DragonballVivid   作:blacktea

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聖王教会襲撃編
第11話 遂に到着! フルメンバー大集合!!


「遂に……この時が来た。管理局に復讐する時が…!!」

 

 

飛翔魔法を使用しているのか、男は飛んでいた。聖王教会の上空を浮遊する男は憎々しげに華やかな建物を見下ろしている。

その男は戦闘服―――即ち防護服を装着しており、外見上は何処にでも居そうな一般魔導師という素朴な外見であった。

 

 

「村人達の恨み、故郷を失った私達の悲しみを味あわせてやる……!!」

 

 

更に、男の隣に存在したのは女。二人は目立たないように地味なフードを着込む事で顔を隠していた。素顔を知られる事は彼等の中では不味い事なのか、顔や体系をフードによって隠蔽されている。

それは一般人の目に写れば不気味な存在だ。顔はフードと影によって隠蔽され、体系もまったくわからない。それはまるで犯罪者が自身の素顔を知られない為にマスクやサングラス、帽子等を着用して隠すのとよく似ている。

 

 

「ほっほっほ、高揚するのは結構ですが、“アレ”を手に入れることを忘れてはいけませんよ。その為にわたしを呼び出したのでしょう?」

 

「…わかっている。今回の計画にはアレが必要不可欠だからな…失敗は許さんぞ。」

 

「ほう、このわたしに向かってそのような口を叩くとは…本来ならその場で殺してしまう所ですがあなた方には恩がありますからね。

それに今あなた方に死なれては此方としても困りますので今回は特別に生かしておいて差し上げましょう。」

 

 

男と女はこの世界から充分過ぎるほどに浮いた存在だが、一番に並外れて浮いていたのは独特な口調で語りかける生き物。それは人間として形容するのは難しい。

外見上は明らかに別種類の生物。地球に存在するかどうかも怪しく、宇宙人という表現が適当な程の外見を持っているのだ。精々共通するのは二足歩行と言葉を喋るという二点ぐらいである。

 

 

「……ありが―――きゃあっ!?」

 

 

僅かな静寂に紛れた女性特有の甲高い声、同時に巻き起こったのは―――聖王教会で発生する"爆発音"。

巨大な轟音が鳴り響き遥か上空にもその凄まじい破壊音が耳に届く。それはこの世界にとってイレギュラーな事態、にも関らず彼等は反応を示さない。

 

微かに男の口元が歪む、だがそれだけであり微動な反応を示すだけである。

 

 

「どうやら始まったようですね。この星の方々の戦闘力を部下に調べさせた結果、わたしが出る幕ではないと判断いたしましたので彼等に任せることにしました。

勿論アレの在り処を吐かせるまでは殺さないように命令しておきましたのでご安心を。」

 

 

聖王教会から五月蝿く非常ベルが騒ぎ立てれば場は騒然とした大パニックを巻き起こしており、そんな中でも取り乱さず冷静沈着に語り掛ける悪魔は、笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方で金色のオーラを身に纏う二人の姿に圧倒され強風によって吹き飛ばされかねないヴィヴィオ達は動揺を見せながらも踏ん張り続けている。

明らかに自分達とは違う別種類の人間、そして異次元の技術。ヴィヴィオ達の世界から見れば彼等の存在はある種の革命的ではあるがトランクス達から見てもそうだろう。

 

 

「二人の姿が変わった…!?」

 

 

重力に逆らう金色の髪と威圧的な蒼眼、その外見は以前の姿と比べて圧倒的に存在感が増し言葉に言い表せないプレッシャーを感じさせる。

 

 

「金色の、戦士……っ。」

 

「あの金髪…! あの時の……。」

 

「あれがチビ達の真の姿っスか。」

 

「それにしても、凄い力…ちょっと危ないかもしれないね…。」

 

 

気を抜けば確実に吹き飛ばされる環境下、危機感を頂かざるをえないのだ。尋常とは思えない強大な力を持つ二人は存在自体が異質以外の何者でもない。

他の姉妹達もそれを同様に感じ取っている。異世界についての事情をノーヴェから聞かされていたとしても、実際に現場に立ち会えばそれを尚更実感させられていた。

 

 

「綺麗な色~……!」

 

「うん、カッコイイよね!」

 

「だけどスバルさんの言う通り、危ないよ…!」

 

 

邪気の欠片も感じさせないリオとコロナの会話にヴィヴィオは慌しく割って入り釘を刺すような言葉を送る、だがそれは真実味のある言葉だ。

彼等が今以上にヒートアップさせて戦いを始めれば何らかの被害を出す可能性は否めない。二人を身に纏う美しき金色の光は畏怖の対象でもある。

 

 

「やっぱ今のままだと超サイヤ人には長くなれないようだな。」

 

「そうだね。でも、それなら変身が解けちゃう前に決着をつければいいんだよ。」

 

 

燃え盛る金色の炎に身を包む二人の少年、それは飛翔する黄金の炎―――何気なく取り留めない会話を繰り広げるように悟天とトランクスは言葉を交わしていた。

 

 

「そんなことわかってるさ。悟天、勝っても負けても恨みっこなしだぜ!」

 

「うん!よ~し、いっくぞーーーっ!!」

 

 

幾度と無く轟音が鳴り響き、猛烈な攻防戦が巻き起こる。衝撃破のように荒れ狂う暴風を引き起こす二人の戦闘はヴィヴィオ達から見れば次元の違いを感じさせる程だ。

練習の秘訣を知るアインハルトとヴィヴィオなら二人の強い理由がある程度までは察する事が出来るが他の者からすればとんでもないレベルだろう。

 

 

「…あれは止めないとまずいんじゃないかな。」

 

 

不意に茶色い長髪を持つディエチは口を開いた、だがそう言葉を投げるのも無理はない――二人の戦闘による衝撃が地面へと広大な傷跡を残しているのだ。

 

 

「確かにこれはやりすぎだ…っ、ぐ……!」

 

「こんな時に地震…!?」

 

「ううん、違う…二人が戦ってる衝撃が地面に伝わってるだけだと思う……!!」

 

「わわわっ…!」

 

「リ、リオ大丈夫…!?」

 

 

地震が起きたかのような揺れがヴィヴィオ達に襲い掛かっていた、思わず体制を崩したリオはヴィヴィオに支えてもらう形となりつつ。

歩く事すら上手くいかない状況下、それを作り出す元凶は明らかに彼等の存在だろう。

 

 

「…ったく、世話の掛かるチビ共だ。おーい!! 悟天!トランクス~~っ!!」

 

「二人ともーーッ!!!今すぐ戦いを止めて!」

 

 

ノーヴェとヴィヴィオは力強く上空で激闘を繰り広げている二人へと訴えかけるが、その叫び声は虚しく轟音によって消し去られてしまう。

故に二人の戦闘は止まる気配すら感じる事はなく更なる激化を辿るばかりであった――揺れも急激に激しくなり海が荒々しく波を打ち被害は確実に広まっている。

 

 

「っ……、聞こえていないようですね。」

 

「もう少し近づいた方がいいんじゃないっスか?」

 

「それだと私達が怪我をします……!」

 

「二人に近付けば近付くほどこの風が物を言うでしょうね…。」

 

「じゃあ、二人に攻撃をするとか…?」

 

「私達の攻撃ではビクともしないと思いますが……。」

 

 

この場に居合わせる中でトランクスと悟天を止められる者はいない、二人が満足するまでこの超越的な戦闘は止まらないだろう。

だがその頃には周辺がどうなっているのか想像する事は容易い…邪魔をするなとばかりの暴力は一向に激化を巡っていく。

 

 

「こんな時、なのはママかフェイトママが居てくれたら……。」

 

 

脳裏に浮かぶ二人の母親、あの二人ならもしかしたらトランクスと悟天を止められるかもしれない――だがそんな彼女の思考を吹き飛ばす勢いで地震は起きていた。

 

 

「「はああああああああっ!!!」」

 

 

巨大な金色の炎は正しく戦闘の火花、たった二人の少年を止める事すら叶わない。地面には亀裂が入り込みヴィヴィオ達は立ち尽くす事も出来ずにいた。

 

 

「あれ……?」

 

 

トランクスと悟天は更なる激闘を繰り広げ凄まじい音響が何度も鳴り響いている、終息を見せない戦いだが一つの奇妙な発光体が彼等の周辺に出現してたのは誰もが気付かずにいた。

衝撃破と化した暴風にびくともせず、眩い光が消え去った瞬間―――ヴィヴィオは目視する、宙に漂うカプセル型の巨大な機械を。

 

 

 

 

 

 

「おっ!景色が変わったぞ。」

 

「どうやら目的地に着いたようだな。」

 

「でも、なんか暑くないですか?」

 

「確かに暑いわね…ってオーバーヒートしてるじゃない!!」

 

 

ヴィヴィオが目視した機械内での会話は場の空気とは相反しすぎた物、内部からの異常現象に気付いた女性は声を張り上げた。

 

 

「カカロット、後ろを見てみろ。」

 

「後ろ…? うわぁち!あちちちち…!!」

 

 

丁度、背後ではオーバーヒートの末に装置は紅色の火が生じていたのだ。このままでは火が広がり死に至るのは時間の問題。

 

 

「お父さん!? 大変だ、火を消さないと…。」

 

「いや、その前に此処から出ることが優先だ。火は既に全体に回ってるからな。」

 

 

室内全体に火が包み込む事で当然その後に起きるのは急激な温度上昇、彼等が気付いた時は既に緊急事態とも呼ぶべきトラブルへと悪化していた。

慌しく周りに視線を張り巡らせる五人は必死にこの状況を打開する術を思考し探し続ける……。

 

 

「ダメ…ハッチが開かないわ。」

 

「ふん、開かなければオレがぶっ壊してやる。」

 

「まて! 下手に衝撃を与えれば爆発を起こしかねんぞ。」

 

 

余談だがハッチが開かなくなった原因はベジータにあり、この世界に来る以前…出発時点で強引にボタンを壊すように押した彼がこの事態を招いた原因の一つでもあった。

今にも爆発寸前と言わんばかりの勢いで火は全体を包み込み機械自体を焼き尽くしている。

 

 

「ボク達は問題ないですがブルマさんは……。」

 

「えーん、あたしまだ死にたくな~~い!!」

 

「なにか方法は…―――そうだ! お父さん、瞬間移動を使ってください。たぶん近くに悟天達がいるはずです。」

 

 

悟飯は不意に思い浮かんだように悟空へと言葉を投げて提案を口にした。それはこの状況を打開するのに最も合理的な判断とも呼べる。

タイムマシンが悟天達の居る世界へと到着していた事が不幸中の幸いだろう、更に二人の気も全身から伝わってくる事を四人は気付いていた。

 

 

「なるほど…その方法なら此処から抜け出せる他にあいつらも見つけることができる。」

 

「悟飯くん、アタマいい!」

 

「悟天達の気だな……あった! みんな、オラに掴まってくれ!」

 

 

悟空の指示通り全員の片手が悟空へと触れるように接触する。やがて彼等の姿が消えてしまうまで、およそ数秒の出来事であった。

 

 

 

 

 

 

 

「「だあああああ……えっ!? わわわわっ!!?」」

 

 

そして二人を停止させるには充分過ぎる程の要素が唐突に出現したのだ。何の前触れも予兆も、一切の通告も無い。ある筈のない物が其処に居た。

世界にとっては異端物以外の何者でもない、故に悟天とトランクスが驚くに値する。猛攻を繰り広げるバトルは即座に中止され代わりに驚きの声だけが広がったのだ。

 

 

「よう、悟天!迎えにきたぞ。」

 

「無事でよかった。あまり母さんを心配させるなよ?」

 

「お父さん!兄ちゃん!!」

 

 

見慣れた人物が其処に居た、悟空と悟飯を直視した途端に悟天には無意識の笑顔を露にして叫ぶ。

 

 

「トランクス!」

 

「手間かけさせやがって…。」

 

「パパ!ママ!!」

 

 

同様の現象がトランクスにも起こっていた、ブルマとベジータの顔を目視した直後に嬉しさ交じりの驚いた表情を浮かべて。

 

 

「悟天く~~ん!!トランクスく~~~ん……!!」

 

「二人とも、やっと止まってくれたのね……っ。」

 

「地震とか起きちゃったからびっくりしたよ!」

 

「!……もしかしてさっきの光って…。」

 

「トランクスさん、悟天さん、そちらの方々は一体…?」

 

 

スバルとティアナが二人に追いつくと同時、リオが感想を述べた。同時にアインハルトとヴィヴィオは二人の周辺に佇む悟空達へと視線を向ける。

純粋に問いを示すような視線だったが何故かピッコロ相手にだけは誰もが冷ややかな警戒が入った目線を送り続けていた。

 

 

「あ、アインハルトちゃん。一緒にいるのはオレのパパとママ、悟天のパパと悟飯さん、それとピッコロさんだよ。」

 

「オッス! オラは孫悟空だ。悟天達が世話になったな。」

 

「はじめまして、悟天の兄の孫悟飯です。」

 

 

それはこの世界に存在しない人間達、いや正確には人間ではない―――人当たりのよい返事を返す悟空に思わずヴィヴィオは慌てて頭を下げつつ。

だがトランクスの発言に誰もが疑問を持っただろう、悟天の父親と言われた悟空の外見は明らかに二十代。父親としてはあまりにも若すぎるのだ。しかし髪型や服装が親子だと物語っている。

 

一方では兄と称された悟飯は穏やかな優しさを感じさせる笑みを浮かべていた、名前以外を除けば特に不振に感じられる要素は一切ない。

 

 

「………。」

 

「あたしはトランクスの母親のブルマ、それで腕を組んでるのが父親のベジータよ。」

 

「…ピッコロだ。」

 

 

初めて緑色の生き物は口を開く、ベジータと称された男は無言を貫き通しながら。しかしノーヴェやスバル達は驚いた表情を崩す事はなかった。

 

 

「え、えっとはじめまして…!悟天くんのお友達の高町ヴィヴィオです…!」

 

「……アインハルト・ストラトスです、以後お見知りおきを。」

 

 

戸惑いが残った自己紹介を口にする、頭を下げるヴィヴィオと物静かに名を名乗るアインハルトは正反対の反応をそれぞれ示していた。

 

 

「でも、どうしてオレ達がここに来てるってわかったの?」

 

「ふふっ、それはトランクスの荷物に入れておいた発信器の反応をタイムマシンで……ってそうよ!タイムマシンは!?」

 

 

ブルマは慌てて視線でタイムマシンを探すがそれらしい物は見つからず、破片の一つも視界に飛び込んではこない。

だが海の真上でそれは見かけた。焦げ切ったタイムマシンが海の中へと沈んでいく光景を彼等は目にしたのだ。

 

 

「…し、沈んじゃいましたね。」

 

「これでオレ達が元の世界に帰る術を失ってしまったな…。」

 

「そうなんか!? まいったな~…こっからじゃ界王様の気も感じねえから瞬間移動も使えねえぞ。」

 

「ねえねえ、なんで帰れないの~?」

 

 

首を傾げる悟天、だが回答は誰も投げない。

 

 

「うるさい奴等だ、壊れたならまた作ればいいだけだろ。」

 

「なんですって! 元はと言えばあんたがハッチのスイッチを壊すからこうなったんじゃない!!それにタイムマシンは特殊なパーツが必要でそう簡単に作れないのよ!!」

 

「ま、ママ…落ち着いて!」

 

 

呆然と眺める悟空達、一人だけ五月蝿く騒ぐブルマに対してトランクスが落ち着かせようと説得する中、ヴィヴィオ達までもが半分放心状態で沈んでいくタイムマシンを見守っていた。

まったく話についていけない、ヴィヴィオ達からすれば悟空達がどのような手段でこの世界に辿り付いたのか。

そして彼等の反応もまた同様に。迂闊に口を挟むことも出来ずに状況認識に努力を費やすだけである。

 

 

 

 

 

『―――スバルさん、大変です…!!』

 

「シスターシャッハ……!?」

 

 

だがその雰囲気を瞬間的に断ち切られてしまう、それは誰もが予兆しなかった緊急事態。

 

 

『何者かが聖王教会を襲撃してきました…!! 爆発によって辺りは酷い事になっています……。』

 

「襲撃…!?」

 

 

空中にモニター画面が出現すると同時に映し出されたのはシスターシャッハ、突然の出来事に認識すら忘れてしまうような光景であった。

 

 

『っぐ……!!』

 

『なのはさん!? 大丈夫ですか、なのはさん…っ!!』

 

「―――なのは、ママ……?」

 

 

シスターシャッハは戦闘が起きている現場から離れた位置で通信しているようにも見えた、少なくてもスバルとティアナからはそう予想したのだ。

しかしなのはの悲痛に塗れた声がヴィヴィオの思考を急停止させた。それはスバルとティアナにも同様に思考回路を悪くさせる要素だ。

 

エースオブエースと呼ばれし存在が苦戦している。状況は思った以上に酷な印象を植えつける物だった。

 

 

(えっ? なのはって…まさか!?)

 

 

決して口にはしない声を抱える悟飯は深刻な表情へと成り代わる。それはあまりにも唐突だ。

 

 

「どうなってるんだよ…っ!!」

 

『今、高町一等空尉とフェイト執務官が現場に居合わせていますが、両方とも苦戦しています……。』

 

「フェイトママも……!?」

 

「ヴィヴィオ、大丈夫……?」

 

「…う、うん。大丈夫だよ!ありがとう、リオ!」

 

 

二人の母親が今戦っている。ヴィヴィオは胸が締め付けられるような痛みを感じながらもリオに明るい返事を口にしていた。

 

 

「あの二人が苦戦って、只事じゃないッス!」

 

「……二人の事はよくわかりませんが、すぐに聖王教会に行った方が…。」

 

『おーっと、こんな所に隠れて何をしているんだ?』

 

『天下のギニュー特戦隊から逃げられると思うな。』

 

『なっ……至急聖王教会までお願いします!では……っ。』

 

 

その耳障りな声を聞いた瞬間、全員は体を凍り付き一瞬の間沈黙が包み込んだ。

シャッハの声を最後にモニター画面が消えると不穏な空気だけがヴィヴィオ達や悟空達を包み込み、背筋に悪寒を走らせていた。

 

 

「―――お父さん! 今、ギニュー特戦隊って……。」

 

 

沈黙を打ち破ったのは悟飯の声、だがその発言はあの耳障りな男達の声の正体を知っているかのような口ぶりだ。

 

 

「あの方角から邪悪な気を複数感じる。恐らくそれが奴等なのだろう。」

 

「ちょっと待ってよ! 確かギニュー特戦隊って昔、孫くん達がやっつけちゃったんでしょ?なんでこの世界にいるわけ?」

 

「オラにもわからねえ…けど、死んだらあの世にいくはずなんだけどな…。」

 

「奴等が生きていようが関係ない。またオレがぶっ殺してやる…。」

 

 

物騒な言葉を並べる男にヴィヴィオやリオ、コロナは小さく震えてその様子を眺める。殺し合いは決して禁じられるべき行為なのだがその男は本気で殺しそうに思えた。

その様子を逃さずに目にするスバルとティアナは改めて口を開く。

 

 

「…とにかく私達は聖王教会へ向かいますが、危険地帯に民間人は連れて行けません。」

 

「止めておけ…お前達では殺されるぞ。」

 

 

まるで彼女達を見通したような視線を向ける男、外見からして人間ではないのは明確なほど異様な外見を持っていた。

貫くような眼光に言葉を失い呆然としてしまうスバルだが再び覇気を取り戻した彼女は迷いのない一言を呟く。

 

 

「……それでも、民間人を巻き込むわけにはいきません!」

 

「ノーヴェ、ヴィヴィオ達の事は任せたわ。」

 

「ああ、気をつけろよ…!ヴィヴィオ達を送り届けたらそっちにいくからな。」

 

「スバルさん、ティアナさん……ママ達のことお願い。」

 

 

スバルとティアナは同時に軽く頷けばヴィヴィオ達に背後を向けて走り出す。向かう先は勿論聖王教会、なのはとフェイト、シスターシャッハが戦う戦場。

不穏な空気だけが残されたヴィヴィオ達は気まずい空気をどうにか崩そうと必死に思考を繰り返した末に発言した。

 

 

「孫、どうするつもりだ。あの連中だと殺されるのは目に見えているぞ。」

 

「そうですよ。やっぱり引き止めに行った方が……。」

 

「だったらオラ達が聖王教会っちゅうとこに先回りして、あいつらがくる前にカタをつけるってのはどうだ?」

 

「なるほど、それなら犠牲者を出さなくてすむな…。」

 

 

ノーヴェや姉妹達はそれぞれ黙り込んだまま思考を続ける中で、悟空達は仲間内でしか聞こえない程の小声で会話をする。その内容はノーヴェ達の耳には入らない。

だが悟空達のすぐ近くにいたリオやコロナ、アインハルトとヴィヴィオの子供組には彼等の会話が聞こえており…。

 

 

「あの……もし聖王教会に行くならわたしも連れて行ってください!」

 

「ヴィヴィオちゃん…?」

 

「陛下……!?」

 

 

ヴィヴィオの迷いの無い瞳が彼等を貫くと同時に全員の視線を浴びる事となる、それぞれが驚いた表情を浮かべて沈黙が流れていた。

 

 

「あそこにはわたしのママや大切な人達がいるんです…わたしはその大事な人やママ達のこと助けたい!

悟天くんみたいに強くないけど、戦うことはできます。せめて足を引っ張らないようにしますから……お願いします!連れて行ってください!!」

 

「……私も、連れて行ってください。ヴィヴィオさん一人で行くには危険すぎると思いますので。…それにあなた方の強さも気になります。」

 

「アインハルトちゃんまで…。」

 

 

ヴィヴィオは二人の母親が自分を助けてくれたあの出来事を思い出しながら大きく声を張り上げた声と共に頭を深く下げる。

後に静かな声が降り注ぎヴィヴィオは見上げるように視線を向けた先には険しい表情で悟空達へと虹彩異色を向けるアインハルトの姿だった。

 

 

「気持ちは分かるけど、本当に危険なんだ。最悪死んでしまうことだって「それならボクも一緒に行くよ!」ご、悟天…。」

 

「お願い兄ちゃん!ボクがヴィヴィオちゃん達を守るから一緒に連れてってあげて!!」

 

 

次に名乗り出たのは悟天、小さな身体とは相反する決意の強さを晒しだす三人はギャップのような物を感じさせられる。

悟天は日常的にヴィヴィオやなのは、フェイト達にお世話になっているのだ。浴槽を破壊した事や自身の我侭を受け止めてくれる彼女達への恩返しをこの形で表そうとしていた。

 

 

「確かに悟天くんがいれば心強いとは思うけど……。」

 

「でも聖王教会を襲撃してる人達ってすごい強いんでしょ…!」

 

「ヴィヴィオとアインハルトさんだけじゃ危険だよ……。」

 

「陛下の身に危険な事があっては困ります。」

 

「だがあの二人が付いているのなら…。」

 

 

様々な反応を口にするリオとコロナ、姉妹達は混乱しているように見受けられる、だがノーヴェだけは一言も口にすることはなく場を見守るだけだ。

 

 

「トランクス、お前はどうするんだ?」

 

「…オレも行くよ、ヴィヴィオちゃんやアインハルトちゃんがムリしないように見張っとかないといけないしね。」

 

「ありがとうございます、トランクスさん。」

 

「トランクスくん…ありがとう!」

 

 

ノーヴェは静かに問いを投げれば回答が返ってくる。それはある意味、ノーヴェの予想通りの回答でもあった。

悟天とトランクスは強い。それは誰もが知っている事実だからこそリオとコロナ、姉妹達は言葉を失ってしまった。

連れて行ってほしいと頼むべきか行くなと止めるべきか――誰もが思考するが結果は出せない。

 

 

(でも、こんなに大勢で向かって大丈夫かな。もし他に敵がいてボク達がいない時に襲撃でもされたら…。)

 

 

一人だけ、若い青年は険しい表情を浮かべて黙り込んでいた。周辺を視線で見渡す等の動作を行う青年は明らかに何かを考えている。

 

 

「なら、オレは残ろう。此処にいる奴等も守らなければならんからな。」

 

「ピッコロさん!それならボクも……。」

 

「いや、オレ一人で問題ない。悟飯、お前はあいつらと聖王教会に向かえ。」

 

「で、ですが……わかりました。」

 

 

ピッコロの言葉に渋々承諾した悟飯の顔色には不満が残っていた。

 

 

「メンバーはオラと悟飯、悟天とトランクスにヴィヴィオとアインハルトだな。ベジータ、おめえはどうすんだ?」

 

「さっき言った筈だ。全員まとめてぶっ殺すとな…。」

 

「こらベジータ!子供達の前で物騒なこと言わないの!」

 

「ははっ。ピッコロ、ブルマやみんなのことを頼んだぞ。」

 

「ふん…お前達も過去に倒した敵とはいえ油断はするなよ。」

 

 

まるで聖王教会を襲撃した敵を知っているかのような口調、姉妹達は疑問に感じながらも事の経緯を見守りつつ。

 

 

「ほら、ヴィヴィオちゃん。」

 

「…えっ?」

 

「アインハルトちゃん、絶対に手を離しちゃダメだよ。」

 

「わかりましたが……これは…?」

 

 

首を捻らせてしまいがちな光景が唐突に出来上がってしまう、ヴィヴィオの片手を握る悟天は悟飯の片手を掴み、悟飯は悟空の肩へ手を置いていた。

そして片方の悟空の肩に乗せるベジータの片手。更にトランクスがベジータの手を握りもう一つの手はアインハルトの手。まるで悟空を中心とした独特な構図が完成していたのだ。

 

 

「じゃあ、ちょっと行ってくる!」

 

「「「消えた…!?」」」

 

 

そして悟空が二本の指を額に触れた瞬間、風景に溶けるように風切り音を奏でて、次の瞬間には彼等はその場から消失していたのだった。




悟空「オッス!オラ悟空!! 悟天達に会えたのはいいけど、タイムマシンがねえから帰れなくなったぞ。」

ブルマ「だから、アタシは行きたくなかったのよ~!あんた達と関わるとロクな目に合わないわ。」

ピッコロ「しかし、今はそれよりもやるべきことがあるだろう。」

ヴィヴィオ「待ってて!なのはママ、フェイトママ!!」

悟飯「……。」

悟空「次回ドラゴンボールViVid「蘇りし死者、復活のギニュー特戦隊!!」」

アインハルト「あれがギニュー特戦隊ですか…?」
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