DragonballVivid   作:blacktea

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第10話 本気の勝負だ! 悟天、ヴィヴィオVSトランクス、アインハルト

――――聖地の国で古い結晶により異なる次元の死者蘇りし時、黄金の戦士が出現する。

 

聖王教会・教会騎士団所属の騎士カリムはそう予言した。彼女は予言能力の持ち主であり、唐突に彼女はそう口を開いた。

同じく騎士に相応するシャッハは彼女の言葉を耳にして理解する事は出来ずにいる。意味がわからないのだ。

 

 

「騎士カリム…それは一体どういう意味なのですか?」

 

「……私にもよくわかりません。」

 

 

不吉な予兆か、或は幸福の予兆か。何かに対しての予言に代わりはないが意味を理解出来なければ只の不気味な戯言に過ぎない。

静かに二人は思考を繰り返していく中でカリムは自身が創造した思考を口にした、だがそれは―――……。

 

 

「次元の死者や、黄金の戦士が気になりますね…。」

 

「確かに、黄金の戦士もそうですが死者が蘇るだなんて……。」

 

 

それは彼女達の世界では「最も有り得ない現象」が起きるのだ。故にカリムが予兆する内容は「最も有り得ない予言」である。

決して口に出されず言葉にされる筈がない物。それは正しく彼女達からすれば不気味で不吉な予兆でしかない。

 

 

「…まあ、私の予言はよく当たる程度の占いです。もしかしたらハズれるかもしれません。」

 

「そう、ですが……。」

 

 

不気味な未来、有り得ない未来、普段通りの態度を見せるカリムだが内心では何か胸騒ぎを感じていた。

 

 

「…騎士カリム、そろそろお茶にしませんか?」

 

 

シャッハは優しく微笑みを掛けながらそう提案した、その緩やかな一言が緊迫した空気を見事に打ち破る事ができている。

先程から予言に夢中だったカリムは表情を一変させてすぐに嬉しそうな笑みを浮かべて、問いに同意を返すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、アインハルトとヴィヴィオとの決戦の場はアラル港湾埠頭の廃棄倉庫区画、試合時間まで10分ほど時間に空きがあった。

現在の時刻は1時20分―――その場にはヴィヴィオと悟天だけが姿を現しておりアインハルトとトランクスの二名がその決戦の場から姿を見せずにいる。

 

 

「試合時間まであと10分だね。」

 

「もうそろそろ到着ッスかねぇ…?」

 

「ヴィヴィオ、悟天くん、がんばってね。」

 

「うん…ありがとう、コロナ!」

 

「ありがとうコロナちゃん!」

 

 

ヴィヴィオ以外にもノーヴェやその姉妹、リオとコロナ等が観戦しにその場へ居合わせていたのだ。

だがそのメンバー以外の人物は一人たりとも存在していない。人通りの少ない廃棄倉庫区域は正に決闘を邪魔されない為に選んだ場所とも言える。

悟天は殆どのメンバーと初対面であったがすぐに自己紹介を交わし、彼等と馴染む事ができていた。

 

 

「お待たせしました…アインハルト・ストラトス、参りました。」

 

 

静寂な風が吹き荒れ、ヴィヴィオや悟天達を通り過ぎた瞬間…その場の誰もが聞き覚えのある女性特有の凛とした声が耳に届く。それに続いて幼い少年の声も。

 

 

「久しぶり!ヴィヴィオちゃん、コロナちゃん、リオちゃん。」

 

「来ていただいてありがとうございます、アインハルトさん!それからトランクスくんも…。」

 

 

待ち望んでいた二人が顔を見せた途端にヴィヴィオは深く頭を下げて礼儀正しく感謝の意を唱えた。無論、トランクスにも例外はなく。

その二人の背後に立ち並ぶ二人の若き女性は優しげな微笑を浮かべてその光景を見守りつつあった。

 

 

「此処な、救助隊の訓練でも使わせてもらってる場所なんだ。廃倉庫だし…許可も取ってあるから安心して全力を出していいぞ。」

 

「うん…最初から全力で行きます。」

 

 

一切迷いが見えない、決意で固められた虹彩異色の瞳。決して妥協は存在しない。それはアインハルトが求めている真剣勝負をそのまま再現したような構図をヴィヴィオが描いていた。

だがアインハルトは無表情を崩す事はなかった。ヴィヴィオと最初に出会ったままの感情が見えない表情…だが彼女の瞳は満足している様子はない、寧ろ不満に近く浮かばれないようにも見える。

 

 

「セイクリッド・ハート…セット・アップ!!」

 

「―――……武装形態。」

 

 

小さな可愛らしい兎のぬいぐるみを片手に掴み取ると同時、ヴィヴィオとアインハルトは互いに変身魔法を唱えた。

一瞬にして眩い光が少女達を覆い隠し、光が消え失せた頃には二人の少女はどこか子供の面影を残した見慣れない女性へと変貌する。

 

 

「アインハルトさんも大人モード!?」

 

「わあ…こうして見ると二人とも、凄い威圧感……。」

 

「陛下、無理はなさらずに……。」

 

「頑張ってねヴィヴィオちゃん。」

 

 

金色の髪をサイドテールにさせ、紺色の防護服に純白のジャケットを着込むヴィヴィオ。薄緑が入り込んだ銀色の髪をツーサイドアップにさせた翠色の重厚な防護服を着用するアインハルト。

ごく普通の子供として捉えるには明らかに両者は異端だ、突然大人になってしまう光景には一般人では驚きを隠し切れないだろう。だからこそ二人の対決は見物として充分過ぎるほどの価値を持ち合わせている。

コロナとリオ、姉妹達はその姿に歓声を上げて両者を互いに見守るような視線を送り続けていた。

 

 

「今回も魔法はナシの格闘オンリー!5分間の一本勝負…。」

 

「「…………。」」

 

 

張り詰めたプレッシャーを抱える二人、ヴィヴィオは静かに構えを取る。

 

 

 

「それじゃあ、試合―――開始ッ!!」

 

 

 

アインハルトとヴィヴィオの試合開始直後、ティアナは彼女達から視線を逸らして別方向へと目を向けた。その先にあるのは二人の少年だ。

互いに睨み合い、緊迫した雰囲気が彼等を包み込んでいる。その状況はアインハルトとヴィヴィオのような決闘直前の様子とよく似ているのだ。

 

 

(綺麗な構え……油断も甘さもない。)

 

(凄い威圧感…一体どれくらい、どんな風に鍛えてきたのだろう?)

 

 

甲高く女性のように高い少年の声が鳴り響く、直後に少女が見せた行動はヴィヴィオ同様の戦闘体制…綺麗に構えを取る。

 

 

(いい師匠や仲間に囲まれて、この子はきっと格闘技を楽しんでいる。)

 

(…勝てるなんて思わない。)

 

 

間合いを詰めたり、取ったりの繰り返し。張り詰めた空気が二人を包み込み、緊張故に少女達の握り締めた手には汗が含んでいた。

 

 

(私とは何もかも違うし……。)

 

(だけど、だからこそ一撃ずつで伝えなきゃ!)

 

 

 

 

(覇王(わたし)の拳(いたみ)を向けていい相手じゃない。)

 

 

(この間はごめんなさい、と―――。)

 

 

僅かな時間の差は勝負の世界で非常な結果を生み出す、それを避ける為にも彼女達は動き出したのだ。

 

 

「~~~ッッ!!」

 

 

先手を取ったのはヴィヴィオ、突き出される拳を察知した上でアインハルトは更なる先手…ヴィヴィオよりも一層早く動いた上で拳を突き出す。

 

 

「っく……!?」

 

 

先手を奪い取られたヴィヴィオは必死に両腕を交差させて彼女の拳を防ぐ、だが追い討ちを掛けるようにもう一つの腕で更にアインハルトは畳み掛けていく。

 

 

「ふ、二人とも変身してると余計に凄いね…。」

 

「そうね、二人ともこの日の為に必死で練習をしてたんだし……。」

 

 

スバルとティアナは二人の攻防戦を目にして口を開いた、高速を容易に超えた打撃が繰り返される二人の戦闘は魅入られる要素を持ち合わせている。

両者の才能と能力、そして努力が生み出した力がその魅入られる要素と言っていい。そして悟天とトランクスで行った修行の成果が大きく出ている。

もはや唯の一般人では彼女達を目視する事は厳しい。何を行っているのか、何を思っているのか、残像となった二人の戦闘が彼女達の目に入り続けていた。

 

 

(これがわたしの全力……!!)

 

 

ヴィヴィオが持つ想い、記憶、技量。持ち合わせている全てをアインハルトに叩き込む。自身の全力を認めてもらう為、問答無用の拳。

総ての感情が込められた拳(一撃)が超高速の攻防戦の中に潜む僅かな隙に付け込んで大胆にヴィヴィオは乗り出したのだ。

 

 

(わたしの格闘技(ストライクアーツ)―――ッッ!!!)

 

「っ、ぁ……!!」

 

「アインハルトちゃん!?」

 

 

それは初めてアインハルトがヴィヴィオに出し抜かれ、彼女の勝機に成りえる要素が生まれた瞬間でもある。

 

 

「やったあっ!」

 

 

悟天の無邪気な声が響く束の間、ヴィヴィオの猛攻にたじろぎ始めるアインハルトは必死に抵抗するが徐々にヴィヴィオが先手を取りつつあった。

 

 

(―――強くなるって約束した。)

 

 

彼女によって腹に打ち込まれ、頬へと打ち込まれた事で痛みが生じてきたのだ。防護服によって大幅に痛みは和らぐが何度も彼女の拳を受け止めていれば膝を付くのも時間の問題だろう。

 

 

(強くなるんだ!どこまでだって!!)

 

「がっ……!!」

 

 

初めてアインハルトの表情は苦々しい痛みを耐えるような歪んだ表情へと変化した。同時に彼女の腕に入り込んだヴィヴィオの拳、今まで以上の腕力が込められた一撃。

受け止めた腕に装着された金属品が無残に罅裂が入り、音を立てて崩れていく。――そして勝負を決する時が迫った。

 

 

「……っ!?」

 

 

深淵の虹彩異色はヴィヴィオを捉える、足先から練り上げる強烈な衝動を重厚なアスファルトの地面に強大な傷跡を残して踏み止まった。

 

 

 

「  覇 王  ・  断 空 拳!! 」

 

(―――これで決まった。)

 

 

 

腕に微かな痛みを覚えつつも強烈な衝撃が拳に乗せられ、ヴィヴィオの腹部へと直接叩き込まれる!

 

 

「……そこまで、一本!」

 

 

ヴィヴィオを戦闘不能にさせるには充分過ぎた、異常なエネルギーが集結し命中した事で強大な爆煙が発生したのだ。

それを切り裂くように吹き飛ばされるヴィヴィオは地面へと叩き付けられ再起不能となって子供の姿に戻っている。

 

 

「「ヴィヴィオ…!!」」

 

「ヴィヴィオちゃん!!」

 

「「陛下……!?」」

 

 

―――周りが心配して彼女に近付いてみれば気を失って暫く動けそうにない状態だ。疲労したアインハルトが勝者となって勝負に決着がつくのであった。

 

 

 

 

「ヴィヴィオちゃん大丈夫かなぁ。」

 

「…致命的なダメージを与えないように防護服に叩いておいたので、暫く経てば起きると思います。」

 

「アインハルトが気を遣ってくれたんだね、どうもありがとう。」

 

「そうだったんですか?ありがとうございます、アインハルトさん!」

 

「あ、いえ……。」

 

 

お礼を言われる為に口にした訳ではない、アインハルトはコロナやリオ、姉妹達から視線を逸らして頬を赤くする。

相手の好意的な態度に彼女は慌てふためく対応が多かった。今も視線を泳がして対応に困っていると…。

 

 

「……あら?」

 

「す、すみません……あれ!?」

 

 

突然目眩が生じアインハルトは一気に体制を崩してしまう。今まで凛とした態度から戸惑いに満ちた表情となってティアナに受け止められる形になる。

その時に少女は改めて自分の体の異変を認識した。自身の体の節々に力が入らないのだ、特に片腕。上手く体制を整えようと努力するが思い通りにはならない。

 

 

「ど、どうして……。」

 

「最後のカウンターがカスってたでしょ? それが原因だと思うよ。」 

 

「ああ、恐らく時間差で効いてきたんだろ。」

 

「確か、に………っ!?」

 

「ん、よっと……。」

 

 

トランクスとノーヴェの言葉に納得すると再び足の力が入らなくなりスバルに受け止めてもらう形に。アインハルトは生暖かい感触に戸惑いを覚えながら思い通りにならない自身の体に歯がゆさを感じていた。

 

 

「いいから、じっとしてろよ。」

 

「そのまま、ね…。」

 

 

ティアナとノーヴェの一言によって仕方がなくアインハルトはそのまま状態を継続する事になる。彼女自身も人に凭れ掛かった状態の方が体の安定を得やすかった。

 

 

「……ところで、ヴィヴィオはどうだった?」

 

 

会話の間が空いた所でノーヴェは先程からアインハルトに投げたかった問いを口にしたのだ。此処に至るまでに様々な訓練を詰んだヴィヴィオは以前戦った時よりも遥かに強くなっている。

その成果は驚異に値するほどなのだ。悟天との練習はヴィヴィオの能力を最大限に引き出す事に成功している―――だがそれはアインハルトも同様であり、誰もが彼女達の試合に目を奪われただろう。

 

 

「彼女には、謝らないといけません。」

 

 

未だに表情の変化は乏しいが、その顔色は罪悪感や不安などを表していた。凛とした女性特有の声で彼女は未だに気を失うヴィヴィオへと視線を向けつつ。

 

 

「先週は失礼な事を言ってしまいました…訂正します、と。」

 

「……そうしてやってくれ、きっと喜ぶ。」

 

(今回はアインハルトちゃんが勝ったけど、ヴィヴィオちゃんはまだまだ強くなるだろうな。)

 

 

アインハルトが口にした回答に至るまでの経歴は思考の繰り返しだ。当初彼女は自身に本気で拳を交えてくる理由が今一理解する事ができずにいた。

戦闘で感じたヴィヴィオの様子が今も少女の中では記憶として蘇る。何度も何度も攻撃を受けながらも立ち上がると同時に隙が無くなっていく拳や蹴りの応酬―――。

 

 

「…はじめまして、ヴィヴィオさん。アインハルト・ストラトスです。」

 

 

彼女が本当に伝えたい事が、今アインハルトの考えている物であるかどうかはわからない。証明するにはヴィヴィオが起きる必要があるのだ。

だがアインハルトは目を開ける様子の無い少女の手を取って静かに自分の名前を名乗った。まるで友達のような接し方で。

 

 

「起きてる時に言ってやれよ?」

 

「…恥ずかしいので嫌です。」

 

 

再び視線を逸らすアインハルト、頬は紅色に染まり切っておりそれを隠すように俯いている。表情を覗う事は難しい。

 

 

「お疲れアインハルトちゃん。後はゆっくり休みながらオレ達の試合を観戦しててよ。」

 

「っと、次はお前等の試合だったな…すぐに始めるから配置についてくれ。」

 

 

頷いて返答を返すアインハルト、注目すべき異世界の格闘技者同士の対決は好奇心を刺激されるような試合であり他の者からも視線が一気に二人へと収束していた。悟天は既にヴィヴィオの元から離れて配置に立っており、トランクスもすぐに配置につく。

 

 

「悟天…少しは真面目に修行してきたようだけど、今回も勝つのはオレだぜ。」

 

「違うよ!ボクが勝つんだ!ヴィヴィオちゃんのカタキは必ずとる!!」

 

「……ヴィヴィオさんは生きてますが。」

 

 

睨み合う二人の少年、互いに一定の距離にまで足を踏み入れていくと勝負直前といった彼等独特の張り詰めた空気が包み込む。

互いに道着を着用した姿は先程の少女と比べ格闘戦を行う上での現実感があるのだが――リオやコロナ、この世界での一般人が彼の衣装を目視すれば馴染みがない為に違和感を覚える衣装でもある。

 

 

「ルールは気絶するか降参するか…それと海に落ちたら負けだからな。」

 

「わかった。ボクが勝ったら約束を守ってもらうからね。」

 

「おいおいおい……まあいいけどよ。」

 

 

ルールを決めるのはノーヴェの役割なのだが二人の間でルールが定められてしまう光景にはため息しか出ない。未だに二人は睨み合いは続いていた。

 

 

「どんな勝負になるんスかねぇ…。」

 

「悟天くん、トランクスくん、がんばってね!」

 

「怪我しないでねーーーっ!!」

 

「なら…今回は二人のどちらかが気絶するか、降参するかまで試合は続行する。」

 

 

廃棄倉庫区域に広がる潮の匂いが嗅覚を刺激する中、甲高い声が響き渡ると同時に再び静寂の風が音を立てて通り抜ける。

生暖かい体温を冷やす冷風とも呼ぶべき気流が彼女達の長髪を靡かせていた。だがそれはまるで嵐の前の静けさを感じさせ、不気味な雰囲気が漂っている。

 

 

「それと例外として海に落ちたら負けだ。んじゃ―――試合…開始ッ!!」

 

 

 

 

 

「きゃぁ…っ!?」

 

「何が起こってるの…!!」

 

 

周辺を吹き飛ばす勢いで発生したのは強大な衝撃破、強風と化してその場に居る者へと叩きつけられていく。穏やかな風から一変した暴風は正しく自然の暴力だった。

 

 

「うっ、く……あのチビ共、最初から本気出してるな…!」

 

「……こちらの事も考えてほしいですね。」

 

 

轟音と共に円状に広がる衝撃破を発生させているのは二人の子供。力と外見との凄まじいギャップを感じさせる二人の少年の拳同士が相打ちとなって命中した途端に発生したのだ。

その威力と速度はヴィヴィオやアインハルトとは比較にならない程の強大な力その物。暴風はもはやアインハルト達を吹き飛ばす勢いで吹き荒れるが彼女達は体力を振り絞って踏み止まっていた。

 

暴風が周辺の建物を無造作に叩き付ける中、彼等は―――。

 

 

「「だだだだだだだっ!!」」

 

 

遥か上空に彼等の姿を目視する事が出来たが、到底一般人では目視する事すら不可能な攻防戦が巻き起こっている。アインハルト達から見れば太陽の光が彼等を視界に入り込む事を拒んでいるようにも見えるのだ。

途方も無い速度で巻き起こる拳と蹴りの連続攻撃の一つ一つの動作が悪戯な暴風と化して周辺に撒き散らしている。それはまるで異常なエネルギーの塊が上空で集中しているという証拠だ。

 

 

「此処からじゃ、二人が何をやっているのかわからないわね…。」

 

「凄い音だね……あんなに離れてるのに聞こえてくる。」

 

 

突然、悟天とトランクスは間を空けると瞬時に高速回転しながら地面へと着地する。彼女達の中では視界に入り込む二人の姿はもはや残像となって脳に処理されているのだ。

 

 

「「はあああーーーっ!!!」」

 

 

高速を軽々と超えた速度、人間の眼では目視出来ない圧倒的な速度に全身を乗せて力任せな拳を互いに突き出す。

同時に再びアインハルト達に襲い掛かるのは暴風。暴力を我武者羅に叩き付ける一撃。

 

 

「っぐ……。」

 

「ッ……。」

 

 

拳は彼等の頬に深く入り込んでいた、圧迫による痛みがじわじわと押し寄せ苦痛の表情を浮かべる二人。

そしてようやくアインハルト達は初めて彼等の動作を目の当たりにしたのだ。今まで圧倒的な速度で確認する事は出来なかったが、今一時停止している彼等をようやく目視する事ができた。

 

 

 

「ん、ぅ……。」

 

「陛下…目が覚めましたか?」

 

「ディード…うん、心配かけてごめん…って悟天くん、トランクスくん!?」

 

 

目を開けた先には自身の見慣れた人物の顔、そして視線を傾けた先に見えたのは悟天とトランクスとの格闘戦。

 

 

「起きたか、今トランクスと悟天の試合なんだ。」

 

「と、トランクスくんと悟天くんの……?」

 

「はい…少し危ないので離れていた方がいいですよ。」

 

 

ヴィヴィオは思わず首を傾げた、危ないという意味を理解出来ないのだ。未だに二人の戦闘は続いており、彼等は額に冷や汗を流していた。

 

 

(悟天の気が前に戦った時より増えている…長引く前に決着をつけなきゃヤバそうだ。)

 

(トランクスくんの全力はこんなもんじゃない。本気を出される前にここで一気に決めないと。)

 

 

足に力を入れ、飛び退くように再び距離を取る二人。全員の注目を浴びる中で悟天とトランクスの表情は険しい物へと変化していた。

それはまだ幼い少年とは思えない威圧感を乱暴に放ちながら、ヴィヴィオとアインハルトとはまた違う他者を精神的に圧倒するプレッシャーだった。

 

 

「金色の光……!?」

 

 

唐突にティアナは口を開いた、そして誰もが彼等を包み込む光に目を奪われてしまう。

 

 

 

 

「「―――はあああ…!!!」」

 

 

 

 

黄金の粒子が出現した数秒後、金色の光が彼等を包み込む。そして無重力に逆らう金色の髪と威圧的な碧眼へと変化する。

炎のように燃え盛る金色の光は太陽の光のように一方的に周辺を照らし出す…遂に悟天とトランクスは真の力を引き出すのだった――――――。




悟空「オッス!オラ悟空!! どうやら修行の成果が出てるみてえだな。なかなかいい勝負だぞ。」

ベジータ「フン、まだまだ甘いな。到着したらオレがみっちりしごいてやる。」

悟飯「やっぱり超サイヤ人になっちゃったか。」

ピッコロ「騒ぎにならなければいいが…。」

悟空「DragonballVivid「遂に到着! フルメンバー大集合!!」」

ブルマ「みんなー!レーダーに反応が出たわよーーーっ!!」
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