丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
皆様、ここまで読んでいただきありがとうございます!(かなり伸びていると思うのでこれからもよろしくお願いします!)
ルナ達と共にわちゃわちゃを楽しんだ後、俺はテーブルに置いてあるサイコソーダを飲みながら座り直す。
「ハッキリ言うが俺は自分に自信がない!」
「うん、改めて聞くけどダサいわね」
「まあな!」
「開き直ったッスね!?」
「クチィ(でもご主人の表情はよくなっているぜ)」
「ええ、てか表情がかなり良くなってない?」
(そうか?)
ルナ達は何かに驚いているみたいだが、俺は気にせず離し続ける。
「まあ、その、なのでこんな俺を支えてくれるか?」
「それはもちろんよ!」
「ウチも支えるッス!」
「クチィ(同じく)!」
自分で言っていてクッソダサいが、今の俺にはちょうどいいので思わず笑ってしまう。
(コイツらと出会えてよかった)
前世ではほぼボッチで冷たい世界に生きていた。正直それが被害妄想で努力不足の言い訳と言われてたらそれまでなのは自覚している。
だけど逆に、自分なりに頑張って手に入れた今の環境は捨てたくない。
「てなわけで、昼ごはんを食べてから学園を回らないか?」
「確かになんの設備があるか見るのも良さそうね」
「ここにいるポケモン達の実力を見たいッスからね」
「クチィィ(ついでに上手い飯も食いたい)!」
「だな」
てな感じで俺は立ち上がり、依頼のためにジムから借りたスマホでクレアさんに連絡。
すると急いできてくれたので頭を軽く下げた後に彼女から一言。
「つきものが取れた感じで前よりも更にイケメンになりましたね!」
「……?」
よくわからないが返答に困ったので苦笑いしかできない。まあ、表情がマシになったのは素直に嬉しく感じた。
ーー
試験日は明後日みたいで、今日と明日は打ち合わせ以外はやる事がない。
クレアさんにこれからの予定を聞いて安心しているとスピーカーからチャイムがなる音が聞こえた。
「あ、放課後のチャイムですね」
「放課後ッスか?」
「ええ」
つまり生徒達が教室から出てフリーの時間。
俺は少し面白いことを考えたのでクレアさんに質問する。
「生徒達のポケモンバトルを見たいのですが」
「わかりました!」
クレアさんはタブレットを使い、学園にあるバトルフィールドを調べているみたいだ。
(少し時間がかかりそうだな)
ゆっくりする為に俺はお茶を飲んでいると隣に座っているルナが口を開く。
「それって見るだけなの?」
「うーん、その時次第としか言えないな」
「なるほどね」
俺の答えに苦笑いを浮かべながら彼女はテーブルに置かれているチョコを口にする。
(そう答えるしかないんだよ)
ポケモンの世界の学園は何が起きるかわからない。
その事はゲームの時でも知っているので煮え切らない答えを返しておく。
「じゃあウチらがバトルする事にもなりそうッスか?」
「まあ、確率的には半々くらいだからわからん」
「微妙ッスね(汗)」
「クチィ(だな)」
シズクとレールも微妙な表情を浮かべているので、俺はなんとも言えないでいるとクレアさんが調べ終わったのかタブレットを見せてきた。
「バトルフィールドは放課後でも開放されてますが、ここから近いのは第三フィールドですね」
「ではその第三フィールドに向かいましょう」
俺達は立ち上がりクレアさんの案内で目的地の第三バトルフィールドに向かい始める。
ーーーー
特に問題が起きずに第三バトルフィールドに到着したのだ覗いてみる。すると、2人の少年がポケモンバトルをしていた。
「ムックル対エレキブルか」
空中を飛んでエレキブルの電撃をなんとか回避しているムックルだが、流石に相性が悪い。
(ムックル系統は物理はともかく特殊にはめっぽう弱いからな……)
進化すれば特性が『いかく』になるので物理耐久はそこそこだが、特殊耐久はほぼ紙なので特殊アタッカーには弱い。
それはともかく、エレキブルの『でんげきは』がついにムックルに直撃。飛行タイプには効果抜群なので普通に戦闘不能になった。
「やりぃ!」
「ああ、ムックル!」
ムックル使いの緑髪の少年はムックルをモンスターボールに戻す。逆に相手の金髪の少年は連勝しているのかエレキブルとハイタッチした。
「流石バッジ4個相当のファングだな」
「ええ、実技の成績も中等部3位だからすごいわよね」
「勝てる気がしねぇー」
周りに集まっていた生徒達はエレキブルの強さを見て思うところがあるみたいで、ヒソヒソ話をしていた。
「しっかしバッジ4個相当か」
「何か引っかかる事があるのですね」
「まあ、そうなるとバッジ3個の僕はどうなるんだと思いました」
「……クウヤさんは例外ですよ」
バッジ2個の時にテッセンさんの相棒であるメガライボルトと対戦。てか、やっぱりおかしい気がするがクレアさんに流された。
まあ、それはさておき。
「次の相手は誰だ?」
「「「……」」」
フィールドに立つファングと呼ばれた少年は、コチラを見てくるが生徒達は目を逸らした。
(まあ、あんまりバトルしたくないよな)
負けると分かっていてバトルするのは身の程知らずでしかない。まあ、何か奇策があり勝ち目があるなら話は別だが。
「ど、どうする?」
「でもあたしがバトルしても負けるわよ」
「だよな……」
生徒達は完全にビビっているが、俺の隣にいるルナはやる気なのか目を上げた。
「じゃあ、アタシが戦ってもいいかしら?」
「おう、いい……え? お前、サーナイトだよな」
「そうだけど?」
「ま、まぁ、人間の言葉を喋れるポケモンもいるのは知っているが(汗)」
やっぱりポケモンが人間の言葉を話すのは珍しい。まあ、そんなのは知っているので無視して俺はルナに連れられてフィールドに立つ。
「えっと、よろしくお願いします」
「お、おう! オレはファングだ!」
「クウヤです」
見た目の年齢は相手の方が上っぽいので敬語を使う。
てかファングも見た目は少しチャラいが常識は知っているみたいで軽く会釈してきた。
「さてと、前置きはこれくらいでバトルするぞ!」
「そうですね」
相手は先程戦ったエレキブルでやる気満々なのか腕をグルグル回していた。
(これならいろいろやれそうだな)
俺は準備体操をしているルナを見ながら簡単に流れを考える。そして、2体のポケモンがバトルフィールドに立ったので互いに指示を出す。
「いくぜ! エレキブル、でんげきは!」
「エレッ!」
「ルナ、マジカルフレイム!」
「ハアァ!」
先程のムックルに放った『でんけきは』だが、ルナか使う紫色の炎『マジカルフレイム』に相殺……。いや、コチラが押しているのか炎がエレキブルに当たった。
「ちいぃ! 流石に撃ち合いは不利か」
「レブッ!」
「なら、どうするのかしら?」
煽るような発言をするルナに対し、ファングはニヤッと笑いエレキブルに檄を飛ばす。
「なら近接技でいくぜ! エレキブル、かみなりパンチ!」
「レッブ!!」
「そうか! ならコチラはサイコキネシス!」
「ええ!」
相手は電気を纏った腕で殴りかかってくるので、コチラは『サイコキネシス』を発動。
するとエレブーの体は空中に浮き、そのまま勢いよく地面に叩きつけられた。
「レブッ!?」
「なっ、エレキブル!」
地面に叩きつけた影響で砂埃が少し舞った後、相手のポケモンは動けなくなったので俺はホッとしながら喋る。
「エレキブル戦闘不能だな」
「あ、あぁ」
今回は楽に勝てたのでよかったと思っていると、ルナが笑顔を浮かべて抱きついてきた。
「アタシ勝ったわよ!」
「おめでとう……と言いたいが、少し苦しい!?」
「あ、ごめん」
抱きつかれた腕の圧力が強く、少し苦しかったのでタップして緩めてもらう。
「あのファングが手も足も出なかったぞ」
「しかも技も2つしか使ってない」
「おかしいわよ……」
周りの生徒達から何か聞こえるが無視して、エレブーをボールに戻したファングがコチラに声をかけてきた。
「見ない顔なのにかなり強いな!」
「まあ、僕は学園の生徒じゃないですからね」
「え? じゃあ不法侵入者か?」
「それならとっくに警備員に捕まってますよ……」
「だよなー」
相手はカラカラと笑っているので、俺は少し呆れていると向こうが手を差し出してきた。
「今度は負けねーぜ!」
「次も僕が勝ちますよ」
ここで俺とファングは笑いながら握手した後、時間が空いているのでクレアさん達を含めたメンバーで学園内にあるポケモンセンターに歩き始める。
〈キャラ紹介〉
・名前、ファング
・年齢、14歳(中等部3年)
・性別、男性。一人称はオレ
・見た目、金髪ツンツン頭の少年(ワックスでカタカタにしている)
・性格、見た目はチャラいが学園内では比較的常識人。特に実力を認めた相手や相性が良ければ結構フレンドリーに話しかける。