丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月27日、16時02分。
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51話・大会開始

 ポケモンセンターの宿舎に戻った後。

 俺は2人にココアが入ったカップを渡して席に座る。

 

「あの師匠……」「く、クウ兄」

「ん? なんだ」

「わたし達が問題を起こして怒っているわよね」

「まあ、ないとは言わない」

「じゃああたしは破門ですか?」

「ん? なんでた」

 

 サファイアから意味不明な事を言われたので首を傾けていると、涙をポロポロ流した彼女がヤケのように勢いよく話してきた。

 

「だって! あたしはジムリーダーの娘なのに弱いし震えているだけのなんです! だったらもっと強い人を弟子にした方がいいですよ!」

「サファイア……」

「確かに理屈的には間違ってないかもな」

「クウ兄!」

「やっぱり!」

「だけどな……俺はお前がいいと思ったから弟子にしたんだよ」

「え?」

 

 彼女達がウルウルした瞳をコチラに向けてきたので俺は頭を抱える。

 

「まず前提だが俺もポケモンが強いだけの落ちこぼれだぞ」

「で、でも!」

「なんなら運動神経なら元引きこもりのカイラと同じくらいだぞ」

「なんか微妙にディスられた気がするんだけど」

「今は置いといてくれ」

 

 色々と言うとややこしいので俺は言いたい事を集約する。

 

「単刀直入に言うが、俺は俺のやりたいようにするだけでお前らの事なんて迷惑でもなんでもない」

「そ、それじゃあ!」

「ついでに天才と関わるよりもお前らの方がクソ面白いんだよ!」

「……フフフッ、やっぱりクウ兄は面白いわ!」

 

 カラカラと笑うカイラを見てサファイアは戸惑っているが、俺は畳み掛けるように言葉を吐く。

 

「それに面倒ごとなんざ、すでに作ったり巻き込まれているから今更気にして意味がないんだよ……」

「えええ!?」

「だからさ、お前らがいても困らないしいなくなったら寂しいと思う」

 

 最後は少し濁したが俺の言いたい事を2人に伝えると……彼女達は先程とは違う涙を流しているようだった。

 

「よ、よかった!」

「あたし破門になると思った」

「このタイミングでマジレスするようで悪いんだが」

 

 涙を流しながら互いに抱きついている2人に向かって俺は無慈悲な一言を放つ。

 

「俺ってお前らに何も教えてないんだよな」

「「……」」

「ここで黙らないで!」

「フフフッ!」「ハハッ!」

 

 マジレスしたつもりがサファイアもカイラも大声で爆笑した。その為、俺は戸惑っていると2人とも呆れたように口を開く。

 

「確かにそうだけど、あたし達は師匠に救われいます!」

「本人はクールだと思っているけど実際は捻くれているだけのクウ兄なのは知っているわよ」

「「ねー」」

「お前ら……」

 

 ケラケラ笑っている彼女達に呆れてしまうが、流石にこれ以上話をややこしくするのは面倒なので。

 

「話を戻すが俺から一言。意外と奇跡は掴もうとすれば掴めるかもな」

「え? いきなり真面目な表現をしてどうしたの?」

「後で覚えておけよカイラ……」

「えー! サファイアも同じ事を思っているわよ」

「! あたしを巻き込まないで!」

 

 いつも通りの空気が戻ってきたのでよかったと思いつつ水を差す。

 

「それはともかく、会社で問題を起こした事は別だからな」

「「ひ、ひいぃ!?」」

 

 このままハッピーエンドにするのもよかったが、空気を読まない俺は2人に拳骨を落として1時間床に正座させる。

 その後、足が痺れて動けない彼女達を部屋に放置して自分の部屋に戻った。

 

 ーーー

 

 2日後の大型大会当日。

 俺達は中央のバトルドームの中に入ると、そこには大勢のトレーナーや観客が集まっていた。

 

「こ、こんなにいるんですね!」

「そりゃそうだろ」

 

 今回の景品はかなりすごい物(きんいろの羽、ぎんいろの羽)なので大勢の人達が集まるのは当然。

 そう思いながらルージュに呼ばれた席に向かうと、彼女は不機嫌そうな表情を浮かべていた。

 

「クウヤ遅い」

「それは悪いな」

「いいけど隣に座ってね」

「ハハッ……」

 

 ルージュの奥にはコチラを睨みつけてくるエメラルドと死んだ目になっているルビーがいた。

 

(あの後、ルージュにこってり絞られたんだろな……)

 

 嫌な寒気を感じつつ、左からカイラ、サファイア、俺の順で座る。そしてルージュから今回の大会ルールを聞きいたので纏める。

 

①、オープニングセレモニーでフエンジムのジムリーダー・アスナとトウカシティのジムリーダー・センリが3対3のシングル戦を行う。

②、参加するトレーナーの予選はA〜Dの4ブロックに分かれる

③、対戦方法はタッグバトルで1バトルにつき1体のポケモンが繰り出せる。

④、予選を突破した1組には10万円が渡される。

⑤、本戦では午前に準決勝、午後に3位決定戦と決勝が行われる。

⑥、優勝者にはきんいろのはねとぎんいろのはねが贈呈される

追伸、決勝に進んだ4組には特別な衣装を着てもらうらしい。

 

 ……最後の追伸が怖いんだが。

 

「露出が高すぎる衣装とかはないと思う」

「でもテレビが来ているんだろ」

「そりゃ、大きなイベントだから来てるよ」

「だよな……」

 

 個人的には目立つのは苦手なので投げたくなるが、カッコつけた手前それはカッコ悪いよな。

 俺はそう思っていると開会式が始まり、ゲームのジム戦をする時に着ている服装をしたジムリーダー達が入場してきた。

 

「センリさん、今日はよろしくお願いします!」

「コチラこそ! 同じ若手のジムリーダーとしてベストを尽くそう」

「はい!」

 

 スポーツ狩りをした男性・センリさんと赤髪で右側にポニテをしたアスナ。2人は握手した後、フィールドのトレーナーエリアに移動した。

 

「パパ頑張って!」

「わたしもサファイアのためにセンリさんを応援するわ」

「そこは好きすれば」

「わかったわ」

 

 サファイア達が勢いよくセンリさんを応援する中、エメラルドとルビーはアスナを応援し始めた。

 

「アスナさん、あんな小娘の父親なんてボコボコにしなさい!」

「応援してます!」

(なんか不穏だな……)

 

 俺とルージュは周り応援に同時にため息を吐く。

 

「クウヤも大変ね」

「それはルージュもだろ」

「フフッ、それは否定しないよ」

 

 互いに苦笑いを浮かべる中、センリVSアスナのポケモンバトルが始まった。

 

 

 

 

 

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