戦え! 超強化生命体傭兵レイヴンちゃん!【本編完結】 作:ゼフィガルド
ホワイトデーにクソ映画が贈答された位で、レイヴンの学園生活は至って平穏で平凡な物だった。体育とシミュレーター以外の成績もようやく改善方向が見え始めて来た頃の話である。
「ねぇ、ウォルター。私の誕生日っていつ?」
夕食時に彼女が尋ねた。だが、これは決して不自然なことでは無い。
小学生ともなれば誕生日会なども行われるだろうし、彼女が通っている学園は企業の御子息を預かっていることもあって、社交界の機会としても取り扱われているだろう。
ルビコンに居た頃は、そんなことを考える余裕もなかったし、もっと言えば自分の誕生日を知らない者もいる。
「書類上は6月21日にしている。本当の誕生日は俺も知らない」
入学の手続きの際、書類上の誕生日は設定していたが実際に合っているかどうかさえ分からない。
ただ、彼女に取って真実はさほど重要ではないらしく、暫定的とは言え自分にもキチンと該当する日が設けられていたことを喜んでいた。
「誕生日! 明日!!」
「え?」
彼女の上機嫌ぶりとは裏腹にエアがチラリとカレンダーを覗いていた。今日は6月20日、しかも既に夕方だ。準備の為の時間はあまりに短い。
だが、周囲に動揺は殆ど見られなかった。唯一、ツィイーだけが『誕生日ってなに?』と、悪びれも無く聞いていた。
「ツィイー殿。誕生日と言うのは、当該人物が生誕した日のことを指す。一般的には、この日をめでたい物として祝われるのだ」
六ペディアが発動して、ツィイーは頻りに頷いた後……事態の大変さが分かったのか大いに慌てていた。
「え!? 準備時間が1日も無いじゃん!?」
「普段、自分が祝われて無ければ、実感もないだろうよ」
元・アーキバスヴェスパー部隊長としてある程度、文化的な生活を送って来たスウィンバーンは当然織り込み済みであり、慌てた様子も無かった。既に何かしらの準備はしているのだろう。
色々と気遣いを覚えて来たレイヴンであるが、周りの大人達の察しが良過ぎる為に祝われることを信じて疑っていなかった。よく言えば、年相応の無邪気な傲慢さが滲み出ていた。
「楽しみにしているね!」
「勿論だ。当日を楽しみにしていてくれ」
ラスティが颯爽と返事をしたが、エアとツィイーは何も用意していない。
食事を終えたレイヴンが自室へと戻った辺りで、エア達は六文銭が2人分の弁当を用意し終えた辺りで詰め寄った。
「六文銭。どうして、私達に教えてくれなかったのですか?」
「正直に言うと失念していた。というより、知っている物だと勝手に思っていた」
2人共性別が同じと言うこともあり、話し込んだりする時間は多い。特にエアに至ってはルビコンからの長い付き合いであり、誕生日などのプロフィール的なことは何処かで聞いている物だと思い込んでいた。
「どうしよう。私達、何も用意していないんだけれど! ……参考までに六文銭は何を用意したの?」
「気になるか? よし、見せてしんぜよう」
余程、自信があるのか。彼は自分の部屋に戻って何かを取り出していた。持って来たのは貴重な有機木材を削って作り上げた容器。古来、日系人がコップ代わりに使っていた升と呼ばれる物だった。
「いずれはな。これを使って、レイヴンと共に飲みたいと考えている」
口にはしなかったが、エアは内心思っていた。多分、彼女が大人になる前に容器が壊しているんじゃないかと。だが、それでも構わなかったのかもしれない。……ただ、贈答品にしてはあまりに渋いというか子供向けではない気がした。
「とりあえず、コップを避けた方が良いってことだけは分かりました」
デザインが被ってしまうからだ。他の者達に聴いて回るのは体裁的にどうかと思ったので、エア達はコッソリと星間通信を掛けまくっていた。
~~
「うぉおおお! イルブリードⅡの評価ひっく!!」
ペイターは自分達の懇親の一作が評価されていないことを嘆いていた。ただ、一部では褒められたりはしているので、容易く見捨てることも出来ないジレンマに捉われていた。これを見た1317は眉間に皺を寄せていた。
「幾ら映画が好きでも俺達は映画撮影なんてしたこともないし、今までストーリーを作ったこと無い奴がいきなり上手く書ける訳無いだろ」
「嘘だ。私が作ったストーリーは皆に評価されて、イルブリ旋風を巻き起こして3の製作も決定して」
お前、図々しすぎるだろと思っていたが1317は言葉を呑み込んでいた。いつもみたいにネタじゃなくて、ガチ目のトーンで言っていたからだ。
そんな落ち込んでいる彼のスマホに連絡が入っていた。落ち込みながらも電話に出ると、相手はエアだった。
『ペイター。お時間の方はよろしいですか?』
「何ですか? 私には業務が溜まっていましてね……」
『明日、レイヴンの誕生日なのですが、プレゼントの方は考えていますか?』
「それはもうイルブ」
途中まで言って通話を着られたのでリダイヤルをした。エア的にもホワイトデーの撮影劇は二度と御免だったらしい。
『真面目に答えて下さい。レイヴンの誕生日プレゼントは何が良いと思います?』
「特に思い浮かびませんねぇ。1日前は流石に計画性無さすぎるんじゃないんですか? 貴方に誕生日と言う概念があったことに驚きですが」
ペイターの言うことは正論だったので反論できずにいた。1日と言う期間はあまりに短い。プレゼントを贈呈しようにも、エアには人生経験が足りなさ過ぎた。
『では、ペイターが同じ様な状況になった時、貴方はどういったプレゼントを贈呈しますか?』
「それはもう、私一押しの作品を挙げます。最近、また糞……。面白い映画を見つけたんですよね。この『ダンガン・ヌケーター』って言うんですけれど」
『……一応、内容を聞いておきましょうか』
隣で話を聞いていた1317の顔がすんごい渋い物に変わって行く。
ペイターの解説によれば、デスゲームに巻き込まれた16人の男女の内の1人が壁を抜け、天井を抜け、地面を抜ける究極のスケーターであり、黒幕の予想をぶち破って何処までもダンガンの様に滑り続けるという話だった。
「次は2を見るんですけれど。この1作目をですねぇ」
『結構です。貴重な意見をありがとうございました』
聞くに値しないと判断されたのか、エアが通話を切ろうとした所で、ペイターのスマホが取り上げられた。通りかかったスネイルだった。
「話は聞かせて貰いました。ウチの馬鹿の意見を聞いた所で参考にはならないでしょう」
『スネイル。……貴方にも用意が?』
「大した物ではありませんがね。貴方達のことですから、コスメやそう言った物に関しては全く気にしていないでしょうから、女性社員から色々と聞いて見繕って貰った物を」
エアは義体であるので化粧の必要はないし、ツィイーもそう言った物を使って来た覚えが全くないので選択肢にすら上がっていなかった。
『ですが、レイヴンには早すぎるのでは?』
「今の子は低学年から意識している子も少なくはありませんし、企業もそう言った年齢層に向けての化粧品などを開発しています。美は何もせずに保たれる物ではありませんので」
ここら辺は医療関係の企業で社長をしているスネイルだからこその意見だった。……ただ、エアとして思うことがあるとすれば。
『貴方はまだ、あどけない彼女に対して成人女性の様な自覚を持てと……?』
「聞いておいて、その返事は無礼すぎやしないか?」
スネイルの眉間に血管が浮き出ていた。ただ、ペイターと違ってエアは直ぐに謝罪を入れる為、彼の溜飲も下がった。少なくともクソ映画の提供よりはずっと為になった。
『参考になりました。感謝申し上げます』
「ついでに言っておきますと。ネットなどの情報を鵜吞みにするのは避けた方が良いですよ。アレは企業が売り込む為に幾らでもランキングが捏造されていますからね」
既にある情報に依存するような真似はするなと釘を刺すのは、実に彼らしい警告だった。スマホを切った後、ペイターは言った。
「頻りに研究員の方達と相談していたので、生え際を気にしているのかと思っていましたが、見直しましたよ」
ニコっと爽やかに笑うペイターの脳天にチョップがぶち込まれる数秒前の会話であった。
~~
レイヴンの誕生日、当日。学校へと向かう彼女を見送った後、エア達は急いで街中に出掛けていた。目的は彼女へのプレゼント探しだ。
「エア、まず注意することがあるとしたら!」
「我々に美的センスとかそう言うのはありません。服とかそう言った物は避けましょう」
ツィイーとエアは幾らか相談していたことがあった。ラスティ達の用意した物は分からないにしても、彼らと同じ土俵で戦っても絶対に勝ち目はない。唯一、レイヴンに近い特性を利用できることがあるとすれば同性と言うこと位だ。
バレンタインデーの時は買うものが決まっていたので迷わなかったが、いざ街に出てみれば大量の商品が並んでいた。いずれも大量のPOPや宣伝に塗れ、彼女らには善し悪しが判断し辛かった。何を選んでも不正解な気がした。
「ツィイー。決まりましたか?」
「何も……。なんか、どれを選んでも違う気がする」
どれを選んだとしても自分の意思で購入した気がしない。まるで、企業に洗脳されていた様にすら思えたのだ。
一息ついたツィイーが近くの自販機で無駄金を使って、常習性の高い添加物と甘味料塗れの飲料を口にしていると、スーツを着た男が近付いて来た。
「お2人方、ひょっとしてプレゼント選びですか?」
「え?」
なんで分かったんだろうかと思っていたが、これだけウロウロしていれば少し察しの良い人間には直ぐに分かることだった。
つまり、この男はセールスマンなのだ。それさえ、分かってしまえば騙される事なんてありえない。ツィイーはキッと、彼を睨んでいた。
「分かりますよ。私もね、長年連れ添った妻に誕生日プレゼントを考えたりするんですけれどね、どうしても独りよがりになってしまうんですよ。かと言ってね、何が欲しいかって聞いても、本人も分かっていないことが多くて」
「そう、なんですか?」
流石に無視は悪いと思って、聞き返してしまった。相手の思うつぼだ。
ルビコンにおけるツィイーは勇ましい戦士であったが、企業と商業が支配する街において、彼女は単なる田舎娘にしか過ぎなかった。
「はい。それがね、ピタリと合った時ってやっぱり凄く嬉しいんですよね。渡した本人も渡された本人も幸せになる。私達はお手伝いをさせて貰っているんです。巡っていたコーナー的に親戚の姪っこさん辺りでしょうか?」
「そ、その通りです」
相手は百戦錬磨のセールスマンだった。彼女達が巡っていたコーナーから、対象年齢まで意図もたやすく当てて見せた。こうなってしまえば、ツィイーはもはやスタッガー状態と言っても差支えが無い。
「今、お子さんたちに人気のアニメとかは御存じですか? 私、玩具のコーナーを担当していましてね。恥ずかしながら、ちょっとしたオタクでもありまして」
玩具! それは実用性を重視するウォルターや企業人達には決して思い浮かばない発想だった。いや、ペイターは近い発想をしていたが。
だが、これならばプレゼント的に被る可能性は低いだろうしレイヴンに新たな趣味を見つけることが出来るかもしれない。生憎ツィイーはそんな物を殆ど見たことが無いので、装甲は丸裸と言っても変わりなかった。
あまりに帰って来るのが遅いので心配したエアが様子を見に来た所、かくかくしかじかで事情を聴いた彼女は、直ぐに納得した。
「玩具ですか」
「はい。合理性を重視するとね、どうしても不要になったり要らなくなったりしちゃうんですけれど、遊んだ時の思い出とかは心に残るんです」
2人しておおぉ…と感嘆の声を上げるしかなかった。常在戦場だった彼女達は、あまりに平穏に対する耐性が無く、ホイホイと玩具売り場に連れていかれた。
色々なタイトルや作品が置かれていたが、どれが有名かどうかも分からない。なので、彼女達は禁句を言ってしまった。
「どれがおススメですか?」
これは商業激戦区においてはこう言い換えられる。『私はバカなカモです』と。
セールスマンの男は完全に確信していた。これはもう何でも買って貰えるなと。ならば、何を買って貰える様に誘導するか。
「こちらね。今、人気なのはですね。スパイとして潜入した男が作り上げた偽装家族内の娘が女児にも人気でね。天真爛漫なんですけれど、人の心が読める超能力者でもありまして……」
「「……」」
引っ掛かる所がツィイーとエアにあったのか、少し黙っていた。というよりも、正にプレゼントを渡そうとしている相手の顔が思い浮かんだからだ。
「ですがね。ちょ~っと、人気過ぎてグッズも品薄になっているんですよ。そこで、私が個人的に推したいと思っているのがこちら」
店頭の一番目立つコーナーから外れて、ちょっと目立たないコーナーに移動した。だが、そこには先客が居たのだ。
「む。貴様らは!」
「ミシガン総長? どうして、この様な所に?」
元・レッドガン部隊トップのミシガンが玩具をまじまじと見つめているギャップに戸惑ったが、彼は恥じる様子もなく堂々と答えた。
「ちょっとしたな。貴様ら、こんな所に何の用だ? 安心しろ。俺もアニメは大好きだぞ! 猫と鼠の追想劇は何度見返したか分からない位の筋金入りだ! 例の偽装家族においては、全員を部隊に迎え入れたいと思う位には視聴済みだ!」
ベイラムの歩く地獄と言われていたが、プライベートでは気遣いも出来ればジョークも言える。ウォルターの数少ない友人枠に収まることにも納得する程の人格者でもあった。
「実はレイヴンの誕生日プレゼントを買いに来て。こういう玩具とかも良いんじゃないかって……」
…………暫く沈黙が走った。そして、ミシガンは笑顔を浮かべてエア達を案内した男を詰めていた。
「なるほど! 貴様もこの作品が好きなのか! 既に放送は終えてグッズ展開も望めない中でも、ファンを作ろうとする心意気は感心だ!!」
「あ。スイマセン、私は用事を思い出したので!」
ピューッと男は去って行った。流石にミシガンもこういった場で荒事を起こすつもりはないらしいが、ツィイー達も自分達が知らぬ間に誘導されていることに気付いたらしい。
「G13への誕生日プレゼントか! ウォルター達は今までのビズから考えて実用的な物を贈ってしまうが、奴もまた児童であることには変わりない。だが、レイヴンはアニメを見るのか?」
実の所、普段レイヴンはよくテレビやモニタ前に座っている。彼女はアーガイブに登録されている映画を見ることが多く、いずれもB級だのクソ映画だの言われている物ばかりを好んで見ていた。
「この間は『~漫遊記 ババアと憐れな下僕達~』の実写化を見ていたし」
「他には『虐殺! ハートフルカンパニー』とかも見ていましたね」
「止めろ!!! 見せるな!!!」
児童に対してMAX有害な映画を見せていることに関しては、ミシガンとしても思うことがあったらしい。ウォルターが止めなかったのは、彼女を一個人として見ているからにしても、そこは止めろよと思ったのだろう。
「すいません。私達は娯楽作品に疎く、映像作品と言うのはこういった物ばかりと思っていたので疑問すら思いませんでした……」
「どちらかと言うと、レイヴン達よりお前達の方が学ぶことが多いと思うぞ! だが恥じるな! 誰もが最初は初心者だ! そう言うことなら、自分達も学んでいくと言うことでな」
ミシガンはコーナーを戻って、一番目立つ所に戻って来た。そして、棚に引っ掛かっていたタグを取って来た。
「コイツはどうだ? アーガイブなどは低価格で解放されているが、最新作やコンテンツは優良品になっている。コイツはその視聴券だ」
シリアルタグが打ち込まれており、レジを通して初めて使える様になると言う物だ。レイヴンに楽しい物を見て欲しいという気持ちもさることながら、イルブリードや地獄甲子園以外の作品以外に何があるかと言うのが気になった彼女達は迷うことなく購入していた。
色々と面倒を見て貰って喜ばしいという気持ちがあるが、それ以上に気になっていることがあった。
「ミシガン総長はどうしてここに?」
「何。折角、平和になったルビコンで誰も娯楽を知らんと言うのは詰まらん話だ! それに、RaDの連中もジョークグッズとして玩具には注目している。いわば、これは敵情視察の一環だな!」
武器やパーツばかりを作っていた者達も別途の商売を考えられる程度には、ルビコンでも余裕が出来ていることは嬉しく思うことでもあった。
思わぬ助言をくれたミシガンに礼を述べつつ別れた後、幾らかパーティー用の惣菜を購入して、自宅へと戻った。
~~
食卓の中央にはケーキが据えられていた。フワフワに焼き上げたスポンジに生クリーム、彩と味の為に果実が添えられていた。
バースデイソングが贈られ、それぞれがプレゼントを渡していく中。ツィイーとエアはリモコンを手にしていた。
「イルブリ?」
「そんな物より面白い物です。多分!」
付けた先では件の人気アニメが流されていた。本来の対象年齢はもっと上の方だろうが、子供が見ても安心な作りをしていた。
素人が作った映画とは比べ物にならない位に構成もセリフも練り込まれており、レイヴン以外も見入っていた。
「わぁ……」
今まで、ロクでもない映画による美的センスへの虐待を受けていた彼女は、人気作によって瞬く間に浄化されていた。数話を見て取り込まれたことを確認して、エア達はアニメに関連したグッズを渡していた。
日常には使えない。いわゆるなりきりグッズだが、彼女は大いに喜んでいた。それだけハマっていたのだ。
「ふぅん。なるほど、こういったアプローチもあるのか」
スウィンバーンは皮肉抜きで感動していた。ここに居る者達は殆ど子育ての経験が無い。故に、子供が何を欲しがるかと言うことを考えたことが少なく、どうしても贈答品は実用品に偏りがちだった。
年を重ねれば不要になるにしても、子供の間にも全力で楽しめる物を渡すというのは、正に彼女達ならではの発想だった。
「早く、続き見よー!」
「もちろん!」
この屋根の下、とても楽しい視聴会はレイヴンが寝静まるまで続いた。
……それから数日後のことである。自分が視聴した映画の感想をレイヴンへと求めていたペイターは、メールボックスに彼女からの返信を開いた。きっと、同じ様に楽しんでくれた感想がつづられているだろうと思って読み上げた。
『なんか ずっと 叫んでいて グロイし もっと アーニャちゃんみたいにかわいくて 面白い話がみたいです』
「!?」
この時のペイターの衝撃がどれほどの物だったか。レイヴンに裏切られたウォルター並、オールマインドのコーラルリリースがガバすぎることを知った時のスッラ、自らの性癖を知られたドルマヤンもかくたるやというレベルだった。
『こっちの アニメのが おもしろい』
「嘘だー!!」
送られて来たアニメはペイターも知っているレベルで有名な奴だった。だが、彼は信じたくはなかった。同志だと思っていた少女が大衆にコビウリーヌな作品に取り込まれてしまったことを信じたくはなかった。
「お前は彼女を何だと思っているんだ」
あまりにあまりな友人の反応に1317も言葉を失う外なかった。そして、同時に何が起きるか分かって逃げようとした所で捕まった。
「貴方も見るんですよ……。ダンガン・スケーター2 を!」
「い、嫌だ!!」
とある少女の誕生日の裏側。真っ当な趣味によって削ぎ落とされた、無念が周囲を染め上げようとしていた。