ARMORED Archive   作:暁真

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思いつき短編開始。


依頼:未確認兵器調査-1

M A I N S Y S T E M

M I S S I O N B R I E F I N G

『レイヴン、仕事です』

『アマルガムインダストリーから依頼が入っています、内容を確認してみましょう』

『独立傭兵レイヴン、貴方に頼みたい仕事がある』

『先日、アビドスの一件で大幅に保有戦力を失ったカイザーPMCのことは知っているだろう』

『奴らが極秘に新兵器の開発、実験を行っているとの情報を入手した』

『大方失った信用と戦力を補充するのに必死なんだろう、溺れる者は藁をも掴むというが.......その予算をもっと別のことに使ったほうが有意義だということもわからんようだ』

『まあそれはともかく、今回貴方にはカイザーPMCの軍事施設に侵入し、その新兵器とやらについて探ってほしい。可能であるならば破壊も許可しよう、報酬は上乗せする』

『尚本作戦には友軍として傭兵集団「ブランチ」が参加する。協力して探ってくれ、以上だ』

『.......あれだけの戦力を失ったカイザーPMCが新兵器に今更着手するとは思えません』

『ナイトフォール・ソルと同じく『漂着』した何かを回収した、とも考えられます。気を付けてください、レイヴン。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よおレイヴン!久しぶりだな!」

「『キング』、仕事中だってこと忘れてないでしょうね。そんな大声で叫んでバレても知らないわよ」

「久方ぶりの親友との再会なんだ『シャルトルーズ』、ちょっとくらい許してくれよ。ほら、『ハスラー』も若干だが頬が緩んでる」

「……『キング』、再会を喜ぶより状況の共有を優先しろ」

「ったく、つれねぇなぁ……」

「……相変わらずだね、皆」

 

時刻は深夜、郊外に存在するカイザーPMCの軍事施設を一望できる崖にてレイヴンと傭兵集団「ブランチ」は合流していた。

合流すると同時に再会を喜ぶ分厚い盾を装備した少女『キング』、それを諫めるバズーカを下げた女性『シャルトルーズ』、我関せずの態度で淡々と会話する軽装の女性『ハスラー』。

三者三様の反応にレイヴンは少し笑みを零し、一瞬脱力する。

 

『今回の作戦では部隊を二つに分け、私とハンドラーがそれぞれオペレーターを務めます。西側のキングとハスラーは私、ケイトが』

『東側のレイヴンとシャルトルーズは私が担当します。ケイト、軍事基地内部の情報をそちらに送ります』

『助かります、ハンドラー』

 

情報交換を済ませた一同は二手に分かれ、作戦目標の軍事施設へ向けて移動を開始する。

 

「……キングはあんな調子だったけど仕事になれば真面目よ、安心して」

「わかってる、あの任務の時にキングの強さは充分理解したつもり」

「今更掘り返さなくていいのよそんなこと、確かに今回の目標はカイザーPMCの施設だから無関係ってわけじゃあないけど」

「……そうだね」

 

闇夜を駆けながらレイヴンとシャルトルーズは初めて邂逅した時の任務を思い返す。

レイヴンが傭兵として活動し始めてから約1年ほど経ったある日、カイザーPMCからの依頼で彼女は「ブランチ」を排除するために彼らが所有する軍事基地の一つに急行し、同じように「レイヴン」排除の依頼を受けていた彼女たちと交戦。

お互いに消耗が大きくなったところで乱入してきたカイザーPMCの軍勢でお互いに騙されたことに気付きこれを撃破。その縁で奇妙な絆が芽生えた両者はこうしてよく共通の任務やプライベートで交流を続けているのである。

 

『この時間帯は裏口の警備が手薄です。監視を無力化して侵入を』

「任せたよレイヴン、私のこれじゃ大騒ぎになる」

「うん、任された」

 

 

 

 

 

「……なんでこんな辺境の基地で警備なん、かぁ!?」

『監視カメラはこちらの方でハッキング済みです、侵入を』

「よし、行こう」

「相変わらず手際がいいね、前も言ったかもだけど、ウチに勧誘したいくらい」

「生憎独立傭兵だから」

「それはこっちもなんだけど」

 

場所が場所だからなのかまるでやる気のない警備員を慣れた手付きで気絶させ、軽口をたたき合いながら二人は施設内部へと侵入する。

 

『兵器の実験場と思わしき地点を数ヶ所事前調査しています、マーカーの地点に向かってください』

「随分と深い、よっぽど隠したい何かがあるみたいね」

「此処まで秘密にする兵器......なんだろう」

「さあね、少なくとも碌な物じゃないってのは確かさ」

 

エアから送付されたマーカーを頼りに2人は辺りを伺いながら忍び足で基地内を駆ける。

 

「......軍事施設だってのに妙に人の気配がない、あいつらが予算不足ってこともないだろうし......」

『この時間帯の警備は正門付近に集中しています、恐らくは内部に回す人手がないのかと』

「......オートマタも?」

『そのようです、前にレイヴンが粗方壊してしまいましたからね......』

「信用回復のための傭兵派遣業に手一杯で肝心の自社の警備はすっからかん、と。やるじゃないレイヴン、一泡吹かせてやったってわけ?」

「偶々そうなったってだけだけどね」

『慌てふためく理事の顔は見物でしたよ』

「へぇ、生で見てみたかったわねそれ、あの仏頂機械面がどんな情けない格好してたか気になるわ」

 

さらっとカイザーPMCをコケにしながら周囲の様子を確認し、2人は階段を降りていく。

 

「キング、こっちはもうすぐポイントαにつく、そっちの首尾は?」

『大丈夫だシャルトルーズ、こっちもまもなくポイントδ、特に問題なし』

「了解.......不気味なくらい順調ね」

 

特に目立った障害も警備もなく驚くほどトントン拍子で調査は進み、シャルトルーズとレイヴンは実験場と思われる地点の一つ、ポイントαに到着していた。

 

『......隔壁が三重に降ろされています、ハッキングでは時間が......』

「なら私の出番ね、レイヴン、ハンドラー?」

「うん、よろしくシャルトルーズ」

 

過剰なまでに隔壁が降りた入り口をこじ開けるため、シャルトルーズはバズーカを構え、隔壁に照準を合わせる。

 

「キング、ハスラー。こっちは隔壁をぶち抜く。此処からはスピード勝負、いい?」

『こっちもぶち抜くところだ、遠慮なくやっちまえシャルトルーズ』

「そっちも?警備はやる気ないのにこういう所だけはしっかりしてるのね、カイザーって」

『そうらしい、よっぽど見せたくない何かがあるんだろうさ』

「きな臭くなってきたこと......撃つよレイヴン、下がって」

 

指示に従い、後方に下がったレイヴンを確認してから、シャルトルーズはバズーカを隔壁に向けて一発。

炸裂した弾丸は隔壁をまるで豆腐かのように破壊し、轟音と共に人が通れるくらいの穴を形成した。

穴から見える室内には何もなく、凄まじい破壊の痕跡だけが残っている。どうやらハズレだったようだ。

 

「......ハズレね、何もない」

『......ポイントδ、何も無し、既に廃棄されている』

「なら最深部、ポイントβで合流。恐らくは其処ね」

『ハスラー了解、行くぞキング』

『正門前の警備も気付いたようです。行きましょう2人とも』

「......うん、来る前にケリを付けよう」

 

何故か少し反応が遅れたレイヴンは先に駆け出したシャルトルーズを追う形で最深部、ポイントβへと走り出す。

 

「......ハンドラー」

『ええ、レイヴン。私も感じました』

 

『あの部屋には『残留コーラル』が漂っていました。恐らくカイザーPMCが着手している新兵器とは......』

「.....『C兵器』」

『その可能性が高いでしょう、ナイトフォールとSOL644がこの世界に漂着していたように、他のC兵器もこの世界に流れ着いていた、と考えるのが自然です』

 

かつてレイヴンが対峙した過去の遺産、C兵器。コーラルを動力とするそれが流れ着いたのならば特に手を加えずとも動く筈であると2人は判断した。

 

「ブランチの皆には伝える?」

『......まだ確定したわけではありません、不確定情報を伝えるわけには行かないでしょう』

「......そうだね」

「レイヴン、何かあったの?ボサっとしているなら置いていくよ!」

「っと、ごめんシャルトルーズ、今行く」

 

エアとの考察に意識を割いていて遅れていたらしく、レイヴンは急いでシャルトルーズを追い地下へと潜っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『警備部隊、ポイントα地点まで降下を確認。βの探索後交戦に入る可能性が高いです』

「ならついでに片付けて帰ろうかしら。報酬の上乗せ交渉にでも使おう」

『シャルトルーズ、こちら間も無くポイントβ、そちらはどうだ』

「こっちもそろそろよハスラー、っと、見えた」

 

軍事施設最深部、ポイントβ。

予算不足なのかやはり内部に警備はなく、2つの部隊は予定通りに合流を果たした。

 

「随分と派手にやったなシャルトルーズ、こっちにまで聞こえてきたぞ」

「そっちも派手にぶち抜いたらしいけど?」

「隔壁が薄かったからな、盾で一突きしたらご開帳だ。まあハズレだったんだが」

「......恐らく此処に新兵器とやらがある筈だ。起動される前に破壊する」

『警備部隊が到達するまでおよそ20分程です、急いでください』

 

 

『......レイヴン、これは』

「......うん、コーラルだ」

 

ブランチが軽口を叩き合う中、レイヴンとエアはポイントβ内部に漂うコーラルの気配と惹かれあっていた。

 

『......間違いありません、やはりカイザーが着手していたのはC兵器です』

「C兵器?なんだよそれ」

「......皆、戦闘態勢を整えて」

「心当たりがあるようだね、2人とも」

 

ポイントαとは比べ物にならない反応に存在を確信した2人はブランチのメンバーに警戒を促し、戦闘態勢を整える。

 

『私達の推測が正しければ、この先にあるのは無人兵器......それも自律稼働する物です』

「......それがC兵器、というわけか」

『隔壁へのアクセスを開始します、充分ご注意を』

「各員、フォーメーションを組め。自律兵器なら此方に反応して襲ってきてもおかしくない」

 

ケイトがハッキングを開始し、ゆっくりと隔壁が上がっていく。

半分ほど上昇し、人が入れそうな隙間ができた所で一同は暗闇の中に光る赤い何かを目視した。

 

「......あれか」

『既に起動しているようです.......っ!そちらに向かってきます、何、この速度!?』

「キング、耐えれる!?」

「あんなデカさ無理に決まってんだろ、避けろ!」

「散開しろ、どうも直進しかできないらしい」

 

此方を発見したのか、凄まじい速度で突撃してくる赤い光に一瞬戸惑うも、すぐに冷静さを取り戻した一同は隔壁から咄嗟に距離を取る。

 

 

 

 

その直後、此方に近づいてきた赤い光が、隔壁を粉々に粉砕した。

 

 

 

『照合完了、あれは......!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『C兵器、『ヘリアンサス型』です!』

 

傭兵達に向き直った無骨な車輪が、炎を噴き出した。

 

 

 

 





「ブランチ」
かつてレイヴンが対峙した3人の傭兵が所属していた組織と同じ名を持つ傭兵集団。カイザーPMCの「騙して悪いが」依頼でレイヴンと交流を持ち、本名を明かす程度には仲が良い、メンバーはキング、シャルトルーズ、ハスラー、ケイトの4名。ブラックマーケットで育ったとも、他の学園を退学になった生徒が集まったものとも噂されているが、真相は不明。

「C兵器 ヘリアンサス型」
み ん な の ト ラ ウ マ

レイヴン、仕事の時間です。

  • 「ティーパーティー」からの依頼です。
  • 「セミナー」からの依頼です。
  • アビドス対策委員会からの依頼です。
  • 私からの私的な依頼です。
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