丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月12日、16時03分。
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36話・無力な少女

 太陽の日が落ちた夜。

 俺達は喫茶店で夜ご飯を食べた後。ポケモンセンターに向かって歩いていると、緑色のバンダナをつけた一団を見つけた。

 

「おいおいまさか……」

「クチチィ(あいつらは)!」

「! スカイ団ね」

「ん? あの、みんなが言ってるスカイ団ってなんスか?」

 

 スカイ団の事を知らないシズクに俺達は説明すると、彼女は腕をブンブン振りながら緑バンダナの一団を睨みつける。

 

「そんな事があったんッスね!」

「とりあえず岩の洞窟の件とかでやり返したいが……」

「あの規模だとアタシ達だけじゃ難しいわね」

 

 それに証拠がないのでこのまま叩き潰してもコチラが悪くなる。

 俺らは歯軋りしながらスカイ団の団員を睨んでいると、デポンコーポレーションの方から大きな爆発音がした。

 

「なっ! マジかよ!」

「!? みんなアタシに捕まって!」

「クチチィ(了解)!」

 

 カナズミシティの住民達がパニックになり始めたので俺達は固まった後、ルナのテレポートでポケモンセンターに避難する。

 そして中に入るがほとんどの人がアタフタしていた。

 

「おい、デポンの方で大爆発があったぞ!」

「警察は何をやっているのかしら!?」

「怪我人も出ているだろ!」

 

 爆発を起こしたのはおそらくスカイ団で、流れ的に狙いはデポンの何か……。

 俺は記憶を巡らせて思い出しているとある物が思い浮かぶ。

 

「もしかしてマスターボール……」

「!? それって!」

「マスターボール?」「クチィ(何それ)?」

 

 俺は予想をつぶやくとシズクが焦り始め、ルナとレールは頭に疑問符を浮かべていた。

 

「そのマスターボールってなんなのかしら?」

「クチィィ(なんか強そうなボールだな)」

「いや、強いどころじゃないッスよ」

「そりゃ最強のボールだからな」

「2人で完結しないで説明してよね!」

 

 ルナが微妙にイライラしてそうなので、シズクと俺は互いに目を合わせた後に言葉を口にする。

 

「「どんなポケモンでも捕まえられるボールだ(ッス)」」

「は?」「クチィ(は?)」

「固まっているようで悪いがそのままの意味だぞ」

「待って!? それじゃあ伝説のポケモンも捕まえられるの?」

「そうッスよ! てかそのせいでサンダーが捕まっていたッス!」

 

 マスターボールでサンダーを捕まえたトレーナーがいるのかよ!?

 俺は思わず突っ込みたくなったがそれはさておき。

 

「もうなんでもありね」

「クチチィ(てか反則すぎるだろ)!?」

「まあ、そのせいで生産がほとんどされてないけどね(汗)」

「逆にそのマスターボールが大量生産されていたらやばいわよ!?」

「そりゃそうッス!」

 

 彼女達のまともな突っ込みに頷いていると、ポケモンセンターの入り口がいきなり爆発した。

 

「きゃあぁ!」

「なっ!?」

「う、嘘だろ!」

 

 入口の方を見てみると真っ赤な仮面と緑のバンダナをつけた一団が、凶悪なポケモンを従えながら現れた。

 

「おいおい、まともなトレーナーはいなさそうだな」

「そうですね隊長」

 

 隊長と呼ばれた筋骨隆々の男性(予想)には、メガストーンをつけたスピアーとリングマが控えており威圧感が凄い。

 

(流石にマズイな……)

 

 相手の迫力に周りのトレーナー達はビビっているが、勇気を持って立ち向かう少女がいた。

 

「あ、貴方達! ここはポケモンセンターなのよ!」

「それがどうした? オレ達の仕事はここを抑える事だぞ」

「何ですって!」

 

 足がガクガクと震えているがモンスターボールを手にして相手を睨む。すると敵の一団は彼女を嘲笑うように手持ちのポケモンを繰り出してきた。

 

「ゴルバット!」

「ニドクイン!」

「オオスバメ!」

「グラエナ!」

 

 中に入ってきたのは隊長を含めて10人。彼らが持つ手持ちのポケモンはそこそこ鍛えられており質も良さそうだ。

 

(ここは様子を見た方がよさそうだな)

 

 もし余計な事をして被害が大きくなるとやばいので固まっていると、隣にいるルナが耳元で話しかけてきた。

 

「あの程度ならアタシだけでも勝てるけど動くの?」

「動きはするがタイミングを狙う」

「わかったわ」

 

 俺の言葉を耳にしたルナはテレパシーを使いレールとシズクに伝達。彼女達もコチラを見て頷いたので俺も軽く返した後に前を見る。

 

「このメンツにお前1人で立ち向かうのか?」

「! そうよ」

「ハッハ! その勇気は認めるが勝てるかどうかは別だぞ」

「それはそうだけど!」

 

 相手の隊長と話している……って、アイツは!

 

(よくよく見たらハルカじゃん!?)

 

 先程カナズミジムで姿を見たハルカ(仮)が1人で悪の組織(主観)に立ち向かっている。

 

「そうなるとやばい」

 

 原作ではないイベントでここでハルカが潰されるとストーリーが破綻する。そうなれば伝説のポケモンが暴れ回りホウエンは滅ぶ可能性が……。

 

(正直行きたくないし逃げたいが!)

 

 体がガクガク震えるが頬を叩いて気合いを入れあタイミングで、ハルカがワカシャモとキノココを繰り出す。

 ただ相手のポケモンと比べると申し訳ないが貧弱としか言えない。

 

「おいおい! そんな弱そうなポケモンで戦うつもりかよ!」

「勇気じゃなくて蛮行じゃないかしら?」

「さっさと倒して血祭りにあげようよ」

「「「だな!」」」「「「ええ!」」」

 

 相手はやる気満々で例えば主人公でも今の状況はハルカに勝ち目がない。

 だが彼女は震えながらも勇気を持って立ち向かった。

 

「み、皆んなを守るんだ!」

「シャモ!」「ココッ!」

「ハッハ、サービスだ! お前の相手はオレ1人でやってやる」

「の、望むところよ!」

 

 相手のリーダーVSハルカ(仮)のバトル。先手を取ったのは意外にもハルカだった。

 

「シャモはリングマににどげり! ココはスピアーにたいあたり!」

「シャモ!」「コココ!」

 

 ワカシャモは大きなクマみたいなリングマに対しても怯まずに『にどげり』を放つが相手は軽々と防ぎ、キノココの『たいあたり』はスピアーに軽く回避された。

 

「そんな!?」

「ハァ、この程度かよ! リングマはワカシャモにきりさく、スピアーはキノココにダブルニードル!」

「ガウゥ!」「スピィ!」

 

 ハルカのポケモンの技を軽く対処した後、隊長が手持ちに指示を出す。その結果……。

 

「ワカッ!?」「ココッ!?」

「わ、シャモ! ココ!」

「チッ、この程度で戦闘不能かよ」

「ううっ!」

 

 相手の攻撃1発で戦闘不能になるワカシャモとキノココ。ハルカは急いで2体をボールに戻すが、相手のスピアーは腕の槍をを構えたままだ。

 

「だが、勇敢に立ち向かってきたお前に敬意を表し、この一発で殺してやる」

「あ、あ……」

「やれスピアー!」

「スピィィ!」

 

 スピアーが膝をつくハルカに向かって『ダブルニードル』を繰り出し、確実に彼女の息の根を止める為に動く。

 そして、彼女の首筋にスピアーの槍が……。




 10月12日、17時36分。誤字脱字報告ありがとうございます!
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