丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
ファングとのバトルを終えた後、俺達は学園内にあるポケモンセンターに移動してジョーイさんにルナ達を預けた。
「ではお待ちくださいね」
「はい」
この世界のポケモンセンターはジョーイさん顔以外の看護師さんも大勢いるので、原作でのブラックさは減っているように見える。
(俺もズレた考えをしているな)
ゲームやアニメでネタにされていたポケモンセンター系の内容だが、この世界ではちゃんと人員も揃っていたのでよかった。
「まあ、普通に考えて原作の方がおかしいよな」
俺はホッとしながら自販機でサイコソーダを購入して近くのソファに座る。
「しっかし疲れた……」
バトルはファングとしかしてないが、学園に来てから色々あったのでしんどかった。
そのため俺はサイコソーダを飲みながら今の状況を整理していると、ファングが来たので軽く手を上げる。
「おう、隣いいか?」
「別にいいですよ」
「あんがと」
クレアさんはテッセンさんに連絡するみたいで今は離れており、俺はファングとの距離感を測るように話し始めた。
「まあ、改めて。キンセツシティのジムリーダーに頼まれて来た試験官のクウヤです」
「お、おう……。お前、見た感じ俺よりも年下なのに試験官になったのか?」
「まあ、単なる雇われて今回だけですけどね」
「そ、そうなんだな」
(まあ、逆の立場なら俺も突っ込むか)
流石に何回も呼ばれるのは流石にしんどいのはあるので俺は首を振っていると向こうは笑った。
「ただまぁ、さっきのバトルでジムリーダーに任せられる程の腕があるのはわかった」
「それはよかったです」
中等部の総合ランキング3位のファング。(バトルの成績)
彼からそう説明を受けると、俺は相手の顔を見ながら思いついた言葉を返す。
「それって実技ですよね」
「ああ、そうだな」
「そうなると筆記は?」
「……赤点は取ってないぞ」
(ああ、なるほど)
興味がある事はやり込めるが逆に興味がなければやりたくない。
なんかコイツの気持ち的はわかる気がするが、一旦スルーして違う話題を持っていく。
「少しズレますが、ランキング1位と2位はどんな人なんですか?」
「2位の方はメガネをかけたガリ勉でデータを元にバトルを進めるやつだな」
「なるほど、そのバトルのやり方は上手いですね」
「そうだな……。まあ、俺も2位に負けた方が多いから自力でも強いぜ」
「そうなんですね」
予想外の人物が上がったので、少しビックリしているとファングが笑った。
「それにガリ勉は性格も根暗だが悪いやつじゃない……が」
「か?」
「そっちよりもランキング1位の方が問題なんだよ」
「と、いうと?」
何か思うところがあるのかファングの雰囲気と空気感が変わった。その理由が気になるので首を傾けていると驚きの答えが……。
「うーん、1位のリアナはポケモンコーディネーターのルチアさんに負けない程の美少女なんだが性格に問題があるんだよ」
「おおう、そういうパターンですか」
「他にあるかよ」
「あ、はい」
苦虫を噛み潰した表情を浮かべるファングに、俺は苦笑いを浮かべるしかない。
というか性格が悪い+中等部ランキング(バトル部門)1位なら色んな意味でやばい気がする。
「それに、リアナの親はホウエンリーグのトレーナーでアイツもその血を引いたのかバトルがめっぽう強いんだよ」
「な、なるほど、それは1位を取るから強い気がしますが」
「まあ、そのおかげで周りを嘲笑ったり下僕扱いをしまくっているんだよ」
「めんどくさ!?」
「オレもそう思う!」
(なるほど、女王様タイプか)
自分が中等部で1番強いから周りに好きな事ができるし否定してきたらバトルで潰す。
彼女はそう思っているみたいとファングは口にしており、ぶっちゃけ俺は会いたくなくなってきた。
「一応教師側も対処したいみたいだが、成績がトップでバトルの腕も強いからなんとも言えないらしい」
「ふむふむ。ちなみにファングさんがバトルした場合はどんな感じ?」
「それを聞くか(汗)」
「ええ」
少し気になったので質問すると、向こうは手に持ったコーヒーを飲みながら答えた。
「3対3のバトルならコチラが1体倒すのがギリギリだな」
「それってコッチは3匹使ってですか?」
「もちろん」
「おおう……」
学園ランキング3位のファングが3匹使っても相手を1体倒すのがギリギリ。
つまりそれだけ実力差があるみたいだ。
(そうなるとアイツらでも無理では?)
普通に考えて特殊個体持ちの俺でも普通にキツい気がする。てか、正直性格的にも苦手なので会いたくないんだが。
「まあ、試験官のお前はリアナとバトルする事になりそうだな」
「そうならない事を祈りたいですが」
「ハハッ、だな!」
互いに微妙な笑みを浮かべていると、手元にある整理券のモニターに番号が映ったので俺は立ち上がる。
「情報ありがとうございました!」
「いや、これくらい別にいいぞ」
俺はブラックにお礼を言った後、立ち上がりルナ達を迎えに行く。そして、彼女達と合流した後、外でタバコを吸っていたクレアさんに出会う。
「あ、回復が終わったのですね」
「ええ(汗)」
クレアさんがタバコを吸っているのにビックリするが、ジムの秘書はストレスが溜まるみたいで笑っていた。
そして、少し早いが夜ご飯を食べに行くために俺達は大食堂に向かう。
ーー
2日後の実技試験当日。
俺は学園側から借りたスーツに着替えた後、クグツチさんの案内で試験場である第一バトルドームに到着した。
「ここが第一バトルドームですか」
「ああ、すごいだろ!」
「ええ」
見た感じはガラル地方のジムにあるドームに近く、観客席にはバリアシステムもあるみたいで安全性もいいみたいだ。
「まあ、それはさておき。まず君には中等部最強と戦ってもらうよ」
「……それって」
また嫌な予感が的中したので冷や汗を流すが、クグツチさんは面白そうに笑った。
「この戦いは面白くなりそうだ」
「面白く?」
「ああ! だって君はジムリーダー推薦の腕利きだろ」
何が言いたいのかさっぱりわからないが、控え室に移動してクグツチさんは離れていく。
(なんで嫌な予感だけ当たるかな?)
仲間達はボールの中なので俺はその辺の椅子に座り天井を見上げながら考える。
「まあ、でも依頼だしな」
安請け合いしてしまったところもあるので反省しないといけない。
俺は苦笑いを浮かべながらごちゃごちゃ考えていると、係員の人に呼ばれたので俺はフィールドに向かう。