丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月10日、16時01分。
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34話・監査

 ポケモンリーグ・ホウエン本部から監査員が来る日。

 アスナやジムトレーナー達はもちろんルージュも表情が固まっていたので微妙に笑えた。

 

(俺もめっちゃ緊張しているけどな!)

 

 気を抜いたら倒れ込みそうだがなんとか持ち堪えていると、門番をしていたジムトレーナーから連絡が入る。

 

「ジム監査員の方が到着されました!」

「は、はい!」

 

 ガチガチに震えているアスナの元に、ジム監査員の方が現れた。……ん?

 

「えっ!? じっちゃんとジョーイさん?」

「久しぶりじゃなアスナ」

(マジか!)

 

 現れたのはアニメで見た事のあるアスナの祖父であるムラさん。

 その隣にはスーツを着ているがピンクのサイドテールをした女性、ジョーイさんが現れたのは。

 

「わたしは元ポケモンセンターで働いていたジョーイですが、今はジム監査員のジョーイ・ルカです」

「そ、そうなんですね」

「ややこしいのでわたしの事はルカで大丈夫です」

「わかりました!」

 

 ジョーイは苗字らしく、ルカと名乗られた女性は無表情で周りを見た。

 

(品定めしている感じだな)

 

 気持ち悪く感じるがここで印象は落としたくないので苦笑いを浮かべておく。

 するとルカさんは一言。

 

「まずはジムリーダーの貴女に1対1のジム戦を挑みます」

「!? それって!」

「ええ、貴女の本気を見させていただきますね」

 

 いきなりの展開で驚くがバトルする事自体は想定内。

 そのためアスナもなんとか立て直してルカさんをバトルフィールドに連れて行く。

 

「大丈夫かの?」

「さあ? ここまできたらアスナを信じるしかないよ」

「ほう、ルージュも久しぶりじゃな」

「そうだねお爺ちゃん」

 

 ムラさんは不安そうにアスナを見つめているが、ルージュと出会った事で表情が少し崩れた。

 

「久しぶり会う孫は癒されるのう」

「それならもっと早く帰ってきてよ」

「ハハッ、ワシもそうしたかったがリーグに呼ばれて帰れなかったんじゃよ」

「なるほどね……」

 

 互いに言葉のキャッチボールをしており、会話を聞いている限りは楽しそうだ。

 

(さてと俺も行きますか)

 

 このままだと邪魔になると思ったがルージュがコチラを向いた。

 

「そういえば彼の紹介をしてなかった」

「うん? あそこにいる少年か」

「そう」

 

 このタイミングでか……。

 俺は笑いを浮かべているとムラさんがニッコリと笑い近づいてきた。

 

「初めましてじゃな」

「ええ、初めましてクウヤと言います」

「ホホッ、ワシはムラじゃ」

 

 ムラさんと握手するといきなり目が鋭くなりルージュの方に振り向いた。

 

「のうルージュ、彼ってもしやお主の恋人かの?」

「!? そ、そんなんじゃないよ」

「ではどう言う関係じゃ?」

「うーん、ライバル?」

「ちょ!? そこで俺の方に向くな」

 

 頭に疑問符を浮かべる彼女に思わす突っ込むとムラさんが笑い始めた。

 

「なるほどのう。確かにお主ら2人は相性が良さそうじゃな」

「ええ……」

「ブイ」

「お前な」

 

 相性の話はルージュからも聞いたが、このままだと俺が振り回されるだけなので話を変える。

 

「あのアスナさんとルカさんのバトルを見に行きませんか?」

「そうね」

 

 俺はムラさんから手を離した後、3人でバトルを見に行こうと提案するが。

 

「おそらくじゃがもうバトルは終わっているぞ」

「「え?」」

 

 この一言を聞き俺とルージュは急いでバトルフィールドに行く。

 するとアスナのコータスがルカさんのバンギラスに手も足も出ずに敗北した姿が目に入ってきた。

 

「そ、そんな……」

「ムラさんの孫娘だから少しはやると思ったけど」

(マジかよ)

 

 相性ではバンギラスの方が有利なのは仕方ないが、見た感じ数一つなかったので差が激しいみたいだ。

 

「ほら言った通りじゃろ」

「! ええ」

 

 この状況を予想していたムラさんはゆっくりとコチラに歩いてきた。というよりもこの人の狙いがわからない。

 

(それはさておき)

 

 ルカさんは次にジムトレーナーの実力を測っていたが、彼女は眉ひとつ動かさずに冷静にバトルをしていた。

 

 ーーー

 

 3日後。

 フエンジムのジム監査が終わり、その結果は。

 

「正直に言えば赤点スレスレですね」

「それって?」

「閉鎖はしませんが追加指導が必要になるレベルと言えばわかりますか?」

「!! じゃあ!」

「ええ、ギリギリですが存続できます!」

「やったあ!!」

 

 付け焼き刃だったがなんとかセーフ。

 俺はほっとしたのか思わず腰が抜けていると、感極まったアスナに抱きつかれる。

 ちょ、その胸は!?

 

「クウヤありがとう!」

「ちょっ!? 周りを見ろ!」

「え? あ……」

 

 周りからの生暖かい視線とルージュの絶対零度の睨みつけを受けたアスナだが何故か俺の体を離さない。

 すると、ルージュが幽霊のようにコチラに歩いてきてアスナの肩を叩いた。

 

「ねえアスナ。これからお話をしましょう」

「え、ルージュ?」

 

 ゴゴゴと効果音がついているので俺はダラダラと冷や汗を流していると、アスナはルージュに連れられて行った。

 

「ホホッ、お主は我が孫娘に懐かれているのう」

「そうかもですが心臓に悪いですよ」

「じゃろうな」

 

 カッカッカッと大声で笑うムラさんに俺は苦笑いを浮かべる。そしてフエンジムの指導にあたるのは元ジムリーダ件元四天王のムラさん。

 ある意味身内なので安心できると思い俺はフエンジムを出ようとしたが……。

 

「あ、ジム戦を忘れていた(汗)」

 

 フエンジムに来た目的を思い出してUターン。

 何故か知らんがそのままジム戦を行い(代理の人と戦い)ジムバッジをゲット。

 そのまま宴会に巻き込まれて俺は周りと共に朝まで祭り気分で楽しんだ。

 

 追伸

 

 朝、部屋についている個室温泉に入るとルナ達が乱入してきたのでめちゃくちゃ焦った。

 なので今度は鍵を閉めようと思ったがルナの『ねんりき』で開けられるので無駄だと察して諦める。

 

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