鬱ゲー世界に転生したけど、鬱要素を吹っ飛ばしてハーレムを横で眺めたい 作:ねむ眠み
『堕落』リリス。
この初任務で何故かヒロイン側を狙って現れるラスボスだ。
何故最初のヒロインであるカガリを狙うのか…理由は簡単。
カガリを『堕落』させ、自らの手駒にした場合、便利だから
この初任務でカガリを死亡させてしまうと、その後のヒロイン達に『堕落』の危険が及ぶ。
これが何を意味するか、本編ベリーハードモードである。
何なら、バッドエンドルートとして主人公が堕落してきたヒロイン達によってグズグズになるまで堕とされるというのがある。
ハーレム展開を望む身としては避けなければならないルートだ。
そして、この『初任務』でのリリスの強さというと
厄介ではあるものの、頑張ればは倒す事が可能だ。
ただし、ゴドルとナルタが問題なのだ。
「ちっ、別嬪さんだが敵かよ…恨むなよ!」
「首落とせば良いかねぇ!」
ゴルドが大剣を振り下ろし、ナルタが背後へ回って、ナタでリリスの首を狙う。
しかし、その一撃は届かない。
「ん〜…邪魔♡」
まるでゴミを払うように、大剣を弾き、ナタを尻尾で叩き落とす。
「なにっ…!?ぐっ…!?」
「しまっ…うぐっ…!」
ゴルドはリリスに首を掴まれ、ナルタは尻尾に首を巻かれる。
「ん〜…むさ苦しいのは好みじゃないのよね…」
「ぐっ…がぁぁ!?」
ゴルドの肉体が、首から徐々に腐り始めた。
直ぐに首と胴体はお別れになり、ゴルドはあっさりと死亡した。
「後ろの君は〜…ダウナー系?好きじゃないなー」
「かっ…!」
ミシミシという音と共に、尻尾で首が締め上げられる。
そのまま、リリスは辺りを見渡す。
「ん〜…?あ、見つけた見つけた♪」
ダラリと脱力し、顔が変色したナルタをゴミのようにポイと捨て、カガリへと接近する。
「させるか…!」
僕は鉄板の唯一の攻撃スキルを発動させ、リリスにぶつける。
「んっ…?」
しかし、フリスビーをキャッチするように鉄板は掴まれた。
「あれ…?君…魅了にかかってないね…耐性があっても確実に効くのに…」
リリスの言う通り、『状態異常耐性』を習得してもリリスからの『魅了』は防げない。
しかし、『WORLD・END』の状態異常の対策はとても簡単なのだ。
そもそも、状態異常になる確率の計算をすると
『状態異常付与確率-耐性の%=状態異常になる確率』なのだ
リリスの『魅了』は100%であり、『状態異常耐性』は50%
半分の確率で通ってしまう…のだが、リリスには固有のスキルとして『堕落』がある。
効果としては『1%でも付与成功がある場合、《魅了》状態が確定で成功。更に《堕落》の状態の相手を味方にし、強化状態を付与する』というものだ。
なら残りの50%をスキルで埋めれば良いという話になる訳だ。
因みに固有スキルはヒュプノも保有しており、あちらは『惰眠』
効果としては『《睡眠》状態を通常やスキルで付与する場合、1%でも付与成功がある場合確定成功。更に《睡眠》状態の敵を操り、味方を攻撃させる』である。
「ふーん…耐性をより強めてる訳か、天使が知恵でも授けたかなぁ」
こっちを見つめながらも、チラチラと胸元や太ももを見せて魅了しようとして来るリリス。
「興味がある惹かれる訳でもないの〜…?ふーん。面白いね、キミ…!」
ニッコリと笑って、鉄板を投げ返してこちらに近寄るリリス
「私を…忘れていますねっ!」
そんな彼女の後ろからカガリが撃鉄剣を叩き込む。
ズンッ!という音と共にリリスが逆のくの字に曲がり、更に大砲のような轟音と共に弾き飛ばされる。
「ふぅ…ごめんなさい、ゴルドさん、ナルタさん…貴方達を救えなかった…」
二人の亡骸を見て、カガリは顔を伏せる。
「ん〜!いったーい!」
瓦礫を吹き飛ばし、少々の土埃だけの元気な姿なリリス
「腰!人の腰になんてものぶつけてるの!?私じゃなかったら腰痛になってるんだけど!?」
「貴女は人ではないでしょう!!」
カガリの反射的に出た言葉に、リリスは無表情になる。
「ふーん…人じゃないねぇ…君は知らないからそういう事が言える訳だけど」
チラリと、ゴルドとナルタの死体を見るリリス
「君らが成長して行かないなら、
ぴょんと軽いステップを踏むように僕とカガリから離れると、ゴルドとナルタの死体に触れる。
「男だし、粗悪だけど…使えない訳じゃないからいいかな」
トン…と二人の死体を指で押す。
すると、二人の死体が急速に変化する。
ゴツゴツとした筋肉質な姿から、少女の肉体へ
離れていた首は逆再生のように戻りながら、その顔を少女へと変貌させる。
ムクリ、と起き上がった二人の少女には、悪魔の翼と尻尾があった。
「う、あー…」
「ああ、う」
焦点の合っていない目で、こちらを見つめてくる二人の少女
「んー、やっぱり男だと勝手が良くないねぇ…ま、目的は果たせたし、帰ろーっと」
「逃すと思って…!」
即座にリリスへと急接近したカガリは撃鉄剣を再び当てようとするが
「せっかくこっちが見逃してあげるんだから、感謝しなさいよ」
指でつん…とリリスがカガリのおでこを突く
それだけでカガリは吹き飛んで行った。
「これはさっきのお返し、致命傷は避けてあげたから感謝しなさいよねー」
やれやれと肩を下げたリリスは僕をじっと見る
「それにしてもキミ、とっても面白くて興味深いね。私が仕掛けた罠もまるで知ってたように落ち着いて見てたし、私の魅了への対処がしっかりしてた。それに、私が誘惑しても少しも動じなかったし…ふふふ…キミみたいな子、初めてだなぁ…♪」
ゆっくりと、こちらへ近寄るリリス
そんな彼女の背後で、黒と白の剣が振り上がる。
「しっ…!」
「ねぇ!!」
幼いはずなのに、その顔が憎しみに満ちているミタマとクロガミの渾身の一撃を
「うわっと!?」
クルリと宙へと浮いて回避するリリス
「おい、無事か!?いやカガリさんが無事じゃねぇけど!」
「コイツ、何者…!?」
ボロボロのカガリを担いで、リンとルビーも合流した。
「ん〜…揃い踏みかぁ…」
ふよふよと宙に浮いたまま、リリスはこちらを見下ろす。
「ま、顔は見れたし、帰ろ〜っと、ほら行くよー」
「ううぁ…」
「あぃ…」
パチン、と指を鳴らすと一瞬にしてリリス達は消え去った。
それを確認した僕は、カガリの肩に手を置き
「…よし、回復のきせ」
「使わせねぇよ!?」
「ストップ」
リンとルビーの良い感じなダブルパンチを受け、僕の意識はなくなった。
『堕落』リリス
本編のラスボス。
厄介な状態異常である『魅了』そして魅了状態の相手を『堕落』状態にする【堕落の接吻】がとても厄介なラスボス
通常攻撃には一定確率でスリップダメージを与える『腐敗』状態を付与する効果がある。因みにヒュプノは通常攻撃に『腐敗』状態は含まれていない。
専用の演出として【縛り付ける】ではキャラクター別でムチで縛るカットシーン、【魅了の霧】は画質がめちゃくちゃ高いダンスシーン、堕落状態を付与する【堕落の接吻】や魅了状態を付与する【魅了の接吻】では丁寧に1キャラに60枚もの絵を使いヌルヌル動くねっとりとしたキスシーンを見せてくる。
しかも、魅了と堕落でしっかりと描き分けられている。
ラスボスである以上、彼女を倒せば基本的にはクリアだ。
倒した時に一定確率で『魅惑の指輪』『愛のムチ』、更に低確率で『小悪魔』が手に入る。
『魅惑の指輪』と『愛のムチ』は周回の引き継ぎアイテムで、装備していると、なんと天使やヒュプノ、リリスに対して【縛り付ける】と【魅了の接吻】が行える。
ただし、本人達は魅了への完全耐性を持つ為、使ったとしても効果はない
代わりに、専用のアニメーションが流れる。
紳士なプレイヤーはわざわざ主人公の男女それぞれでアイテムを揃え、更に本人達それぞれの戦闘前を個別にセーブしているらしい
小悪魔は引き継げないアイテムだが、裏ボス戦に持って行ければ、専用イベントが発生する
因みに、裏ボスのドロップアイテムである『天使』と『小悪魔』を揃えた上でとある場所に向かうと、隠し実績と隠しエンディングが見られる。