丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月11日。お気に入り登録564件、しおり289件、感想25件。皆様ありがとうございます!


35話・原作の姿

 色々問題が起きたフエンタウン。

 俺はエルさんやキンセツジムから来てくれたクレアさんに挨拶した後、次のジムがあるトウカシティに向かって進み始めた。

 

(ただな……)

 

 ゲームなら『そらをとぶ』でトウカシティまで飛べるが、俺達は飛行タイプのポケモンを持ってないので使えない。

 なのでルナに頼んで『テレポート』を使い、カナズミシティのポケモンセンターまで転移する。

 

「ここが偶に話に出るカナズミなんスね」

「クチチィ(大きな街だな)」

 

 カナズミシティは大企業・デポンコーポレーションがある街で、レールとシズクは興味深そうに周りをキョロキョロしていた。

 

「ゆっくり観光したいッスね」

「確かに最近は忙しかったしやっぱりしたいのは同意」

「ええ、なら行きたいところがあるわ」

「クチチィ(行きたいところ?)」

 

 どこか行きたいところがあるのか、俺達はルナに連れられてある場所に向かう。

 そこは複数のアイスが売っている屋台で何人か人が並んでいた。

 

「お姉さん、モモン味とクラボ味のアイスを2個ずつください」

「承りました! え? サーナイトが喋っている!?」

(またか)

 

 店員のお姉さんはルナが話すのに戸惑っていたが、俺が財布からお金を渡すと冷静になりアイスをコーンに乗せた。

 なので俺達はアイスを受け取り近くのベンチに座って食べ始める。

 

「お、おいしいッス!!」

「クチチィ(うまい)!」

 

 モモン味のアイスを口にして可愛い顔をしている2人を尻目に、俺とルナはクラボ味のアイスを口にする。

 

「前はモモン味だったけどクラボ味もおいしい」

「そうね。そうなると次は何を選ぼうかしら?」

「まあ、味の種類は色々あるし悩むな」

「そりゃそうよ」

 

 俺達4人は、ベンチに座りながらのんびりとアイスを食べ続ける。

 

(久しぶりにゆっくりした気がする)

 

 最近はキンセツ学園やフエンジムの件で忙しかったので、ゆっくりする時間が少なかった。

 

「ふふっ、クウヤもリフレッシュできているみたいね」

「ん? なんか言ったか」

「いや、なんでもないわ」

 

 ニコニコ笑いながらコチラを見るルナに俺は疑問符を浮かべる。まあ、悪い感じはしないので俺はスルーしてコーンに齧り付く。

 

 ーーー

 

 アイスを食べ切ったので俺達は少しゆっくりした後、カナズミシティをブラブラと歩いているとある場所に到着した。

 

「ここに来るのも久しぶりね」

「そ、そうだな(汗)」

 

 目の前の建物……カナズミジムを見て俺は苦笑いを浮かべる。

 

(苦笑いしかできねぇ)

 

 このままジムの近くにいても仕方ないのでどうする悩んでいると、シズクとレールは興味を持ったのか俺の腕を引っ張ってきた。

 

「ダンナ、ここのバッジは持っているんスか?」

「ああ、ここは持っているぞ」

 

 リュックからバッジケースを取り出して見せると、2人は残念そうな表情を浮かべる。

 まあ、カナズミジムは俺とルナが2人で攻略したジムだから出会う前のこいつらは知らないよな。と記憶を掘り返していると1人のトレーナーがジムの中から出……ん?

 

(どこかで見た顔だな)

 

 リボン結びのバンダナに上着がキャミソール風、ショートパンツにスパッツを履いた少女。 

 ……ってああ!?

 

「嘘だろ……」

「く、クウヤ、なんか固まっているけど大丈夫?」

「ちょっ、いきなりどうしたんスか!」

「クチチィ(謎だな)」

 

 仲間達が何か言っているが反応する余裕がない。俺はそのまま固まっているの耳に息を吹きかけられる。

 

「ひうっ!? な、なんだ!」

「あ、やっと反応したわね」

「反応? ああ、俺は固まっていたんだな」

 

 なんとか復活したので首を振って立て直していると、レールが心配そうに声をかけてきた。

 

「クチチィ(それで何があったんだ)?」

「それは……ここじゃ話せないから場所を変えてもいいか?」

「ええ、わかったわ」

「ッス!」

 

 ある意味予想できた事だが、俺は戸惑いながらルナ達と共にジム前から離れていく。

 

 ーー

 

 良さそうなカフェがあったので中に入り席に座る。そして店員さんに注文した後に俺が固まった理由を話し始める。

 

「それで固まった理由だが」

「「理由だが?」」「クチィ(理由だが)?」

「人違いではなければ彼女はこの地方の主役なんだよ」

「「……は?」」「クチ(……は?)」

 

 自分でも言葉が足りてないのはわかるが、どうやって説明すればいいかわからない。

 そのためルナ達の目が点になっており、俺は運ばれてきたサイコソーダを飲みながら言葉を返す。

 

「彼女ともう1人がどう動くかでホウエンの未来がどうなるかのレベルだな」

「えっとつまり、クウヤは彼女の事を知っているのね」

「まあな」

「……ちなみに聞くッスが彼女が主役ならどうなるんスか?」

「石の洞窟に書かれていた壁画が本当に起こる」

「!? クチィィ(あの壁画って落書きじゃないのか)!」

「壁画ッスか?」

 

 石の洞窟にある壁画を知らないシズクに俺は顔を青くしながら説明する。

 

「端的に話すが壁画には伝説……ホウエンを滅ぼせるレベルのポケモンが描かれていたんだよ」

「伝説? それってウチよりも強いッスよね」

「正直に言えばそうだな」

「! それでクウヤは顔が死んでいたのね」

 

 俺がくたばっていた時の顔を思い出したのかルナが頷き、残り2人も真剣な表情で耳を傾けてくれた。

 

「クチチィ(でもそれってご主人の妄想じゃないのか)?」

「……俺の妄想なら何倍もよかったよ」

「そうなるとあの壁画の事が起きるのね」

「確定とは言わないが確率は高い」

「ちなみにその伝説ポケモンの名前はなんスか?」

 

 ここでシズクが不安そうに質問してきたので俺は素直に答える。

 

「陸地はグラードン、海はカイオーガ、そして天空はレックウザだ」

「!? 3体もいるんスか!」

「ああ、しかもレックウザはともかく前者の2体の仲がクソ悪いんだよ」

「それって伝説のポケモンの争いにここが滅ぼされるのね」

「確定ではないが可能性はあり得る」

「クチチィ(マジかよ)」

 

 みんなからすれば俺の作り話としか聞こえないはずだが、真面目に聞いてくれるのでありがたい。

 なので俺は、サイコソーダのおかわりを頼みながら自分の知っている限りのことを話し続ける。




 10月11日、21時35分。誤字脱字報告ありがとうございます!
 10月12日、21時17分。誤字脱字報告ありがとうございます!
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