小人族転生!不遇な扱いを受けるけど諦めないのは間違ってない 作:小人の英雄
「ななな、なんじゃこりゃーーーーーーっっ!!?」
相当な年季が入り所々傷が見られる、そんな古びた教会の地下室で。
背丈は幼女。しかし、彼女の持つ胸のそれは数多の女と一線を画す。あまりにもアンバランスだが、大きなお友達にはウケるスタイル。
天地がひっくり返るほど仰天する大声とともにそれは揺れ、ありがとうございます、と『俺』は内心で感謝した。
俺の名前はサハラ・ジーニ(14)。種族は小人族で、この世界で第二の生を受けた転生者だ。
んで転生して大人達の話を聞いて分かったことがある。ここ“ダンまち”じゃん。主人公ベル・クラネルがヒロインのアイズ・ヴァレンシュタインと出会い、英雄になるまでの物語。そのダンまちなら、俺の種族である小人族は(一部を除いて)非力であるが故に差別対象。不遇じゃん。現実を知り、赤ん坊の俺は夜、泣いた。決して漏らしたわけじゃない。
でもまあ、村での生活は思ったより悪くなかったな。差別意識が薄いってのもがあるが、同年代の子達はみんな話が分かるやつだったから。暮らしで役立つ前世の豆知識や、かけ算とか割り算とかの計算方法を教えたら友達だけでなく大人も感心して褒めてくれた。なんか村長からは、教育者になってほしいと頼まれたっけ。良い奴ばっかで目から汗が滴り落ちた。
それでも、大きめな街に行くと差別されるんだけどね。殴られそうになるわ、出会い頭に罵詈雑言浴びせてくるわで。理不尽だと思いました、まる
そんなこんなで14歳になった日、俺はオラリオに向かった。【世界の中心】、【英雄誕生の地】と呼ばれるオラリオはたった一つしかない迷宮──ダンジョンがある。まさに冒険者の聖地と言っても過言ではない。俺はダンまち読者。聖地巡礼をしない手はない。
原作キャラと関わるべきじゃないけど知るか。俺はベルきゅんと冒険するんだ!だからロリ巨乳で有名なヘスティアに眷属にしてくれるようお願いした。
結果はOK。ダンジョンに潜るうえで必須な【恩恵】を刻み、ヘスティアが悲鳴ともとれる叫び声を上げて今に至る。
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スキル
【転生者】
・魂の補強
・一人称視点、または三人称視点の変更
【反逆者】
・理不尽な局面で効果を発揮する
・(理不尽な局面のみ)早熟する
【夢幻世界】
・都合のよい夢を見る
・覚醒後、自身に反映する
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当たり前だがアビリティは0、魔法も無し、しかしスキルは三つ。これはスゴイ。ヘスティアが叫ぶのも無理がない。
魔法もスキルも先天的に発現するのは非常に珍しく、冒険の経験から後天的に発現していく。俺の場合は三つときた。幸先がいい。
「いや、それはいいんだ。······よくはないけど、問題はスキルの数じゃなくて内容なんだ」
「え?」
「【転生者】って、どういうことだい?転生ってね、簡単に言えば死んだ子供達の魂を漂白し下界に送ること。僕達神々の共通認識にして覆しようがない絶対的なルールなんだ。それを踏まえて君は、一度死んで漂白を逃れてるってことになる」
「······っ」
真剣な眼差しにたじろいだ。この世界において自分が異常だと、改めて気づかされた。
適当に誤魔化せないので全部喋った。
「──と、言うことなんです···」
「なるほどねぇ······」
ヘスティアは考えこんだ。俺は異端認定されて追放されるんじゃないかと戦々恐々······しなかった。だってこの神の人間性···いや神性?をよく知ってるから。
「うん!考えても分からないから良しとしよう!転生につていは天界の神々の不手際、つまりアイツらが悪い···てことにする!!それに、君はもう家族なんだ。主神として、秘密の一つや二つ、受け入れてみせようじゃないか!」
あっ、僕以外には内緒だぜ、とヘスティアはウィンクした。っぱ、善神しか勝たん!
「明日から冒険者になるんだろう?なら、具体的なスキルの効果は置いて、今日は寝よう」
「そうします。おやすみなさい」
「おやすみ~」
俺はソファ、ヘスティアはベッドで就寝した。部屋には二人きり。ベルはよく耐えたな。
ちなみにベルはまだいない。当然、団長の座は貴方にお譲り致しますです。