丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月26日、16時02分。
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50話・ある出会い

 ビーチで遊びまくった次の日。

 2日後に大規模なバトル大会が開かれるらしく、カイナシティには多くのトレーナーらしい人達が集まっていた。

 

(えっと、大会のバトル形式はタッグバトルで優勝賞品はきんいろの羽、ぎんいろの羽+優勝賞金100万円か……)

 

 大会受付は今日の17時までみたいでみんなは大会に出たいのかやる気満々だ。

 

「この羽はめっちゃ綺麗よね!」

「髪飾りとかにしたいです!」

「それわたしも思ったわ」

 

 女性トレーナーであるサファイアとカイラはタッグを組んで出場するみたいだ。

 なので俺は今回は傍観者でいようと思っていたらある人と遭遇する。

 

「ホッホ! 久しぶりじゃなクウヤ君」

「! お、久しぶりですムラさん!」

「ボクもいるんだけど?」

「大丈夫、わかっているよ」

「そう、ならいい」

 

 今回出会ったのは立派な髭を生やした初老のお爺さん、元四天王のムラさん。その隣にはボブカットの少女、ルージュがコチラにジト目を向けていた。

 

「それでムラさん達は何か用があってカイナに来たんですか?」

「アスナがオープニングバトルに呼ばれたんだよ」

「そう、でワシらは新しく出来た弟子2人を連れて来たんじゃ」

「なるほど……」

 

 ムラさんが言う弟子2人は大会受付に行っているらしく、今はルージュと2人でカイナでブラブラしていたみたいだ。

 

(まあ、それはいいか)

 

 久しぶりの出会いなので3人で話しているとムラさんがある提案をした。

 

「クウヤ君がルージュと組んで大会に出るのはどうかのう?」

「……え?」「ボクはいいよ」

「なら決まりじゃな!」

 

 俺が頭に疑問符を浮かべているうちにルージュが了承したので、ムラさんは笑いなから受付に案内した。

 ……あの、出るとは言ってないんですが。

 

 ーー

 

 大会の受付会場に到着すると、見覚えのある奴らが入り口近くで言い合いの喧嘩をしていた。

 ……相手の金髪ツインテールは知らないが、もう片方はカイラじゃん。

 

「なんでそんな雑魚を庇っているのかしら?」

「雑魚? サファイアはそんなに弱くないわ!」

「今でもガクガク震えているわよね!」

「アンタね!」

(な、何があったんだ?)

 

 係員の人達や周りのトレーナー達は腫れ物を触る感じで無視しており、止めようとする奴はいない。

 なので運営はこれでいいのかと思っていると、半泣きになっているサファイアがコチラを向いた。

 

「し、師匠!」

「このタイミングでか(汗)」

 

 周りにいた人達の視線を一気に感じた俺はルージュとムラさんを連れて彼女達の元に向かう。

 すると金髪女の後ろには白い帽子をつけた少年がいたので、思わず苦笑いを浮かべる。

 

(そんな運命的な事ある?)

 

 この斜め上の展開に固まっていると他の3人もコチラに気付き固まった。なので俺は一言。

 

「とりあえず話し合おう」

「な、何が話し合うよ!」

 

 案の定、金髪女がヒステリックを起こしたが隣にいたルージュが彼女を睨みつけた。

 

「何か言ったかしらエメラルド?」

「ひいぃ!? な、なんでもないわ!」

「ルビーもここで何をしているの?」

「え、えっと……」

 

 少し落ち着いた金髪女・エメラルドとルージュに指摘されて目を泳がせているルビーと呼ばれた少年。

 2人は焦りまくっているのか顔から汗が出ている。

 

(てかルージュの顔が怖い)

 

 俺は横に振り向けないのでムラさんの方に向くと。

 

「あ! ワシはクウヤ君とルージュの登録に行ってくるのじゃ!」

(おい、爺!)

 

 冷や汗ダラダラのジジイが脱兎の如く離れていき、この場に残ったのは俺達6人。

 片方は俺の仲間であるサファイアとカイラ、もう片方はルージュの知り合いっぽいエメラルドとルビー。

 

(運命って絡み合うんだな)

 

 俺は天井を見上げながら今回の問題を解決するためにルージュと共に動き始める。

  

 ーーー

 

 流石にあのまま受付会場で揉めるわけにはいかなかったので、場所を公園に移して話し始める。(互いに自己紹介はした)

 すると、金髪ツインテールのヒステリック少女がコチラを指さしながら立ち上がった。

 

「ルージュさん! 本当にこんなやつに負けたんですか?」

「そうだけど?」

「! 去年のトレーナーリーグで優勝した貴女が!」

「五月蝿いな……少し黙ってよ」

「!!」

「エメラルド、ここは落ち着いて!」

「ぐうぅ!!」

 

 エメラルドが俺を強く睨みつけてくるのでびびりながら俺はなんとか話す。

 

「話を纏めるとルビー君、サファイア、エメラルドさんはミシロタウンにいるオダマキ博士からポケモンを貰って旅立ったんだね」

「うん、それで受付で出会っておれはいい勝負をしようと言ったんだけど……」

「プライドの高いエメラルドさんがブチギレ、それに対してカイラが喧嘩腰で言い返して荒れたんだな」

「全くもってその通りだ」

「ルビー! あんたはどっちの味方なのよ!」

 

 話を聞く限りアホらしく見えるが彼女達にとっては重要な事みたいだな。俺はそう思っているとルージュが呆れたのか頭を振った。

 

「君達はフエンジムの見習いとしてどうなの?」

「「うっ……」」

「まずはルビー、君はエメラルドを止められなくてもボク達を呼べばよかったよね」

「それは、その」

「言い訳はいらないよ」

 

 ルージュの凍えるような視線を受けたルビーは思わず硬直した後に泣きそうになっている。

 

(やっぱりこえぇ!?)

 

 俺はビクビクビビっていると、少し離れたところに座っているエメラルドがケラケラ笑った。

 

「ルビーがかなり責められているわね」

「確かに今はルビーを責めているけど……」

「ひいぃ!? なんでルージュさんはあてくしを睨むのよ!」

「当たり前だよね」

 

 ルビーの時とは比べ物にならない冷気をエメラルドに向けるルージュ。正直、カイラもサファイアも怯えているので俺は一言。

 

「すまん、その2人は任せた」

「わかった……そっちもしっかりね」

「わかっている」

 

 俺は俯いて黙ったままの彼女達を連れてルージュ達3人から離れた。

 

(流石に今回は怒るよりも……)

 

 2人は完全に意気消沈しているので俺は、叱るのはできる限り抑えようと思いながらポケモンセンターの宿舎に向かう。

 

 

 

 

 

 

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