丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月19日、16時07分。
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43話・目が覚めて

 ルナと互いに恥ずかしい顔の記憶を見た後、ポケセンのエントランスに向かうとダイゴさんとサファイアがいたので声をかける。

 

「おはようございます! あの、部屋のベットまでありがとうございました!」

「いやいや、こちらこそ無理をさせてごめん」

「!? あたしも!」

「そんな、頭を上げてください!」

 

 お礼を言うとダイゴさんとサファイアに頭を下げられたので、焦りながら上げてもらう。

 すると2人は微妙な顔をしていたので俺は苦笑いを浮かべる。

 

「まさかこんなことになるなんてね……」

「自分も初めてなのでビックリしました」

「ええ!? 初めてって、あのダイゴさんのメガメタグロスをあそこまで追い込んだのにですか!」

「そうだけど?」

「ハハッ、まさか土壇場でアレをやったなんてね」

 

 天弦の調律なんて初めて使ったと話すとサファイアはともかく、ダイゴさんも目が点になっていた。

 

「師匠って天然ですか?」

「そうかもしれないが少なくともお前には言われたくない」

「あいた!」

 

 ニッコリと笑っていたサファイアにチョップを落としつつ、改めて言葉を口にする。

 

「それに俺からすれば宝石のサファイアみたいなお前は眩しいけどな」

「? あたしからすれば師匠の方が眩しいですよ!」

「ええ(汗)」

 

 流石に物語の主役であるに眩しいと言われて戸惑っていると……ダイゴさんが爽やかな笑顔を浮かべた。

 

「まあ、彼女が宝石のサファイアならクウヤ君は恐らくダイヤモンドだね」

「……マジですか」

「ああ、そこは石好きのボクが保証してあげる」

「チャンピオンとしてではないのですね」

「もちろんそっちも含まれているよ」

 

 それに……と加える相手に俺の方が目が点になっていると、さらに彼に驚きの発言をされる。

 

「奥の手まで使ったボクのメガメタグロスをあそこまで追い込む相手は久しぶりだよ」

「確かに否定できないです」

「だろう! まあ、ここで否定されたらボクの立場が危うくなるけど」

「それは自分の口からはなんとも言えないですね」

「ハハッ、師匠は困っているわね」

「お前な……」

 

 今の状況でここまでやれるとは思わなかったので、俺は驚いているとダイゴさんに肩を軽く叩かれた。

 

「さてと、話は変えるけど君は何が欲しい?」

「それって報酬の件ですか?」

「もちろん」

 

 報酬か……個人的には決まっているものがあるが、俺は少し悩んでいるとルナに声をかけられた。

 

「レールとシズクにはもう許可はとってあるわよ」

「それって!」

「ええ! この際だから思いっきり言いなさい」

「助かる」

 

 この展開で俺が欲しい物は決まっていたので、目の前にいるダイゴさんにお願いをする。

 

「改めて何がいいかい?」

「あの、ダンバルが欲しいです」

「! なるほど、君はやっぱり面白いね」

「あ、えっと?」

「師匠!?」

 

 原作ではダンバルの生息地は出てこなかったはずなのでここで貰いたい。

 そう思っているとダイゴさんは嬉しそうにしているので俺は頭に疑問符を浮かべる。

 

(ゲームではダイゴさんの家で貰えたからアリだと思ったんだが?)

 

 その事を思っているとダイゴさんはポケットから一つのハイパーボールを取り出した。

 

「実は君のパートナーから何が欲しいか聞いていたんだよ」

「あの、それなら自分が言わなくてもよかったのでは?」

「いやいや、君の口からも聞きたいじゃない」

「ルナ……」

「フフッ、何かしら?」

 

 恨めがましい視線を向けるとルナは笑顔でソッポを向いたので思わずため息を吐く。

 

(まあ、思考が読まれたなら仕方ないよな……って俺も順応してきたな)

 

 思わず苦笑いを浮かべながらダイゴさんからハイパーボールを受け取り、試しに投げてみると中からダンバルが現れた。

 

「バル♪」

「あ、よろしくなダンバル…‥いやコウテツ!」

「♪♪」

 

 嬉しそうに俺の胸に飛び込んできたダンバルことコウテツを受け止めつつ頭を撫でる。

 

「彼に懐いているようで良かった」

「……あのダンバル羨ましいわ」

「る、ルナさん!?」

「あら何かしらサファイアちゃん」

「ひいぃ!?」

 

 なんか強い圧を感じるが俺はコウテツを愛でていると、ダイゴさんが動き始めた。

 

「さてとボクはそろそろ行くけど君達はどうするの?」

「個人的には石の洞窟に向かおうと思ってます」

「師匠は病み上がりだからゆっくりしたらどうですか?」

「それはそうだがレールの実家だし早めに行きたいんだよ」

「そうなんですね!」

 

 レールの実家なので早めに里帰りさせたい。俺はそう思っていると興味を持った人物が1人。

 

「レール?」

「ああ、ダイゴさんに説明すると石の洞窟出身の色違いのクチートです」

「ほう! もしよければクウヤ君の手持ちを見てもいいかい?」

「わかりました」

 

 俺は腰につけ……って、ボールの中が空なんだが。

 

(あら?)

 

 なので疑問に思った為、ルナの方に向くと彼女は苦笑いを浮かべつつ頷いた。

 

「レールとシズクならジムに行っているわよ」

「そうか……」

「あ、帰ってきたわね」

 

 エントランスの入り口が開くと嬉しそうにしているレールとシズクが現れた。

 

「レール先輩のおかげで結構稼げたッスね」

「クチチイ(そうだろ)!」

「何をやっているんだあいつら……?」

「あの2人は暇だから強い奴と戦いに行くと言ってたのよね」

「そ、そうか(汗)」

 

 なんとも言えない雰囲気になっていると、レールとシズクはこちらに気づいたのかダッシュで走ってきた。

 

「クチチィ(ご主人)!!」

「ダンナ!!」

「ちょっ!? うおぁ!」

 

 半泣きになった2人に抱きつかれて地面に押し倒された、グハッ。

 

(ま、まぁ仕方ないか)

 

 1日半の間くたばっていたから泣きつかれるのはありがたい。ただダイゴさんとサファイアはもちろん、周りの人たちからも生暖かい視線を感じるんだよな。

 

「お、お前ら!?」

「ダンナが復活して良かったッス!」

「クチチチィィ(もう大丈夫なんだよな)!」

「まあ大丈夫だぞ」

「よっしゃッス!」「クチィ(今日は祭りだ)!」

「なるほど、確かに色違いのクチートだね」

 

 俺は2人に離れてもらい立ち上がると、レールは胸に飛び込みシズクは右腕に抱きついてきた。

 そのタイミングでルナが左腕に抱きついてきたので……。

 

「クウヤ君はポケモンに相当懐かれているみたいだね」

「というか師匠は懐かれているよりも愛されている気がします」

「確かに! あ、君達にも自己紹介しないとね」

 

 ダイゴさんはレールとシズクに軽く自己紹介をしたので、2人も自分なりに言葉を返した。

 

「クチチイ(オレはレール、ポケモン名はクチートと呼ばれている)」←ルナが翻訳

「ほうほう! あ、クウヤ君から石の洞窟の出身と聞いたけど綺麗な石とか見なかったかい?」

「クチチィ(おう! 実家の巣穴に沢山あると思うぞ)」

「!! もしよければ見せてくれるかい?」

「クチチィ(ダンナがオレを里帰りに連れてきてくれたからいいぞ)!」

「よし!」

 

 先程よりもテンションが上がっているのかダイゴさんはガッツポーズをしている。

 というか若干キャラ崩壊している気がするが無視して、次はシズクの番になった。

 

「次はウチッスね! ウチはシズク、擬人化したスイクンッス」

「「……は?」」

「なんで固まっているんスか!?」

「もしよかったらポケモン図鑑で見てもいいかい?」

「別にいいッスよ」

 

 フフンと大きな胸を逸らして自信満々な表情を浮かべている残念美女。彼女に対してスマホロトムの図鑑アプリでスキャンした結果。

 

「本当にスイクンなんだね」

「というか伝説のポケモンって言われてますね(汗)」

「まあ、そんな感じで俺の仲間です」

「……まさか伝説のポケモンを仲間にしているとは」

「師匠も言ってくださいよ!」

「ごめん、言うタイミングがなかった」

 

 今度は俺が頭を下げる羽目になったがこれで自己紹介は終わったので、俺達はポケモンセンターで昼飯を買って石の洞窟に向かう。

 

〈追伸〉

 

 ダイゴさんの用事も石の洞窟みたいなので、ちょうどいいタイミングだった。

 

 

 




10月19日、17時28分。誤字脱字報告ありがとうございます!
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