鬱ゲー世界に転生したけど、鬱要素を吹っ飛ばしてハーレムを横で眺めたい 作:ねむ眠み
こんな遅い更新頻度ですが今年もよろしくお願いします。
二週間程度で退院した僕は、復帰早々に上司に呼び出された。
軍事物とかでよくある机越しに、刀に手をかけながら上司は問いかける
「リンとルビーから、あの場には新種のグラトニーが居て、未知の存在も居たと報告がされている…間違いはないな?」
「ないですね」
事実である以上は否定する必要がない、仮に嘘付いたらこの場で首を斬られてしまう。
「ならばいい」
そう言って、上司は刀から手を離した。
この『上司』は俗に言ってしまえば名前のないモブキャラだ。
ただし、その戦闘能力は高く、中盤までの主人公+ヒロインパーティですらギリギリ負けてしまう強さだ。
つまり、育ってない主人公やまだ会ってないヒロイン、リンやルビー相手でさえも瞬殺できる。
クソ雑魚後衛の自分など、足掻く前に首と胴がお別れである。
「お前の拾った子供だが、栄養失調気味だった為に食事を与え、救世主様より『適正』があるとされた。故にお前が入院中に武器を授け訓練している。部隊としてはお前持ちだ。ルビーやリンには話を通してある。上手く協力して任務に励め…話は以上だ」
「はっ!」
僕は敬礼をすると部屋を出る。
そのまま廊下を歩き、ふと気付く
「待てよ、既に訓練しているならヒロイン達とも会ってるじゃん!逃した…主人公とヒロインの初絡みを逃した…!」
だが、初絡みを逃しても訓練中の絡みは見える!!
僕は急いで訓練所へと走った。
「はぐっ…!?くそっ!退院したばっかだから早く走れない!」
「おう、退院したばっかなのに無理して走んなよ」
おじさんにそう言われながら、僕はできるだけ早歩きで向かった。
痛む身体に鞭を打ち、なんとか訓練所に辿り着いた。
中に入ると…そこでは
「もー…リンったら…幾ら人気がないからって…」
「ルビーがここに連れて来たんじゃないか…」
訓練所の中にある休憩室の分かりにくい所で、リンとルビーがイチャイチャしていた。
ご馳走様です、と合掌して訓練室へと入る。
「ふっ!」
「はぁ!」
「良い連携!とってもいいわ!」
白と黒の軌跡を走らせ、クロガミとミタマはそれぞれ武器を振るう
…使ってるのは、ミタマは『光臨剣』クロガミは『暗黒剣』だ。
どうやら適正属性も分かれたらしい
そして、そんな二人を相手するのが最初のヒロインであるカガリ。
黒髪を二つ編みにして垂らし、身の丈程の武器を振り回すタンク兼アタッカーのようなキャラ
扱うのは盾と剣が一体になったパイルバンカーのような武器…名称を『鉄槌剣』という。無属性の武器だ。
何気に少ない無属性武器使いであり、攻守共にバランスの取れたキャラである…ただし初任務の鬱展開の中で生存させなければロストする。
ミタマもクロガミも必死に当てようとするものの、カガリに攻撃を受け流されるばかりで通らず、疲労の為に息切れをしていた。
「んー…よし、今日はこれくらいにしときましょ!」
「は…い…」
「わかり…ました…」
ぜぇぜぇと息を吐く二人に、カガリは姉のような笑顔で二人を撫でる。
「でも、最初の頃よりは上手くなってるわ、このまま頑張りましょ!」
そう言って二人を抱きしめるカガリ
「…あー…てぇてぇな…」
つい、ボソッと呟いてしまった。
そして、ミタマとクロガミが僕を視界に捉えて驚いたその時
任務発令、任務発令、ルビー、リン、カガリ、ミタマ、クロガミ、ナナシ、ゴドル、ナルタは現場に急行せよ…場所はーー
「…マジか」
リンとルビーが生存しようが死亡しようが、絶対に来る本編最初の鬱展開『初任務』がやってきた。
…この初任務は判断をミスればカガリが死亡する。主人公への最初の試練であり、油断したプレイヤーの精神を抉る…そういう任務だ。