丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
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スピアーの『ダブルニードル』がハルカ(仮)の首筋に迫るその瞬間……。
「ルナ!」
「ええ、わかっているわ!」
俺は大声で叫び、ルナは冷静に『サイコキネシス』を発動。彼女の首筋に槍が当たる寸前、スピアーの動きを止めた。
「なっ!?」
「!!」
先程まで1人で立ち向かっていた彼女は目からポロポロと涙を流している。俺は彼女に近づき軽く肩を叩いた後に一言。
「後は任せろ」
「は、はい!」
とまあ、かっこよく登場したのはいいがどうしよう……。
俺はノープランで動いた自分を、殴りたくなりながらルナ達にある指示を出す。
「ルナ、とりまスピアーを叩きつけろ!」
「そうね!」
「レールはつるぎのまい、シズクはめいそう」
「クチィ(了解)!」「ッス!」
「スピィ!?」
「! スピアー!!」
相手のスピアーはルナの『サイコキネシス』を受けて地面に叩きつけられて動かなくなった。
まあ、虫・毒タイプにはエスパー技は効果抜群なのと、スピアーの耐久力は低いのでワンパンできたみたいだ。
「す、すごい……」
「調子に乗らないで! グラエナ、かみつく!」
「グラァ!」
「待て!」
女性団員と思われる声を聞いたグラエナが『かみつく』を指示。
隊長の静止も聞かずに突っ込んできたので、俺は余裕を持ってレールに指示を出す、
「レール、じゃれつく!」
「クチィィ(よっしゃあオレの出番だぜ)!」
「グラァァ!?」
「ぐ、グラエナ!」
レールはグラエナをボコスカ殴るようにじゃれつき、相手は綺麗に吹き飛んでいく。
ちなみにグラエナは悪タイプで『じゃれつく』はフェアリー技。その為、相手には効果抜群なのと『つるぎのまい』で攻撃力が上がっているのでコチラも一撃。
(相性が良くて助かった)
敵のポケモンはある程度タイプが固まっているので、対処しやすいのでなんとか立ち向かえているが……。
「隊長!」
「わかっている! アイツは強敵だから気を引き締めていけ!」
「「「ハッ!」」」
隊長の号令で気合いを改めて団員達の視線がやばい……。
しかも戦闘不能になったグラエナをボールに戻した女性団員は、マタドガスを繰り出したので敵の数が減ってない……。
「グラエナの仇は取るわ!」
「おいおい、さっきみたいに突っ込むなよ」
「それくらいはわかっている」
「どうだか?」
向こうは軽口を叩いており、まだまだ余裕そうだ。
(というか数が多すぎる……)
このままだとジリ貧になる。
俺はそう思って冷や汗を流していると、隊長が何を思ったのかある指示を部下達に通達した。
「お前ら、アイツは強敵だが周りは雑魚だ! ならやる事はわかるよな」
「!! ポケモンセンターを破壊すればいいんですね!」
「その通りだぜ!」
(マズイ!)
ポケモンセンターには大勢の人や治療中のポケモンもいる生命線なので、破壊されると修復に時間がかかり治療も遅れる。
だがあの数の攻撃を防ぐ手段なんて……あるわ。
「仕方ない……ルナ、いくぞ!」
「! ええ!」
ここまできたら仕方ないので俺は腕につけているキーストンに触れ、ルナと共に口上を叫ぶ。
「「我が道を照らす未来回路よ、俺達を導く光となれ! メガ進化T!!」」
「!? なんだこの光は!」
「「「!?!?」」」
通常のメガ進化とは別の光を見た周りはかなり驚いているが、そんな事はお構いなくルナがメガサーナイトTに変化した。
「さあ、一気に叩き潰すぞ!」
「ええ!」「クチィ(ああ!)」「了解ッス!」
レールとシズクは自己強化しているしルナはメガ進化Tのお陰で能力が大幅に上がっている。
(これならいける!)
単純な手だが有効だと思っていると……。
「な、なんだあの姿は!?」
「あたしが知っているメガサーナイトじゃないわ!」
「い、一体!」
周りの人達のほとんどが目を点にしている気がするが、それはともかく。
俺は内心で突っ込みながら敵の一団を睨みつけると相手の隊長が笑う。
「まさかそんな奥の手があるなんてな」
「隊長! なんかやばくないですか?」
「笑ってないでピンチッスよ!」
「わかっている! だがな、強い相手との戦いは燃えるだよ!」
「「「ええ……(汗)」」」
周りの団員達が隊長の発言にひいているのがわかる。
そこに関しては俺は同情するが、敵は敵なので対処していく。
「とりあえずルナはサイコキネシス、シズクはじんつうりき!」
「はあぁ!」「これでも喰らえッス!」
「クチィ(ちなみにオレは)?」
「レールは俺達の護衛」
「クチィィ(わかったぜ)!」
先程グラエナを倒したので、相手に悪タイプはいないからエスパー技が通った結果。
「なっ!? う、嘘だろ!」
「オレ達のポケモンが全滅……」
「た、隊長!」
ルナの『サイコキネシス』で動けなくなるわ。シズクの『じんつくりき』で吹き飛ばされるわ。正直メチャクチャだが容赦するとやられるので手加減せずに叩き潰す。
(というか普通に倒してしまった)
主役の成長シーンをぶち壊した気がする……。
まあでもそんな事を気にしても取り返しがつかないので、俺はこのまま攻めようとするが。
「ただ目的は達した! お前ら、ここは一旦引くぞ!」
「「「ハッ!!」」」
「逃すか! っぐ!」
「煙幕!」
相手はポケットから煙玉を取り出して地面に叩きつけ、煙幕が発生して周りに煙が充満する。
(ここで逃したくないが)
今の状況では追いきれないので煙幕が張れるのを待つと、一団がいなくなっていたのでホッと一息をつく。
ーーー
あの後、警察が来て事情聴取や被害の確認が行われて俺が解放されたのは次の日の夜だった。
(やっと終わった)
ポケモンセンターの被害は入り口付近がほとんどで機材は無事。
トレーナーな看護師さん達もほぼケガがない。そのため、被害は最小限に抑えられたみたいだ。
なので、安心しながら夜ご飯を食べていると1人の少女が近づいてきた。
「あ、あの!」
「ん?」
緊張しているのか遠慮がちに声をかけられたので、俺は頭に疑問符を浮かべる。
すると彼女……ハルカ(仮)は目を輝かせながら話してきた。
「先程は助けていただきありがとうございます!」
「あ、いや、別に気にしなくてもいいよ」
「そんな!」
ガバッと頭を下げてきた彼女に俺は手を振ると、向こうは勢いよく頭を上げた。
(これが主役か)
レベルが高い美少女なので少しビビるが、不機嫌そうなルナに横っ腹を突かれた。
「なにデレデレしているの」
「デレデレよりも勢いに驚いているんだよ」
「ああ、確かに」
コチラの会話にハルカ(仮)は、少しアタフタしているのか視線を泳がせている。
まあ、俺の方も仲間や周りの視線が痛いので、彼女を連れて数日前に行った事のあるカフェに移動する。