丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
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石の洞窟。
前に来た時と同じく、灯りを持ちながら進んでいるとココドラが現れた。
「師匠、あのポケモンを捕まえたいです!」
「それならバトルしてみたらどうだ?」
「はい! ついでにアドバイスをお願いします」
「それなら、アイツはココドラと言って岩と鋼タイプのポケモンだ」
「なるほど! では格闘タイプの技を覚えているシャモの方がいいのですね!」
「そうなる」
基本的な知識でもサファイアは嬉しそうにしていたので、俺は満足げになっているとダイゴさんから声をかけられた。
「彼女の師匠として上手くやっているみたいだね」
「……まあ、実は数日前に出会ったばかりですが」
「へぇ! それはまた面白い」
サファイアがどこまで磨かれるのかとダイゴさんは楽しみにしているみたいだ。
まあ、正直俺も面白く感じているので頷いていると、ワカシャモの『にとげり』を受けたココドラは地面に倒れた。
「今だ! モンスターボール!」
倒れたココドラにサファイアが投げたモンスターボールが直撃。その後にボールの中に入りカチリと音が鳴って動かなくなった。
「やったあ! ココドラゲット!」
「良かったな」
「師匠、ありがとう!」
嬉しそうに近づいてくる彼女の頭を撫でた後、俺は腰のボールを外してレールを繰り出す。
「クチィ(オレの出番か)?」
「ああ、道案内と護衛を頼んでもいいか?」
「クチチイ(もちろん)!」
最初は手を出さずにサファイアに戦わせようとしたが、流石に少し厳しくなりそうなのでレールに頼む。
「さてと、ボクも護衛を出しておくね」
「ええ、よろしくお願いします」
ダイゴさんもネンドールを繰り出したので、戦力的には安心しながら奥に進んでいく。
ーーー
あの後も特に問題がなく壁画があるエリアに到着。
「わあぁ! 迫力のある壁画ですね!」
「そうだね。でもこの壁画が気になるんだよね」
「え? それって」
「ボクの勘だけ、どこの壁画を見ていると嫌な予感がするんだよ」
「そ、そうなんですね(汗)」
原作知識で俺はなんとなくわかる壁画。前と同じく怪獣大決戦みたいな壁画なので冷や汗を流していると、野生のクチートが近づいてきた。
「クチィィ!」
「クチィ(おお、お前か)!」
「チチィ♪」
「お仲間みたいですね」
「ああ」
野生のクチート達がレールに向かってどんどん集まり、俺達はそのまま彼女達の巣に案内された。
その結果……。
「!? これはこんごうダマ、こっちにはあおダマ! 他にもたくさんあるね!」
「ヤベェ、ダイゴさんのキャラが崩壊した……」
さらにテンションが上がったダイゴさんは、あろう事かクチート達との取引を始めた。
まあ、バトルで奪わない分かなりマシに見えるがダイゴさんの熱意にクチート達も引いている。
「だ、ダイゴさんの勢いはすごいですね(汗)」
「そりゃ好きな物に囲まれているとそうなるだろ」
「ま、まぁ」
ホウエンチャンプが土下座する勢いで頼み込んでいるので、俺とサファイアは苦笑いを浮かべるしかない。
そう思っていると1匹のクチートが焦りながら走って来た。
「クチィィ!」
「クチィ!」
「……何を言っているかわからない」
「クチィ(俺が翻訳するぜ)」
「ああ、頼む」
戻ってきたクチートの内容を翻訳すると、少し離れたところでギガイアスが暴れており被害が拡大している。
……マ?
「それってあたし達も生き埋めにならないですか?」
「ルナのテレポートがあるから俺達は大丈夫だが……」
「石の洞窟にいるポケモン達が危ないね」
「あ、ダイゴさんが戻ってきた」
先程まで石に目が眩みそうになっていたダイゴさんが復活。その為、彼は一言。
「その問題、ボクが解決してくるよ」
「クチィ!!」
「あ、この人はめちゃくちゃ強いから大丈夫だ」
「く、クチィ?」
周りのクチートからすれば疑問符しか浮かばなそうだが、ダイゴさんがやる気なので彼に任せることにする。
ただ俺達もどう解決するか気になるのでついていくことにする。
ーー
野生のクチートに案内してもらいギガイアスが暴れている場所に到着。するといきなり大きな音が周りに響いた。
「ギャガガガ!」
「確かにこの状況はまずいね」
野生と思われるギガイアスの頭には変なリングがついており、その近くにはカナズミシティで見た仮面集団が……。
「よし、このギガイアスであの恨めがましいクチート達を叩き潰すわよ!」
「「「ハッ!」」」
リーダーの女の声に下っ端3人。男女比は2対2みたいだが、彼らの手にはラジコンのリモコンみたいな物を持っていた。
「これでやっと壁画をゆっくり観察できますね」
「ええ! あの冴えないクソガキに邪魔されてからもう最悪よ」
「それに結果が出ないから人員も減らされましたからね」
「うう! もう最悪よ」
なんか世知辛い話をしているが、あの女リーダーの声は聞いた事が……ああ!
「とりあえず突っ込む方が良さそうだね」
「は、はい!」
「……その前に一言いいですか?」
「それはいいけど手短くね」
「わかりました。とりあえず、ルナ!」
ふと気づいたことがあるのでルナをボールから出す。そして女リーダーの声を聞いてもらうと俺の予想通りの答えが返って来た。
「前に来た時にアタシ達を襲って来た女リーダーと同じよ」
「なるほど、それなら」
ダイゴさんには許可を貰っているので俺とルナは堂々と彼女達に近づく。
「お前らここで何をやっているんだ?」
「そんなの憎いクチート達を倒して壁画見たりお宝を手に入れるためよ!」
「ですね! り、え? 今質問したのは誰だ?」
「……まさか」
彼女達が振り向いたので俺はニッコリと笑う。すると向こうは目を見開く(仮面を被っているから表情はわからない)ように驚いた。
「アンタはあの時のクソガキ!」
「久しぶりだなピショット使いの残念女!」
「誰が残念女よ! まあ、いいわ! ここで叩き潰してあげる!」
「そうか! ならコチラもスペシャルゲストを呼ばないとな」
「「「「へ?」」」」
敵は疑問符を浮かべているがこのタイミングでスーツを来た銀髪のイケメンが登場。(ネンドールはサファイアの護衛に置いて来た)
すると……相手は今度こそ完璧に硬直した。
「あ、え、嘘でしょ」
「悪いけど本物だよ」
銀髪のイケメン(公式)は銀色のメタグロスを繰り出した。その結果、相手の4人はガタガタと震え出す。
「ど、どうしますかリーダー!」
「ここは、撤退よ!」
相手はポケットから煙玉を出して一目散に撤退。手に持っていた機械を落としていったので、俺はルナに指示を出して破壊しておく。
(ついでにギガイアスの頭についているリングを破壊しますか)
そう思っているのギガイアスはさらに暴れ始めたので、ダイゴさんがメタグロスの『サイコキネシス』で頭のリングを破壊した。
「ふぅ、これで一通りは大丈夫そうだね」
「そうですがさっきの奴らがきたら厄介ですよ」
「まあ、それはそうかもだけど……」
「?」
「ここまで荒らしてお咎めなしはないと思うよ」
確かにと俺は頷いておく。
そしてギガイアスが起き上がって頭を下げて来たので言葉を返した後、俺達はクチートの巣穴に戻った。
〈余談〉
今回の騒動を治めたお礼としてクチート達から貴重な石を貰ったダイゴさんはかなり嬉しそうにしていた。
ちなみにサファイアは「あたしは何もしてない」と言って辞退。俺は少しだけ働いたのであるメガストーンとキーストンをサファイア達にはバレないように貰う。