DragonballVivid   作:blacktea

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異世界来訪編
第1話 やんちゃコンビ、魔法世界に降り立つ


視界に飛び込んできた世界は魔法の世界――辺り一面、暗闇で包まれた紺色の空が広がる市街地の上空に彼等はいた。

 

 

「うわっ!? トランクスくん!真っ暗だよ。」

 

「たぶん夜だからじゃないのか? ほら、月が見えるし。」

 

 

目線の先には輝かしく闇を照らす満月…どうにも周辺は地球とまったく変わりのない世界だ。

 

 

「それより、魔法の城を探そうぜ。そこに行けば魔女が魔法を教えてくれるはずだ!」

 

「うん! …あれ?」

 

 

足は疎かに地面に足がついていないせいで奇妙な浮遊感、全身からくる落下の感覚が襲っていた。だが少年達は空中から地面へと落下している事は大した問題ではない。

問題は―――。

 

 

「どうしたんだ悟天…?」

 

「トランクスくん、舞空術が使えないよ。」

 

 

舞空術とは自身の気を使う事で空中を自由自在に飛び回る事ができる技。到底、一般人には使いこなす事などできないが一般人ではないこの少年達は習得していた。

 

 

「はぁ? なに言ってるんだよ。気をコントロールすれば……あれ? 上手くコンロールできない…!」

 

「ボクも…それにカラダの中の気が減ってる。」

 

 

悟天とトランクスは自身の気をコントロールしようと空中から落下する間に軽く集中して飛ぶように心がけてみる――だが上手くいかない。

というより気が減っているような、奇妙な喪失感があるのだ。自分の中の気が自身が知っている範疇よりずっと小さく足りない。

 

 

「オレの気も減ってる…もしかしてこの世界に来たからなのか?」

 

「きっとそうだよ! 魔法の世界に来たから気が使えなくなったんだ。」

 

「…って事はこのままだとオレ達は……。」

 

「ボク達は……。」

 

 

「「――――うわあああああぁぁぁっ!!!!」」

 

 

 

舞空術を使う事ができない、となれば空中から地面への落下に抗う手段は何一つないということになる。直後に吹き荒れる激しい風に対しても何も抵抗できない。

よって悟天とトランクスはその強風によって小さな体はあらぬ方向へと放り投げられ、それぞれ別の方角に向かって吹き飛ばされてしまうのだった…。

 

 

 

 

 

「―――それで、クリスみんなに大人気!かわいいって!」

 

「ほんと?」

 

「それはよかったね。」

 

 

その頃、濡らした金色の髪を持った少女、ヴィヴィオは湯船の中で楽しそうに話していた。茶髪の女性なのはとヴィヴィオと同じ金色の髪を持つ女性フェイト、三人は風呂を堪能中だったのだが…。

 

 

「うわあああああぁぁぁーーー!!!」

 

「「「……?」」」

 

 

彼女達の会話を強制切断させるが如く、絶叫と共に落下音が木霊した。暫くの間、静寂が風呂を支配していたがそれを打ち破るような一言を少女は落とす。

 

 

「…ねえ、さっきの声なんだろう?」

 

「わからないけど…ちょっと気になるから、様子を見てくるね。」

 

「なのはママ、わたしも一緒に行く!」

 

「ヴィヴィオ、なのは、まって…!」

 

 

慌てて三人は部屋から出るとすぐに服に着替える。さすがに何も着ていない状態で外に出る訳にもいかない、衣服を着た状態ですぐに庭へ出て彼女達は目線を向けた。

其処には地面に傷跡を残した悟天の姿。それを目にした彼女達は互いの顔を見合わせて、戸惑いながらも静かに彼に近寄っていく…。

 

 

「君、大丈夫…!?」

 

「…どうやら気絶してるみたいだね。」

 

「ホントだ……男の子かな…。」

 

 

なのはとフェイトは起きる気配を感じさせない悟天の顔を覗き込むと、本人はグルグルと目を回して気絶していた。外見からして自分と同年代である事にヴィヴィオも余計に戸惑った表情を浮かべる。

 

 

「と、とにかくこの子を運ばなきゃ…!」

 

「そうだね、暫くベッドで寝かせてみようか…。」

 

「起きてくれるといいんだけど……。」

 

 

なのはは地面に倒れている悟天を抱きかかえて部屋に戻り、すぐに自室のベッドに寝かせ、そして近くで落ちていた重量のある荷物をフェイトは手にとってベッドで寝る悟天の隣に荷物を置く、ヴィヴィオは一連の様子を見守りながら不安そうにクリスを抱きしめていたのだった。

 

 

 

 

 

―――真夜中の公園。そこでは激しい攻防戦が繰り広げられ互いの拳をぶつけ防御してを繰り返していた。

 

 

「寝惚けた事抜かしてんじゃねェよッ!! 昔の王様なんざ皆死んでる!生き残りや末裔達だって普通に生きてんだ!!」

 

 

激しい砂煙を引き起こして強風をも巻き起こす、高速で発生する攻撃と防御を瞬間的に繰り返し続ける。赤髪の女性はただ怒りに溢れ、碧銀色の髪を持つ女性は冷たい視線を向けていた。

彼女達は暴風に逆らうように後方へと一気に飛んで距離を置く。それだけで周辺をかき乱す強風を発生させるほど彼女達が今起こしている戦闘はレベルが高い物なのだ。

 

 

「弱い王なら…この手でただ屠るまで。」

 

「この…バカったれがぁぁ!!」

 

 

怒りが頂点にまで湧き上がり、絶叫を上げるノーヴェ。強烈な爆風が天へと掲げられる中で発生したのは無数の光の道であった。重力に逆らうように空中の道を作り上げていく。

 

 

「ベルカの戦争も聖王戦争もッ!!」

 

「―――ッ!?」

 

 

碧銀色の髪を持つ女性は自身が魔力で形成されたリング状の拘束具によって身動きが取れない状態である事にようやく理解する、両足と片足を封じられ動きを封じられてしまう。

 

 

「ベルカって国そのものも!もうとっくに終わってんだよッ!!」

 

 

光の道を走行し更なる加速を持って勢いをつける女性、真上から責めてくる相手に焦りを隠しきれない碧銀色の髪の女性。

 

 

「リボルバー・スパイクッッ!!!」

 

「…終わってないんです。」

 

 

強烈な一撃、決して手加減されていない本気の蹴り。光の道を走行して更なる加速をつけパワーアップした手加減なしの蹴りを碧銀色の髪を持つ彼女の縛り損ねた片手で受け止められていた。

 

 

「私にとってはまだ何も…。」

 

 

空中から横切るように入れようとした蹴りを受け止めている間、体中は魔力で形成された鎖によって女性は縛れていた。

ノーヴェはようやく気がついたのだ、敵は防御を捨てて反撃の準備をしていたことに。動きを止める鎖は恐らく、次の攻撃を確実に当てるための準備。

 

「くっ、しまった…!」

 

「覇王…!」

 

 

紫色の瞳と青い瞳、オッドアイの目が赤髪の女性を捉える。短時間の間に練り上げた力が瞬間的に拳に収束され強大な破壊力が伴っていく。

拳を封じる拘束具を跡形もなく崩壊させ、気圧だけで圧倒させる魔力が拳に集中する…。

 

 

「断空け―――。」

 

「わああああああああぁぁぁぁ~~~~!!!」

 

 

ノーヴェが瞼を閉じた瞬間に響いた叫び声――まだ幼いその場に存在していない筈の少年の声が暗闇の中で響き渡る、意味不明と心底思うばかりのまま瞼をもう一度、女性は開けた。

 

 

「な……!!」

 

 

強烈な破壊力を込めた拳は何の間違いか、子供の腹へと激突して地面に全身を叩きつけ衝撃でバウンドを繰り返しながら一気に吹き飛ばされてしまう。

殺傷能力はないが幼い少年を気絶させるぐらいの威力は充分すぎるほどに持っている。寧ろ骨折などの重傷を引き起こしてしまうのではと思考を走らせる。

 

 

「お、おい…何が…!」

 

「いっててて…一体なにがおきたんだ…。」

 

「立った…!?」

 

「覇王断空拳をまともに受けた筈……。」

 

 

苦々しく苦痛の表情を浮かべた薄い紫色の髪を持つ少年は片手を脇腹に添えて痛みに耐えていた。女性の拳はバウンドにより攻撃力を抑えていたとしても破壊力は充分すぎるほどにある。

にも関わらず少年を気絶に追い込む事さえできなければ立ち上がらせる事を可能としてしまった事実。赤髪の女性は驚きのあまり言葉を失ってしまっていた。

 

その後、少年は痛みは治まったのか脇腹から片手を離して服についた汚れを反対の手で払っている。

 

 

「…………。」

 

「ちょっ、おい!まてよ!何する気だ!?」

 

 

緑が薄く混ざった銀色の髪は風によって揺れる、静かな歩みでトランクスの前にまで。彼を見下ろしながら凛とした声で言葉を発する。

 

 

「失礼ですが、あなたと私…どちらが強いか、試させていただきます。」

 

「…はぁ!?」

 

「……ヘ?」

 

 

ノーヴェを縛り上げる鎖が解かれた直後、彼女のオッドアイの瞳は真っ直ぐにトランクスを捉えていた。魔法の世界にやってきた二人に起きた予測不可能な事態、彼等の波乱はまだ始まったばかりであった。




悟空「オッス!オラ悟空!! どうやら二人とも無事に着いたみてえだな。けど、なんで舞空術が使えなくなったんだ?」

ベジータ「ふん…修業をサボるからだ。帰ってきたら徹底的にしごいてやる。」

悟飯「それにしても、トランクスに勝負を挑んできた女性は何者なんでしょうか…。」

ピッコロ「只者ではないだろうな…。」

悟空「次回DragonballVivid「激突! 覇王VSトランクス!」

トランクス「オレ、弱くなってる~~!!」
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