鬱ゲー世界に転生したけど、鬱要素を吹っ飛ばしてハーレムを横で眺めたい 作:ねむ眠み
でもこの原作ゲームの主人公は…
「しっかし、あのトラップ型グラトニー、ここに居た全部のグラトニーを集めたのかね」
歩き出して三歩目辺りでグラトニーの死体の山を思い出した僕は、習慣で持って来ていた杖にエネルギーとして取り込ませながら何処に主人公が居るのか考える。
一枚絵では暗い部屋しか分からない
そしてこの場所には、廃ビルがタケノコかってくらいに乱立している
元々どういう街の設計してたんだよと思うが、そもそもディストピアとか廃ビルが腐るほど乱立してるイメージなので、このゲームももれなくそうなっている。
二人が死んだ場合は別働隊の生き残りが、崩れそうな廃ビルから主人公を見つけている。
二人が生存した場合は、一枚絵が同じなものの、文では崩れた廃ビルの中に転がっていたという話だ。
「なんだろうなこの扱い」
仮にもプレイヤーの分身たる主人公だというのに、どっちのルートに行こうが廃ビルから出られてないし、生存ルートでは明らかに雑な描写だ。
「まぁ廃ビルの中なのは変わらないけど…けどなぁ…」
いくら何でも多過ぎるし、一つ一つしらみ潰しに探せる程時間がない。
夜になればグラトニーは余計に活発になり、ゲーム的に言えば夜間のグラトニーは雑魚敵でさえ全ステータス2倍になっているのだ、HP1%の後衛が勝てる訳がない、遭遇すれば瞬殺される
しかし、見つけないと話が進まないし、目的が達成出来ない
何よりヒロイン達が悲惨な最後になる。
直感を信用して、二人が叩きつけられた廃ビルに入る。
「あ」
「あ」
主人公は、居た。
…ただし、二人に増えて、性別はどちらも、女だ。
更に、原作より少し幼い
「…どうして予想の斜め上になるのか」
その言葉に、主人公×2は首を傾げた。
☆
そのまま主人公×2から話を聞く
主人公1の名前はデフォルトネームの名字である『クロガミ』
そして主人公2の名前はデフォルトネームの名前である『ミタマ』
それを聞いて、天井を見る
(予想の斜め上とは思ったけど苗字と名前でぶった斬られてるとかあるんか…)
因みにチュートリアルの二人…リンはカミヤという名字があり、ルビーはナルカミという名字がある
ルビーだけキラキラネームじゃない?と思っただろうが、ルビーは生存させると元々素質のある炎系に加えて雷系の武器が装備可能な事が判明するので、割と筋は通っている。
(ま、僕は捨て子だから苗字も名前もなくて、装備可能武器は誰でも適正があるクソ雑魚装備の鉄板だけなんだけどね!!)
仮に呼ばれるとしてもナナシである。悲しい
「…とりあえず、君達を見つけた以上は生存者として連れ帰る義務がある。悪いけど拒否権はない」
「…ここよりは安全?」
クロガミが問いかける
「安全、なんなら救世主様が居るぞ」
「もう雑草で飢えを凌がなくていい?」
ミタマが問いかける
「普通にご飯はあるから食えなかった分食え、その後に色々とあるけどな」
ゲームでの色々なイベントを思い出しながらクロガミとミタマを撫でる。
「じゃ、帰りますかね」
端末を操作し、クロガミとミタマを抱えると即座に視界がブレる。
三人が居るのはいつもの鉄の部屋である。
「よし、帰って来たな。とりあえずそこのドア開けるから、二人は先に出て行くんだぞー」
そう言って扉を開けようとした時、勢いよく扉が開き、人影が二つ突撃して来た。
「何が重症者だぁぁ!お前が1番重症だろうがぁぁ!」
「青い顔して冷や汗流してる仲間の顔を見て戦線離脱した側の気持ちを考えなさいよ!!」
人影はリンとルビーだった。
そして綺麗にくの字に曲がり、勢いそのまま壁に叩きつけられたHP1%の
そんなナナシを見て固まる、主人公×2
「お前ら、おれ、ひんし」
「「あっ」」
二人して気付いた後に、ナナシは意識を手放した。
その後、何やら色々とあったらしいが…リンとルビーは断固として語らなかった。
ただ凄く震えていたので、上司にでも怒られたかなと僕は病室のベットで一人思った。