小人族転生!不遇な扱いを受けるけど諦めないのは間違ってない   作:小人の英雄

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設定とかロクに考えてない逆行ものです。
後書きで発現させた魔法についてのヒント、ってかネタバレがあります。
まだ10話突破してなかった。でも放置しておく。めんどくさいから。


10 10話突破(まだしてなかったけどまあいいか!)記念!···という名の筆休め回!楽しんで!

 

 逆行。

 生まれ変わって新たな生を手に入れる転生とは違い、そのままの状態で過去に飛ばされること。『ダンまち』二次創作にも逆行作品がある。例えば原作前の【暗黒期】とか。

 これも、そういう話だ。

 

 ただし、  

 

 主人公サハラが逆行したのは【暗黒期】ではない。

 

 

 

 

 

 「ここは······」

 

 目が覚めると──いつもの夢から醒めると──そこには知らない土地が広がっていた。街並みは異世界特有の中世チックな建物がズラリと並んでいるが、もはや見慣れたオラリオの街並みはどこにもなかった。てかバベルがないのでここがオラリオじゃないのは一目瞭然である。人?なんか獣人とかエルフが少ないような······神も居なくね?あ、でも武装してる。人間中心なのだろうか。

 俺は情報収集のため、歩くことにした。商店街とか適当に歩けばイベント発生のフラグが立つ。パ○プロ(DS)やっててよかった。そのお陰で、有益な情報(?)を手に入れた。

 

 ・モンスター──魔物の被害が多い。

 

 国外にはモンスターが想像以上に蔓延っており、明日をも知れないという。ヤバすぎない?オラリオの外ってこうなの?それなら俺が産まれた村は、結構平和だったんやなって。あとモンスターじゃなくて【魔物】と呼称するらしい。なんか堅苦しくて古風やな。

 

 ・王様が統治している。

 

 オラリオみたいな感じじゃなく、王が統治している。王城があって、ここは王国らしいから当たり前だ。だからロクに調べて······やっべ、国の名前知らね。

 

 ・国が英雄を募集している。

 

 とりあえず募集している場所に行こう。イベントが発生する。絶対する。俺なら分かる。なぜって?それは俺も分からん。他にも宛がないから行くだけである。

 

 幸い俺は強い。なぜならヘスティアから授かった【恩恵】がまだ生きてるからだ。だから、ここは『現代』だと思──おや?

 

 「おっと」

  

 「きゃ!?」

 

 裏道を歩いている俺は、完全に死角になっている角から飛び出してきた女性を躱す。女性は人がいたことに驚いてバランスを崩し、その弾みに目の前でコケ──ることはなかった。咄嗟に肩を抱き寄せて阻止したからだ。

 腰まである金色の髪に、澄んだ青色の目。走っていたからか呼吸を荒くして汗を流し、少し顔が赤い。···あ、いい匂いがすりゅう······。率直にエロい···

 

 ごめんなさい。

 

 俺と女性は互いに見つめ合い沈黙が流れる。が、沈黙を破ったのは女性。

 

 「······あっ、ええと······ご、ごめんなさい。その···」

 

 「おっと、俺も悪かった。ごめん、すぐ離すね」

 

 非常に名残惜しいが、俺は女性を立たせてあげる。よく見れば胸も大き──

 

 「ありがと、坊や。あっ、お名前は?」

 

 「え·····?あ、サハラ・ジーニだよ!貴方は?」

 

 「私はアリア──ゴホン。アリィ、って呼んで」

 

 さようなら、アリィはそう言って足早に去った。

 それにしても、あの人アイズに似てたような···?まあ、いいや。

 

 ······小人族じゃなくて、子供だと思われてるのは泣けるね。

 

 

 

 城。

 ベルに、レフィーヤに似た男女が騒がしい。近寄らないようにしよっと。·······でもなんだろ、アリィといい、この二人といい、そっくりさんが多すぎない?あ、あの人はリューに、あの人は【凶狼】に似てる。あれはガレスさん?いや似すぎだろ。

 小人族は俺以外にいない。だからか、ヒソヒソと言われる。面と向かって罵倒されないだけマシか。

 

 

 

 「これより【英雄選考】を開始する!王座より見守られている王に、相応しき勇姿を見せるのだ!」

 

 戦えってことか。

 

 「それでは始めェェェェ!!」

 

 という、騎士が開戦の合図をする。それと同時に、

 

 「まずはてめえからだ、クソガキィ」

 

 「帰ってママの手料理でも食って孝行してなァ」

 

 「優しいかよ」

 

 見た目で判断した上で、余裕で勝てると思っているのだろう。英雄候補の奴らが、ジリジリと近寄ってくる。

 

 その数、全体の三~四割。

 

 「! 兄さん、あの子が!」

 

 「何ぃ!?あんな幼子を集団で襲うとは!ここで動かなければ英雄が廃る!なので私が守ろう!······強そうな武器が気になるけど!なんか私より強そうだけど!」

 

 「なぜ幼子がここにいる!好奇心で迷い込んだのか!?」

 

 「何をやっとるか、お主らァ!」

 

 っと、そっくりさん達が順に言う。リューさん似の人は静観の構え。ベル似のやつはなんかうるさい。なんなの?似てるのは見た目だけ?······あれ?でも、ダンまち関連で見たことあるような──っと。

 

 「くたばれクソガキィィィィ!!」

 

 自分より背が低い幼子に向かって男が拳を落とす。ヒッ、という悲鳴がどこからか聞こえ、ゴキィ!という骨が砕ける音がする。そして、三者三様が言葉を失って目を見開いた。

 

 「ぐ、あああああ!?いでぇえええ!?」

 

 ふりかざした拳を、砕かれた男は、地面に転がって悶絶する。その光景に、会場にいる全員が目を見開いたのだ。

 

 「あらら?脆すぎないか?」

 

 ここは都市外だけど、それでも武装してるから、てっきりLv.1の冒険者レベルかと思ったんだけど······。殴り返しただけで砕けた。気配から感じてたけど、それでもまさかまさかだけど【恩恵】を貰ってないのか?ここにいる全員が?【英雄選考】は強さを求めてる。だから恩恵持ちだと判断したんだけど······。いやそもそも、この国に神が一柱もいなかった。それは、有り得るのか?立派な娯楽だろこれは。見逃す?国周辺の地理のせいで行けなかった、とか?でも、コイツらは?国の外から来てたやつもいるだろ。おいおいおい。じゃあなんだ?

 

 (───神はいないって言うのか?)

 

 俺の【恩恵】が生きてる理由はなんだ。分からん。考えても何にも分からん。が、

 

 「······どうする、来るのか?」

 

 「「「「───ッッ!?」」」」

 

 選考に集中しよう。目先のことを終わらせて、それから考えよう。威圧してみた。怯んだ。拳を殴ったことで、相手が死なないギリギリの力加減がだいたい理解できた。だから、行ける。

 

 「───くたばれ」

 

 俺は、俺を襲おうとした連中を纏めて凪払い、悲鳴の嵐が巻き起こった。なんかベルっぽいやつも混じってたような気がするが、まあいいや。悩みが少し吹っ飛んだし。

 

 選考は合格した。

 




ネタバレ

 ・アルゴノゥトは【英雄選考】で脱落しました。サハラのポカで。国には残るがアレコレ暗躍する······という設定。いくらでも変える設定。


 (アル妹の)処刑日。

 サハラ(ここで俺が本名を言ったら、原作が変化する?分からん!なら変身して偽名を使おう!もういいやそれで、やっちゃえええい!)

 サハラは魔法を唱えて変身する。姿は初めて中層に行ったベル・クラネルの姿。例の魔法で光輝いて、【兎鎧】というダサダサネームの鎧を身につけて【火精霊の外套】を身に纏ってるから英雄感がでる。小人族の姿よりはええ。······グスッ。
 
 サハラの声はよく通った。本人は気付いてなかったが、無意識のうちに声帯に魔法を付与していたからだ。神々はいない。だから嘘を吐く!

 サハラ「私は姫を守り、その命を散らしたミノス将軍の後継の騎士!将軍の意志を継ぐ者、姫を助けろと使命を賜った私こそが!」

 天に手をかざし、【ファイアボルト】と小声で呟く。一筋の炎雷が天を裂いた。
 
 サハラ「我が名は“アルゴノゥト”!姫を拐ったミノタウロスを退け、嘆きと絶望の時代は終幕に導く人類反撃の狼煙を上げる英雄なり!勇敢なる民衆よ、どうか私の後に続いてほしい!勇気ある英雄達よ!!」

 民衆「「「うおおおおお!!」」」
 

 リュールゥ「まさかまさかだ。嘘を嘘で二重に塗って固めて実行する独善的な一人舞台。アハハハハハハ!サハラさん!貴方の振るう力はこの世の未知!なれど、最も驚くべきはその心にあるのですね!語りますよ、語らせてもらいますとも!サハラ・ジーニという、【詐称の英雄(アルゴノゥト)】という英雄譚を!!」

 これは一人の小人族が嘘で嘘を固めるだけではなく、のちの神時代を生きる読者さえも詐称する、そんな英雄譚である。




 アル「いやアルゴノゥトは私───!?」
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