丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 11月10日、16時41分。
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65話・サファイアVSクレア

 挑戦者サファイアVSジムリーダー秘書のクレアさんのバトルが開始された。

 

「お願いココ!」「キノッ!」

「行きなさいコイル!」「ジイィ!」

 

 初手はキノガッサVSコイル。相性的には前者の方が有利だが……。

 

「さてさて、相性ではキノガッサの方が有利だがどうなるかじゃな」

「ジムリーダーの手持ちなら簡単には倒せなさそうね」

 

 両隣にいる2人も似た感想みたいで頷いていた。まあ、サファイアのポケモンも鍛えられているのでそう簡単には負けないはずだ。

 俺はそう思っていると先に動いたのはキノガッサだった。

 

「いくよ! キノガッサ、マッハパンチ!」

「キノッッ!」

「速い! なら、マグネットボム!」

「ジイィ!」

 

『マッハパンチ』は攻撃の出る速度が速い技。そのため高速で動いたキノガッサは勢いよく相手に攻撃を仕掛ける。

 だがコイルは『マグネットボム』を展開して『マッハパンチ』を受けるつつ、しっかりとカウンターを当てていく。

 

「ぐっ! このままマッハパンチで押し切って!」

「! コイル、でんじは!」

 

 近接戦闘ができる今の距離ではキノガッサの方が有利。そのためクレアさんはコイルに『でんじは』を指示して相手のパンチを喰らう代わりに『まひ』状態にさせた。

 

「じ、ジイィ!」

「よく耐えたわ! このまま距離をとりつつマグネットボム!」

「! キノガッサ、もう一度マッハパンチ!」

「キノッ……キノ!?」

 

 焦ったサファイアが無理矢理攻めようとするが『でんじは』の影響でキノガッサの動きが止まる。

 逆にボロボロのコイルはなんとか後ろに下がりつつ『マグネットボム』で的確に攻撃していた。

 

「何やっているのよサファイア!」

「あー、このままじゃとあの嬢ちゃんは負けるの」

「確かにそうかもですね」

「ほう……クウヤ君は心配じゃないのか?」

「ええ、まぁ」

 

 俺が言えるセリフではないが、この程度で今のアイツが倒されるわけがない。

 

(根拠のない自信だけどな)

 

 今回は理論ではなく感情論になっているがそれはさておき。コイルが磁石みたいな爆弾を大量に投下して防御するキノガッサに攻撃を続けている。

 

「このままだとキノガッサが!」

「……いや」

 

 このタイミングでサファイアは何か気付いたらしく、彼女は大声でキノガッサに次の行動を伝えた。

 

「ココ、メガドレイン!!」

「! キノッ!」

「ジッ!?」

「き、気づいたのね!」

 

 キノガッサが使ったのは草技の『メガドレイン』でこの技は特殊技で距離が離れていても攻撃が届く。

 

(外から見ればわかりやすいがよく気づいたな)

 

 クレアさんの戦法は相手を『まひ』にして動きを鈍らせて距離をとり遠距離技を放ち続けるやり方。

 だが相手が避けにくい特殊技を打たれると戦法が崩れるので……。

 

「ジイィ……」

「こ、コイル!」

 

 流石に効果抜群の『マッハパンチ』を2回受けているボロボロの状態で『メガドレイン』は受けきれなかったみたいだ。

 てか逆にこれ以上耐え切ったらコイルの根性がすごいわ!となると心の中で思う。

 

「さ、サファイアが勝った!」

「でもまだクレアは1体目じゃぞ」

「確かに油断できないわね」

 

 なんとか倒し切ったがキノガッサもボロボロなのでかなりきつい状態。まあ、クレアさんの2体目を少しでも削れたら案の定か。

 

(お、キノガッサを戻したか)

 

 少し間を空けた後、サファイアはキノガッサをボールに戻した。ここは妥当な選択だと感心していると、クレアさんが2体目を繰り出す。

 

「行きなさいライチュウ!」

「ライィ!」

「!!」

 

 クレアさんが繰り出したのはアローラではない方の通常のライチュウ。見た感じは先程のコイルよりも鍛えられておりバチバチと電気を纏っている。

 

「なんか強そうね」

「ライチュウは2回進化しているポケモンだから弱くはないと思う」

「! そうなんだ……」

 

 例外を除き基本的に進化しているポケモンの方が強い。それは俺も原作で知っているのでドキドキしながらサファイアの動きを見る。

 すると彼女は一つのボールを手に取り、勢いよくフィールドに投げた。

 

「お願いシャモ!」

「バシャ!!」

「ここでバシャーモなの!」

「いや悪くない……」

 

 ここでサファイアは自分のエースであるバシャーモを出したのはおそらく。俺は色々な可能性を考えているとバトルが動き出す。

 

「いくわよ! ライチュウ、10まんボルト!」

「ラアァイ!」

「! シャモ、かえんほうしゃ!」

「シャモ!」

 

 ライチュウは頬に溜まった電流を一気に解放するように『10まんボルト』を放つ。

 その威力は地面が抉れるレベルだが、バシャーモも口から炎を放って相手の高圧電流を相殺した。

 

「へえぇ! ならライチュウ、かみなりパンチ!」

「! シャモ、にどけり!」

「ライィ!」「シャモ!」

 

 遠距離戦では勝負がつかないと思ったのか互いに接近戦を仕掛ける。まずは電気を纏った拳で攻撃を仕掛けるライチュウだが、バシャーモの方がリーチがあり『にどげり』を食らう。

 だがガッツで耐え切った後、体を上手く反転させて勢いよく『かみなりパンチ』をぶち込んだ。

 

「シャモ!!」

「シャモッ!?」

 

 相手の態勢が悪くて威力は落ちたみたいだがダメージを受けるバシャーモ。だが1発で倒れるほどヤワではなく、すぐに立ち上がり拳を構えた。

 

「よかった!」

「しかし互いに結構ダメージが入っておるのう」

「え? まだ1技ずつしか入れてないのに」

「そうじゃ」

 

 今は互いに余裕そうに見えるがダメージは入っているのか少し動きが鈍っている。

 なのでトレーナーとしてどう指示をするか悩みどころだろうな。

 

(てか、いつの間にか俺も上からになったな)

 

 自分はそんなに偉くなったのかと失笑しつつバトルを観察。すると今度はサファイアが深呼吸をした後、次の行動に進んだ。

 

「ここは、ニトロチャージ!」

「シャモ!」

「! それなら10まんボルト!」

「ラアァイ!」

 

 ここで接近戦を試みようとするバシャーモは体に炎を纏って突き進むが、ライチュウが全方位に『10まんボルト』を放っているので近づけない。

 そのせいで上手く近づかないがサファイアはニヤリと笑う。

 

「それを待っていたわ!」

「え?」

 

 ここでバシャーモは『ニトロチャージ』で相手に突き進むわけではなく、相手の電気を回避するために使っている。

 ……って、そうか!

 

(なるほど、それは上手いな!)

 

 最初はライチュウの広範囲『10まんボルト』が全方位に放たれたが『ニトロチャージ』の炎でダメージが減りバシャーモはピンピンしていた。

 そして大規模に電気を放ったライチュウは息切れしており、そのタイミングでサファイアが仕掛ける。

 

「シャモ、ニトロチャージからのにどげり!」

「シャァモ!!」

「ぐっ、ライチュウ!」

「ら、ライィ」

 

 なんとか動こうとするライチュウだが体力を使ったのか動きが鈍い。そのせいでバシャーモの連続攻撃をまともに受けた。

 そして再度放たれた『ニトロチャージ』を受けたライチュウは地面に転がって目を回していた。

 

「ら、ライィ……」

「ライチュウ戦闘不能!」

「! も、戻りなさい」

 

 ここでライチュウが倒される事に驚いているのかクレアさんにも焦りが見える。

 まあ、それはさておき。

 

「やった! これで相手のポケモンも1体よ!」

「ああ、しかもニトロチャージの追加効果でバシャーモの素早さは上がっているのは良さそうだ」

「じゃがクレアの最後の1体次第で変わりそうじゃぞ」

「「……」」

 

 確かにここまではサファイアペースで進んでいたが、クレアさんの最後が何か次第で変わるかもしれない。

 俺とカイラは互いに視線を合わせながら唾を飲み込む。

 

(これからどうなる?)

 

 俺達は緊張しながら後半に入っていくバトルに冷や汗を流しながら観察を続けた。

 

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