DragonballVivid   作:blacktea

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はい、続けて連続投稿となります。今回の話で次の敵は大体予想できるかと。
ちなみにこの章「過去からの復讐編」が自分の中ではメインストーリーとなっています。
ついでにイメージソングは「僕達は天使だった」で(

それでは本編にどうぞ!


第25話 仕組まれた罠、魔導師絶対絶命の危機!?

「はぁ…はぁ…や、やっと着いたぞ。」

 

「王、無理はなさらないでください。」

 

 

デパートの入り口前では全身に汗を流して肩で息を吐く銀髪の少女と無表情で少女にタオルを差し出す茶髪の少女――ロード・オブ・ディアーチェとシュテル・ザ・デストラクターの姿が見られた。

 

彼女達は一足先にデパートに向かった悟空一行を追いかけてきたのである。

 

 

「レヴィのやつめ、一人だけ抜け駆けしおって。」

 

「抜け駆けも何もジャンケンで決まったのですから仕方ないと思うのですが…。」

 

 

元々はインターミドルに出場するミウラのトレーニングウェアを購入する目的でザフィーラと二人でデパートに向かう予定だったのだが、急遽ザフィーラに用事が入り代わりに手の空いていたヴィータと聖王教会から戻ってきた悟空に同行するようはやてが頼んだのだ。

だがその会話を聞いていたマテリアル三人組が自分達も行きたいと駄々をこねた為、仕方なくはやてはジャンケンで買った一人が一緒に行けると告げる、その結果レヴィが同行する事に決まった。

 

 

「ぐぬぬ、だとしても我が鴉の為に働くなど死んでもできぬ!」

 

「帰ったらまた叱られますね。」

 

 

そして残ったディアーチェとシュテルに自分達の手伝いをするよう伝えた途端、ディアーチェが憤怒し八神家から飛び出す形となりシュテルも彼女を追いかけて此処に至る。

 

 

「しかし、この“でぱーと”という所には人がゴミのように集まっておるな。」

 

「食材、家具、雑貨などあらゆる物資が揃っているようです。」

 

「なんと!? む、あそこにおるのはレヴィではないか!」

 

 

シュテルの説明を受けたディアーチェが珍しそうに周囲を見渡していると隅っこの階段付近で水色の髪の少女を目撃、他にも数人の少女と少年の姿が片手に紙袋を持って楽しそうに会話していた。

 

 

「何を楽しそうに話しておるのだ?」

 

「どうやら、迷子になった子供の母親が見つかった事とそのお礼に菓子を貰えた事に喜んでいるようですね。それと今からナノハ達のいる屋上に戻るみたいです。」

 

「くくく、ならば先回りして驚かしてやろう。」

 

 

階段を上って屋上に向かうレヴィ達に含みのある笑みを浮かべるディアーチェは先回りしようとエレベーターへと足を踏み出した刹那、ガタガタと強い揺れが生じてバランスを崩して尻餅をつく。

 

揺れは数秒ほどで収まりその間も微動だにせず立っていたシュテルはディアーチェに手を差し出し。

 

 

「怪我はありませんか?」

 

「ふん、この程度で我が怪我など――――ぬおおおおおっ!!?」

 

 

シュテルの手を掴み起き上がったと同時、正面のエレベーターが開き大勢の客達がパニックを起こした状態で悲鳴を上げながら一斉に駆け出す、その人波にシュテルとディアーチェは巻き込まれ最終的にはデパートの外まで流されるのであった。

 

 

 

 

 

(…っぐ! あのバカ!これで軽くなのかよ。目を開けていられるのがやっとだ。

けど、この勢いがあれば魔力だけに集中できる………頼むぜ、グラーフアイゼン!)

 

 

雲を突き抜けた先にある禍々しい雰囲気を晒し出す漆黒の物質が視界に入るとヴィータの足元に真紅の光と共に逆三角形のベルカ式魔法陣が出現。

 

 

『Gigantform』

 

「轟天爆砕…!」

 

 

更に彼女の持つデバイスが変形、ミニハンマーから彼女の身の丈ほどの角柱状のものへと変わる、だがそれだけでは終わらず魔力を込める事で質量とサイズが増大。最終的にハンマーは10倍以上に増長したのだ、そしてヴィータは超巨大化したハンマーを構えて……。

 

 

 

「――――ギガントシュラーク……ッ!!!!」

 

 

 

一気に振り下ろす。たったそれだけのシンプルな工程なのだがその破壊力は抜群。鈍い音が響き渡れば漆黒の物質を取り囲んでいた結界から徐々に亀裂が入り、多方面から光が解き放たれてガラスのように砕け散る。正に破壊の鉄槌と呼ぶに相応しい一撃だ。

 

そのまま勢いを殺さずに本体の物質へ直撃させると盛大な爆発音が高鳴り煙を撒き散らす。

 

 

「ハァ…ハァ……やったか。」

 

 

手応えはあった、感触も残っている。その証拠に物体の欠片が散開しているのだが不安は消えず、その不安は現実となる。

周辺から煙が浮かび出すと目にも止まらぬ速さで集結、その先に映るのは全くの無傷で聳え立つ漆黒の物体。球体へと形は変わっていたが纏う雰囲気は同じ不気味さを漂わせていた。

 

 

「マジ…かよ…だったらリミットブレイクで……。」

 

 

ほとんどの魔力を使用したにも関わらず再び魔力を溜めようとした刹那――ヴィータの体に異変が起こる。

 

 

「ぐ、うう……ッ!!」

 

 

突然、体に違和感を覚えては脱力感を抱き身体がよろめく。それでも体制を持ち直して魔力を行使しようとするがすぐに魔法陣が消失し、片手に持つアイゼンも通常サイズのミニハンマーに戻っていた。

 

 

(魔力が…吸い取られてるのか……。)

 

 

それだけでは終わらず体全体から魔法陣と同じ色の真紅の光が漏れ出して漆黒の物体へと吸い込まれるように向かって行く。この光景を見てヴィータは自分の魔力が奪われているのだと確信するも、力の源を奪われては行動に移すこともできず。

そんな中で追い打ちをかけるように漆黒の物体から小さな球体が複数飛び出し、一斉に解き放たれターゲットを狙う。もはやヴィータに今の状況を覆す術はなく全ての球体が着弾する―――筈だった。

 

 

 

「「ディバインバスターーーーッ!!」」

 

 

 

周囲が明るく照らされたかと思えば桜色と虹色の光の砲撃が彼女の横を通り過ぎる、そのまま対面から向かってくる球体を一つ残らず打ち消す。直後、ヴィータを包む光が消失し左右には紺色掛かった茶髪の女性と金髪の女性が同じポニーテールの髪を揺らしながら並ぶように降り立つ。

 

 

 

「なのは!ヴィヴィオ!!」

 

「にゃはは、なんとか間に合ったかな。」

 

「みんなで救援に来ました!」

 

 

「みんな?」とヴィータが小首を傾げていると物体に淡い光が宿り物凄い勢いで3人に迫りくる、その大きさは屋上を襲撃した球体よりも面積が広く直撃すれば一溜りもない…あくまで直撃すれば。

 

 

「――真・空牙!」

 

 

ドゴォン!と鈍い音が響き渡れば巨大な球体は斜め上空へと方向転換されて浮上していく。球体がなくなると其処には蹴り上げるモーションを起こした桃色掛かった短髪の少女――ミウラ・リナルディの姿が映し出され。

 

 

「レヴィさん!後はお願いします!!」

 

「オッケー!」

 

ミウラが球体が上昇していった方角に叫ぶと、その先には青いマントを靡かせた水色の髪の少女が彼女の髪と同じ魔力光の魔法陣を展開させて待機しており。

 

 

「いっくぞーっ!パワー極限!!」

 

 

水色の髪の少女…レヴィが自らのデバイス“バルフィニカス”を頭上に掲げれば周囲に複数の雷の光球が発生し、幾つもの剣に変わって巨大な球体へと突き刺さる。

 

 

「雷刃封殺爆滅剣―――ッ!!」

 

 

そして片手を前に突き出すと突き刺さった剣が照り輝き膨大な爆発を引き起こしたのだ。

爆発の起きた跡地には煙だけが漂い物体の影や形は見えず、消滅を確認すると満面の笑顔でポーズを決めてからミウラの元まで駆け寄った。

 

 

「やったー! やっぱり僕って強くて凄くてカッコイィーッ!」

 

「やりましたねレヴィさん。」

 

「うん!ミウラが協力してくれたお陰だよ。ありがとうッ!」

 

(まったく…喧嘩するほど仲がいいってやつか……。)

 

 

なのは達が来るまではずっと喧嘩していたミウラとレヴィが息のあった見事なコンビネーションを繰り出して、今は互いに抱き合って喜んでいる光景にヴィータは苦笑を漏らす。

デパートでの件で少し心配だったが、二人の様子を見てそれが杞憂だと分かり彼女達の元へと歩む。

 

 

「あ、ヴィータさん!ご無事でよかったです。」

 

「僕達に感謝しろよ。」

 

「ああ、ありがとな…。」

 

 

そっぽを向いて呟くように礼を述べるヴィータに遠目から見ていたなのはくすっと小さく笑う。一方でなのはの隣にいた大人モードのヴィヴィオは我慢できなくなり目をキラキラと輝かせながら少女達の会話に入り込み。

 

 

 

「二人ともほんとーっに凄かったですよ!ミウラさん、舞空術が使えるんですね。」

 

「はい、悟空師匠から教わりました!」

 

「僕だってゴクウに色々教わったもん。」

 

「で、その悟空は何処にいるんだ?」

 

「悟空さん達ならまだ地上で闘って―――」

 

 

なのはが答えようとした刹那、透き通った煙が大量発生すると彼女達を取り囲む。先程と同じ嫌な感覚を覚えたヴィータは直ぐに正体を見抜き彼女達に伝えようとするが時既に遅し、体から各々のリンカーコアを通じて魔力が湯気のように具現化し拡散していく。

 

 

「っぐ、力が…抜ける……。」

 

「…あれを見て!」  

 

「ええっ! なんで!?」

 

 

なのはの声に反応したレヴィが真上を見上げれば驚いた声で叫ぶ、頭上には確かに破壊した筈の物体が浮いていたのだ。漆黒の物体は魔力を吸収する度に膨張し、胴体が伸び手足が生えて巨大な三頭身のロボットへと変貌。

 

 

「ろ…ロボット!?」

 

「復活するなんて反則だよ~ッ!」

 

「なんか強そうですね……。」

 

「くそっ、最初からあたし等を誘き出す為の罠だったのか…。」

 

 

屋上での襲撃、結界の設置、全ては自分達“魔導師”を此処に誘き寄せる為に仕組まれた罠、この物体は魔力攻撃で破壊される事で初めて能力を発現するものだったのだ。一度目の破壊で気づくべきだったとヴィータは心中で後悔する。

誘き出した理由は恐らく強力な魔力を手に入れる為、より多くの魔力が必要で何度も魔導師達に破壊させ魔力を奪い取り得た魔力を同源にしロボットを起動させた。

 

更にロボットの腹部が開き射出口が出現すると闇色の光が収束し角ばったエネルギーを充電させていく。だが照準が向けられた先はヴィータ達ではなく雲の真下。

 

 

「まさかこのまま街を消し飛ばす気かっ!」

 

「そんなぁ~!シュテるんと王様が死んじゃうよぉ~。」

 

「わたし達の魔力でみんなが……。」

 

「ど、どどどどうしましょう……!?」

 

 

ロボットから溢れる魔力がビリビリと肌で感じ取れる、吸収した魔力量はなのは達の“リミットブレイク”をも圧倒的に上回り、街一つ消し飛ばす事も容易いであろう。それでも尚彼女達から魔力を奪い続けていた。

気を取得したヴィヴィオやミウラ達も体内に宿されたリンカーコアを犯されては力を集中させる事ができず意識が落ちるのも時間の問題だ。自分達の魔力で街を壊滅させ大切な家族や友人を失う。そんな最悪なシナリオが余計に不安を駆り立てられる中…。

 

 

「…大丈夫、まだ希望は残ってるよ。」

 

「なのはママ!」

 

「なのは!?お前…!」

 

 

ただ一人、なのはだけは恐怖に怯える事もなく真っ直ぐな瞳で言葉を投げ掛けた――桜色の光を全身で発光させながら。その光は無数の線となってヴィータ達の体に入り込んでいく、彼女は気で生み出した防御膜を張ってリンカーコアへの侵入を防ぎその一方で自身の魔力をヴィヴィオ達に分け与えるという荒業を行っていたのだ。ヴィータが止めるように叫ぶがなのはは聞く耳持たず僅かな魔力を流し続ける。

 

だが防御膜を張っている間は動くことができず、そんな現状で魔力を分け与えるのは自殺行為であり、恐らくこの場にいる誰よりも苦しい状況だろう。既に何滴もの汗が垂れ落ちているが未だに彼女の瞳から光が消える事はない。

 

 

「わたし達も…街の人達も…絶対に助かる。だから諦めないで……。」

 

 

息切れを起こしながらも全員を励ます母親の姿にヴィヴィオは涙を堪えて言葉を聞く。そしてその意図を理解すると口を大きく開き。

 

 

「そうだよ! ピンチになってもわたし達のヒーローが絶対なんとかしてくれる。」

 

「「ヒーロー?」」

 

 

“ヒーロー”と言う単語が耳に入り、レヴィとミウラの脳裏に様々な人物の姿が映し出される、仲間、家族、友達……だが何れもヒーローとまでは至らずそのビジョンが消失するかと思いきや一人の男性のシルエットが具現化する。

大食いだけど明るくて、強くて優しく、いざって時は其処にいるだけで頼りになる山吹色の道着を着込んだ戦士。

 

その人物の姿が思い描かれると諦めかけていた少女達にも希望が湧いてくるが、無情にもロボットの充電は完了してしまい地上に狙いを定めて闇色の光線が轟音と共に放出される。

 

 

 

 

 

「「「波ああああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」」」

 

 

 

 

 

―――瞬間、大気が震え出すと轟音と共に雲を突き抜け其処から三本の光の矢が飛び出す。

その光の矢は螺旋の如く絡まり一つに重なり合い極太の巨大な青白い光の柱となって暴風を巻き起こしながら視界に入らない速度で一直線に伸び、闇色の光線ごと巨大ロボットを呑みこむ。

煌く光を輝かせる其れは邪悪な輝きを打ち消しロボットの欠片一つ残さず粉微塵に破壊、再生すらも許さない圧倒的な威力によって完全消滅したのだった。

 

 

「僕達…助かったの?」

 

「ああ、一時はどうなるかと思ったけどな。」

 

「あ、雲がなくなっています!」

 

 

勝利を祝福するかのように周囲に漂う雲が全て消失して一面青空へと変わっていたのだ。

ふと見下ろすとお揃いの山吹色の道着を着用した男性と青年と少年が此方に飛んできて。

 

 

「おめえ達、無事だったか?」

 

「ゴクウーーッ!!」

 

「師匠ぉ…っ!!」

 

 

悟空が視界に入るとレヴィとミウラは一斉に飛びついて抱き付き「怖かった」と嗚咽を漏らす。此処に来たばかりで状況が分からず戸惑う悟空だったが、泣きじゃくるミウラとレヴィの心境が伝わってきたのかゆっくりと手を伸ばしポンと少女達の頭に手を置く、大きな手を置かれた二人は暖かさを感じ安息に浸っていた。

 

 

「地上にいた丸っこいのはボクと兄ちゃんとお父さんで全部やっつけたよ。」

 

「すっごーい!」

 

 

迷子の子供の母親を見つけた悟天達は屋上に戻るとすぐに二手に分かれて行動したのだ。ヴィヴィオ達はなのはと一緒に戻ってこないヴィータの救援に、悟天は悟空達と球体の迎撃を行っていたのだが球体が増えてしまう事を考えて積極的に攻撃はせず守りに徹していた。

暫くその状態が続いたのだが、上空から禍々しい邪悪な気を感じとり闇色の光線を目撃。その対象が地上へ向けられている事と破壊力の危険性を察知し、親子三人同時にかめはめ波を撃ったのである。

 

尚、無数の球体も光線に巻き込まれて破壊されロボットが消滅した事で復活する事もなかった。

 

 

「お疲れさま悟天くん。あと、わたし達の街を守ってくれてありがとう!」

 

「えへへ、どういたし――んんっ!?むぐむぐ……。」

 

 

ヴィヴィオは満面の笑顔で嬉しそうに悟天を抱きしめる、大人モードの姿のままで……。

その結果、胸元に顔が埋まる形となり悟天は苦しそうにじたばた抵抗するがヴィヴィオは未だ自分の姿に気付いてないのかじゃれあうように更にむぎゅうっと強く抱きしめてしまう始末、そんな二人のやり取りをクリスは黙って見守っていた。

 

 

「遅れてごめん、また怖い思いさせちゃったかな。」

 

「ううん、きっと悟飯くん達が助けてくれるって信じてたから…。」

 

 

悟飯となのはは向かい合って互いに無事なのを確認すれば頬を緩ませ自然と微笑む。

励ましの言葉を投げ掛けた時に口にしたなのはの希望―――それこそが悟飯達“異世界から来た超戦士”で彼等の存在が大きかったからこそ絶望的状況に立たされても決して弱音を吐かず、最後まで粘り続けていたのだ。

 

 

「ありがとう、わたしのヒーローさん…。」

 

「えっ!?な、なのはちゃん!」

 

 

なのはの頬は若干赤く染まりお礼の言葉を呟くように口にすると悟飯の胸板に頭を添える形で目を閉じる、小さな寝息を立てながら。彼女の体はとうに限界を超えていたのだがヴィヴィオ達に心配をかけまいと無理に意識を保っていたのだ。それも悟飯と再会した事で一気に解放されそのまま疲労と眠気に襲われたのである。

事情を知らない悟飯は突発的な彼女の行動に慌てて呼びかけ戸惑いを隠せなかったが、ヴィータから説明を受けると彼女を起こさないようにと優しく背中に背負い地上へと降下。

 

他のメンバーも次々と降下していく中、ヴィータは一人空中に留まり何処か腑に落ちない表情を浮かべ先程破壊されたロボットについて思考する。

 

 

(最後に出てきたロボット…なんとなくガジェットに似てたな。ピンポイントであたし等を狙ってきたのも気になる、それに複数の魔力を吸収して一つの力に変換とか余程高等な技術を持ってなきゃ普通できねーぜ。もし、あんなものを作れる奴がいるとすれば………。)

 

 

そこで彼女の脳裏に一人の男が思い浮かぶ。過去に管理局を揺るがす大事件を引き起した天才科学者でありながら狂気を宿す次元犯罪者の姿が―――

 

 

(いや、あいつは今も牢にぶち込まれているだろうし脱獄する力も持ってねぇ…どっちにしても今回の件はははやてに報告しねーとな。と、その前に局員への説明が先か。)

 

 

いくら天才科学者といえどミッドチルダ司法の最高拘置施設に投獄されては脱獄は不可能。

故にその考えを振り払い、ロボットが消滅した箇所を一瞥した後、局員達に説明する為に地上へ降下する悟空達を追いかけるのだった。

 

 

 

 

―――それから数分後、黒い輝きと共に四つのシルエットが展開されていく。

 

 

「ふふふ、ははははは!素晴らしいッ!実に興味深いッ!!これが戦闘民族サイヤ人か、まさか私の自信作達をこうもあっさりと撃破されるとは思わなかったよ。」

 

「ふん、白々しい口を吐きおって。初めから奴等のデータを得る為の捨て駒にする目的だったのだろう。だがこれで理解した筈だ、我々が奴等を警戒する理由がな。」

 

「憎っくきサイヤ人め。我等ツフルの恨み…。」

 

 

異常と感じさせる程の高笑いを響かせる白衣の男に赤いリボンのマークのついた帽子を被る白髪の老人が額に皺を寄せて吐き捨てる。その老人の隣では胡坐をかく体制で青い肌を持つ左右異なる赤目白目の老人がモニター越しから彼等を見据えて呟く。

 

 

「他の者はどうでもいいが、高町なのはと孫悟飯…この二人だけは私が始末する!」

 

 

四人の中で唯一顔が見えない人物、野太い声を発する事から男だとわかるがその外見は一部を除いて全身包帯で巻かれその上から黒いローブを羽織った姿、他の三人と比べて明らかに浮いており一般人が見ても確実に不審者と思われるだろう。

そしてその男から出た言葉は“孫悟飯”と“高町なのは”。二人の名前を口に出すと激昂し体に魔力の炎を昂らせていた――まるで長年からの深い憎しみを抱くかのように。

 

 

「落ち着け!そいつらとは何れ戦わせてやる。それよりも今は……。」

 

「――究極の人造魔力生命体を完成させる…だろ?」

 

「そうだ、その為に貴様を脱獄させてやったのだからな。コンピューターが貴様の科学者としての能力を選んだのだ。」

 

「その件については感謝するよ、みんなも喜んでいたからね。」

 

 

そう言って白衣の男がポケットから取り出したのは複数の蒼い欠片、それを円盤状の窪みへパズルのように嵌めこみベンダント状にしたものを老人へと差し出す。

 

 

「一応これだけでオーバーSSランクの魔力はある筈さ。それでも彼等を相手するにはまだ心許ないだろうけど。」

 

「今はそれだけあれば充分だ。纏めて詰め込みすぎると暴走を起こしかねんからな。」

 

「残りの欠片も直に揃うだろう。」

 

「だが、肝心の媒体はどうするつもりだ?」

 

「それも既に手筈は済んでいる。」

 

 

冷静さを取り戻した包帯の男が尋ねると白衣の男は機械を操作して巨大なモニターを出現させる、映し出されたのは細長いカプセル容器の中で寝かされている背中まで伸ばした金色の髪に白衣の衣装を纏う少女。

 

 

「紹介しよう、彼女こそが私が設計したプロジェクトFの遺産であるフェイト・テスタロッサのオリジナル―――アリシア・テスタロッサだ!」

 

 

再び高笑いと共に浮かべる狡猾な笑み、今ミッドチルダに新たな危機が訪れようとしていたのであった。




(次回予告)

悟空「オッス!オラ悟空!! ミウラとレヴィのやつよっぽど疲れてたんだな。ぐっすり眠っちまったぞ。」

ヴィータ「傍目から見るとお前等親子に見えるぜ。」

ヴィヴィオ「ママも気持ちよさそうに眠ってる。」

悟天「うぅ~荷物たくさんあって前が見えないよ~。」

リイン「むぅ~、レヴィさんとミウラだけズルいですぅ!」

アギト「しょうがねぇだろ、あたし等にはやる事があるんだから。」

はやて「みんなでアインハルトちゃんのデバイス完成させるんや。」

ちびトランクス「いいな~オレもデバイス欲しいなぁ…。」

アインハルト「そういえば、トランクスさんのお父様がTVに映ってましたね。」

ザフィーラ「ディアーチェと一緒にな。」

悟空「次回ドラゴンボールViVid「「ベジータが指名手配? ミッドに渦巻く黒い影」」

ブルマ「あいつなにやってんのよ。」
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