戦え! 超強化生命体傭兵レイヴンちゃん!【本編完結】   作:ゼフィガルド

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 ここ数日は色々と忙しかったですが、ようやく更新が再開できます! そして、かなり周回遅れですが推しの子。今更ながらにハマりました!! 推しはかなちゃんです!!!


依頼125件目:イグアス「AIの相棒枠でも無ければ、野良犬をヒロインに据える訳でもねぇ、変な映画マニアってキャラ付けになっている気がしやがる」

「総員! 退艦!!」

 

 惑星封鎖機構とベイラムの強襲艦隊が次々と落とされて行く。

 艦砲射撃による物もあれば、MTやLCによる物もあったが、理由の大半を占めているのは2つ。

 

「エイシャァアアア!!」

 

 1つ。企業同士の闘争の中に紛れ込んで来た『ルビコニアンデスビートル』と言う異物。死をも恐れず、艦砲射撃にも耐え得る存在の対処を知っている者はいない。まだ、特攻兵器の方が可愛気もある。

 獲物を求めて空域を彷徨うルビコニアンデスビートルだったが、突如飛来した複合エネルギー弾に胴体を貫かれて爆散した。

 

「粘りますね。ですが、所詮はAC戦を想定しているだけの機体。改良を加えた、オールマインド・バルテウスの敵ではありません」

 

 アーキバス・バルテウスを改修した機体を駆りながら、オールマインドは惑星封鎖機構のバルテウスを圧していた。

 両者の激闘は凄まじく、流れ弾による被害は両陣営に留まらず、ルビコニアンデスビートルにさえ被害を出していた。

 

「貴方のデータは既に収集済みです。思考ルーチンから、戦闘パターン、搭載火器の性能まで全て。アップデート如きで、対処できるとは思わないことです」

 

 彼女が惑星封鎖機構のバルテウスを圧倒していたのは、膨大な蓄積データから導き出された解による物だった。

 当然、この戦いに出撃させるに至って幾らかプログラムや武装の差異はあったが、その程度のズレを修正するのは訳もないことだった。

 

「古ぼけたデータに武装。オリジナルの型落ちぶりは酷い物ですね」

 

 大量のミサイルを収納した惑星封鎖機構の物と違い、オールマインドが駆るバルテウスはEN武器が主兵装である為、機動性は上回っていた。

 加えて、彼女の機体にはパルスアーマーに対する特効兵装とも言えるパルスキャノンが搭載されている。

 相手のアーマーを剥がし、一方的に火力を叩きこむ。一定以上の耐久値が削られると、アサルトアーマーが起動することも把握している。その一瞬に合わせて、彼女はチャージしたプラズマライフルを超高出力ENユニットに接続した。

 

「落ちろ」

 

 惑星封鎖機構のバルテウスから展開されたアサルトアーマーを掘削するようにして、彼女が放った複合エネルギー弾が突き進んでいく。それは、掻き消されること無く障壁を貫き破り、コアユニットを貫いた。

 幾度かの爆発が発生した後、カーマンラインと言う戦場から落ちて行った。落ちていく物を見ながら、彼女は誇ることも無く。ケレスの方を見据えた。

 

「虫けらの処理は彼らに任せるとしましょう」

 

 元より、彼女が目の敵にしているのは自らのオリジナルに対してのみだった。道すがら強襲艦隊や虫達を消し飛ばしながら、どちらが優れているかを証明する為に彼女は駆ける。

 

~~

 

 レッドガン部隊と合流した猟犬部隊(ハウンズ)はケレスの内部を進んでいく。

 トラップや無人機達を蹴散らしつつ、スキャンも駆使して内部構造を把握しながら、イグアス、ペイター、1317達が向かった先には複数の無人機と1機のACが待ち構えていた。イグアスが声を上げた。

 

「コールドコール。なんで、お前が惑星封鎖機構に?」

「おや、イグアスの坊やか。お友達を連れて賑やかなことだ」

 

 傭兵起用の担当をしていたペイターは直ぐに思い当たった。裏社会で粛清を生業にしている独立傭兵が居ると。

 熾烈を極めるコーラル競争において、必ずや重用されると思っていたが、今の今まで姿を見せることは無かった彼が、何故惑星封鎖機構に使われているのか。

 

「答えろ。なんで、お前が?」

「身の振り方を考えただけさ。じゃあ、やろうか」

 

 年季を感じさせる泰然ぶりと共にコールドコールは周囲の無人機に命令を出していた。そして、彼の戦い方は今まで無人機に命令を出していた者達とは明らかに違っていた。

 無人機。基本的にはパイロットの負荷を考慮しない挙動や性能で有利を取る物だが、AIと言う在る種決まったパターンのあるプログラムに行動させる為、慣れた者であれば性能差があろうと対処できてしまう。

 使う者達の大半は、物量で圧殺したり、攪乱兵器や足止めとして使ったりと。あくまで撃破されることを前提として用いている者が多かったが、コールドコールは違っていた。

 

「そら。行け!」

 

 ある程度、無人機の対処に慣れていたイグアス達はAIが反応できない動きを繰り出そうとしていた。大抵のパイロットは無人機の機動に対処しようとする為、距離を取る動きをしてしまうのだが、AIはそんな臆病風を許さない。

 続いて多いのは、そう言った挙動の隙を付くべく、むしろ自分から突っ込んでいくという物だ。これに関してもAIは対処済みであり、そのまま全速力で駆け抜けて直ぐに反転して逆に虚を取って来る。

 では、イグアス達は何をしたかと言うと向かって来る無人機とそのまま並走を始めた。AIからすれば攻撃される可能性があるにも関わらず、ピッタリと着いて来る動きをする者など滅多にいない為、判断に多少の時間を要する。

 

「(よし。誘導は上手くいっている……)」

 

 人間の感覚で言えば数秒にも満たない思考であるのだが、戦いに慣れた者達ならいくらでも攻撃を叩き混める時間であり、惑星封鎖機構側が幾らAIにアップデートを施そうとも、機体の構成上中々に変えることのできないルーチンでもあった。……そもそも、こんな動きが出来る者が少ないということもあったが。

 1317もこの対処法を実践し、無人機を撃破しようとしたがLCのアラートが鳴った。見れば、背後からデッドスレッドが迫って来ていた。

 

「!?」

「惑星封鎖機構員として腕は良くないと聞いていたが、中々度胸はあるようだな」

 

 『RC-2000 SPRING CHICKEN』の重逆関節から繰り出されるドロップキックによって、並走していたLCと無人機の距離が開いた瞬間、AIは瞬時に攻撃を繰り出していた。

 人間の物よりはるかに精度が高い攻撃であり、1317は咄嗟にシールドを展開したが、この行動は無人機にとって想定された物であった。正面にシールドを構え続ける必要がある様に射撃をした後、防御の出来ないサイドからミサイルが飛んで来ていた。

 

「うっ!?」

 

 こうなっては飛んで避けるしかないと考えていたが、その先には『BML-G3/P04ACT-01』から放たれた高誘導ミサイルが飛んで来ていた。

 しかし、彼の機体に当たる直前に逸れていき、あらぬ場所で爆発した。見れば、ペイターのHM型がフレアを放っていた。

 

「驚きましたね。まさか、無人機を使うのではなく。無人機に使われているとは」

「計算機の調整をするのは人間だろう? 同じ様に無人機の調整役をしているだけだ。人間と違ってゴネたり、反故にして来たりしない分良いものだ」

 

 ペイターの言う通り、コールドコールは無人機を使うのではなく、無人機に使われるようにして、これらの機体の補助に徹していた。コレがどういうことかを察したイグアス達は冷や汗を流していた。

 

「(簡単に言ってやがるが、無人機の挙動と仕様を把握した上で俺達の動きをコントロールしてやがんのか!?)」

 

 相手をどの様な状況へと追い込んだら、無人機が補足し易くなるのか。また、無人機に対処されない為にどの様にして動くべきか。

 人間とAIの両方の動きについて精通する必要があり、これらを遂行しているコールドコールと言うパイロットが如何に並外れた物であるかを語っていた。

 

「金次第で動くアンタが、企業以外に着くとはな! 死の運び屋(デッドスレッド)が随分と行儀が良くなったな!!」

「アレと対峙すれば分かることだ。いや、その前にここで引導を渡すのも好か」

「……アレ?」

 

 コールドコールが指す物がイマイチ分からなかった。恐らく惑星封鎖機構のことを指しているのだろうが、今まで企業を相手に強かに立ち回って来た者とは思えない位に弱気な発言だった。

 そんな考察をしている間、ペイターは後方から追跡して来るミサイルを寸での所で避けて、前方から接近して来た無人機へと直撃させていた。

 

「見ない間に随分と愉快な友人が増えたな。G4はどうした?」

「アイツはさっさと抜けやがった。コイツはイルブリで繋がった映画仲間だよ!」

「そうです。私とイグアスは共にイルブリードで盛り上がった友です」

「なるほどな。趣味が悪いのは分かった」

 

 死闘を繰り広げているハズだというのに、何処か間の抜けた会話をしているのが奇妙に映った。撃墜されない様に立ち回るだけで精一杯な1317は質疑応答する余裕がない。

 

「そして、あそこで必死に逃げている男も同志です」

「なるほどな」

 

 それを良いことに勝手に仲間認定されているが、あんまり興味がないのか、コールドコールは適当に相槌を打っていた。ちなみに1317はこの遣り取りを一切把握していない。

 そして、彼らの戦いが始まったことを切っ掛けに、ケレス内の各所では突入部隊と防衛戦力による激闘が勃発していた。

 

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