丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月8日、15時43分。
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 今回はバトルシーンなので描くのは大変でしたが、よろしくお願いします!


32話・VSルージュ

 俺が繰り出したのはお馴染みのサーナイトことルナ。対するルージュが繰り出してきたのはメガストーンを装着したバシャーモだった。

 

(だよな!)

 

 前にエルさんからルージュはバシャーモをエースとしていると聞いていたので、俺は少し安心しながら相手を見る。

 

「ボクのバシャーモを見てもそこまで表情が変わらないんだね」

「まあな」

 

 このまま軽口を叩き合ってもいいが、審判さんはコチラを一瞥して堂々と宣言した。

 

「それでは、バトル開始!」

「いくぞルナ!」

「ええ、数日ぶりだけど油断せずいくわ!」

 

 俺とルナは気合いを入れているとルージュの赤い瞳がいきなり光を発し、それと同時にバシャーモの体が赤く発光した。

 

「悪いけどボクもアゲていくよ!」

「バシャ!」

「手始めにバシャーモ、かえんほうしゃ!」

「バァシャ!!」

「!? ルナ、まもるだ!」

「ええ!」

 

 まるでビームのような炎を口から放つバシャーモに、こちらは安定の『まもる』を発動。

 したのはよかったが……。

 

「ぐうぅ、なんて威力なの!」

 

 ルナが貼った『まもる』のバリアは相手の『かえんほうしゃ』に耐えているがところどころヒビが入る。

 

「へえぇ、ボクのサイドスキルで火力が上がったバシャーモの攻撃を防ぐなんてね」

「サイドスキルだと!?」

「そう! でも細かくは教えないよ!」

 

 炎を吐き終わったバシャーモはブンブンと拳を振りながら睨みつけてきた。というか、少なくとも相手の方がレベルが上なので俺は冷や汗を流す。

 

「ならこっちも! ルナ、サイコキネシス!」

「わかったわ!」

「!? なるほど!」

「バシャ!?」

 

 今度はこっちから動き、ルナが瞳を光らせてバシャーモを拘束。そのまま空中に打ち上げ後、思いっきり地面に叩きつけた。

 

「これでどうだ」

「有効な手だけどその程度じゃボクのエースは倒れないよ!」

「バシャ!!」

「なっ! アタシのサイコキネシスが!」

 

 このまま『サイコキネシス』を使い戦闘不能まで持って行きたかったが、相手は拘束を振り払い余裕そうに立ち上がった。

 

「そろそろ互いに小手調べはいいよね」

「!? そうだな」

 

 相手のバシャーモの腕にはバシャーモナイトが付いており、コチラもサーナイトナイトがついたブレスレットが首に装着されている。

 なので俺とルージュは互いにキーストーンに触れて叫ぶ。

 

「真紅の炎を纏い新たな姿になれ! メガ進化!!」

「バシャァ!!」

「我が道を照らす未来回路よ、俺達を導く光となれ! メガ進化T!!」

「はあぁ!!」

 

 互いのポケモンは光を発した後、ルージュのバシャーモは先程よりも筋肉質となったメガバシャーモにメガ進化。

 対するコチラらは前と同じく、ツインテールに動きやすい服装に変化したメガサーナイトTにメガ進化した。

 

「なるほど……。君達に余裕がある理由はそれだったんだね」

「まあ、そうだな」

「フフッ、楽しめそうだよ」

 

 獰猛な笑みを浮かべた彼女に若干引きながら、俺はルナに指示を出す。

 

「いくぞ! ルナ、ムーンフォース!」

「これでも喰らいなさい!」

「そうはいかない! バシャーモ、まもる!」

「バシャ!」

 

 コチラが放った『ムーンフォース』を相手はバリアを展開して防いだ。そして、そのタイミングでバシャーモの体が光った。

 

「よし! バシャーモ、ブレイズキック!」

「バッシャ!」

「ルナ!」

「わかっているわ!」

 

 先程と同じく『まもる』を展開して攻撃を防ごうとするが、バシャーモの炎を纏った蹴りが当たった瞬間に大きなヒビが入った。

 

「「なっ!?」」

「! もう1発!」

「バシャ!」

「ぐうう!」

 

 2度目の『ブレイズキック』を受けたバリアはパリンと割れて、威力が落ちた回し蹴りがルナにヒットする。

 でも彼女は後ろに飛んで威力を逸らしたのでそこまでダメージはなかった。

 

「まもるが破壊された……」

「? 逆にボクは1発目で破壊するつもりだったけどね」

「ハッ! そうかよ」

 

 ヒリヒリするバトルに汗が出てくるが、ルナは余裕そうに立ち上がったので頬を叩いて気合いを入れ直す。

 

「いくぞルナ!」

「! ええ!」

 

『まもる』が破壊されたのは予想外だが、ルナを信じて俺は前に進む。

 

「ムーンフォース!」

「はあぁ!」

「その手は食わないよ! バシャーモ、まもる!」

「バシャ!」

 

 先程と同じくピンクの球体をバリアで防ぐバシャーモだが、ルナはニヤッと笑った。

 

(ここだな)

 

 大体の攻撃はノーダメージで防げる『まもる』だが、もちろん弱点はあるのでそこを狙う。

 

「何を狙っているのかな?」

「それは、サイコキネシス!」

「! もう一度まもる!」

「バシャ!?」

 

 もう一度バリアを貼ろうとしたバシャーモだが、不発したか何も発生せすコチラの『サイコキネシス』を防げなかった。

 

「そうか! まもるは連続で使うと失敗しやすくなるから」

「ああ、その隙を狙ったんだよ!」

「やるね」

 

 先程と違いかなりのダメージが入ったのか、バシャーモはフラフラになりながら立ち上がった。

 というか効果抜群なのに耐えきられたんだが……。

 

「流石にきついけど! まだ!」

「バシャ!!」

「だろうな!」

 

 互いにヒートアップするバトルにジムトレーナー達は目を光らせながら見ていた。

 

「あたしも熱いバトルをしたい!」

「そうだ! って、なんでオレは忘れていたんだ?」

「そりゃ、あの子のスパルタ指導がしんどかったからよ!」

「言えてる!」

 

 言い方はともかくカラカラと笑っているジムトレーナー達。

 だがぶっちゃけソッチを気にする余裕はないので、この先の展開を頭の中で組み立てる。

 

「ココで決める! バシャーモ、かえんほうしゃ!」

「バァシャ!」

 

 先ほどよりも強い炎を吐き出したバシャーモだが、俺は振り向いてきたルナに頷き一言。

 

「ルナ、テレポートからのサイコキネシス!」

「ええ!」

「!?」

 

 卑怯かもしれないが『テレポート』で相手の攻撃を回避して相手に『サイコキネシス』をぶち込むが、ルージュは拳を握り大声で叫ぶ。

 

「バシャーモ! でんこうせっか!」

「バシャャ!!」

「!? この速さはなに!?」

 

 先程と同じく拘束を振り解いたバシャーモは目にも止まらない速さでルナに近づき、彼女を右拳で殴り吹き飛ばした。

 

「ルナ!」

「これくらい大丈夫よ!」

「だろうね。でもこれで接近できたよ!」

「「!?」」

「バシャーモ、ブレイズキック!」

「バシャ!!」

 

 コチラが『まもる』を展開する前に特性『かそく』で素早さが大きく上がったバシャーモの『ブレイズキック』がルナに直撃した。

 

「ぐうぅ!?」

 

 ルナは腕を交差させて相手の攻撃をガードしたが、ルージュのスキルも含めてかなりの威力なのか大きく吹き飛び地面を転がる。

 

「な、なんて威力なの!」

(サイドスキルとメガバシャーモの特性とかきついな)

 

 このままだと敗北が見えてくるがこのまま負けたくない。俺はなんとか立ち上がるルナを見て、少し賭けに出る。

 

「ルナ、いけるか?」

「! もちろんよ」

 

 ルナもボロボロなのでこの1回が勝負。俺は覚悟を決めて相手を睨みつける。

 すると、ルージュも何か悟ったのか先程よりもいい笑みを浮かべた。

 

「互いにギリギリだから次が勝負だよね」

「そうなるな」

「……悪いけどボクが勝つ! バシャーモ、フルパワーのブレイズキック!」

「ルナ!!」

「ええ! クウヤの思考は読んだわ!」

 

 相手は特性の加速で限界近くまで素早さが上がっているので、小細工なしに突っ込んできた。

 この時、俺はルナになんの指示を出さなかったが彼女は理解してくれたのか笑う。

 

「これで終わりだよ!」

「バシャ!!」

 

 バシャーモが放つ高速の蹴り『ブレイズキック』だが、ルナは攻撃が当たる直前に『まもる』を発動。

 バキバキとバリアにヒビが入るが1発目は耐え切った。

 

「だけど、もう1発!」

「そうくるよな! ルナ!」

「ええ! テレポート!」

「バシャ!?」

 

 先程よりも勢いをつけた相手の攻撃を『テレポート』で回避。そして、至近距離で『ムーンフォース』を放つ。

 

「「これで終わりだ!!」」

「バシャ!?」

「バシャーモ!!」

 

 フェアリータイプの技である『ムーンフォース』は炎・格闘タイプのバシャーモには等倍だが、渾身の一撃は相手の背中に直撃した。

 

(どうだ!)

 

 今はこれ以上の作戦は思いつかなかった。

 それにルナもフラフラなので次のチャンスがあるか……俺はドキドキしていると地面に倒れたバシャーモのメガ進化状態が解けた。

 

「バシャーモ戦闘不能、サーナイトの勝ち!」

「……」

「!? やったわクウヤ!!」

「あ、あぁ!」

 

 審判の言葉を聞いて一瞬固まってしまったが、ルナが勢いよく抱きついてきたので倒れ込みながらでも受け止める。

 

「てか、その腕……」

「この程度なら唾でもつければ治るわ!」

「そうか!」

「あ、それよりも後でお願いね」

「わかった」

 

 ルナは俺の顔を近づけた後、ぺろっと舌で耳を舐めた。

 うん、だから俺は耳が弱いんだが……。

 

(まあでも!)

 

 ルージュがバシャーモをボールに戻していたので俺達も立ち上がる。てか、周りの生暖かい目を見て苦笑いで頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

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