貞操逆転×→性欲逆転世界で配信者してなりきりチャットして女装する   作:坂水木

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前話とセットなので、この話を読んだ後に前話を読み直すと色々面白くなります。


搾精の人(微健全)※朔瀬・C(シャーロット)・リアラ視点。

 国勤めなんてものをしていると、色々と後ろ暗い情報が耳に入ってくる。

 例えば、有力な女性権力者に向けて男性を紹介するとか、男性用の認識阻害アクセサリー無効化グッズとか、男性に斡旋した住居の監視映像とか。

 

 酷い話も多く、最後のものなんて優理君が巻き込まれていたら絶対に許せないので、個人的に調べさせてもらった。私の見聞きする限りでは問題なく、そこはとりあえずほっとした。でもほんの少し、映像があれば私が管理してあげたのにとも思った。思っただけだからいいのよ。私は悪くない。

 

 とにもかくにも、そんな、楽しいか楽しくないかと言われたら楽しくない職場にいて、はっきりと"国勤めでよかった!"と声を大にして言えることがある。実際に声を大にはしないけれど、確実にこれは神様が――性の神様が私にくれた天運だと言える代物。

 

「……」

 

 もう一度身だしなみをチェックし、服や髪の乱れをさらりと直しておく。外を歩いて風に揺らされただけではあるが、優理君と会うのにその"ちょっと"が気になってしまう。

 

 胸の内でよし、と呟き優理君の部屋番号三○四を押す。

 プルプルと待機音がして、小さく可愛らしい声が聞こえてすぐ、自動ドアは開いた。そそくさと歩き、エレベーターで三階へ。他にマンションの住民はいない――なんてことはない。国が斡旋する建物だから男性の居住者も多く、他のマンションと比べて男性率は驚異の四十%。普通が十%を切ることを考えると異常だ。

 

 男性の部屋は上下左右に人が住めないよう手配しているため、三○四号室もそこは変わらない。

 一度深く呼吸し、ゆっくりとインターホンを押した。

 

 ピンポーンと音が鳴っている間に、カチャリと音がしてドアが開いた。

 こそっと顔を覗かせて、小動物のように警戒心たっぷりに周囲を見ようとする仕草がとてつもなく……そう本当に可愛らしかった。つい、きゅぅぅっっと胸の奥が締め付けられたような気分になる。

 

「優理君、おはようございます」

 

 平静に冷静に、人好きする微笑を浮かべて挨拶をする。

 

 三○四号室に住む男性――傘宮(かさみや)優理(ゆうり)君。

 

 そう、男性だ。

 彼との出会いだけで、私が日本という国の公務員を止めない理由に足る。というかむしろ公務員でよかったとさえ思った。この子との出会いほど、収精官なんていう面倒な仕事をやってよかったと思うことは他にない。黄金よりも価値があるとはまさにこのこと。

 

「お、おはようございます。朔瀬さん……えっと、入ってください」

 

 少し緊張しているが、落ち着いた大人の男性の声が私の耳を揺らす。

 久しぶりに聞いた生の優理君の声には凄まじい破壊力があった。

 背筋がゾクゾクと震え、キュンキュンと子宮が疼く。今すぐ彼を弄って遊んで私のことも弄って遊んでもっともっと身体を密着させて全身で気持ちよくして♡ね、はやく二人で――。

 

「――」

 

 ギリィと口の内側を強く噛む。痛みで我に返った。危ない。本当に危なかった。危うく大洪水だった。吸水性の高いナプキンにしてよかった。ショーツもかなり水を吸ってくれるものにして本当によかった。これなら――いえでも、むしろ粘度の高い液なら量も少ないし大丈夫かもしれない。そっと下腹部に手を伸ばそうとして、ハッと我に返る。

 

 つい流れで確認しようとしていた。というかそのまま自慰までしそうな勢いだった。よくない。

 

 深く息を吸って――――ぁ♡

 

「――っ♡」

 

 男の人の――優理君の匂いがする。これはだめ。

 甘しょっぱくて、男臭く性的な……息をするだけで女が刺激される。どうしようもないほど優理君の"生"を感じてしまう。

 

「――ふぅ――ぅ♡――ふ、ぅ♡――」

 

 卑怯な子♡

 私が息をするたびに感じさせるなんてっ、はぁぁ♡……あぁ♡落ち着くのよ、私。理性を保つの。相手は優理君よ、優理君。これまでものすっごく我慢して頑張って関係性を作ってきたの。それをこんなところで壊していいわけないわ――♡

 

 どうせセックスするならちゃんと手順を踏んでお互いの気持ちを確認し合って、他愛ない会話の後に少しずつ手を繋いだり指を絡めたりして、それからキスして服脱がせ合って、夜の闇に溶け込みそうな世界に二人っきりの場所で、優理君から「愛してるよ、リアラ……」なんて囁かれて彼の全部に包まれてキューンと――――そういうエッチが私はしたい!!!!!

 

「朔瀬さん、お茶で大丈夫ですか?」

「――はい、大丈夫です。ありがとうございます」

 

 私は耐えた。

 割とナプキンは濡れてしまった気もするが、そのための高吸水性最新式ナプキンだ。この程度吸ってもらわないと困る。

 

 玄関からリビングに移動し、優理君との愛の巣――部屋に入る。

 

 彼の住むマンションの一室は高い防音設備以外特色なく、そう広いものでもない。

 玄関、短い廊下、トイレやお風呂、それとリビングルーム。リビングだけはベッドルームと引き戸で分けられているが、これくらいはどこにでもある間取りだろう。

 いわゆる1DKという間取り。

 私の家と同じ。つまりお揃い。イコール同棲♡――リビングとベッドルームのドアは開けっ放しで、普段彼が寝ているベッドもよく見える。こぢんまりとした部屋に寝具と小さな下着用の棚が置かれている。本当に寝るためだけの部屋だ。

 もちろん、私は彼の下着入れを覗いたことはない。以前恥ずかしそうに教えてくれただけ。すっごく見てみたいけれど、それで嫌われたりしたら死んでしまうので耐えている。いつか許可もらえるのかなと期待している。

 

 ベッドルームの反対側には優理君――ユツィラとしての配信機材がパソコンと共に並べられていて、さすがにこれは何度見ても感心する。

 

 私は優理君の活動をほとんど把握しているので、当然ユツィラのことも知っている。コメントはしないがリスナーとしてアーカイブはすべて見させてもらっている。

 配信者のユツィラは普段の優理君に近く、それでも液晶越しだと遠い存在のようにも感じる。でも、この部屋を、本物の優理君を知っている私からすればそれだけで何度もイケる。またちょっとお漏らししそうになった。

 

 でも普通にASMRはエッチなのよ。優理君、魔性の男……。

 

「粗茶ですが」

 

 ことり、と机にコップが置かれる。緑茶色の液面に氷が浮いている。

 

「ありがとうございます。いただきます」

 

 正座したままそっとコップを手に取り、口を付ける。

 爽やかな苦みと冷たさが火照った身体を冷やしてくれる。煩悩に塗れた頭が少しは冷まされた気がした。

 

「優理君、美味しいです。ありがとうございます」

 

 お礼を告げ、ニコリと微笑む。

 

「いえ……ただの市販のお茶ですから」

 

 言いながら、優理君は私の対面に座った。一人暮らしで普段使わない机だからか、手狭でそれなりに距離も近い。優理君の顔が近くて私は嬉しい。キュンキュンする。

 

 頬を掻き、少し恥ずかしそうに笑う姿はなんとも愛おしかった。

 

 優理君。傘宮優理君。

 こうして正面から見ていると、改めて彼が"男の人"だとわかって数え切れないほど味わってきたドキドキが再び私の胸を襲う。

 

 ちらちらと私を見てくる目は黒茶色。純日本らしく黒色の濃い色合いをしている。例えるなら濃いほうじ茶。

 髪は短く、こちらも黒色。女でも短髪はいるが、彼ほど短くする人はそういない。これぞ男の人!と思わせる、そんな髪形だ。

 

 まあ優理君の場合、毎日長いウィッグを付けているから地毛を減らしたくて、という意味もあるのかもしれない。五感誤認アクセサリーを使っている男性は多くとも、女装までする人はあまりいない。というか、私は彼の他に例を知らない。

 

 顔はどこか中性的で、前に聞いたけれど髭はほとんど生えないらしい。

 下の毛も生えているのかな、いないのかな、と邪推した私は悪くない。

 

 別に彼は特別優れた容姿を持っているわけではない。

 俗に言うイケメン(死語)ではなく、美青年でも男前でもない。特徴っぽい特徴はなく、しいて言うなら笑った時に下がる眉毛と目尻が最高に可愛いところ。キスしてあげたくなる。

 

 控えめで大人しく、仕草や表情も、明るく爽やか!って言う雰囲気ではない。

 でも、逆にその親しみやすさが、"私でももしや行けるのでは?"と思わせる雰囲気が良い。とても良い。

 

 それに加え、生の優理君はちゃんと男の人している。

 女に押し倒されないよう鍛えられ筋肉の付いた肉体は女じゃそうそう見られず、男の人らしく性的にがっしりと引き締まっている。その筋肉もムキムキというわけじゃなく、二の腕とか服の上から見える太ももとかふくらはぎの太さとかからしかわからないところが良い。

 

 以前、運動したて(エッチな意味ではない)の彼の家を訪れたことがある。

 その時見えたインナー越しの胸板はものすっごくエッチだった。ちゃんと厚く、女とは大違いで思い出しただけで鼻血が出そうになる。

 

 今の表情は少し緊張気味、でも柔和で穏やかな優しさはしっかりと表に出てきている。

 

 彼はそれを臆病だと自虐していた(ユツィラで)けれど、私は別にいいと思う。臆病で結構。インターネットで充分活躍しているのだから文句一つない。彼の活動を知っている私からすれば、世の中の女性の性欲を解消しているだけでもう百点満点をあげたい。花丸よ、花丸。

 

 それに、優理君は知らないけれど、積極的な精子の提供は国からの評価もかなり高い。知らぬは女主ばかりなり、とはよく言ったもの。優理君は男だから、男ばかりなり、になるかもしれないが。

 

 お茶を飲みながら妄想に耽っていたら、緊張しがちな優理君が口を開けた。私がマッサージして緊張を解いてあげたい。

 

「朔瀬さん、お久しぶりです。……ちょうど一か月振り、でしょうか」

 

 一か月振り。もうそんなに経つか。

 カレンダーを見て、少々感慨深くなる。

 

 もう十月が近い。

 先月会ったのは八月の二十六日だったはずだ。優理君の配信を聞いたりボイスを買ったり電話をしたりとしていたら、もうひと月だ。時間が流れるのは早い。生優理君がこれほど破壊力高いのだから、一か月と言われるのも納得がいく。

 

 私の誕生日は十一月の二十三日。今年は木曜日。

 優理君は祝ってくれるのだろうか。……淡い期待を抱いてしまう。胸の内で嘆息し、日付を見返して返事をする。

 

「はい。八月の二十六日にお会いして以来ですね。優理君は体調崩さず過ごせていましたか?」

「僕は全然。元気も元気ですよ。風邪とかも引かなくてよかったです。病院に行くのもちょっと手間ですから」

 

 下の方も元気でしょうか?とは口にしなくてよかった。勢いで言いそうになる。

 私が確認しましょうか?とまで言いたくなってしまった。この煩悩、どうにかしてほしい。

 

「そうですね。医療機関であっても目を惹くのは間違いないでしょう。体調の悪い時はいつでもご連絡ください。優理君の生活のサポートも私の仕事ですから」

 

 我ながら素晴らしい言葉遣い気遣いだと思う。心配の気持ちも本気であるから、嘘は一切ついていない。

 欲は胸に秘めて、会話は平穏無事に済ませる。これができない女の多いこと多いこと。私はできる。なぜなら優理君のことを優理君としてちゃんと大好きだから。

 

「あはは、はい。ありがとうございます、朔瀬さん」

 

 優理君の笑顔が眩しい。好き……。

 この笑顔だけで私の胸はドキドキと高鳴る。愛おしさでじんわりとお股が湿る。

 

 出会った当初は、かなり警戒心の強い青年だった。私への信頼などあるわけなく、警戒心猜疑心、さらには不安の多い表情だったことを覚えている。

 

 月に一度の収精、SNSでのやり取り、たまにする電話。

 性欲は秘め、欲情は隠し、表ではただの一収精官として接してきた。徐々に徐々にと信頼関係を築き、一年半。こうして、私の前で明るい素の笑顔を見せてくれるようにまでなった。

 

 これはもうこの家を私たちの愛の巣と言ってもいいのではないだろうか。というかそろそろ私のこと本気で愛してくれてもいいんじゃないかな。だって私は優理君のことこんなに愛しているし。抱きしめてほしいしキスしてほしい、手も繋ぎたいし性器も繋がりたいし、イチャイチャイチャイチャラブラブラブラブしたい。

 好きと言ったら「好きだよ」って返してくれて、私はもう感極まって抱きしめちゃって、ちゅ♡って甘いキスして、そしたらもっとキス返してくれて大好きよ、優理君♡「大好きだよリアラ」なんて返してくれて、私も優理君大好き♡

 

「あーでも、本当、朔瀬さんが僕の収精官でよかったです」

「――――」

 

 ズキューン♡!♡!♡

 

 …………?私、今意識飛んでた?

 変な擬音語が聞こえてきた気もするけれど、こんこんと嬉しさがこみ上げてくる。頬が緩んでしまう。やばい。これはめちゃくちゃにやばい。私、今ものすっごくだらしない顔をしている気がする。

 

 あぁでも仕方ないわ。優理君がいけないのよ。「リアラが僕の恋人でよかった」とか言うから。そこまでは言ってないか。でも似たようなものね。

 

 はぁぁ♡……優理君…………本当、好き。

 

「朔瀬さん?」

「はい」  

 

 さらっと返事をする。

 顔はたぶんどうにか取り繕えた。優理君が私の方見た瞬間、咄嗟になんとかできた。これは今までの経験の賜物。切り替えていきましょう。ちょっとナプキンがびしょびしょな感覚あるけれど、まだ大丈夫ね、たぶんきっと。

 

「いや、なんでもないです。朔瀬さんが収精官でよかったなと思いまして」

 

 ふぅぅぅぅ♡

 落ち着きなさい、私。優理君は収精官としての私に言っているの。恋人としての私じゃないわ。というかまだ恋人になっていないし。セックスも一度だってしていないの。一昨日電話した後結構シちゃったけど、全部妄想の中の出来事でしかないわ。夢幻……すべては夢……。少し冷静になり過ぎたかもしれない。

 

「――それは、はい。よかったです。優理君以外に収精官を肯定的に見てくださる方はいらっしゃらないので、そう言っていただけるととても嬉しいです」

「え……そうだったんですか?」

 

 苦笑気味になってしまった。

 まさか優理君も私が夢幻にダメージを受けているとは思っていないでしょう。それだけあなたを愛しているということなの。許してね、優理君。

 

「はい。男性である優理君に言うことでもありませんが、優理君はとても珍しい……そうですね、特別です」

 

 とくべつ♡、にはしっかりと深い意味を込めておいた。

 私も二十七歳。若い子がするような可愛い仕草は"ババア無理すんな"とでも言われそうだけれど、優理君が結構こんなあざとい仕草を好いていることはよく知っている。ほら、顔が赤くなってる。かーわいいっ!!

 

「そ、そうですか」

 

 どもっていて可愛い。目も逸らしてるし、下腹部がキュンキュンする。身体が大好き―!って叫んでる。また濡れた。

 

「え、っと、さ、朔瀬さん。一昨日話したことですけれど……」

「はい。少々お待ちくださいね」

 

 本題だ。

 今までも真面目だったが、より真面目モードに入る。鞄からタブレットを取り出し、机に置いた。

 

「こちらですね。紙媒体では持ってきませんでしたが、大丈夫でしたか?」

「え、はい、はい。全然大丈夫です。全然全然」

 

 ?優理君が何やら動揺している。別に私は何もしていないのに……どういうことだろうか。…………あぁ、私は天才だ。

 

「優理君、こちらからだと説明しにくいので、私もそちら側に回ってよろしいでしょうか?」

 

 優理君の謎の反応はともかく、思いついてしまった。

 さっき、「リアラが傍にいてくれてよかった」と言っていた優理君。それすなわち、私への好感度が十二分に高まっているということ。

 

 薄々察してはいたが、優理君は私のことを信頼してくれていて、なおかつ異性としても認識してくれているらしい。それだけできゅぅんと胸が疼く。けど我慢。

 

 彼は自分を臆病と言っていたけれど、私も臆病に臆病だ。

 優理君に嫌われるのは怖い。拒絶されるのは怖い。離れるのは嫌だ。恋人ですらない、ただの収精官風情がとも思うけど、世の中の女なんてこんなものだろう。私も他と大して変わらない。

 

 信頼を得ても、一歩踏み出す勇気すらなかった。

 しかし、今の私は違う。優理君から直接言われてしまった。ぽろりとこぼれた言葉は完全に本心だった。これはもう、ちょっとくらい歩み寄ってもいい、もうちょっと"傍に来て"のサイン。

 

「え?ええ、はい。構いませんけど……?」

 

 よっっっっっっしっ!!!!!!!!!!!

 

 内心ガッツポーズして歓喜の声を上げる。

 口を開けば声が漏れてしまいそうで、ぎゅっと唇を引き結んだ。

 

 言質はもらった。あんまりよくわかっていない顔だけど、優理君からOKをもらったのだから別にいいだろう。どうせ隣に行く程度なのだし。

 

「失礼致します」

「――……ぇ」

 

 そ、っと隣に座る。自分の声が震えていないか心配だった。でも大丈夫そうだ。

 

 距離が近い。膝が当たりそうだ。肩も触れ合いそうな距離に優理君がいる。こんな近い距離で男性といるのは初めてかもしれない。しかも相手は優理君なのだ。会ってすぐ……というわけでもないが、ちょっと接していてすぐ好きになってしまった。一年以上想い続けている男の人だ。それはもう……愛おしさが液体になってしまっても仕方ないでしょう。

 

 何食わぬ顔でタブレットを開き、説明のための資料を開く。

 頬に優理君の視線を感じる。こっそり横目で見ると、顔を赤くして私を見ていた。照れてて可愛い♡

 

 優理君が私を見ている。私だけを見ている。すごい……これは結構、こう、クるものがある。今すぐ抱きしめてたっぷりキスしてあげたい。というか抱きしめてキスしてほしい。深い深ーいキスでいいから。貪るようなディープキスでいいから。唇とか舌とか甘嚙みなんてされちゃったらもう――ぁぁ♡だめぇ♡優理君だめぇ♡

 

「……」

 

 ちょっとイって冷静になった。

 未だに優理君の視線を感じる。さすがに私が理性を保てなさそうだから話を進めさせてもらおう。

 

「優理君?」

「――はい!なんでしょう!はいっ」

 

 急に元気な優理君だ。

 返事も可愛い。動揺を隠せていないのは女慣れしていないからだろう。ボイスでは結構すごいせめせめな時もあるのに、本物は初心ですごく好き。エッチなボイス聞いている時は、素の優理君を思い出して二度楽しめる。私は本当に恵まれているかもしれない。

 

「ふふ、いいえ。なんでもありませんよ。説明を始めましょうか」

 

 菩薩の笑みで優理君に伝える。

 さあ、真面目にお話を始めましょう。

 

 つらつらと説明をしていくと、優理君はふんふん頷いて時折質問を投げかけてきた。仕事らしく丁寧に答え、必要なことはすべて伝え切る。

 

「――ですが、曲がりなりにも優理君は婚活中の男性です。結婚、延いては子作りのための活動とするならば"男性妊活補助制度"が利用できます」

「あ、そういう感じになるんですね……」

 

 納得と共に微妙な表情を浮かべている。

 婚活だ妊活だ言われたら、確かにそうなるのも無理はないか。

 

 私は今すぐにでも優理君の赤ちゃん孕みたいけれど、それは気持ちの一部でしかない。たっぷり愛してほしいし、セックスだって毎日したい。満足した……となるかはわからないが、そろそろ作ろうかとなったくらいで子供は作ればいいと思う。

 

 ましてや優理君はまだ二十歳の学生。

 結婚はともかく、妊活はまだまだ先のこととしか思っていないだろう。割と彼の精子で生まれている子供がいることは口にしないが。そこは暗黙の了解というやつだ。

 

 ひとまずお試しプランについて解説し、優理君もお試しでなら、と頷いてくれた。

 

 私のこともお試しで彼女にしてみませんか?と言いたかったけれど、さすがに言えなかった。彼の家から退散し、駅に向かう。

 今日は色々とすごい日になってしまった。まだ午前中なのに、ナプキンからあふれた水で下着もぐしょぐしょだった。ぎりぎり優理君の家のクッションは濡れていなくてよかった。正座していて本当に良かったと思う。

 

 でも、今日は優理君が私に"リアラが収精官でよかった"と言ってくれたので、もうそれだけで幸せ。仕事して帰ったらたくさんエッチしようと思う。

 今日のお供はいつも通り、愛しい愛しい優理君だ。




ちなみにですが、この世界のほとんどの女性は大体リアラさんくらいの煩悩に塗れています。むしろリアラさんはプラトニックな方ですよ!

それはそうと評価お気に入り感想ありがとうございます。
未評価の方は高評価してくれると嬉しいです。欲張りになれって性の神様に言われました!

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