ボクはずんだもん! ……じゃないのだ!
……う……ぐ……とち狂った神の趣味で『ずんだもん』にされた、一般人Aなのだ!
本名はずんだもんじゃないけど、本名が名乗れないように、呪いがかけられているのだ……。
語尾もそうなのだ。自分じゃ、コントロールできないのだ。
でも、ずんだもんとして転生させられたからには、一生、ずんだもんとして、生きていくしかないのだ。
けれど、ここ──『アークナイツ』の世界、テラでオワタ。
と、思いきや。
ボクをずんだもんにした神が、特典をつけてくれたのだ。お察しの通り、チート能力です。
燃やすだけでなく、凍らしたりと──色んなアーツ、能力が使えるのだ。しかも、スカジ並の怪力でどんな物でも、ラクラク持てるのだ。
だが──ボクはずんだもん。あくまで、ずんだもん。
ぬか喜びさせるのも、いい加減にしてほしいのだ。
そんなこんなで、ボクはロドスで働くことになった。
そして、ボクはまちがいなく、このロドスで浮いている。
見た目だけの理由ではなく、語尾に『のだ』をつけたりと──あからさまなキャラ作りに他の職員たちが引いている。
それでも、優しい人たちはいるけれど、心が痛い。
個性的なオペレーターに負けじと、ロドスで浮くなんて、ボクはどんだけ浮いてるんだ。つらい。
語尾について聞かれたら、ボクは必ず「呪いです」と答えるようにしている。
もしかして……これのせいか?
そもそも、ボクがロドスで働くようになった理由は、クッソしょーもない。
転生といっても、赤ちゃんから始まったわけではない。
ずんだもんとして、完成した状態で、この世界に降り立ったのだ。
ボクが最初にいた場所は、移動都市の中ではなく、外だった。
そのとき、はい、クソゲーという言葉が頭をよぎったのは、記憶に新しい。
そこにちょうど、偶然、たまたま、運がいいのか悪いのか、ロドスに所属する人間が、ボクの目の前に現れた。
人がいたことに大喜びしたボクは、突進するように駆け寄り──勢い余って、衝突。
しかも、その相手は鉱石病に感染しており、腕には〝石〟が露出していた。
ぶつかったボクは、その石によってすり傷を負い、検査してもらったところ『感染』していた。
悪いのはボクなのに、相手はものすごく責任を感じていて、なんやかんやで、ボクはロドスで働かせてもらえることになった。
神と転生のことは伏せて、身の上話をしたことも、プラスに働いたのかもしれない。
ずんだもん以外の名前は名乗れないので、ボクがロドスに登録した名前は当然、ずんだもん。
うるさく、のだ! のだ! といいながら、戦闘オペレーターとして、活躍している。
でも、ボク……ずんだもん、なのよね。
見た目はずんだもん。声もずんだもん。ボク本来のアイデンティティが失われていく日々……。
だけど、このヤサグレた世界で、やさぐれるヒマなどないのだ!
──今日も一日、頑張るのだ!!