妖精の魔王   作:ルノア

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魔性との遭遇

暗闇の中を進む二人。

悪魔の心臓の影響か周りに生物の反応はない。

その代わりと言っては何だが何度となく死霊(リビングデッド)タイプの敵がよくあらわれる。

「うっとおしい!」

ブレスで何度となく敵を倒しているが敵の勢いが止まることがない。

それにこう何度となく魔法を連発しているとさすがに魔力的によろしくない。

「手伝おうか?」

「いいや、ミラは後ろから来てくれてるだけでいい」

そう言い俺はポケットから赤銅色の星霊の鍵を取り出す。

「奥の手だったんだが使っちまうか」

意識を精霊の鍵に集め扉を開く呪文を唱える。

「開け赤き英霊オリオン座の扉 オリオン!」

赤銅色の魔方陣が現れそこから1体の精霊が現れる。

「今宵はいかな用事だ?」

「道はこちらで支持する。退路を阻む敵を掃討しろ」

「了解」

赤い外装をまといアイアンメイスで近距離の敵をたたきロングボウで遠くの敵を射抜く。

星霊となっても狩人としての力に衰えなど感じさせない。

そう思えるほどオリオンの技の数々はすごかった。

「こんなすごい星霊使役してたんだ」

「あぁ、金色の鍵ほどすごいものではないけどな」

「あぁ!変態牛なんぞに負けるほど俺は弱くねーよ!」

「そうだな、単純な力比べならおそらくあっちに軍配が上がるだろうな」

「だがタイマンなら負けねー!」

「そうだな」

この赤銅の鍵は世界に3本しか存在しない。

今はシグレに預けているが青銅の鍵も持っている。

ちなみにこれも3本しか存在しない。

聞いた話、他にもこのように世界にあまり数のない鍵がいくつかあるようだ。

「おい主、目当ての場所あれじゃないのか?」

暗闇の奥に小さな明かりが見える。

「俺の視力でもギリギリのレベルをいとも簡単に見つけるな」

「私には何も見えないよ?」

「シャーねーってことよ!俺っち視力良いから!」

近づいていくとだんだん明かりが大きくなっていった。

その明かりに照らされ不気味な扉が見えてくる。

「ここが心臓のありか」

扉の向こうに心臓があるのだろう。

「悪いな主、ここからは俺が行くには場所が悪すぎる」

そう言い残してオリオンは精霊界へと帰ってい行った。

「オリオンの奴、どういうことだ」

場所が悪い?

狩猟の名手である奴が?

「ねぇ、ルノアール」

「どうしたミラ?」

「ごめんだけど、私これ以上先に進めそうにないわ」

「どうした?」

「なんと言うか勘かな?ここから先は進んじゃいけないって言っているような気がするの」

オリオンやミラが進めない?

なら、俺は何故進める?

俺は何者だ?

「自問自答するまでもなかったな」

小さな声でそうささやく。

俺は龍で悪魔でそして魔導士だ。

「ミラはそこで待っといてくれ。俺が回収してくる」

「駄目だよ!帰ろ!」

ミラの忠告を聞かずに扉に手をかける。

「絶対に帰ってきてね」

「ただ持って帰ってくるだけだ」

扉を押し中へと入る。

中に入ると後ろで独りでに扉が閉まる。

部屋を円で囲むように炎がともって行く。

左右から灯って行く炎がたどり着いた先には石の祭壇とまがまがしい魔力を放出する肉塊だった。

「あれか、心臓は」

ゆっくりと歩いていくと近づくたびに肉塊は脈を打ちその速度は徐々に早まって行く。

手を伸ばせばとれる位置まで行くと突如肉塊はその身を伸ばし俺に襲い掛かってきた。

「クッ!」

俺は寸でのところで避けバックステップで距離をとり体勢を立て直す。

視界にとらえた肉塊は次第に形を作りその姿を固めた。

その姿は甲冑のようにも見えるが体の表面が脈打っている。

「なんだあいつ気持ち悪い」

『キモチワルイ』

言葉を反復した!?

「らくそうな仕事選んだつもりだったんだがな」

魔方陣から二本の剣を取り出す。

「久しぶりに本気出さなきゃいけないかもな」

 

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