丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
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まるで冷たい深海に沈んでいるような感覚。
俺はその感覚に震えていると、一つの光が見えた……。
(なんだこの光は)
ふと気になったので光を覗いてみると、あるラルトスがダマゴから返った瞬間だった。
「ここは……?」
生後生まれて数分のラルトスの周りには、同じ時期に生まれた仲間や進化先のサーナイトやエルレイドがいた。
その中で俺が見ているラルトスは1匹のサーナイトに抱き上げられる。
「まさか、でもそんなわけ」
俺はある心当たりがあり驚くが光の中に映る映像は進んでいく。
ある日、他のラルトスが俺が見ているラルトス(Aと命名)に声をかける。
「ねぇ、貴女は何をしているの?」
「別に……アタシが何をしていても問題ないでしょ」
「そ、そうね」
Aは他のラルトスとは気が合わないのか1人で行動していた。もちろんそんな彼女は群れから浮いており周りには誰もいなかった。
そしてさらに時間が進み、群れに馴染めないAは同世代のラルトスから虐められ始めた。
「アンタ達!」
「「「わあぁ!?」」」
最初に手を出したラルトス達に『ねんりき』をぶつけて倒していくAだったが……。
進化先のサーナイトには勝てず相手の『サイコキネシス』で吹き飛ばされた。
「今までは我慢してきましたが出て行きなさい!」
「!! こんな陰湿なところ自分から出ていくわ!」
売り言葉で買い言葉なのかAはボロボロのまま群れから出ていき、そのまま森の中……。
その中で凶悪なポケモンに襲われながらも能力達が高いのがAはなんとか持ち堪えていた。
(……)
だが個体値では強くてもレベル差は激しい。その為さらにダメージを受けてついに動けなくなる。
「なんでアタシは!」
一人ぼっちのAは木の麓に倒れて目を閉じそうになった……その瞬間、ジャージを着た黒髪の少年が現れた。
「マジかよ……そうなるとやっぱり!」
その後は俺が知っている記憶の通りに進んだ。
(この記憶はルナの思い出だな)
そう思っていると何か浮き上がる感覚がしたので、俺は流されるまで引っ張られていく。
ーーー
ふと目を開けると全身に柔らかい感覚を感じた。
「こ、ここは……」
体には気だるさがあるか起き上がり窓を覗くと日が昇っていた。
(今は朝9時か)
俺が寝ていたベットの隣に置いてあるカバンからスマホロトムを取り出して時間をみると朝9時5分……日にちはダイゴさんとバトルした日から2日経っていた。
「そうなると丸一日半くたばっていたのか」
俺は真っ白な天井を見上げていると、いきなり体が空中に浮かんだ。
「ちょっ!?」
「あ、起きていたのね!」
「この声はルナか?」
「ええ! てかアタシ以外にいるの」
「いたら逆に怖くないか?」
「フフッ、それもそうね」
体がベットに着地した後、俺は起き上がりルナの方を見る。すると彼女はニッコリと笑いながら抱きついてきた。
「ねぇ、霧山空也って貴方の記憶よね」
「!? ルナ……」
「なるほど、その様子だとアタシの記憶も見たみたいね」
「その言葉そっくり返すよ」
ルナは抱きついたまま俺の耳元に話してきたのでくすぐったいと思うが、なんとか我慢して言葉を返す。
「まさかアタシ達……いやこの世界とソックリの物語があってポケモンが存在しない世界なんてあるのね」
「まあな。てか、俺が異世界転移してきたところも見たんだな」
「ええ、自宅で寝ていた貴方がアタシと出会った森に子供の姿になって転生しているのは見たわ」
「マジかよ……」
そうなるとほぼ完全に俺の記憶は見られている。てか、恥ずかしい事だらけなんだが!?
「顔を真っ赤にしているようで悪いけどアタシもよ!」
「……とりあえず、この件は話し合おうぜ」
「ええ、もちろんよ」
ここで流すのは流石におかしいと思い、俺のルナは互いの記憶の件で話し合う。
その結果……。
「ヘタレ童貞」
「ボッチ女」
互いに酷いあだ名になってしまったが俺達は互いに笑った。そして、ルナから部屋はダイゴさんが用意してくれたと聞き、俺は彼女を連れてお礼を言いにいく。
〈追伸〉
服を着替える時にルナが部屋の中にいたので追い出そうとするが「貴方の記憶を見たんだし今更関係ないわよ」と言われて沈む事になったのは別の話。
10月18日、16時50分。誤字脱字報告ありがとうございます!