丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
本音を言えば別にエメラルド達を助ける為だけでトウカジムを潰すわけではない。だがアイツらは原作の主役で彼女達が潰れると、ストーリーがぶっ壊れる可能性が格段に高くなる。
なので修正する為に本気で迎撃した方がいいと思い、俺はスマホロトムを起動した後にトウカジムの門を叩く。
「たのも!」
「! と、トウカジムに何の様ですか?」
「何の様ってジム戦ですよ」
「は、はい……」
隣にスイクン(シズク)を連れながらジムに突っ込む。正直受付からすれば威圧感がやばそうだが。
(チンピラ共がスカイ団と言っていたからな)
スカイ団には石の洞窟で殺されかけたので個人的に恨みもある。そのため反撃するつもりで待っていると、受付の女性がどこかに連絡した後にバトルフィールドに案内してくれた。
「ここがトウカジムのバトルフィールドになります」
「ええ、ありがとうございます」
受付の女性が案内してくれたバトルフィールドには、見た感じ大勢のトレーナーが集まっていた。
その中で一際目立つ豪華な宝石で着飾った金髪の青年がコチラを見て笑う。
「ようこそトウカジムへ。僕はこのトウカジムのリーダー代理であるゴルトだ!」
「クウヤです」
「ほう? 確か君はカイナで開かれた大型大会でそこにいるスイクンを使っていたよね」
「ええ。それが何か?」
「単刀直入に言うけど僕にスイクンをくれないかい?」
『!』
「……もし自分がスイクンを渡すとして貴方からは何をくれるのですか?」
『ダンナ』
スイクンをよこせと言われるのは予想ないだったので俺は冷静に言葉を返す。
するとゴルトは嬉しそうに笑いながら後ろに控えているトレーナー達を見た。
「そうだね。僕の部下とかどうだい?」
「部下? それってジムトレーナーとしてですか?」
「うーん、それもだけどスカイ団の団員としてもね」
「!!」
(こんなアッサリと言うのかよ)
コイツバカじゃね?と思ったが流石にそれを言うわけにはいかないので、俺は言葉の続きを待つ。
「君の実力は僕も気になっていてね。少なくともその辺のトレーナーとは格が違うのはわかる」
「褒めていただきありがとうございます」
「うんうん。それで答えはどう?」
「あ、はい。その前に質問いいですか?」
「もちろん何でも聞いてよ」
ここまできたら罠でしか見えないしご都合主義に見えるが、それはそれでありがたいので俺は口を開く。
「ジムリーダーであるセンリさんはどうしているんですか?」
「ああ、彼はミシロタウンで奥さんと愛し合っていると思うよ」
「そうですか……」
『だ、ダンナ』
これでセンリさんの安全は大丈夫なはず。そう思いながら俺は質問を続ける。
「確かにジムリーダーが不在なのは気になるよね」
「まあ、それもありますが先代のジムリーダーも気になりますね」
「先代? ああ、クロウの事かな?」
「そうです」
「彼は問題を起こしてリーダーを追放されたんだよ」
わざとらしく顔を振るゴルトにムカつくが、俺はなんとか我慢して丁寧に言葉を耳にする。
「つまりゴルトさんに何か不都合な事があったのですか?」
「まあね……。でも今は他の地方に行っているんじゃないかな?」
「なるほどです。ちなみにトウカジムを狙ったのは隊員達の訓練とカナズミに襲撃を仕掛ける準備をしたいからですか?」
「!! へえぇ、そこまで知っているんだね」
(やはりそうか!)
サファイアと出会った時にあった襲撃犯。それを自白したので周りのジムトレーナー達が焦り始めていた。
「ご、ゴルト様! それは!!」
「大丈夫だ。コイツは僕の部下になるんだから!」
「その自信はどこから来るのですか!」
「勘!」
「「「えええ!?!?」」」
カラカラと笑うゴルトを見て部下が突っ込んでいるが、俺は真面目な表情のまま言葉を返す。
「その前にツレがいるので呼んでいいですか?」
「おお、もちろんだよ!」
「ゴルト様!」
なんか色々突っ込みたいところはあるが、俺は通話を繋げたままのスマホロトムを胸から取り出して一言。
「すみません、トウカジムに入ってきて大丈夫ですよー」
『ああ、わかったよ』
超イケメンボイスの返答があったので通話を切った後、嬉しそうにしているゴルトは口を開く。
「さて誰が来るのかな?」
「それはお楽しみですよ」
(いやいや、コイツ悪役に向いてなくね?)
ここまでペラペラ話した挙句、今の状況がわかってない。確かにジムトレーナー(仮)が50人以上いるとはいえおかしくね?
俺はそう思っていると、入り口が大爆発を起こした。
『ダンナ!』
「あ、ありがとう!」
「なっ!? 何が起きた!」
コチラに瓦礫が飛んでくるがシズクが『まもる』を発動してくれて防御してくれた。
そして砂埃が舞う中、相手側はアタフタする様にコチラを見る。
「ご、ゴルト様!」
「大丈夫だ! それよりこれは……」
「とりあえず何が起きてもいい様にポケモンを出します!」
周りのジムトレーナー達は腰からボールを取り出してポケモンを繰り出す。そして砂埃が落ち着いて現れた人影にゴルトが口を大きく開けて呟く。
「やあ、久しぶりだねバルサン・ゴルト」
「つ、ツワブキ・ダイゴ」
「「「!?!?」」」
いきなり登場したダイゴさんを見て固まるトウカジムの関係者達。するとゴルトの隣にいたお付きのトレーナーが思わず頭を抱える。
「だからオレは警告したんですよ!」
「う、うるさい! 誰もこんな状況を予想できるか!!」
「「「いやいやいや!?」」」
「そこは警戒しましょうよ」
(そこは部下のおっしゃる通りだな)
なんか本人よりも部下の方が優秀な気がするがそれはさておき。銀色のメタグロスを連れて中に入ってきたダイゴさんは俺達を見て笑う。
「まさかバルサンコーポレーションの御曹司がスカイ団と関わっているとはね」
「! その情報をどこで」
「いや、その変のチンピラが言っていたぞ」
「アイツら!」
『綺麗にずらしたっッスね……』
とりあえず責任転換をするとゴルトはチンピラの方にブチギレていた。うん、コイツってアホなのか戯けなのか分からなくなってきた。
(どこぞの戯けを思い出す)
ガンダ○の鉄○に出てきたペシャンコ公を思い出すがそれはさておき。ダイゴさんが現れた事でジムトレーナー達や関係者が固まっている。だがその中の1人がダイゴさんに言葉を返す。
「だ、だが! 所詮街のチンピラが言っていた事だろ!」
「確かにそうだけど、実は間違えてクウヤ君の電話に繋げっぱなしだったんだよね」
「なあぁ!? それってまさか」
「うん、君達の会話は丸聞こえだよ」
「や、やりやがったわね!」
「いや俺に言われてもな……」
『だ、ダンナ』
隣でポケモン状態のシズクにジト目で見られるが俺はスルー。
このままお縄についてほしいが、ゴルトは周りのジムトレーナーに指示を出す。
「まあいい! コイツらをぶっ倒せ!」
「「「無理です(よ)!!」」」
「はあぁ! 相手はチャンピオンだがこの数なら倒せるだろ!」
「いや、チャンピオンだから無理なんですよ!」
「いいからやれ!」
お付きの人がめっちゃ優秀なので可哀想だなと感じていると、ダイゴさんが威圧をこめて一言。
「やるのかい? 誰が1番強くてすごいかって、思い知る事になるよ」
「う、うるさい! やっちまえ!」
「「「は、はい……」」」
(部下の人達が可哀想すぎる)
コチラに襲いかかってくる数多のポケモン達。だがダイゴさんは手持ちのポケモンを全て出して圧倒していく。
その強さはチャンピオンの名に相応しく、10分もかからずに相手のポケモンを全て叩きのめした。
「そ、そんな! なんで!」
「さてと、このままだとダイゴさんに美味しいところを持ってかれるよな」
「そうッスけど、どうするんスか?」
「まあ、夜桜を呼ぶか」
「えええ!?」
向こう側はメンタルが折れかけで固まっているが、ここでポケモン状態の夜桜を召喚。
その結果、トウカジムの関係者は思わず腰を抜かした。
『やっと妾の出番じゃな』
「ああ、そうだな」
『ほほう! 主人よ、とりあえずこの街を吹き飛ばせばいいのかのう?』
いや確かにお前の力なら軽く街を吹き飛ばせるが今はそうじゃない。俺はそう突っ込みつつ夜桜に言葉を返す。
「いやいや、そうじゃなくて目の前にいる敵の心を折ってくれないか?」
『えー、戦闘じゃないのかのう』
「悪いな」
『わかったのじゃが……後で甘えさせてもらうのじゃ!』
「わ、わかったよ」
この後、夜桜(ルギア)の威圧感を受けたジムトレーナー+ゴルトは失神。そのままダイゴさんに頼んだ部隊がトウカジムを占拠して物事は解決していく。