丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 10月29日、16時05分。
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53話・決着の時

 互いに追い込まれたラストのポケモン。

 センリさんはムクホークをアスナはウインディを繰り出して互いを睨んでいた。

 ……まるで相手が先に動くのを待っているようだ。

 

「「!!」」

「ウインディ、しんそく!」

「ムクホーク、でんこうせっか!」

「ガウゥ!」

「ピイィ!」

 

 ほんの少しアスナの指示が早く、ウインディの目にも止まらない『しんそく』がムクホークに直撃して空中に吹き飛ぶ。

 だが相手も負けずに『でんこうせっか』で反撃してダメージレースに持ち込んだ。

 

「ぐっ! ウインディの攻撃力が!」

「今の一撃で気づいたようだね」

 

 ムクホークの特性はウインディと同じ『いかく』で、場に出た時に相手の攻撃力を下げる。

 その為、先に出ていたウインディの『いかく』はケッキングには有効だったが新しく出てきたムクホークには効果がない。逆にムクホークの『いかく』はウインディに当たり攻撃力を下げている。

 

「一手差だけどセンリさんの方が有利だな」

「! 状況だけ見ればそうだけど……」

「その言い方だと何かあるのか?」

「悪いけどそれは言えないよ」

 

 この状況で巻き返すのは少々骨が折れそうだが、アスナは諦めずに接近戦を仕掛けた。

 

「ウインディ、もう一度しんそく!」

「ガウゥゥ!」

「また同じ手か! ならばムクホーク、でんこうせっか!」

「ピイィィィ!」

 

 先程と同じく先に『しんそく』が当たるが、その後にムクホークは立て直して『でんこうせっか』で反撃……するかに思えた。

 

「ここだ! ウインディ、ワイルドボルト!!

「ガウウゥ!!!」

「なっ!」

「ピイィ!?」

 

 ムクホークの高速接近に対してウインディは体に電気をまとわせて突進を仕掛けた。

 その結果、『ワイルドボルト』に軍配があがりムクホークは大きく吹き飛ばされる。

 

「本当は水ポケモン対策だけど上手くいったね!」

「確かにウインディは電気技を覚えるがワイルドボルトを覚えさせているなんてな」

「反動はあるけど有効な技だよ」

 

 俺はルージュに一本取られたと思って苦笑いを浮かべていると、父親が負けるのを見たくないのかサファイアが思いっきり叫ぶ。

 

「パパ、負けないで!!」

「! なるほど……立てムクホーク!」

 

 今の声援がセンリさんに届いたのか祈るようにムクホークに激励の言葉を飛ばす。 

 するとムクホークは目を開けボロボロになりながらも力強く立ち上がった。

 

「いかくのおかげだな」

「そうだけどムクホークもギリギリだよ」

「確かにそうかもしれないが」

(でも父親は子供にかっこいいところを見せたくなるよな)

 

 俺は自分にはわからないが聞いたら頷ける感情を心を思っていると、アスナもニッコリと笑う。

 

「これで勝負をかけます! ウインディ、フレアドライブ!!」

「助かる! ムクホーク、フルパワーのブレイブバード!!」

「ガウゥゥ!!」

「フオオォ!!」

 

 ウインディがまとった青い炎はひでりの影響を受けてさらに温度が上がり、ムクホークは最後の力を振り絞って赤い光を体に纏う。

 

「「いけえええぇ!!!」」

 

 互いに持てる最高火力の一撃がフィールド中央でぶつかり、その余波で大きな砂埃が舞う。

 

「どうなったの!」

「パパ!!」

 

 爆発が起きる中、ルージュとサファイアが心配そうに立ち上がりフィールドの方を凝視。

 俺も焦りながら見ていると砂埃が段々と晴れてきた。

 

(そういう結果か……)

 

 フィールドに残ったのは大技の余波を受けた痕跡と互いに倒れたポケモンだった。

 

「ウインディ、ムクホーク、両者戦闘不能! この勝負は引き分け!!」

 

 決着はつかなかったが、大会のオープニング勝負では最高レベル。俺は思わず立ち上がり拍手を送ると周りの人達も同じ事をする。

 そして、ポケモンをボールに戻した後に2人は中央で握手をしつつ会話のキャッチボールをしていた。

 

「いい勝負をありがとうございました!」

「こちらこそ! それに私の方が推されていたのでビックリしました」

「確かにそうかもしれないですが最後の一撃は凄かったです!」

「まあ、私も負けたくない理由が出来ましたからね」

「それは……」

「おっと、ここからは秘密でお願いします」

 

 センリさんがニッコリと笑いながら離れていったので、アスナは疑問符を浮かべながらもフィールドがら降りていく。

 

 ーーーー

 

 オープニングが終わり本題の大会。

 俺&ルージュはBブロック。サファイア&カイラとルビー&エメラルドは同じCブロックで互いに1回戦を勝てば2回戦に当たる事になる。

 その為、サファイアは緊張しているのか体をガクガクと震わせていた。

 

「あ、あ……」

 

 エメラルドに植え付けられたトラウマに怯えているサファイア。俺はそんな彼女に近づき一言。

 

「大丈夫、お前ならやれるさ!」

「し、師匠! あの、もしよかったら落ち着くまで頭を撫でてください」

「あぁ」

 

 なんかラブコメみたいな流れになったが、俺は苦笑いを浮かべながら彼女の頭を撫でる。

 すると先程まで怯えていたサファイアだったが、復活したのか笑顔を浮かべた。

 

「フフッ、師匠ありがとうございます!」

「あ、サファイアはわたしが面倒を見るからクウ兄も頑張ってよね!」

「わかっているよ!」

 

 俺は2人と別れてルージュと合流。

 そのままBブロックの会場に向かい、互いになんのポケモンを使うかや戦術を話し合う。

 

〈ダイジェスト〉

 

 2日あった予選の結果。俺はレール、ルージュはウルガモスを使って決勝ステージまて駒を進めた。

 そのためコチラには切り札とエースが残っているので互いに拳をコツンとぶつける。

 

 

 

 

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