丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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 12月29日、16時05分。
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74話・トウカの森(過去の出来事の思い出し)

 

 サファイア達と別れた数日後の夜。

 五個目のジムがあるトウカシティに向かう為、カナズミシティまでルナのテレポートで移動。

 そのまま夜まで歩き、トウカの森池のほとりで野宿することになった俺達は休憩がてら空を見上げていた。

 

「ねえクウヤ。ここに来るのは久しぶりね」

 

「ああ、そうだな」

 

 トウカの森はラルトス時代のルナと出会った場所。

 ここで彼女と出会わなからば俺も死んでいた可能性が高い。

 

(何故か運はいいんだよな)

 

 前世でも小さい時に犬に追いかけられた時も相手の飼い主とたまたま出会ってなんとかなったり、喧嘩になりそうな時に大人が来て止めてくれりしていた。

 なので酷い目にはあうが運のおかげで助かっている。

 

「でもあの時はいきなり口移しをされてビックリしたわ」

 

「ごめん……。でもあの時は口移ししかやれる事がなかったんだよ」

 

「ええ、そこは大丈夫だけどね」

 

 隣に座るルナと2人で会話していると、いきなり誰かに後ろから抱きつかれる。

 

「なんの話をしておるのだ?」

 

「ああ、俺とルナが出会った時の話をしているんだよ」

 

「おお! それは興味があるのう!」

 

「ウチもッス」

 

「クチチィ!(主人と姉御の初めての出会いか)」

 

「メタァ(自分も気になります)」

 

 他の仲間達も集まって来たので俺は彼女達と思い出すように話し始める。

 

「ただ、どっから話すかだよな」

 

「うーん。貴方が若返ってこの世界に来たところからじゃ無い?」

 

「ああ、そこからか」

 

「……あの、なんか今すごいことを聞いた気がするッス」

 

「そりゃそうだろうな」

 

 別の世界から来てさらに若返っているなんて他の奴が聞いたら目が点になるか、それとも嘘だと思う気がするわ。

 まあ、でも実際本当の話なのでそこは一旦置いておく。

 

「シズクの突っ込みは真っ当だが今は置いといて」

 

「クチチィ(置いとくんかい)!」

 

「そうしないと話が進まないわ」

 

「メタァ(な、なるほど)」

 

「ハハッ、主人はやっぱり驚かしてくれるのう!」

 

 カラカラと俺の背中に抱きついたまま笑う夜桜。俺は彼女の反応に少し嬉しくなりながら頬をかく。

 

「まあな。で、話を戻すが……俺が最初にトウカの森に転移した時は丸腰で持ち物もなかったんだよ」

 

「え? そ、それでよく生き残ったッスね」

 

「だろ! 俺だって同じ事を思うわ」

 

「クチチィ(でも生き残ったからオレ達と会えたんだよな)」

 

「もちろん」

 

 マジてあの時は運が良かったとしか言えない。てか一年分の運を使った気がするがそれはさておき。

  

「それで右も左もわからない状態で彷徨っていると1人の傷ついたラルトスを見つけたんだよ」

 

「ラルトス……ルナの姉御ッスか?」

 

「ええ、そうよ」

 

 昔を思い出すようにオレの右腕に抱きつくルナ。俺は思わず頭を撫でたくなるが、今の体勢だと厳しいので我慢しつつ続きを話す。

 

「まあ、最初に出会った時は俺以上のボロボロでな」

 

「!? クチチィ(ルナの姉御がボロボロだと)?」

 

「あー、あの時は他のポケモン達に襲われて死にかけてたわね」

 

「ま、まじッスか!」

 

「本当よ」

 

 驚く仲間達にルナは嬉しそうに笑う。その理由はおそらく……。

 俺は過去の話を思い出していると、ルナが改めて星が輝いている空を見上げる。

 

「その後、クウヤとたまたま出会ってオボンの実を差し出されんだけど」

 

「あの時は食べる力もなかったよな」

 

「ええ! だからあの時の口移しは良かったわ」

 

「「「!!」」」

 

「メタァ(そ、そんな事もやっていたのですね)」

 

 目を見開いてコッチを見てくるシズクを含むメスポケモン達。コウテツだけは関係ないのか周りの変わりようを見て冷や汗を流している。

 ……すまんなコウテツ。

 

「なあ主人。後で妾にもやってほしいのじゃ」

 

「あ、ウチもッス!」

 

「クチチィ(オレも忘れるな)!」

 

「待ちなさい! クウヤへのディープキスは私が最初にやるのよ!」

 

「えっ、ちょっ!? 流石に待ってくれ!」

 

 このままだと本気で襲われそうなので流石にやばい。なので俺はこの処理を未来の俺に任せると決めて彼女達に落ち着いてもらう。

 そして数分後、なんとか落ち着いた彼女達に続きを話す。

 

「は、話を戻して……。その後はルナとトウカの森を彷徨いつつ近くのトレーナーとバトルして賞金を貰ったりして何とか凌いでいたんだよな」

 

「懐かしいわね」

 

「だな。てかあの時のお金がなかったらどのみち死んでいただろ」

 

「そうよね……」

 

 最悪トウカの森に彷徨ってきのみ生活。

 それだけならまだいいが危険なポケモンに襲われて死ぬ可能性もある。

 

「ちなみにその後はどうなったのじゃ?」

 

「一応カナズミに到着して速攻でジム戦をしたな」

 

「それとバトルステーションで新米トレーナーと特訓したわ」

 

「へえぇ! そんな事があったんスね」

 

「クチチィ(それってオレと出会う前だよな)」

 

「ああ」

 

 あの時は生きるのに必死で周りなんて見えてなかった。俺はそう思いつつ続きを話すと、背中にくっついたままの夜桜が何か思い出したように喋る。

 

「まあ、その時は妾が主人を見つけた時じゃな」

 

「! そういえばそうでスね!」

 

「お前らも結構前からストーカーしていたのかよ(汗)」

 

「当たり前じゃ! それに主人には何か特別な力があるからのう」

 

「ッス! まるでウチらが引き寄せられる感じッスね」

 

「クチチィ(あー、それはオレにもあったぜ)!」

 

「メタァ(自分も主を見た時に感じました)」

 

 不思議な力?前にサイドスキルと呼ばれているのは聞いた事はあるが……。俺は頭和を悩ませていると、ふと気になる事を口にする。

 

「ま、まさか!」

 

「何か気付いたのねクウヤ」

 

「ああ、俺がポケモンの世界に転移した理由が分かったかもしれない」

 

「!! それってどう言う事じゃ!」

 

「とりあえず順序を立てて説明するよ」

 

 今までの話とはズレるがシズク達が感じる「引き寄せられる感覚」で思ったこと。

 おそらくは何か大きな力が関わって俺がここにいるならおそらく……。

 

「ただ、今は役者がもう1人足りないから呼ばせてもらうー

 

「!! クウヤ、それって!」

 

「ああ! お前もこの状況を見ているんだろ神様!!」

 

『ほう、よく我に気付いたな』

 

「「「「!!」」」」

 

「い、いきなり空間が割れたの……」

 

 池の上にいきなりバリバリとした音が流れ、そこから空間が割れるような音を耳にする。

 すると大きな異次元みたいな大穴が空き、中から銀色と青色の大きなドラゴンが現れた。

 

(……へ?)

 

 確かにコイツも関係していると思っていたが、メイン参加しているとは思ってなかった。

 なので固まっていると、相手は凛々しくて美しい女性の声で話し始める。

 

『こうやってみるとやはり我の勘はあっているな』

 

「それは良かったよ!」

 

「なんじゃコヤツは!」

 

「ウチらとは比べ物にならないッスよ」

 

「だろうな……。そりゃコイツは神のポケモンだからな」

 

 コチラから目を離さずじっと見ている相手。俺はガタガタ震える仲間達を守るように神様と呼ばれる相手に言葉を選び始めるのだった。

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