも手伝ってもらおうとするが……。
「悪いけどクウヤ。アタシも頭に来ているわ」
「お前な……。怒るのはいいが問題は起こさないでくれよ」
「ええ、わかったわ」
ルナは落ち着いている。
俺は少し安堵した瞬間、涙目になった彼女に軽く頬を張られた。
「このバカ!!」
「……え?」
叩かれた右頬に熱が籠り若干痛い。
(な、なんで?)
俺はルナに叩かれたことで硬直するが、彼女は半泣きになりながら胸ぐらを掴んできた。
「貴方はなんで何も吐き出さずに俯いているのよ!」
「そ、それは……」
「てか、アタシもシズク達と同じくアイツらにむかついたわ! でも、それ以上にクウヤ、貴方にムカつく!」
「……」
「貴方はいき場所のなかったアタシを愛してくれた! それで仲間も作って強くなって新しい道も進んだ! でも、貴方の心は閉ざしたまま!」
早口でルナが捲し立ててくる言葉に俺は……。
「俺は、自分に自信がないんだよ」
「それって……」
俺は自然と目から涙が出て来て頬をつたるが、そんなのはお構いなしに感情のままに言葉を吐く。
「小さい頃から周りとズレていた事で劣等感を感じていた俺が、いきなり違う世界に飛ばされてそれでサバイバルとかどうすればいいんだよ!」
「!?」
「でも、そんな絶望でもお前に救われて少し希望を持てたよ」
口がカラカラして喉も痛いが、そんなのはお構いなしに俺は心の中の気持ちを話し続ける。
「そこからお前のおかげでカナズミについてバトルでお金も稼げた。それは嬉しかったが、それと同時に俺は何もしてなかった」
「……」
「そこからいろんな冒険をしてレールやシズクとも出会い、ジムを攻略したり大会にも勝てた。正直、かなり嬉しかったよ」
ここまで来たら俺が思っている思いを彼女たちにぶつける。正直嫌われるのを覚悟でもだ。
なので、胸ぐらを掴まれながらヤケクソ気味に続ける。
「お前らは強い。だけど、それにおんぶに抱っこの俺は何も変わらない無能なまま。それで劣等感を抱えて卑屈になるんだよ」
ここまで言い切って俺はルナの顔を見る。すると彼女は泣いており、ふとレールとシズクを見ると彼女達も同じだった。
(言い過ぎたか?)
これで嫌われてボッチになる。俺は覚悟はしていたが正直かなり怖い。
その事で体が震えて来たので俯いていると、ルナの言葉を耳にする。
「アタシも最初は弱かったわ」
「え?」
もう一度顔を上げるとルナの涙がさらに激しくなっており、彼女はポツポツと話し始めた。
「生まれた時は仲間がいたわ。でもアタシは周りと違うおかしな奴と判断されたのよ」
「……」
「それで群れを追い出された後、あの森の中を彷徨っていたわ」
あの森、おそらく俺達が出会ったトウカの森のはず。
その時のことを思い出していると彼女は痛々しい笑顔を浮かべた。
「それでお腹も空いて他のポケモン達に襲われて死にかけていたわ。それで、ここまでと思った時……貴方が現れたわ」
「!?」
「最初は敵かと思ったけど、ボロボロで動けないアタシに口移しでオボンの実を食べさせてくれた。凶悪なポケモンが現れてもブルブル震えながら立ち向かってくれた!」
俺の胸ぐらを掴んだままルナはガクガク揺らして来た。俺は気持ち悪くなりながらも彼女の目を見る。
「それで私は貴方……クウヤに惚れた! だから、あの時に守る為の力を求めたのよ!」
「それで進化したのか」
「ええ、そこから凶悪なポケモンを倒した後に思ったの。この人とずっと一緒にいよう! 大切な貴方と共に生きようと!」
「で、でも俺は……」
やめてくれ、俺はそんな存在じゃない。そう言おうとするが、言葉が詰まり言えなかった。
「だから私は頑張った! その結果も出た! なのに、貴方はなんでそんななのよ!」
「ルナ……」
「この際だからはっきり言うわ! 私達が救われたのはクウヤのおかげ! 周りがなんと否定しようがその事実は揺るがないわ!」
だから、否定しないで……。ルナの消えそうな言葉を聞いた俺は歯を食いしばりながら一言。
「ルナ、いやみんな……ごめん」
「ダンナ、ウチらはただ一緒にいるわけじゃない。みんな貴方だから一緒にいるッス」
「クチィィ(そうだぜ! ご主人だからオレも一緒にいる)」
「ええ、他のトレーナーなんてこっちから願い下げよ!」
「ッスね! ウチも超イケメンの天才トレーナーでもダンナの方を選ぶッス」
「チチィ(同じく! てか、こっちの方が気楽でいいしな)!」
「お前らバカかよ!」
「「お前が言うな!」」「チチィ(お前が言うな)!」
俺は思わす呆れるが、仲間達に放たれたブーメランが綺麗に頭に刺さった。でも正直、悪い気持ちはしない。
「ハハッ、俺達はバカの変わり者同士か」
「まあ、そうなるわね」
最初はどうなるかと思ったが、俺は暖かい仲間達と共にこの世界を生きていく。
そう思っていると、いきなりルナに頬を舐められる。
「さてと、このムードならいけそうね!」
「クチィ(おい、ずるいぞ)!」
「待つッス! 最初はウチからもらうッスよ!」
「……ん? お前らなんの話をしているんだ?」
なんかすごい嫌な汗が流れるが、覚悟を決めて質問するとすぐに答えが返って来た。
「そんなのクウヤの愛よ!」
「ッス!」「クチィ(うん)!」
「えっと、つまり?」
「簡単に言えばアタシ達を目一杯可愛がりなさい!」
ルナは胸ぐらを掴んでいた手を離して思いっきり抱きついてくる。俺はその影響で後ろに倒れた瞬間、シズクの胸に後頭部がめり込んだ。
「クチィィ(オレもいくぜ)!」
「ちょ、そこはアタシの背中よ!」
「う、ウチも苦しいッス!?」
「やっぱりこのわちゃわちゃだな」
俺はいつも感じていた劣等感が軽くなり、余裕ができたのか思わず頬がニヤけた。
そして、落ち着くまで俺は彼女達と戯れることになった。