今回は式神についての独自解釈・設定と他作品からのキャラをお借りしています。
ではどうぞ
理子ちゃんが自分の心の蓋を外して素直になった後、俺達は理子ちゃんの通っている『廉直女学院 中等部』に場所を移していた。
未だ用心は必要とはいえようやく素直になった最初の希望が学校に向かう事というのも、彼女の欲の無さを物語っていたが。
「にしてもカッコ良かったね~晴明?あんなクサい台詞が出てくるとは思わなかったわ」
「私も同感だね。確かに彼女の自由を認めてあげたい気持ちはあったけど、あそこまでストレートに伝えるとは思わなかったよ」
「うるさいな、いいだろ別に。もともと"最大限に彼女の意志を尊重する"ように天元様からも言伝を貰ってたし、丁度いいタイミングだったんだよ」
二人の揶揄うような言葉に、照れ臭さを隠すように強気で返事をする。
「それに二人も賛成だったんだろ?そういう意味では同類と言っても過言ではないと思うけど?」
「はっ」
「鼻で笑うほど!?」
「悟、正直すぎるのもどうかと思うよ?」
「傑もナチュラルに煽ってるけど?」
「あ”」
「お前らな・・・」
そんな俺達の中身のない会話に耳を傾けながらも、黒井さんはどこか遠くを見るような目で校舎に視線を向ける。
流石にまだ同化は不要になったという事までは伝えていない。伝えてしまえば彼女達の動きに"本気度"が無くなってしまうからだ。
千里眼
晴明が持つ未来視を可能とする特異体質。
未来視といっても、完全な未来を観測することは難易度がかなり高い。
1日2日先程度ならともかく、1年先を観測しようものなら膨大な情報量に脳が焼き切れる。これは反転術式で脳を直しながらでも間に合わない。
ただし条件を限定することで、これを可能にすることができる。
例としては、単一の人物や事柄に限定し、それに関する未来の可能性を読み取るだけならばかなり詳細に観測できる。
また未来視を千里眼ではなく「儀式」として成立させることで、晴明の負担を軽くしながら未来を観測することができる。
この「儀式」というのが所謂"式占"に相当する。
普段は使用を制限する"縛り"を組むことで呪力操作の精度を向上させているが、必要になれば即座に解除できるようにしている。
晴明はこの眼で未来を視る事で平安時代における数々の困難を越えてきた。
百鬼夜行とも呼べる呪霊の大発生と侵攻を未然に防ぐために結界や罠を張り巡らせ、防衛を強化したり。
唐突な両面宿儺の襲来に対処するため、宿儺が食事を好むことを調べ上げて本来平安時代にはない料理と酒でもてなす事で戦闘をさせないようにしたり(まあ結局その後戦う羽目になったけど)。
閑話休題
「傑、晴明。監視に出してる呪霊と式神は?」
「あぁ。冥さんや晴明みたいに視覚共有が出来ればいいんだけどね」
「俺が監視に使ってる簡易的な式神は傑の呪霊と違って戦力の当てには出来ないからな。まぁその分視覚共有は出来るから異常があればすぐに 」
来たか
傑も異常を感知できたのか顔をしかめながら歩き出す。
「悟、急いで理子ちゃんの所へ。晴明も分かってるね?」
「あ?」
「2体祓われた」
「こっちも確認した 敵は二人だ」
◆◇◆
「なんだアイツら、高専戻んなかったのか」
割り箸を縦にして割りながら甚爾は孔との電話を続ける。
「ラッキーだな。これで賞金につられるのがバカからまともなバカになる」
『いいのか?』
「何が?」
孔は甚爾の受けた
例の会談で突如現れた謎の呪詛師は、話を済ませると登場と同じように唐突に消えて影も形もなくなった。その場に3000万が入ったジュラルミンケースを残して。
呪詛師が何者で、どういう術式を使ってあの場に現れたのかは不明だが、依頼達成の時にまた会えるだろうとしてその件は一時保留になった。
実は呪詛師が消えた後に孔が気付き甚爾に伝えた事がある。
今回の依頼、二重で受けても問題ないのでは?と。
要は五条悟を殺害してから星漿体を殺せば、実際はともかくとして依頼の達成条件は満たせるのだ。
それを聞いた甚爾は孔からの『星漿体暗殺』にも一枚噛むことにしたのだ。
『賞金は盤星教からオマエに支払われる手付金3000万。星漿体が
孔はそこまで話してからそれに、と続ける。
『例の呪詛師の"五条悟暗殺"については俺は完全にノータッチだ。オマエがどんなプランでいくのか知らないが、生半可な計画で殺せる相手じゃないだろ?』
「焦んなよ」
甚爾は注文したタコ焼きを割り箸で持ち上げながら、孔に現状を説明していく。
「うん百年ぶりの六眼と無下限呪術の抱き合わせ。
『・・・・・・オマエもか?』
「さぁ・・・どうかな。とりあえずバカ共には賞金のかかっている残り47時間、五条の周りの術師と五条本人の神経を削ってもらう。勿論星漿体は殺せねぇからタダ働きだ」
『時間制限を設けたのは良かったな。呪詛師の集まりがスムーズだ』
「そんだけじゃねぇけどな」
『?』
甚爾の意図を図りかねる返事に孔は少し困惑するが、気にするほどでもないかと話を続ける甚爾に意識を向ける。
「こっちの話、ボチボチ俺も向かう。思ってたより展開が早そうだ。3000万、しっかり戻せよ」
『バカ言え。その辺の匿名掲示板じゃねぇんだぞ。掲載料・手数料・その他 』
「電波が悪い」
◇◆◇
理子ちゃんを狙ったものと思われる刺客の存在を感知してから、四人は急いで理子ちゃんがいる場所へ向かうため情報共有をしながら中等部の校舎内を駆け抜けていく。
「天内は!?」
「この時間は音楽なので、音楽室か礼拝堂ですね」
「レーハイドゥ!?」
「音楽教師の都合で変わるんです。あとここはミッションスクールです」
「悟、そこは別に驚かなくてもいいだろ・・・」
ミッションスクールであることを知らなかったのか、礼拝堂の存在を聞き驚く悟に俺は軽くツッコミを入れておく。
確かに特殊な状況に身を置かない限り現代では礼拝堂という言葉を知っている者は多々いるだろうが、実際に行ったことのある者と言われれば少数派になるだろう。
そんな会話を余所に傑がそれぞれの行き先を分担していく。
「悟は礼拝堂、黒井さんと私は音楽室。晴明は
「承知しました」
「敵の容姿を伝えておく。1人は作務衣を着て頭にタオルを巻いている高齢の男性。もう1人は茶色の紙袋を被っていて性別不明だが、体格の良さと歩き方・歩幅などから考えてこちらも男の可能性が高い。3人共気を付けて」
「了解!」
「そっちも気を付けてね、晴明」
傑が指示した役割分担に従いそれぞれが目的の場所まで移動する中、向かう道が黒井さん達と同じ悟は理子ちゃんの不用心さに愚痴を
「だから目の届く範囲で護衛させろっつったのに、あのガキ!!」
「申し訳ありません。移動の度にメールするよう言ったのですが・・・」
悟の言葉の通り、当初は目の届く範囲つまり"校内での護衛"を前提としていたのだが・・・
『ついてくるでない!友達に見られたらどうするんじゃ!!』
と、けんもほろろに断られてしまった。
「落ち着いて悟。今は理子ちゃんとの合流が最優先だ」
(
理子ちゃんの身勝手な行動にイラつきを隠せない悟を宥めながら、傑は今回の襲撃者の正体に思考を巡らせていく。
一方で晴明は、既に1人の襲撃者と鉢合わせていた。
「おおっ!その制服は・・・」
高齢の襲撃者は晴明を視認してすぐに呪符を用いた式神を召喚し、自身の前後に配置した。
(高専の制服を見て多対一を想定。自身の前後に式神を配置。このご老人、
相手が式神を配置したのを確認してから晴明も
そもそも『式神術』はその創造過程から大きく分けて「思業式」「擬人式」「悪行罰示」の3種類に区別される。
高齢の襲撃者は呪符を用いて式神を召喚していたのを考えると使っているのは「思業式」と考えられる。
今回晴明が使用するのは襲撃者と同じ「思業式」の式神だ。
「思業式」は術者の思念から生み出される式神。姿は自由に変化させられる。術者の力の具現化ともいえる式神で、投影する意識や実力次第でその力は大きく異なる。
晴明が呪符を使わないのに対して襲撃者が呪符を使用しているのは単純な『式神術』の練度の問題だ。
それだけ晴明が『式神術』を扱うのに長けている証明だ。
「擬人式」は人型に切った和紙や藁人形などを依り代として術者が呪力を込めることで生み出す式神。一般的にイメージされる式神はこの擬人式に相当する。
「悪行罰示」は3種類の中で最も強力な式神。呪霊を調伏し式神として従えたもの。その性質上、他の2種類よりも多種多様かつ強力であることが多い。非常に強力な式神である一方、術者の能力が不足していると逆に取り込まれてしまう恐れもある危険な式神でもある。
晴明は3種類の『式神術』を万遍なく、そのどれもが凄まじい規模と精度で扱えるがこれは晴明が例外なだけで普通はどれか1つを磨くのが定石だ。
特に「悪行罰示」の式神を扱えるものは多くない。
晴明が扱う式神の中で代表的なものはこの「悪行罰示」のものが大半だ。
それなのに今回晴明が使用するのが「思業式」の式神なのは、特に難しい理由があるわけではない。単純に「思業式」の式神で事足りると判断しただけだ。
「 来い『藍』」
呼び出されるのは金髪のショートボブに金色の瞳を持ち、その頭には角のように二本の狐耳を持つ1人の女性に見える。
服装は古代道教の法師が着ているような服で、ゆったりとした長袖ロングスカートの服に青い前掛けのような服を被せている。
そして彼女を人ではないと断言できる最大の要因は、腰からは金色の狐の尾が
式神「藍」。その正体は「白面金毛九尾の狐」。
日本三大妖怪に名を連ねる「玉藻前」と同じ種族と言えば、その格が理解できるだろう。
まぁぶっちゃけると「東方Project」の八雲藍ですね、はい。
いや自分の出生が狐に関わってて陰陽師で式神って言われて一番最初に想像したのが八雲藍だったし、容姿が明確で強いのが分かりきってるのに創造しないわけないんだよ!
反省も後悔もしていないよ☆
(まあ、敵にとっては絶望でしかないだろうけど)
その瞬間、脳が理解を拒んでいた。
正確には脳は理解を拒もうとしていたが、これまでの長い呪詛師の経験と培ってきた知識が正解を導き出そうとしていた。
(媒介無し・・・!?しかし呪力は術師のものと同質だが、式神自体にも個別の呪力が感じられる・・・まさか!?)
「『式神術』だけで個体としての意識を確立させておるのか!?」
「ご名答。亀の甲より年の功とはよく言ったものですね」
(巫山戯るな!!なんだその怪物じみた技量は!?)
どんな世界においても同じだが『命』を創り出すと言うのは非常に難しい。
有名どころでは錬金術でのホムンクルスがわかりやすい。
人の手で生命体を創造するのが難しいのは単純に難易度が高いだけでなく
しかし逆に言えば人造生命体を成立させられた時点で、その人物の技術力は相当の高みに位置している事の証明に他ならない。
(『式神術』の格は間違いなく向こうが上!!しかも問題なのは、個体の意識を成立させられるだけの技量だけでなくその中身!!アレは間違いなく"九尾の狐"!!それほどの存在を「思業式」で創造しておるというのか!?「悪行罰示」ではなく!?)
「どうされますか晴明様?殺しても?」
「いや最初に出てくる選択肢が"殺し"はダメだよ藍?もうちょっと穏便にね?」
「畏まりました。半殺しに留めますね」
「うん。まず殺す以外の選択肢を考慮して欲しいかな!?」
格付けは、終了した。
「ごほん。もし今からこちらの質問に答えて頂けるなら、命だけは保証することを約束しますが?」
「・・・・・・・・・それは"縛り"と捉えてもよいかの?」
「ええ。問題ありません」
「 投降する」
老人は両手を上げて敗北を認めた。
これが土御門晴明の実力、その一端である。
「それでは答えてもらいましょう。あなたは「Q」?それとも盤星教ですか?」
「やれやれ、厄介なことになったな」
老人の呪詛師を投降させて話を聞けば、面倒なことに呪詛師専用の闇サイトで理子ちゃんに3000万の懸賞金が懸けられているらしい。
期間は明後日の午前11時。それまでは散発的に呪詛師の襲来が考えられる。
本当に面倒だ。
けど優先すべきは理子ちゃんの安全。それを考えれば今すべきなのは悟達との合流だ。
「では、貴方には眠っていただきますね。ご老人」
「?何を言って・・・」
"魂魄呪術"による意識の強制遮断を実行し、ご老人は廊下に倒れ伏した。
「藍、面倒事を任せて悪いがそのまま捕縛して着いてきてくれ」
「畏まりました」
藍は俺の命令を受けると嫌そうな顔を一切見せずに老人を九つある尾の1つで巻き付け拘束する。
拘束を確認した俺は廊下の窓を開けて外へ飛び出し、着地してもう1人の呪詛師を索敵しながら駆け出す。藍も一定の距離を保って後に続いている。
「さて、残りの1人は・・・ん?」
ふと覚えのある呪力を察知したため目を向けると、悟が理子ちゃんを連れて校舎の屋根を走っている。
「理子ちゃんを避難させる算段か。現状では最適だな」
悟の行動に考えを巡らせながら傑と黒井さんの様子を確認するため、簡易式神との視覚と聴覚を
どうやら呪詛師の1人を捉えるまでは良かったが、なぜか姿を消したらしい。
一瞬式神の可能性を考えたが、どうにも違和感が残るようだ。
だろうな。そいつは式神ではなくある意味では本体だからな。
悟と理子ちゃんの行方と懸賞金について説明するため、俺は式神を通して会話を始める。
「2人とも怪我は無さそうですね」
『!この声は、土御門様!?一体どこから・・・』
『・・・驚いたな。まさか式神から話しているのかい?』
「ご明察。今の状況を簡単に説明するからよく聞いてください」
俺は悟が理子ちゃんを連れて恐らく廉直女学院から避難するのが目的である事、そして理子ちゃんに呪詛師の闇サイトで3000万の懸賞金が懸かっていることを伝える。
『そんな!?お嬢様に懸賞金!?』
『なるほど。「Q」と盤星教とは全くの別口か』
「あぁ。そういう訳でこっちは呪詛師の1人を無力化して捕縛済み。これからそっちと合流するつもりだ」
『分かった。なら私達はここで待機を・・・』
『いえ!万が一ということがございます!!夏油様と土御門様は先にお嬢様の所へ!!』
「それでは貴女に万が一があった時に対応できない」
『ですが!?』
『ではこうしよう。私はこのまま黒井さんと2人で悟達と合流を目指す。晴明はそのまま悟達の方へ向かってくれ』
「了解した。では後ほど合流しましょう」
『お願い致します!!』
行動方針の変更を共有した俺は駆ける勢いをそのままに、校舎の外にいる悟と理子ちゃんと合流すべく跳躍と疾走を繰り返す。
数回ほど繰り返せば建物の屋上で悟と理子ちゃん、その2人を囲むように位置している5人の紙袋の男の呪詛師を見つけた。
「藍、
「承知致しました」
悟達から4~5つ程離れた建物の屋上に設置されている手摺りを踏み台にして、俺と藍(と老人の呪詛師)は悟と理子ちゃんとの合流に成功した。
「お待たせ。少し遅くなってしまった」
「遅ぇーよ晴明。で、どういう状況?」
「実は という感じだね」
傑と黒井さんに話した内容と同じものを悟にも簡潔に説明する。
ちなみにだが、俺が悟に説明している間は藍が紙袋の呪詛師を牽制してくれている。
流石は同じ狐だ。頼りになるよ。
「2、3、4人・・・皆同じ格好じゃ。式神か?」
「成程ね。ったく呪術師は年中人手不足だってのに、転職するなら歓迎するよ。オッサン」
「いやぁ職安も楽じゃねぇだろ。そのガキ譲ってくれればそれでいい」
「増えた!!5人じゃ!!」
「まず間違いなく術式の産物だね。恐らくは分身の生成かな?悪くない術式だ」
「どこがいいんだよ、こんなガキ」
悟が右腕を軽く振れば、5人の内2人が急速に悟を中心として引き寄せられ悟の頭上でぶつかり合い、その反動で俺達がいる屋上に落ちて転がっていく。
これが無下限呪術の術式順転「蒼」か。真正面から相手をするのは疲れそうな術式だね。
(一瞬で2人やられた!!なんだ今のは!!)
「式神、ではないんじゃよな?」
「分身だ。全部本体のな」
自身の分身を2人倒したことでようやく悟を脅威だと認識したのか、紙袋の呪詛師は残りの分身2人を悟に向かわせる。
「晴明~あと任せた」
「随分と急だな、まあいいけど。藍?」
「問題ありません」
だがその努力も虚しく藍が鞭の如く振るうサイズを調整した尾の前では、文字通り紙が破けるように切断される。
「はぁ!?」
「ありがとう藍、助かったよ」
「大したことではございません。この程度は晴明様の手を煩わせる程の価値もありません」
「うーん、俺こんなにキツイ言葉遣いにするように調整したっけかな・・・?」
俺が藍の創造過程に不備がなかったか思い悩んでいると、悟が紙袋の呪詛師の術式を暴いていた。
「本体含めMAX5体の分身術式。どれが本体かは常に自由に選択できるんだろう?本体が危うくなったら安全な分身を本体にする」
「それはかなりの反則ではないかの?」
「あぁ。天内の言う通りいい
術式の詳細を暴いた所で悟も相手をするのが面倒になったのか"術式の開示"を始める。
「俺の術式は収束する無限級数みたいなもんで、俺に近づくモノはどんどん遅くなって結局俺まで辿り着くことはなくなるの。言ってみりゃ"アキレスと亀"だな」
その証拠としてか悟は身に着けていたサングラスを目の前で手を放すが、落ちる気配は微塵もない。
"術式の開示"は言ってみれば縛りにおける基礎に相当する。
最も多用される縛りの1つであり、相手に自身の術式の詳細を公開する事で、それによって術式の効果や呪力を底上げする事ができる。
ただしメリットこそあるが相手に対して自分の手の内を明かす事には違いない為、開示した情報を元に術式を攻略されて敗北する恐れもあり、リターンも大きいがリスクも大きい技術である。
「それを強化すると"無下限"・・・・・・"負の自然数"ってとこかな。"-1個のリンゴ"みたいな虚構が生まれるんだ。そうするとさっきみたいな吸い込む反応が作れる。でも意外と不便なんだよね」
一時期行方が分からなくなった歌姫先輩と冥先輩。あの時2人を助けるために悟は術式を使用していた。大量の瓦礫を空に舞い上げる程の威力を誇っていたが、実はあれでまだ手加減をしていたのだ。
「あまり大きな反応は自分の近くに作れないし、指向性にまで気を遣い出すと呪力操作がまー面倒で 」
悟の"術式の開示"を隙と判断した紙袋の呪詛師は手頃な石や岩を悟に向けて投げるが、接触する寸前でそれら全てが"停止"する。
「 要は、超疲れんの」
"落ちている"サングラスを再び身に着けた悟は呪詛師が撤退しようとしているのを理解するが、当然逃すつもりはない。
「でも、これは全部、順転の術式の話・・・晴明。天内の事よろしく」
「了解。あくまで"捕縛"までだよ?」
「分かってるよ」
理子ちゃんを俺に預けた悟は呪詛師がいたビルの1フロアの壁と窓ガラスを術式で破壊する。
そして目の前には逃走を図ろうとしていた呪詛師が悟の至近距離まで上下を逆にして吸い寄せられている。
「こっちは無限の発散 術式反転」
呪詛師に向けて掌印を組んだ悟は満を持して発動する。
だが、特に何か起こることは無い。
「フッ」
「・・・・・・??」
「失敗!!」
結局最後は単純に「拳」で呪詛師を片付ける事になった。
「なんかできそうって思ったんだけどなぁ」
「修行が足りないね、悟」
「晴明~。後で"反転術式"のコツ教えて。硝子のは何言ってるかさっぱり分かんないからさ」
「良いよ。とは言っても、硝子もあながち的外れなことを言ってるわけじゃないんだけどね」
「はー?"ひゅーとやってひょい"が合ってんの?」
「解釈の仕方にもよるけどね」
「マジで!?」
晴明と悟が"反転術式"について話していると理子ちゃんの携帯からバイブ音が響く。
「黒井からじゃ」
携帯が鳴った原因を確認した天内理子は愕然とする。
「どっどうしよう。黒井が・・・!!それに夏油も・・・!!」
「どうしたんだい理子ちゃッ!?これは・・・ッ!!」
「傑!?」
そこに映っていたのは2枚の写真だ。1つは拘束されて身動きが取れない状態にされた黒井さんの写真。
もう1つは、全身から血を流して横たわっている傑の写真だった。
式神術については、現代での考え方をそのまま呪術廻戦に落とし込んだ形になります。
これはこの作品だけでの独自解釈・設定になりますのでご理解いただけると助かります。
呪術廻戦で式神についての新しい設定が出てきたら、なるべく矛盾しないように調整します。
今の所はまだ独自設定でいける、はず(自信はない)
また式神の八雲藍については、この話を書いている時に唐突に「あ、出したいな」と考えて今に至ります。
他にも他作品からお借りすることはあると思いますが、温かい目で見守って下さるとありがたいです。
感想と評価をお待ちしております。
特にヒロインとか決めてないけど、いる?
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いるにきまってんだろ!!
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いや、独身ルート一直線!!
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どってでもいいわ
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作者のお好きにどうぞ!