丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

39 / 87
 10月9日。
 お気に入り登録551件、しおり283件、感想24件。感想ありがとうございます!


33話・VS伝説

 エース同士の勝負は、ルナに軍配が上がり俺はルナを褒めまくった。

 その結果、彼女は嬉しそうにしながらバトルフィールドの外に出て一言。

 

「頑張りなさいよ」

「ああ!」

 

 ルナに軽く背中を叩かれて気合いを入れた後、俺はシズクが入っているボールを手に取る。

 

「じゃあ次は」

「伝説のポケモン同士の勝負だね」

「そうだな」

 

 バトルに戻り、俺は先程よりも強い緊張感を感じながらシズクのボールを投げる。

 

「ゴー、シズク!」

「やっほー、シズクちゃんの登場ッス!」

「エンテイ!」

「やっと我の出番か!」

 

 カカカっと笑う大柄で赤い着物を着た女性。彼女はエンテイが擬人化した姿でかなり迫力がある。

 

「あー、ダンナ! エンテイの方が伝説の貫禄があると思ったッスね」

「……ノーコメントで!」

「ううっ! 後で覚えておくッスよ」

 

 シズクはジト目でコチラを見てきたので俺は目を逸らした後、審判さんが改めて大声で宣言した。

 

「では、バトル再開!」

「シズク、ハイドロポンプ!」「エンテイ、せいなるほのお!」

「はあぁッス!」「飛ばすぜ!」

 

 シズクが放つ『ハイドロポンプ』とエンテイが放つ『せいなるほのお』がフィールドの中央でぶつかり水蒸気が舞う。

 

「なるほど! お前の腕は落ちてないようだな!」

「自信満々に言うなッス!」

 

 水技と炎技なのでぶつかり合いはコチラに軍配が上がったが、向こうは軽々『ハイドロポンプ』を回避した。

 

「なら! シズク、あまごい!」

「! 了解ッス!」

「!? エンテイ!」

「ああ、こっちもにほんばれ!」

 

 伝説のポケモンが放つ天候変化技がぶつかり合った結果、雨雲の横に強い日差しを放つ球体が複数個現れた。

 うん、これはどゆこと?

 

「よくわからないがシズク、一気に攻めるぞ!」

「はいッス!」

「マスター!」

「わかっている! サイドスキル発動!」

「よっしゃあ!」

 

 シズクが『しんそく』を使って相手を吹き飛ばすが、ルージュは自身のサイドスキルを使いエンテイを強化した。

 

「これくらい屁でもないぜ!」

「ぐっ、あんまり効いてないのか」

「この程度で倒れるなら伝説と名乗ってないッス!」

 

 向こうが腕を回しながら立ち上がるのを見たシズクは仕切り直しをするように後退した。

 

「次はボク達の番だね」

「派手にいくぞマスター!」

「うん。エンテイ、もう一度せいなるほのお!」

「オオオ!」

「!? シズク、ハイドロポンプ!」

「ッス!」

 

 最初の時と同じく大技の撃ち合いになったが、相手は強化さているので互いの技が相殺された。

 

「「ぐうう!」」

 

 先程よりも大きな爆発が起きて水蒸気が空中に舞う。

 

(これが伝説の本気か……)

 

 俺は冷や汗を流していると、水蒸気が晴れてきたのでフィールド内に視線を戻す。

 するとシズクとエンテイが何故か真っ向勝負の殴り合いをしていた。

 

「これでも食らえッス!」

「うぐっ! 負けるか!」

「「……え?」」

 

 俺とルージュは互いに目を点にして状況を確認するが、やっぱりシズク達は殴り合っていた。

 

「この大雑把女!!」

「なんだとこのぶりっ子!」

 

 もはや技を使わずに己の拳だけで攻撃しあっている2人。

 なんと言うか青春だな、と思っていると互いの顔にクロスカウンターが入り同じタイミングで倒れた。

 

「「ぐふっ!!」」

「……スイクン、エンテイ、互いに戦闘不能!」

 

 なんとも言えない雰囲気になりながら俺はシズクの元に駆ける。

 

「お、おい大丈夫か?」

「ダンナー!!」

 

 シズクは半泣きで抱きついてきたのでルナの時と同じく抱き止める。

 すると、彼女は俺の胸に顔を押し付けながら背中に腕を回した。

 

「やっぱりこれがいいッス!」

「そ、そうか(汗)」

 

 ふと威圧感を感じて振り向くとルナがすごい形相で睨んできたので、俺は冷や汗をダラダラ流す。

 

(ヤベェ……)

 

『あまごい』の影響で地面がドロドロ。その結果、俺が着ている服は泥まみれになっている。

 ……と、全く違うことを考えて現実から目を逸らすしかできなかった。

 

 ーー

 

 ルージュとのバトルから1時間後。

 ポケモンセンターで仲間達の回復と汚れた服の洗濯などをこなした後、ジムに戻ってくると……。

 

「クウヤ君とルージュさんのバトルはすごかったよな!」

「ええ、伝説のポケモン同士のガチンコファイトも良かったわ」

「その前のメガ進化対決も良かっただろ」

 

 フエンジムのジムトレーナー達は俺とルージュのバトルを見て盛り上がっていた。

 その結果、先程とは比べ物にならないモチベーションで鍛錬を進めている。

 

(す、すごいな)

 

 彼ら・彼女らを尻目にジム内にある会議室に戻ると、美女が3……クレアさん、ルージュ、アスナが席に座っていた。

 

「えっと、お待たせしました」

「お疲れさまー」

「お疲れ様です」

 

 アスナとクレアさんが軽く頭を下げてきたのでコチラも会釈すると、ルージュは悔しそうな表情を浮かべながら言葉を口にした。

 

「今回のバトルはボクも勉強になったよ」

「それは良かった」

「ただ、次はボクが勝つ!」

 

 強い視線を受けた俺は口元が綻ぶのを感じ、内心で少し驚きながら返答する。

 

「悪いが次も俺が勝つ」

(ハハッ、俺も変化したな)

 

 卑屈でネガティブだった俺が……。

 昔の自分を思い出して微妙な気持ちになりながら、当てられた席に座りこれからの会議を進める。

 その結果、監査前日でなんとか付け焼き刃が出来たので俺達はホッとしながらリーグ構成員を待つだけになった。

 

 余談

 

 泊まっている旅館で寝ていると、シズクとルナに耳を甘噛みされたり不満を覚えたレールに布団に潜られたりした。

 その結果、みんなで集まって寝る羽目になり俺はなかなか寝付けなかった。

 

 

 

 




 10月9日、20時11分。誤字脱字報告ありがとうございます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。