貞操逆転×→性欲逆転世界で配信者してなりきりチャットして女装する 作:坂水木
☆
『ぁ♡!あっ、あらいんっ!わたし、へん♡、変ですっ。っ♡……お股が、っきゅぅ!ぅ♡って、変なかんじになっています♡!!』
「うん、いいよ。そのまま触り続けて。指で触れるだけでいいから。まだあんまり強くしちゃだめだからね?いい子だからゆっくりね」
『はいっ、はい♡、あらいんっの声が、ぁっ♡!!わたし、っ!の中にたくさっ、ん♡たくさ、ふぁあ♡たくさ、っ♡しみこんで、来ます!♡』
「そっか。もっと喋ってほしい?僕の声聞きたい?」
『はい♡!いっぱ、いっ、あらいんのこ、声っ♡聞きたい、です♡』
「いいよ。アヤメの好きなように喋ってあげる。どうしてほしい?喋ってほしいことなんでも言って」
『あ、ぁ♡あぁらい♡んんぅっ!、わ♡わたし、たくさ、ん!お名前っ♡、おなまえ呼んでほしい、です♡』
「アヤメ。アヤメアヤメ、アヤメ。よく頑張ったね。一人で寂しかったよね、アヤメ。これからは僕が一緒だから。アヤメ。安心していいよ。アヤメ、愛してる」
『う、ぁ♡ぁぁあ♡はぁぁぁぅっ!!♡♡あらいんっっ♡、わた、し、うれしい!うれし、い♡、ですっ♡』
「アヤメ。僕が一緒だから、ほら、触るの強くして?気持ちよくなろう?大丈夫。僕が傍にいるから。ほら……――イっちゃえ」
『は、ぁ♡、ぁぁあああ♡あらい、んっ!!♡わたし、い、いきます♡あらいんといっしょに!♡いく、イっちゃ♡ぁ、ぁっ、うぁ、ぁあ!!!ふぃやぁぁああああぁぁ!!!♡』
イヤホンから聞こえ続けていた嬌声が途絶える。
大きな大きな、絶頂の声を残して、後には荒い息遣いだけが残る。
『ふぁぁ……はぁ……ふぅ……あ、あらいん』
「うん。聞いてるよ。アヤメ」
『ぁ♡ぁ……ふぅ……すぅ…………はぁぁぁ……ふぅ……』
「いいよ。落ち着くまで待つから。ずっと君の声聞いてるから。アヤメ。ふふ、可愛いアヤメ」
『えぅ……えへへ♡……はふっぅぅぅ……ふぅ……す、すごか、ったぁ……です』
「ん、そっか。そんなに気持ちよかった?アヤメの声、可愛かったよ」
『あぅ……♡……え、えと……わ、わかりません、けど……きゅぅぅ、って真っ白になって……ふぁぁって。ふわぁぁって、なりました』
徐々に落ち着いていく声音は、甘くとろけてぽやんとしたような、そんな雰囲気を醸し出していた。
イヤホンの向こうでやることをやっていたのだから当然だが、結構な色気がある。
「よかった。それがオーガズム、性的絶頂ってやつだね。これくらいの単語ならネットで見たんじゃないかな」
『これ、が……す、すごいです。アライン……すごく、きもちよかったです』
「気持ちよくなってもらえてよかった」
『はい。まだ、まだふわふわしています……』
当人の言ったように、意識はまだ明瞭にはなっていないようだ。伝わる声だけでもふわふわとしているのがわかる。
初めての絶頂となればそれも当然か、と優理はふむふむ頷く。相変わらず真顔の男である。
「ベッドは大丈夫?ちゃんとタオル敷いたかいあったかな」
『ぁ……』
がさごそと向こうで動く音が聞こえる。布擦れの音がやたらリアルで妙にドキドキする。相手を気持ちよくするための時間――優理はこれを旦那様タイムと呼んでいる――が終わり、演技への意識が薄れてきた表れだ。
『わぁ……アライン、タオルがびしょびしょです……』
「やっぱり敷いてよかったでしょ?」
『うぅ……私、いっぱいお漏らししちゃいましたぁ……』
「いいのいいの。女の子がそうなるのはおかしなことじゃないんだから。濡れたタオルだけ片付けちゃおうか。ほら行ってきな」
『……あ、あの』
ちょっぴり恥ずかしそうに、甘えた声が聞こえてくる。
頬を緩め、優理は軽く先を促した。
「うん」
『アライン、は……どこにも、行きません、よね?』
「うん。行かないよ。なんなら鼻歌でも歌っていようか?」
『は、はいっ!おねがいします。すぐ戻ってきますっ』
ぱたぱたと慌ただしい足音が遠のいていく。
本当に鼻歌歌うのか……。微妙な気分でふんふんららら言いながら、優理は身体をベッドに倒した。
突発的な旦那様タイムで疲れた。やり切った感がある。
気分が落ち着いて、さっきのアヤメの声を思い出してむらむらしてきた。同時に、自分がやったことを思って沈下する。
「……やっちまったかぁ」
こんなつもりはなかった。
肉体年齢推定十九歳、精神年齢推定三歳の無垢な少女と、気づいたらエロボイスチャットをしていた。
びっくりである。
優理の優理もびっくりな流れであった。
結局、前世知識の言う"無知シチュ"を余すところなく体験してしまった。
こんなはずじゃなかったんだ……!と言っても言い訳にしかならない。もう事は起こってしまった後なのだ。というより、アヤメの絶頂後である。
「いや開き直ろう」
もうそれしかない。
身体を起こし、鼻歌を継続しながら思い直す。
もうやってしまったものは仕方ない。ロールプレイ要素はほとんどなかったので、今回のエロボイスチャットはやりやすかった。ちょっと楽しかった。
アヤメの反応も新鮮で可愛かったし、愛について教える……ことはできていないか。快楽=愛は暴論が過ぎる。そんな愛情優理は信じたくなかった。愛はイチャラブに宿る。どちらかと言えば「少女漫画的プラトニックエッチ以外この世に存在しない派」に近しい優理である。ただしエッチは多種多様に広がって良し、と注釈を付けるが。
『アラインー』
「おかえり。約束通りちゃんと鼻歌歌ってたよ」
『えへへ、聞こえていましたっ。アライン、アラインは意地悪ですけど、優しいです』
「意地悪は余計だけど、まあいいや。アヤメは……良い子で可愛いね」
『はい。私は良い子で可愛いです。アラインアライン』
「はいはい。何かな」
『さっきはとっても気持ちよかったです。今度は私がアラインを気持ちよくさせてあげます』
普段の優理に戻った今、その言葉はかなり効いた。ちょっと期待してしまったくらいだ。しかし、そこは漢優理。そもそもエロボイスチャットでこちらが気持ちよくしてもらうなど言語道断であり、なおかつ相手はアヤメだ。これ以上、いたいけな少女にあれやこれやするのは気まずかった。
「それは遠慮させてもらおうかな。僕疲れたし眠いし」
『えええ、どうしてですか。本当の愛は男性と女性が一緒に気持ちよくなって生まれるってありましたよ。まだ私の知っている愛は半分だけです……』
「あー……それも漫画から?」
『いいえ、これは小説からです』
そっかそっかと頷く。
案の定、アヤメの中で快楽=愛になっていて胸が痛む優理であった。今度いつかそのうち、ちゃんとした愛をどうにかして伝えなければと思う。
「愛については今度教えてあげるから、今日はもうお話終わろう?時間も……思ったより過ぎてるな。もう十九時だよ」
そりゃあ疲れるなと息を吐く。
自分は一切動かず指示して話して囁いていただけなのに、今日はどっと疲れた気分だった。充実感と共に、疲労感が押し寄せてくる。
『……また、お話してくれるのですか?』
「え?」
急に静かになった声と言葉に、素で聞き返してしまった。
声がしょんぼりと沈んでいる。いや、不安がっているとでも言えようか。
『アラインは……また、私とお話してくれるのでしょうか……?』
繰り返しの問いかけを聞き、咀嚼して理解して、優理は後頭部を掻く。
なんて悲しいことを言うのか。なんて辛いことを言うのか。なんて声をしているのか。そして自分は、こんな子になんてエッチなことをしてしまったのか……。
悲しみと同情と自己嫌悪と、あと興奮と。
前世からわかっていたことだが、改めて性欲の業の深さを思い知らされた気分だった。この世界の女性も似たようなことを思っているのだろうか。疑問に思い、今はそんな場合じゃないと煩悶を振り払う。
「アヤメ」
『は、い……』
返事一つでさえずいぶんと沈んでいる。さっきまでふぁあん♡と喘ぎ叫んでいたのが嘘のようだ。これはこれでエッチに思え――煩悩退散!!!
「アヤメ、不安なら僕の携帯電話番号を教えるよ」
『え……』
これは優理なりの責任の取り方でもあった。
アヤメの話がそっくりそのまま真実だと仮定したら、彼女に中途半端な愛モドキ(快楽)を教えてしまったことになる。せめて真っ当な愛について教えてあげないと気が済まない。罪悪感の解消とも言う。
アヤメがもし一人ぼっちで三年も過ごしているならば、性欲抜きで普通に手助けしてあげたいし、通話くらいで助けになるなら喜んで話に付き合おう。
もう一度シてしまったのだ。これから何度エロボイスチャットをしても変わらないだろう。そこは変わる?変わるか。自重しよう。けど性欲に果てはないから……。
それより何より、こんな不安そうな声をしている女の子を見捨てるなんて優理にはできなかった。
『いいの、ですか……?』
「うん。特別。普通は……ていうか絶対やらないんだけどね。これまでやったことないし」
本当に特別だ。そもそもこの通話自体がイレギュラーのオンパレードである。
お金をもらってすらいないので、今日のボイスチャットは最初からただの友達との通話みたいなものだった。要するにフラットなエチ友……だめだ。セフレしか頭に浮かばない。疲れているな、と優理は目頭を押さえた。
『そんなだって、私……アラインに何もお返しできていません』
「いいんだよ。僕がアヤメの手助けをしたいって思ったんだから……そうだな。君らしく言うなら、僕はアヤメの王子様だ」
『ぁ……』
「機械を通してしか話せなかったら、アヤメの王子様にはふさわしくないかな?」
『っう、うぁ……ぁあ……だ、だめじゃ……ぐすっ……な、いで、すっ』
ぐすぐすと、鼻を鳴らして嗚咽を漏らして、堰を切ったように泣き声をこぼす。
こんな時、本当に傍にいれば頭でも撫でてあげられたのだろうか。思って、自分が考えている数倍はアヤメに絆されていることに気づいた。
一人苦笑してしまう。
僕ってちょろいなぁ。まあでも、女の人も身体を重ねると心も深く通じ合った気がしてすごく絆されるって言うから。
それに、優理もまた、前世で一人寂しく朝昼晩と食事をしていた側の人間だ。ただいまを言っても返事のない玄関、会話相手のいない部屋、薄暗い空間、無機質に響く電子レンジの音、気を紛らわすために流す音楽。
一人でいることの寂しさは知っている。アヤメの気持ちだって、少しくらいはわかるつもりだ。大人ですら時折寂しいと感じるものを、幼い心で味わうのはどんな辛さだろう。想像するだけで胸が痛くなる。
だから、アヤメとの寂しさ慰めックス*1を想像してしまった僕は悪くない。
言い訳は適当に、泣きながらアラインアラインと呼んでくる少女を落ち着かせる。
携帯の電話番号を教え、まだまだ不安そうなアヤメにはちゃんと通じるかまで確認してもらい、今日の話を終わりとする。
「――じゃあ、今日はお別れだ。またね。電話じゃなくてショートメッセージならその日のうちに返せるからさ。いつでも送ってよ」
『はいっ。……あの、アライン』
「うん」
『アラインのお名前は、まだ教えてもらえませんか?』
「うーん。ふふ、そうだね。まだ秘密」
『ん……わかりました。いつか教えてくれるのを待っています』
「うん。……そうだね。もしもアヤメが僕に会いに来れたら、その時は教えてあげようかな」
『――わかりました。いつか、逢いに行きます。待っていてください』
「うん?うん。じゃあまたね。アヤメ。おやすみ」
『はい。おやすみなさい……アライン、大好きです。私の王子様……』
そっと、通話の切れた携帯をベッドに置く。
時計を見れば、もう二十時が近かった。
喋り疲れた。お腹減った。
「……」
アヤメ。
どんな女の子なのだろう。いや性格は察しているから、見た目だ。携帯越しとはいえエッチなこともしてしまった。そりゃ見た目くらい気になりもする。優理とて健全な男子なのだ。
電話番号程度で自分に会いに来られるわけないだろうが、それでも期待はする。
もしもアヤメが会いに来て、「今度は私があなたを気持ちよくしてあげますっ、直接」とか言われたらと思うと興奮する。……だめだ。相手は三歳。冷静になろう。いやでも肉体年齢は十九歳だしほぼ同年代じゃ……。
「はぁ……」
溜め息を吐き、気分を切り替える。
遅いが夕飯を食べて、歯磨きしてシャワー浴びて寝よう。今日は色々あった。なりきり全体チャットを見て、アヤメを見つけてチャットして通話して。その前は朔瀬が来て……。
「あ……」
リスナーとの通話の件、配信するの完全に忘れてしまっていた。
アンケート開始初期は「隣の旦那様」の比率が高く、その時にアヤメが生まれました。
投票がなければアヤメは生まれなかったでしょう。
ありがとうございます。
また、評価感想等ありがとうございます。
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