丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月16日、16時06分。
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40話・vsダイゴ

 本題のツワブキ社長からの荷物が入った銀色のアタッシュケース。

 原作では手紙のみだったので荷物の内容は俺も知らないので、ダイゴさんが開けると中に入っていたのは……。

 

「紫色のモンスターボールが3つ?」

「ま、マジかよ」

「親父……こんな爆弾を彼らに持たせたのか」

 

 サファイアは頭に疑問符を浮かべ、俺は中身がある意味予想通りで固まり、ダイゴさんは天井を見上げた。

 3人とも違う反応をしているが最初に口を開いたのはサファイアだった。

 

「あの、師匠もダイゴさんもなんで固まっているんですか?」

「それは……」

「サファイアさんはともかくクウヤ君はこのボールが何がわかるんだよね」

「ええ」

「?」

「そうか、なら説明してもらってもいいかい?」

「主観でよければ」

 

 ダイゴさんの言葉に頷いた俺は、原作知識を混ぜながら説明する。

 

「その紫色のボールはマスターボール。通称最強のモンスターボールで野生のポケモンなら当たりさえすれば確実に捕まえられんだよ」

「!? それって言葉通りの最強じゃないですか!」

「全くもってその通りだよ!」

「ついでに言うとこのマスターボールは非売品で作るのには貴重な素材がいるんだよ」

「まあ、大量生産されたら大変なことになりますからね」

 

 ゲームではバグで大量に手に入れられるが、現実でそんな事をすれば環境が壊れる。

 なので制限はかかるのと思っていたが、目の前でそのマスターボールを見る事になるとは思わなかった……。

 

(やばすぎるだろ)

 

 表向きはなんとか返答しているが服の中は冷や汗ダラダラ。俺はこのまま帰りたいと思っていると……。

 

「手紙の内容的にはデボン本社で作られたマスターボールをボクに預けたいみたいだね」

「まあ、チャンピオンの手元にあれば安全ですからね」

「確かにそうだけど……」

 

 ダイゴさんは何か言いたそうに口元に手を置いている。まあ、いきなり特大の爆弾を渡されて驚いているのはありそうだ。

 

(なんか俺の語彙力もなくなってきた)

 

 元々そんなに高くない俺の語彙力だが想定外の問題にさらに低下。なので今でも会話が続いているのが逆に奇跡と思えてきた。

 

「何か引っかかる事があるのですか?」

「いや、なんでもないよ」

「?」

 

 どう見たって何か悩んでいるよう見える。ダイゴさんはわかりやすいのかと思っているとサファイアが突っ込む。

 

「あたし達でよければお手伝いしますよ」

「ん? あたし達?」

「そうか! ならまた何かあれば連絡するよ」

「はい!」

 

 なんか巻き込まれた気もするがとりあえず流して、俺とサファイアはダイゴさんの連絡先を聞く。

 そして最後にダイゴさんから報酬をもらえる事になったのでサファイアは一言。

 

「師匠とダイゴさんのガチンコバトルがみたいです!」

「! それはいいね」

「……へ?」

 

 先程までの爽やかな笑みから一転、ダイゴさんかは獰猛な笑みを浮かべた。

 

(待て待て待て!?)

 

 サファイアの言葉を耳にした俺は先ほどよりもさらに冷や汗を流す。それもそのはず、相手はホウエンチャンピオンで紛れもなく最強クラスのトレーナー。

 そんな相手に勝てる……あ、そうか!

 

「そんなに驚いてどうしたんだい?」

「いえ、あの! 1対1で良ければ相手をお願いします」

「フフッ、その条件で受けるよ」

 

 正直勝てる未来がほとんど見えないが今の俺の実力を判断するのにはちょうどいい。

 そのため俺はダイゴさんとポケモン勝負する事になった。

 

 ーーーー

 

 場所は戻りムロタウンから離れた砂浜のフィールド。

 俺とダイゴさんは互いに向き合い言葉を交わす。

 

「君みたいな面白そうなトレーナーと相手できるのはありがたいね」

「それはコチラもですよホウエンチャンピオン」

 

 軽く会話をした後、俺は腰につけているモンスターボール……ダイゴさんはハイパーボールを手にした。

 

(おそらくアイツだな!)

 

 ホウエンの中でも伝説を除けば最強クラスのポケモン。俺はその圧を感じるが、なんとか持ち堪えてボールを投げる。

 

「ゴー、ルナ!」

「どれだけ私を待たせるのよクウヤ!」

「悪い、コッチでも問題が起きていたんだよ」

「あらら、後で説明してもらうわ!」

 

 ウチのパートナーはご機嫌斜めなのかそっぽを向いていると、ダイゴさんは驚きながらもハイパーボールを投げてきた。

 

「喋るサーナイトか……おっと、ボクも投げないとね! メタグロス!」

「メタァ!!」

「!?」

 

 ダイゴさんが繰り出してきたのは右腕にメガストーンをつけた銀色のメタグロス。

 おそらくレールと同じ特殊個体。

 

(す、すごい迫力だな)

 

 原作を見ていても別格の色違いメタグロスを間近に見れる。正直この展開はかなり嬉しい……対戦相手じゃなければ。

 

「あの相手めちゃくちゃ強そうね」

「そりゃチャンピオンのポケモンだからな」

「ええ! てか本当に何があったのよ!?」

「それは後で」

 

 流石に相手から相手なので全く油断できない。

 俺は覚悟を決めてチャンピオンダイゴのメタグロスに立ち向かう。

 

 ーーー

 

 サファイアの合図と同時にルナとメタグロス、両方が動いた。

 

「ルナ、マジカルフレイム!」

「ハアァ!」

「メタグロス、ラスターカノン!!」

「メタァァ!」 

 

 コチラは相手に効果抜群を取れる炎技の『マジカルフレイム』を放つが、メタグロスの『ラスターカノン』の銀色のビームに軽く打ち消される。

 

(マジかよ!?)

 

 多少は拮抗すると思っていたが格の違いに驚く。

 

「今度はコチラからいくよ! メタグロス、サイコキネシス!」

「メタ!」

「!? ルナ!」

「わかっているわ!」

 

 コチラも『サイコキネシス』を使い相殺するつもりが、やはりレベルがたかい向こうに押される。

 だがここが狙い目だ。

 

「ルナ、テレポート!」

「! ええ!」

 

 このままだと押し負けるのは確定だったので、ルナに『テレポート』を使ってメタグロスの後ろに回ってもらい。

 

「後だメタグロス!」

「メタァ!」

「遅い! ルナ!」

「これでもくらいなさい!」

「!?」

 

 先程よりも大きな紫色の炎の塊を相手に直撃させた。しかし……。

 

「メタァ!!」

「う、嘘だろ」

 

 ほとんど聞いてないのかメタグロスはピンピンしていた。その為、俺は少し焦りながら近くまで転移してもらう。

 

「なるほど、悪くない作戦だけど今の火力ではボクのメタグロスは倒せないよ」

「……最初からマジカルフレイム1発で倒せるとは思ってないです」

「そうか、ならそろそろ本気を出したらどうだい?」

「やっぱり気づいてますよね」

 

 ダイゴさんの口ぶりからメガ進化してこいと伝わってくる。なので俺はルナと視線を合わせながら頷く。

 

「いくぞルナ!」

「ええ!」

 

 俺達は前みたいに気合を入れてさらに動き始めた。

 

 




 10月16日、17時31分。誤字脱字報告ありがとうございます!
 10月17日、8時44分。誤字脱字報告ありがとうございます!
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