丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

3 / 87
 


3話・カナズミジムを攻略せよ!

 次の日。ルナと共にブラブラ歩いていると、ある看板が立てかけられている大きな建物を見つけた。

 

(ここってポケモンジムだよな……)

 

 見た感じは鉄筋コンクリートのビルで、奥には大きな体育館みたいな場所があり他の建物と近い威圧感を放っている。

 

「キルッ♪」

「うん? もしかして戦いたいのか」

「コクリ」

 

 悲報、うちの子はバトルジャンキーみたいだ(汗)。

 うん、まあ、トウカの森でスピアーや他のポケモンをフルボッコにしていた子なので伏線はあったのか?

 

(ただ、入りたくないんだが……)

 

 建物から放たれる威圧感。現実世界で言えば、いかつい人達が集まる格闘系のジムや道場の感覚に近い。

 

「ルルゥ!」

「え? 私がいるから大丈夫って?」

「キル♪」

 

 ルナは腕をブンブンと回しているので、かなりやる気があるみたいだ。

 

(こうなったら行くしかないよな……)

 

 足がガクガク震えるが、意を消してジムの扉を開け……自動ドアなので普通に開いた。

 

「こ、ここがカナズミジムか」

「ルル」

 

 ポケモンジムのロビーは綺麗に整頓されていた。なので俺はルナを肩車したまま進み受付の女性に声をかける。

 

「す、すみません」

「はーい! もしかしてジムにチャレンジしに来た方ですか?」

「そうです」

 

 受付の女性はコチラをジロリと見た後、笑顔を浮かべながら口を開く。

 

「ではお名前をお願いします」

「はい、名前はクウヤです」

「クウヤさんですね」

 

 コチラの名前を伝えると相手は手に持ったタブレットの画面をスライド。何かを詮索しているみたいで、少しすると顔を上げた。

 

「登録がないので新規の方ですね」

「ええ、そうです」

「わかりました。では、登録しておきますね」

 

 登録が終わったのでこのままジム戦が始まる。まあ、いきなりトップと戦える訳ではないみたいだ。

 

「まずは我がカナズミジムのトレーナー達と戦ってもらいます」

「はい!」

「キルッ」

 

 係員の人に通された先は、大小様々な岩が置かれているフィールド。そこには今の自分よりも年上のトレーナー達が集まっていた。

 

「それとジムリーダー又は代理と戦うには、ジムトレーナーを5人抜きしてもらう必要があります」

「な、なるほど」

 

 ここはゲームやポケスペみたいにジムトレーナー達で腕試しをした後に、ジムリーダーか代理との試合が出来る。

 現実的に考えてジムリーダーといきなり戦わせろ!は流石に難しいよな……。

 

(とりあえず相手を見るしかない)

 

 コチラはルナしかいないのでキツく感じるが、本人がやる気ならなんとかなるだろ。

 

「これよりジムチャレンジを開始します」

「よろしくお願いします」

 

 俺はジムトレーナー達の方を見て一礼。俺は肩車しているルナを下ろしてフィールドに送り出す。

 そして……。

 

 ーーーー

 

 ジムチャレンジである勝ち抜き戦の結果。ルナはほぼ無傷で相手のポケモンを倒して5人抜きを達成しました。

 

「ゴローン戦闘不能! 勝者チャレンジャー」

「ルルゥ♪」

「あ、はい」

 

 コチラのレベルに合わせているとはいえ、ルナが無双した。てか、相性の悪いココドラに対してもゴリ押しできる時点で強くね?

 

「あのキルリアは強くないか?」

「ええ、コチラの動きを完璧に読んでいるわね」

「しかもトレーナーとの連携もすごいぞ」

 

 褒められている感じで嬉しいが、視線を強く感じるので勘弁してほしい。

 

(わかっていたが目立っているよな)

 

 俺が今日1番のチャレンジャーらしいので、他のポケモントレーナー達もコチラを観察している。うん、こうなったらジムリーダー戦を早くしたいんだが。

 

「では、ストーンバッジを掛けて我がジムリーダーとポケモンバトルをしますか?」

「ええ、よろしくお願いします」

「わかりました!」

 

 ジムトレーナーの1人がスマホみたいな端末で電話をかけ。数分後に二十代前半くらいのロングカットでスーツ姿の女性が現れた。

 

「まさか朝1発目に試験を突破されるなんてね」

「申し訳ありませんジムリーダー代理」

「別にいいわよ」

 

 面白そうに笑う金髪縦ロールの女性、カナズミジムのジムリーダー代理のロカさん。彼女はひとしきり笑いコチラを見た。

 

「貴方がウチのジムトレーナー相手に無双した子ね」

「まあ、はい」

「なるほどね」

 

 フィールドに立ったロカさんはモンスターボールを手に取った。まるで余計な言葉はいらないと言っているようだ。

 

「さあ始めるわよ」

「よ、よろしくお願いします!」

 

 さっきとは打って変わり互いに真剣な表情になる。そして、審判の合図と共にポケモンを繰り出す。

 

「いきなさいイワーク!」

「ゴオォ!」

「頼むぞルナ!」

「ルルッ!」

 

 相手が繰り出したのは岩蛇ポケモンのイワーク。設定ではポッポ並の攻撃力と馬鹿にされていたが、ゲームの剣盾では初見殺しとして扱われていた。

 そのおかげ……うん、実際に見るとでかいな!?

 

(本物はやばいな)

 

 見た目だけで威圧感がすごいので逃げたくなるが、ウチの子はやる気満々で相手を睨んでいた。

 

「では、バトル開始」

「イワーク、いやなおと!」

「ゴオォ!!」

「!? ルナ、チャームボイス!」

「ルル!!」

 

 向こうの初手はコチラの防御を下げる『いやなおと』だが、これは予想出来たので『チャームボイス』で打ち消していく。

 

(てか、押してないか?)

 

 音がぶつかり合っているが、ルナの『チャームボイス』がイワークの『いやなおと』を押し除けた。

 その結果、相手のイワークはダメージを受けたのか苦しそうな表情を浮かべる。

 

「ぐっ、まだまだ! イワーク、がんせきふうじ!」

「イワァ!」

 

 音の押し合いでは不利と思ったのか、ロカさんは『がんせきふうじ』を指示。イワークは空中に大きな岩を生成してコチラにぶつけようとしてくる。

 

「ルナ、テレポート!」

「キルッ」

「えっ!?」

 

 岩に押しつぶされる寸前、ルナは『テレポート』を使い回避。イワークの後ろに回り込んで至近距離で『チャームボイス』を浴びせた。

 

「こおぉ!?」

「イワーク!」

 

 タイプ相性では等倍だが、至近距離で攻撃を受けたイワークは後方に吹き飛んでいく。

 

(え? チャームボイスってこんなに強い技か?)

 

 ゲームでは序盤で覚える技でそこまで威力が高くないはず。だがタイプ一致とはいえ、イワークが吹き飛ぶほどの威力がある技。

 ……うん、考えるのはやめよう。

 

「ルルッ♪」

「よ、よし! ルナ、トドメのねんりき」

「キルル!」

 

 相手が動けなくなったタイミングで『ねんりき』を使い、地面に落ちている岩を浮かせて相手にぶつけた。

 

(なんかエグい)

 

 ルナがすごいやる気なのはわかっていたが、複数の岩を軽々浮かせてイワークにぶつけまくっている。その時点で上位互換の『サイコキネシス』に見えるのは気のせいだろうか?

 

「イワワァ……」

「イワーク、戦闘不能!」

「ぐっ! まさかこんな簡単にイワークを攻略されるとは……」

 

 岩を散々ぶつけられて目を回すイワーク。ロカさんは少し驚きながらポケモンをボールに戻した。

 

「ルルゥ♪」

「うん、すごいな」

 

 圧勝できた嬉しさでクルクル踊っているルナを見て思わず頷く。すると……ロカさんは何を思ったのかスーパーボールを手にした。

 

「君達の強さに敬意を表してランクを上げるわ」

「え? それってありなんですか?」

「普通は無しだけど実力がある子にはありなのよ」

 

 もちろんジム戦は君達の勝ちになるが、と笑っているロカさん。まあ、バッジとかもらえるならいいのか?

 俺は頭に疑問符を浮かべていると彼女は、先ほどよりも気合の入った投球フォームでボールを投げた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。