どうもこんにちは。おがとんです。
今回はちょっと前話の補足をさせて頂きます。
実は「東方project」において「八雲藍」が「白面金毛九尾の狐」だったかは定かではありません。「九尾の狐」である事は確かですが。
今作では八雲藍=白面金毛九尾の狐という設定でいきますので、ご容赦ください。
また今話にも他作品設定を流用させてもらっています。ご理解くださるとありがたいです。
そしてありがたいことに、先日拙作が日間ランキングで17位に載る事が出来ました!
ええ・・・?ホントに?夢じゃなくて?
更にお気に入り件数1000件突破ありがとうございます!
これからも更新頑張っていきたいと思います!!
そしてすみません、今話はいつもよりちょい短いです。
それでは本編です。
どうぞ
理子ちゃんの携帯に送られてきた写真を確認した俺達は、すぐさま廉直女学院に向けて走り出した。
理子ちゃんは悟が、紙袋の呪詛師は藍にそれぞれ運んでもらっている。
「晴明!!傑は大丈夫なんだろうな!?」
「落ち着け悟!写真越しだから断言はできないけど、命に関わるほどの傷じゃない。むしろあの傷の付け方は、命を奪わないように調整して、それでいて身動きが取れないギリギリのラインを攻めているような気さえするんだ」
「何のために!?」
「恐らく『呪霊操術』を警戒してのものだろう。俺のような式神使いならいざ知らず、傑の『呪霊操術』は術者が死んだ場合、保有している呪霊がどんな扱いになるか未知数だからね。最悪は死んだ瞬間にその場で全ての呪霊が解き放たれる可能性すらあるんだ」
「クソがっ!ナメやがって・・・ッ!!」
傑が見逃された現状が仮初の奇跡のようなものだと理解した悟は、だからこそ襲撃者への怒りを抑えられないのだろう。
無理もない。あれだけ"俺達は最強だ"という言葉が最早信念の域にまで到達していたんだ。それが覆された状況に腹が立つのも理解は出来る。
が、それでも黒井さんと傑を襲った呪詛師を追わない辺り、悟の中で優先順位は決まっているんだろう。
状況判断に狂いはない。流石と言うべきか。
「!見つけたっ!!」
「!どこだ?」
「先に行くから着いてこい!!」
「ちょっと待てぇええええええええ!!!」
理子ちゃんの制止の言葉も届かず、呪力の身体強化で限界まで身体能力を引き上げた悟は一目散に傑へ向かって駆けて行く。
「悟!全く頭に血が上ったら話を聞かないんだから・・・藍」
「はい、晴明様」
「
「畏まりました。全力でお供させて頂きます」
「うーん。その忠義心は嬉しいんだけどな・・・」
藍の溢れんばかりの忠誠に嬉しいような戸惑うようなモヤモヤした感情を抱きながらも、悟に追い付くために俺は呪装を始める。
これは俺が安倍晴明として平安時代で活動していた時に研究・開発した汎用呪術の一種だ。
他にもこの世界で開発した汎用呪術は複数存在するが、生憎と現代では使用者がまさかの0だ。
恐らく平安時代に原理を理解できているのが俺の他に複数人しか存在しなかった事と、この汎用呪術を扱う手間を考えてどこかのタイミングで使われなくなったのだろう。
ちなみに開発したこの汎用呪術を体系化して纏めたモノを、俺はこう読んでいる。
陰陽呪法
これが現代で俺が戦闘で使用する手段のほとんどであり『魂魄呪術』を戦闘に用いる事は滅多に無い。余程のことが起こらなければ『魂魄呪術』を戦闘中に使用する事はないと思う。
俺は右腰に装備している呪符を収めているホルダーをボタンを押して開き、その中から一枚の呪符を取り出す。
今求められるのは悟に追い付くための"速さ"だ。なら使用する呪符も自然と決まる。
取り出した呪符を前方に直立するように投げ放ち、呪符を使用する
「
呪詞を唱えれば呪符は青白い光を放ちながら紙としての原形を無くし、二回りほどその大きさを増して残されたのは呪符に書き込まれていた紋様と文字のみ。
そこに両足を通せば青白い光は俺の両足に独特の紋様を描き、遂に呪装は完成する。
俺は呪装で強化した機動力を活かして悟に追い付くために駆ける勢いを増していく。
呪詞と呪符、この両方を併用することにより完成したのが『陰陽呪法』だ。
『陰陽呪法』による利点は大きく2つ。
1つ目はこの『陰陽呪法』は理論上呪力を扱う事が出来れば、誰にでも使用可能であるという事。
文字通り呪力を使用可能でさえあれば使用者を選ばないのだ。呪符に対応した呪詞を覚えなければならない等のデメリットはあるが、逆にこのデメリットを受け入れる事で『陰陽呪法』は成立しているので、そこの文句については受け付けていない。
嫌なら使わなければいいだけの話だしね。
2つ目は単純な呪力強化よりも遥かに
元来の呪力強化ならばまず全身に呪力を巡らせることから始めなければならない。更には呪力による肉体強化は効率が悪い。
分かりやすいのはRPGなどにおける「ステータス」だ。
呪力による肉体強化は「ステータス」つまり、筋力・敏捷・器用・知力等の全項目を一律で強化する。全体的に強化できると言えば聞こえは良いが、結局の所これでは器用貧乏になるだけだ。
当然だが呪力による部分強化が出来ないわけではない。ただそれは誰にでも可能というわけでもない。
人間には個人差が存在する。
腕力に優れた者。足の速さに自信がある者。物事を器用に熟せる者。
「十人十色」なんて言葉が存在するくらいには、人の個性と言うのは千差万別だ。
呪術師の中にも当然それはある。
近接戦闘が得意な者。遠距離攻撃に適性がある者。戦いの流れを操作することが出来る者。
あらゆる状況に対応できるようになるのが理想的だが、あくまで理想なだけで現実はそんな簡単ではない。
強化する内容を項目別で分ける事が出来れば呪術師の生存率は飛躍的に向上する。
そのために編み出したのが『陰陽呪法』だ。
まあこの呪装に留まらず、他にも凄まじい数の汎用呪術を開発してきた。これを現代で誰かに教える日が来るのも、もしかしたらそう遠くないかもしれない。
呪装による身体強化で悟に追い付く頃には俺にも傑を肉眼で捉える事が出来るくらいには近づいていた。
「晴明!!速く治療を!!」
「分かっている!直ぐに終わらせる。術式反転『回帰』」
『魂魄呪術』の術式反転『回帰』による肉体の損傷を完全再生した上で、出血による後遺症を防ぐために傑の体内での造血を行う。
・・・よし、問題ない。特に後遺症もないな。
「ふぅ・・・一先ず治療は終わった。傑が目を覚ますには10分程時間がかかるだろう」
「そ、うか・・・良かった」
「良かったな、五条。夏油は無事のようじゃな」
「あぁ。ありがとう天内。晴明も治療サンキューな」
「なに、この程度はお礼を言われる程じゃない」
悟からの感謝の言葉に返事をする傍ら、俺は今回の傑の襲撃に違和感を覚えていた。
(襲撃者はどうやって傑の不意を突くことが出来たんだ?)
呪術師というのは非術師とは文字通り存在が違う。
勿論呪術師と言えど人間である以上は死ぬのが道理だ。だがそれは非術師に殺される事と同義ではない。
呪術師の死因の大半は"呪霊との戦闘中"なのだ。
術師に悔いのない死は存在しない。
そう言われるほどに呪術師の任務は過酷に満ちている。
しかし逆に言えば、そんな状況を幾度も潜り抜けた呪術師は"戦闘者"として非術師よりも遥か高みに存在している。
呪力というエネルギーを扱えるか否かはそれだけ重要なファクターなのだ。
その中でも傑は『呪霊操術』という異形の軍隊を操る術式を持ち、更には傑本人も趣味の格闘術で近接戦闘も並の術師以上に熟せる。呪術師の中でもその実力は上澄みにある。
そんな傑に不意打ちを成功させ、更には反撃の機会すら与えなかった?
(どれだけの隠形と奇襲の技術があれば可能なんだ?)
つまりは非術師ほどに呪力が少ないながらも、傑に反撃を許さない程の実力を持つ手練れ。
未来視では視えていなかったが、これを実行することが可能な存在を俺は1人知っている。
その男を知らなければどれだけ警戒してもしたりないくらいの警戒網を張っていただろうね。全く呪力0は反則だと思うよ。
呪力という存在から脱却し"因果の外"に弾き出されたことで"因果で繋がっている"六眼・天元・星漿体の繋がりを壊す事すら可能となった男。
(伏黒甚爾、か。つくづく規格外な奴だな)
「うっ・・・・・・」
「傑!」
「夏油!生きておるな!?」
どうやら俺が傑と黒井さんを奇襲した犯人に見当をつけている間に傑の目が覚めたらしい。悟と理子ちゃんが目覚めた傑を心配して声を掛ける。
「ここは・・・そうだ!黒井さんは!?」
「落ち着け、傑。今の状況が理解できるか?」
「あぁ・・・すまない、私のミスだ。敵側にとっての黒井さんの価値を見誤っていた」
「それよりお前は大丈夫なのかよ?胴体が滅多切りにされてたんだぞ?晴明が治してくれたけどよ」
「そうじゃぞ!黒井の事も心配じゃが、お主も自分の身体の心配くらいせんか!」
悟と理子ちゃんの言葉に今更ながらに自身の身体に負傷が無いことに気付いた傑は身体を手で触れて確認をしているが、どうやら傷は完全に塞がっているようだ。
術式反転「回帰」はどちらかと言えば傷の無い状態にまで肉体を戻しているわけだから正確には"治療"ともまた違うのだが、細かいことは置いておこう。
「それで傑、一体何があったんだい?君が無抵抗でやられるくらいに襲撃者が強かったのかい?」
「あぁ、いや。すまないが正確には覚えてないんだ。後ろで微かな物音がしたと思ったら、次の瞬間にはもう意識がなかったんだ」
「マジか・・・傑がそんな簡単に?呪力感知だってしてたんだろ?」
「勿論だ。けれど呪力感知には全く反応が無かったんだ」
「そうなると敵は非術師ということになるね」
「ありえんじゃろ!?」
「天内の言う通りだ晴明。いくら不意打ちを受けたとは言え、傑が非術師にやられるとは思えねぇ。そんだけ呪力コントロールが巧いってことだろ」
「・・・そうだな。俺が勘違いしていた」
現状の確認を終えた俺達は次に襲撃者がどんな手を打ってくるかに話をシフトさせた。
「相手は次、人質交換的な出方でくるだろ。天内と黒井さんのトレードとか、天内を殺さないと黒井さんを殺すとか」
「その可能性が一番高い、か」
「落ち込む必要はないよ、傑」
「しかし、私が襲撃に対処できていれば・・・」
「"たられば"を考えた所で意味がない。重要なのは"今"どうするかだ」
「・・・そうだね。悟、話を進めてくれ」
「OK。交渉の主導権は天内のいるコッチ。取引の場さえ設けられれば後は俺達でどうにでもなる。天内にはこのまま高専に行ってもらう。晴明、天内を模した式神って創れるか?」
「そうだね。ガワだけなら3分もあれば 」
「ま、待て!!」
高専組の3人で今後の展開を予想して話を進めていると理子ちゃんが異を唱える。
「取引には妾も連れてって欲しい!頼む!!」
「天内、お前・・・」
「邪魔にしかならんのは重々承知しておる!だが無理を承知で頼む!!」
そこには必死の様子で頭を下げて懇願する天内ちゃんの姿がある。
それだけ黒井さんの存在は理子ちゃんにとって大きいのだろう。無理もない。幼い頃に両親を亡くした彼女にとって、黒井さんは彼女の唯一の家族と呼んでも過言ではない。
そんな人の安否が分からないまま同化を迎えるなど、彼女には到底納得できないだろう。
「まだ、お別れも言ってないんじゃ・・・!!」
「・・・その内、拉致犯から連絡がくる」
理子ちゃんの想いに思うところでもあったのか、悟の言葉のトーンが変化している。
どうやら理子ちゃんを取引の場に連れて行く気になったみたいだ。素直じゃないというか何というか。
「もしアッチの頭が予想より回って、天内を連れていくことで黒井さんの生存率が下がるようならやっぱオマエは置いていく」
「分かった、それでいい」
「逆に言えば途中でビビッて帰りたくなってもシカトするから、覚悟しとけ」
◇◆◇
天上にて照り輝く太陽の陽射し。青く澄み渡る美しき空。そしてそんな空の青色を投影したかのように澄んだ海。
そう、俺達は今
「「めんそーれー!!!」」
沖縄を全力で楽しんでいた。
こほん。冗談ではなく真面目に沖縄を楽しんでいるのはそれなりの理由がある。だが面倒なので簡単に時系列を番号順に並べたので、それを見て納得して欲しい。
1日目
①13:30 黒井さんと傑が奇襲を受ける。この時黒井さんは拉致される
②21:00 拉致犯から取引場所を沖縄に指定される
2日目
③09:00 晴明・悟・傑・理子ちゃんが沖縄に到着する
④11:00 黒井さんの救出に成功。拉致犯を捕縛完了
⑤12:00 晴明の術式により拉致犯の尋問終了。尋問した相手と拉致犯は別人物だと判明
⑥13:00 海水浴←今ここ
こんな感じに時間は流れ、今の状況に至る。
しかしあまりにもあっさり拉致犯が捕縛できたため、俺達は傑との襲撃犯と今回捕縛した拉致犯は別人物ではないか?と考え着くのは早かった。
ちなみにだが、俺は自分が未来視を可能にする眼を持っていることを悟達に伝えてはいるが内容までは伝えていない。これは俺が自分に科した"縛り"に関係している。千里眼を使用する際の"縛り"の1つに"未来視にて観測した内容は
未来を知ることで得られる圧倒的なアドバンテージを他者と共有できないというデメリットを背負う事で、俺は呪力操作に凄まじいまでの恩恵を受けている。
また他にも"観測対象は呪力を持つ存在のみ"と"1日の使用可能な回数は3回まで"という縛りを組むことで『結界術』や『式神術』の汎用呪術の精度や威力を底上げすることに成功している。
そう言えば"記憶を対価にした"縛りを組んだと言ったことがあると思うが、これもまたれっきとした意味がある。
縛った内容は"原作の流れを忘れる事"だ。
確実に起こり得る未来を知っているというのは言うまでもなく凄まじいまでのメリットだ。それがあるだけで自分の身の振り方を決められたり、あるいはそれ以上のモノを手に入れる事すら難しくはない。
だがそれでも俺はソレを捨てる事にした。そうでなければ
結果としては後悔はしてないが、それでもよくあの時この決断が出来たと俺自身意外な気持ちだ。
けれどその対価として宿儺との戦いを振り出しに戻せたと思えば無意味ではなかったし良かったと思う。
この縛りの重要な点がもう1つある。
俺が縛ったのは"原作の流れを忘れる"事であって"原作知識そのものを忘れたわけではない"という点だ。
屁理屈じゃないかと思われるかもしれないが、これによって俺は原作知識を保持したまま呪力総量を増やすことが出来た。
その呪力総量、ざっと考えても乙骨憂太くんの5倍はあるね。
・・・うん。ちょっとやり過ぎたかもしれないけど反省も後悔もしてない。
大は小を兼ねるんだよ!!
今回設定をお借りしたのは「双星の陰陽師」です。
これについてはこの作品を書き始めた時からクロスさせたいと思っていたので、ようやく書く事が出来て嬉しい限りです。
そして設定上「双星の陰陽師」に出てきた陰陽術や技の全てを晴明は行使可能です。
勿論例外は存在しますが、基本的には使えない技はない予定です。
あ、ちなみに晴明の容姿ですが本編で少し触れただけでしたね。
イメージはアニメ版「双星の陰陽師」に登場する「土御門御影」の褐色肌が肌色になった感じです。
感想と評価をお待ちしております。
頂けると創作意欲が湧くので、執筆速度が早まる(かもしれません)。
特にヒロインとか決めてないけど、いる?
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いるにきまってんだろ!!
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いや、独身ルート一直線!!
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どってでもいいわ
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作者のお好きにどうぞ!