DragonballVivid   作:blacktea

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第16話 地獄に異変? 消える死者達

悟空達が異世界に向かってから約一週間が経過しようとしていた。流石に此処まで戻るのが遅いと仲間達は不安の色を隠せない。仲間達の中には彼等は悟天とトランクスがいる世界とは別の世界に来てしまった、或いはその世界でトラブルに巻き込まれてしまったのではないかと考える者まで出てくる。

そんな中、クリリンはチチに夫の悟空、息子の悟飯、悟天を異世界に行って連れ戻してこいと無茶苦茶な頼みを涙ながらにせがまれた。結果、断れずに引き受ける事になったのだがドラゴンボールやタイムマシン以外で異世界に向かう方法等わかるわけもなく天界にいる地球の神デンデに相談に来ていたのだ。

 

 

「チチさんもムチャを言うよな~。そりゃ悟空達が心配だってのはわかるけど…。」

 

「仕方ないですよ。悟空さん達が出発してから一週間も経つのですから。」

 

「何か嫌な予感がする…。」

 

 

デンデの付き人である白いターバンを巻いた黒い肌の男、ミスターポポは下界を見下ろしながら呟く。

 

 

「えっ? 嫌な予感ってなんだよミスターポポ。」

 

「…わからない。でも、ポポ。ここまで嫌な予感を感じるの初めて。」

 

 

ミスターポポの発言にクリリンは思わず息を呑む。これまでサイヤ人の襲撃、人造人間、魔人ブウ、他にも何度か地球を脅かす出来事があった。その度に仲間であり親友の悟空を筆頭として悟飯、悟天、ベジータ、トランクス、ピッコロ達が強敵から地球を守ってきたのだ。

―――だが、彼等は今この世界にいない。もし、ポポの言う嫌な予感が的中して自分達よりも強い強敵が地球を襲撃しに来たら悟空達抜きで地球を守れるだろうか?多分、今より若くても無理だろうと確信していた。

 

 

「なあ、もし『お~~い!地球の神よ、聞こえておるか~~!!』な、なんだっ!?」

 

『この声は界王神様! はい、聞こえています。』

 

 

クリリンが口を開こうとした時、空から老人のような声が響き渡る。その声はデンデだけではなくクリリンやポポにも聞こえていた。すぐにデンデは声の正体に気づいて返事を返す。

 

 

『そうか。実はの…今、あの世の地獄では死者が突然消えたり現れたりするという異変が起こっておるのじゃ。しかも戻ってきた悪人は意味不明な言葉を呟くらしくてのう。

閻魔大王も原因がわからずさじを投げておる。それで調査をパイクーハンと一緒に悟空に頼むつもりだったのじゃが、何度呼びかけてもあやつ反応せんのじゃ。』

 

 

界王神の話はあの世の地獄で死んだ悪人達が突然消えてしまい、かと思えば時間を経て現れるという不思議な現象が起きてるというものだった。そして現れた悪人達は例外なく意味不明な言葉を呟くと謎を残している。

 

 

「それは奇妙な現象ですね。後、悟空さんが反応しないのはこの世界にいないからだと…。」

 

『この世界にいないじゃと? それはどういう意味じゃ。』

 

「あー今悟空達、ドラゴンボールで魔法の世界に向かった悟天とトランクスを連れ戻しに行ってるんすよ。」

 

『なっ!? なんじゃとーーーーーっ!!!!』

 

 

クリリンの返答を聞いた界王神は大声で驚いた反応を示す。天界全体に響く大声にクリリン達は耳を塞いだ。

 

 

『あのバカタレが! この非常事態に……しかもまたドラゴンボールを使っておるのか。』

 

『ご先祖様。魔法の世界ってもしかして……。』

 

「心当たりがあるのですか?」

 

 

老人の声とは違う青年の声が届く。デンデはその声の主が誰なのか知っている為、気にせずその声の主に聞き返す。

 

 

『いえ、戻ってきた死者の中に魔力を使いこなせればとか、もう一度魔法の世界に…とか発言していた者がいたので。』

 

『そういえば、あいつらさえ邪魔しなければ…とも言ってたのう。』

 

『今度こそあの憎っくきサル共を…とも言ってました。』

 

「あいつらさえ邪魔しなければ…憎っくきサル共……もしかして!?」

 

 

死者達の言葉を繰り返し呟いていたクリリンは何かわかったのか俯いていた顔を上げて声を張り上げる。

 

 

「なにかわかったのですか?」

 

「あ、えーと…その前に消えた死者の中にフリーザはいませんでした?」

 

『フリーザですか? はい、いましたけど。』

 

「やっぱり! 多分、フリーザ達が召喚された所は悟空達が向かった魔法の世界だと思いますよ。」

 

「えっ!? なんでわかったのですか?」

 

「それは…。」

 

 

驚いた表情で尋ねるデンデ。クリリンの話によると、フリーザがサルと呼ぶ相手はサイヤ人しかいないとのこと。それで幾つもの星を支配してきた宇宙の帝王を退けて尚且つ魔法の世界にいるサイヤ人を考えた末、該当したのが悟空達だったのだ。

 

「だから、フリーザ達は魔法の世界に召喚されたけど悟空達に倒されて戻ってきたんじゃないかって。」

 

『なるほど、おぬしの言う通りかもしれんぞ。』

 

「あっ! だから悟空さん達は戻ってこれないのでは…。」

 

デンデは悟空達が帰って来ないのは、魔法の世界に出現する死者達の対処をしているのではないかと推測する。もし、悪人達がその世界で暴れれば大変な事になる。更にフリーザのような惑星を破壊出来る程の実力を持った相手なら目も当てられない、そのような輩を放っておくことはできないだろう。特に正義感の強い悟飯ならば尚更。

 

 

「だとすれば、悟空達はこの騒動が終わるまで帰って来ないんだな。」

 

『じゃが、それが何時終わるのかわからん。今は落ち着いているようじゃが、この分だとまた召喚されるじゃろう。』

 

『そうですね。恐らく誰かがなんらかの方法で此方の世界の死者を召喚されているのでしょう。』

 

「でも、どうやって…。」

 

 

魔法の世界にいる誰かがなんらかの理由でクリリン達のいる世界の死者を召喚している事はわかったのだが、その方法までは考えが浮かばず頭を悩ます。

 

 

「この事、悟空達は知らないだろうな。」

 

「そうですね、なんとか伝えることができれば…。」

 

「でも、ドラゴンボールは使えない。」

 

『流石にわたしの瞬間移動も異次元世界までは届きませんし…。』

 

『う~む、困ったのう~~。』

 

 

全員でどうにか悟空達に知らせる方法がないか考えていると、白い炎を纏った何者かが天界に向かって飛行してくる。そして到着すると建物を目指して歩きだす、その足音に反応してクリリン達が振り向けば――――

 

 

 

「お久しぶりです!クリリンさん。」

 

「トランクス!?」

 

 

 

予想外の相手にクリリンは驚きの声を上げる。現れたのは黒いタンクトップの上に青いジャケットを身に着け背中に剣を装着した薄紫色の短髪の青年、この時代とは別の未来からやってきたトランクスだった。

 

 

「ははっ、久しぶりだな~。また背が伸びたんじゃないか?」

 

「そ、そうですか? クリリンさんも随分と変わりましたね…。」

 

 

クリリンの頭に視線を向けるトランクス。以前、彼がこの時代に来た時はクリリンには髪の毛が生えていなかったのだ。それ故に驚きを隠せない。

 

 

「そりゃあ10年も経てば変わるだろ。それより、今日はどうしたんだ?」

 

「はい。タイムマシンのエネルギーが溜まったので、たまには過去でのんびりしてきなさいと母さんに言われて……。」

 

「ブルマさんらしいな…って、そうだタイムマシンだ…!」

 

 

トランクスと他愛のない会話をしていたクリリンだったが、タイムマシンという言葉を聞いてトランクスが来る前に話していた内容を思い出してデンデに目を向ける。デンデもクリリンの意図がわかり小さく頷くも、今来たばかりのトランクスにはクリリンの発言が理解できず不思議そうな表情を浮かべていた。

 

 

「トランクス!お前のタイムマシンを貸してくれないか?」

 

「え? 別に構いませんが、なにがあったのですか…。」

 

 

急に真顔で尋ねるクリリンの表情にトランクスは驚きつつも返事を返すが理由が気になる。デンデとクリリンはドラゴンボールで異世界に向かった悟天達を連れ戻しに悟空達が魔法の世界に向かったこと、その魔法の世界に死んだ悪人達が召喚されているかもしれないという事情を簡潔に説明した。

 

 

「そういうことでしたか。どうりで父さんと母さんがいなかったわけだ。」

 

『それで、おぬしのタイムマシンを使って悟空達にこの事を知らせたいのじゃが。』

 

『ついでに、もし悟空さん達のタイムマシンが壊れていたら貴方のタイムマシンで連れ戻して欲しいのです。』

 

「―――!?」

 

「今の声は界王神様とその界王神様のご先祖様です。」

 

 

空から聞こえた声に反応するトランクスにデンデは彼等の正体を伝える。トランクスは二人の界王神に挨拶を交わしてから視線をクリリンへと戻した。

 

 

「…わかりました。オレが異世界に行って悟空さん達に伝えてきます。」

 

「ホントか!? ありがとなトランクス! あ、けど往復分のエネルギーが必要だからすぐには戻って来れないのか…。」

 

「それは大丈夫ですよ。未来の方も進化して新しいエネルギーが開発されたので後、2回分の移動が可能になりました。」

 

「そっか。じゃあ、異世界にも簡単に行けるんだな。」

 

「いえ、それはムリですが、母さんのコンピューターを調べれば新しいタイムマシンの設計が残ってると思うので、そのデータを使ってオレのタイムマシンを改造します。」

 

 

トランクスは自分のタイムマシンでは異世界に向かえないがブルマの残したデータを利用すれば改造する事が可能だと宣言する。そうあっさりと宣言する彼の言葉にクリリンは流石ブルマの息子だと実感した。

 

 

「新しいタイムマシンは何時頃完成するのですか?」

 

「改造するだけですので早ければ3日後くらいには。」

 

「3日後だな。あ、それとさ…邪魔じゃなければオレも一緒に行ってもいいか?」

 

「別に大丈夫ですよ。」

 

「やった! じゃあ、オレは心配してるみんなにこの事を知らせに行くから3日後にカプセルコーポレーションに集まろう。頼んだぜトランクス!」

 

「はいっ! では、3日後に。」

 

 

3日後にカプセルコーポレーションに集まる約束が決まると、クリリンとトランクスはそれぞれの方角に飛び去っていく。デンデとミスターポポは彼等を見送りながら今後の行方を考えていたのであった―――。




チチ「オッス!オラ、チチだ。悟天だけじゃなく悟飯や悟空さも帰ってこねえってどういうことだべ!」

クリリン「まあまあ、落ち着いてチチさん。悟空達はオレとトランクスが必ず連れ戻してくるから。」

老界王神「う~む、よしお前もクリリン達と一緒に行け。」

キビト神「えっ? 私がですか!?」

未来トランクス「次回DragonballVivid「悟空を追って、地球メンバー発進!」」

ヤムチャ「これはいいことを聞いたぜ…。」
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