魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの半廻天〉   作:カメン病

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書き終わってから気付いたけど杏子が天界に来るための、ソウルジェムを限界ギリギリまで濁らせる方法って、叛逆でまどかが円環の理から地上(偽見滝原)に来れた方法?と同じだな。
「天界から地上に」と、「地上から天界に」の違い…、「ソウルジェムを濁らせた側から」と「ソウルジェムの濁りを探知した側から」の違いはあるけど


6

 

 

 

 

 そこにいたのは勿論『まどか』だった。どうやら杏子は囮でこちらが侵入してくるまでの時間稼ぎだったようだ。

 

 「…………まどか!!」

 

 望みが繋がった事に安堵する杏子とさやか。

 

 「………貴方……どうやってここに………」

 

 まだほむらの元には天界外周のフィールドは破られたという報告はルゥしいから無い。ほむらは当然手段が気になったので本人に問う。

 

 「………ルゥしい達との通信は妨害したから分からないと思うけど……、私は貴方が天界に行ってる隙にリリスと接触出来たの。」

 「!!!」

 「そして融合して完全体になった。だから干渉遮断フィールドを破るなんて訳ないよ。」

 そう言えば今のまどかは『神まどか』の姿をしていて、それがまどかの言葉の証拠だろう。

 「…………………!」

 

 まどか専用の遮断フィールドと言っても、完全体となった今のまどかには通用しなかったようだ。だからほむらはアダムとリリスの接触だけは避けたかったのだが……

 

 「…………でも……おかしいな、完全な私が戻ってきたのに………円環の理が完全復活してないね。」

 

 そう、まどかの言う通り円環の理はまだ一部しか復活していなかった。確かに地上の全ての魔法少女が転送されてきているようだが、浄化が行われず魔女化してしまうは依然変わらない。

 

 「…………まさか」

 

 まどかはある懸念をしており、それが的中したようだ。

 

 「……その通りよまどか。リリスの中にあった『魔女の浄化能力』は……私が預かっている。魔法少女達を救いたければ私を完全に無力化して奪い返す事ね。」

 

 何と神の力の断片はほむらがリリスから移行したと言うのだ。だから正確には現在もまどかは完全体ではないと言う事。つまり戦争はまだ終わっていない。

 

 「………………………。」

 

 まどかは驚きも落胆もしない。

 

 「ところで……………杏子が私を助けに来たとはどういう事かしら?」

 

 ほむらは少し前に話を戻す。杏子自身が答える。

 

 「……………私とマミはまどかに色んな世界線の自分の記憶を見せられた。…………情の一つも移るだろーが。」

 

 杏子とマミだけではないが、現在ほむらとの体感での付き合いは気が遠くなるような年月になっている。……しかしそんな事はほむらも分かっていた。

 

 「…………それは光栄ね。でも私が聞きたいのはそんな事ではなく………、『助ける』とは? 寧ろ私には関わらない事が一番の手助けよ。」

 

 私にとっての危機は今の貴方達自身だと主張するほむら。そんなほむらの主張にまどかは異議を唱える。

 

 「ほむらちゃん…………貴方は、本当に悪魔になんてなりたかったの?」

 「!!!!」

 

 核心を突かれ狼狽えるほむら。

 

 「私や天使を敵に回してでも………インキュベーターとして魔法少女を騙して魔女を生み続ける……………、それは本当に貴方がやりたかった事なの? ………………………貴方だって本当は……普通の魔法少女に───」

 

 まどかの主張は、ほむらが悪魔を嫌々やってるのではないかと言う事。つまりほむらに悪魔を辞めさせる事がほむらの為と言う事だが……

 

 「だったら他に……どんな道が有ったって言うのよっっ!!!!!」

 「!!!」

 

 ほむらはまどかの主張を認めた上で反論する。

 

 「私が悪魔になる他に……どうしたら貴方を救えたの!? そんな方法なかったから………私は自分自身を犠牲にするしかなかったのに!!! 貴方は完全体の時に既に私の浄化に失敗している。それは神の力でさえ私を救う事なんて出来なかったと言う事。…………なのに今更話し合いなんて意味ないわよ!!。」

 「…………!!」

 

 まどかはほむらの誤解を解こうとする。

 

 「………違うよほむらちゃん!! そもそも私はとっくに救われてるの!!! 偽りの見滝原で貴方が私の事誰よりも大切だって………居なくなって寂しいって言ってくれたお陰で…………私は自分に自信が持てたの! 嬉しかった……。……だから………もう私は人間に戻れなくても悔いは………」

 「だったらどうして………貴方はアダムとリリスに分裂したのよ!!!」

 「!!!!」

 「私だって貴方達を分裂させるつもりはなかった……。でもそれが起きてしまったのは………貴方の中にもまだ迷いがあったからじゃないの!? 円環の理になりたいまどかと………なりたくないまどか……その狭間での迷いが!!」

 「………………。」

 

 ぐうの音も出ないまどか。ほむらは後一言付け足して主張を終えた。

 

 「………………私は償いをしているだけよまどか。貴方に覚悟を決めさせられなかった不甲斐無い私の。」

 

 まどかはほむらの主張を聞いて、哀れみと憂いの入り混じったような目でほむらを見詰める。しかしそこに怯えと諦めは無かった。

 

 「そっか……………、…………それが貴方の覚悟なんだねほむらちゃん………いえ………悪魔ほむら!!」

 

 そのまどかの訣別の掛け声と共にまどかとほむらは同時に弓矢を構え、お互いに渾身の魔力を込めて放つ。最終決戦の火蓋が切って落とされたのだ。

 二人の放った矢は拮抗しながらぶつかり合いお互い譲らない。放った後も自分の矢に魔力を供給し続けてもそれは変わらなかった。

 

 「力はどうやら互角みたいだね……!!」

 「なら……後は根比べって事ね。どの世界線でも堪え性無く魔法少女になった貴方が勝てる?」

 

 冷静に状況を分析するまどかとほむら。しかし二人の予想に反して直ぐに均衡は崩れた。

 

 「……!!?」

 

 突然ほむらの魔力供給が滞り始め、ほむらの矢の威力が衰え始めた。身に覚えの無い現象にほむらは原因を必死に考えるが、最中に自分の腹部の強烈な痛みが走った。そして気付く、自分が背後から杏子に槍で腹部を貫かれている事を。

 

 「「「!!!!」」」

 

 それに驚いたのはほむらだけではない、まどかサイド一同も同じだ。何故なら杏子はまだルゥしい達に拘束されたままだからだ。杏子が同時に二人存在している?

 ……と思った次の瞬間、拘束されている方の杏子が陽炎の様に揺らいで消えた。どうやらそっちは偽物だったようだ。

 

 「まさか………ロッソ・ファンタズマ!!??」

 「………!!! 失われた筈じゃ…!!」

 

 『ロッソ・ファンタズマ』……かつて杏子が心的要因で失った杏子の固有能力。神の如き視点を持つが故その能力を知るまどかとほむらだけは状況を理解した。だがほむらだけはもう遅い、まどかの矢がほむらの矢を跳ね除けほむらの胸に刺さる。

 それでほむらが死ぬ事はない、この矢の効果はあくまで封印。矢の刺さったほむらを中身として周囲に巨大なまどかのソウルジェムの外殻が構築されていく。ほむらが地上でまどかにしようとしたのと同じ封印方法のようだ。

 

 「よっしゃあ!!!」 

 

 必勝パターンに勝ち鬨を上げるさやか。

 

 「……杏子ちゃん!?」

 

 ほむらの側を離れず一緒に封印されようとしている杏子を心配するまどか。

 

 「私はいい! ……こいつとはまだ話足りねーしな。」

 

 そういう杏子は現在更にロッソ・ファンタズマを増やし、本体含め総出で抵抗するほむらを押さえ付けている。そのままソウルジェムの構築も完了しほむらの封印+αは成功した。

 

 「杏子………!」

 「杏子ちゃん………。」

 

 杏子の犠牲の上という不本意な形だが勝利を確信したまどかサイド一同……だったが

 次の瞬間、ほむらを封印したソウルジェムが粉々になり、ソウルジェムの破片とロッソ・ファンタズマ達が勢い良く周囲に飛び散った。ロッソ・ファンタズマの一人がさやかの目の前の遮断フィールドに激突したが、直後その一人以外は全て消えた。

 

 「がはっ ごほ!! ……はあ…………はあ…………。」

 「杏子!!!!」

 目の前の本物であろう杏子を心配するさやか。五体満足だが返事をする余裕も無い程のダメージを負っている様子。直後何が起きたのか把握する為にソウルジェムがあった爆心地の方を二人が見ると、槍で貫かれた傷ももう無いほむらが平然と立っていた。

 

 「……………………。」

 

 今封印を破ったのは恐らくほむらの仕業だろうが、どう言う訳か本人は険しい表情をしていた。

 

 「そん………な………!? はあ………はあ……… ……どうしてっ 完全体の私……が……渾身の魔力を使っ…て……封印したの……に………!」

 

 渾身の魔力と称したのは伊達では無い。まどかにもう抵抗する力は無く、ほむらに質問する事しか出来なかった。

 

 「…………出来れば………使いたくはなかった………。」

 「…………え?」

 

 ほむらは返答と言うより、表情の険しさを増させながらこの結末に対する愚痴を溢した。

 

 

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