小人族転生!不遇な扱いを受けるけど諦めないのは間違ってない 作:小人の英雄
冒険者になって二週間が経過した。まあ、俺がやってきたのは変わらない。ダンジョンに行って、モンスターを倒し、魔石を収集し換金してホームに帰る。就寝時にはスキルを発動することを忘れない。これの繰り返し、ただ淡々とこなしていく。
そんな日々でも、主神ヘスティアには頭痛の種が存在するようで、毎日頭を抱えられてる。ごめん。
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サハラ・ジーニー
力:D541
耐久:D570
敏捷:D599
器用:E444
魔力:I0
スキル
【転生者】
【反逆者】
【夢幻世界】
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いや二週間でこれはえぐいってぇ。
自分にとって都合のよい修行環境を整える【夢幻世界】。しかも覚醒時にそれは反映されるときた。経験値はもちろん怪我や筋肉痛も反映されるが、夢幻世界で回復すればなかったことにできる。これをやり続けた結果がこのステータスである。改めてエグい。
ちなみに、到達階層は公式で3階層。非公式で、こっそり行ったのは7階層。馬鹿正直に伝えたら絶対疑われるし、それにいらんやっかみを受けそうだからね!
キラーアントがいるよね?不意打ちで一体倒して帰ったのさ。
キラーアント100体×3セット
······散っていく駆け出し用の武器を忘れない。
ウォーシャドー100体×3セット
キラーアントを倒す前までこれだった。すぐ変わった。
夢でも現実でも武器が壊れたから新調しなければ。
冒険者活動を休みにして、【ヘファイストス・ファミリア】が運営する店に行こう。心の中で決めたとき、ヘスティアが爆弾を投下する。
「君はもう、ランクアップできるよ」
いや草。
バベル。古代の時代、大穴から溢れるモンスターに対し人々はその身一つで立ち向かい、何とか押し止めることに成功する。が、それでもモンスターが産まれないわけじゃない。絶え間無く進撃を続けるモンスターに再びピンチに陥るが、現れたのは降臨した神々。彼らは祈祷という形でモンスターを食い止め登れないよう蓋をした。その蓋の上に建物を造り上げ大きな搭にしたのがバベル。苦労して戦ってきた古代の人々は、そんな神々の行動力に唖然としたと思う。また、色んな店があり、最上位の派閥のみが住めるエリアもある。
「何階だっけな」
バベルには【ヘファイストス・ファミリア】のテナントがあり、今回用があるのはそこである。美神のところ?間違いなく“死”が待ってるので行かない。······俺の間違いじゃなければ、最近上から視線を感じる。おぉふ、寒気がする······。
話を戻すが、店には上級冒険者の鍛冶師が造り、同じく上級冒険者が活用する高価な武器が主。しかし、【ヘファイストス・ファミリア】にも当然下級冒険者もいる。彼らは造った作品をどうするのか。制服姿の人に質問して辿り着いた先に答えがあった。
「6、8、うっわ3000ヴァリスのやつもあるじゃん」
安っすー、と内心で思う。
Lv.1の鍛冶師は、Lv.2以上の鍛冶師に劣る。その理由が発展アビリティ【鍛冶】である。詳しく知らないがこれの有無で質が決まるそうな。今いるエリアは、Lv.1の鍛冶師が製作した武具が並ぶ場所。品質については、値段と同居している、と言っておく。
このエリアはそれだけじゃなく、Lv.1同士の冒険者と鍛冶師が出会い、専属契約を結び、その冒険者が名を挙げれば挙げるほど、武器を提供した鍛冶師も有名になる······という、出会いの場も想定しているらしい。
全員が全員というわけではないが、俺は小人族という見下される最弱種族だから、あまりいい関係を築けなさそうだなと諦めてる。
「一先ずは短剣とナイフ、だな。防具はいいや、買えないし」
手持ちは6000ヴァリス。二つ買えば消える。最悪、一つしか買えないことも有り得る。まあ、上層で通じる武器があればいいか。
短剣とナイフを見れば、素人目であるが、少なくともギルド支給の物よりはどれも良さそうだ。値段は、8.5、6
、5、7、6.5······。う~ん、高い。
「短剣だけで妥協するか······おや?これって···」
置かれているのは短剣やナイフではなく、3000ヴァリスの直剣。しかも、小人族用に長さを調整された剣。値段も良心的だが······。
「俺は短剣派なんだよなぁ~」
これは選ぶか選ばないのか、どうするか悩む。俺は新たに見付けた2500ヴァリスのナイフと一緒に買い取った。
「【夢幻世界】で練習すればいいだけだし」
主武装を直剣、副武装をナイフ。これを新たな戦闘スタイルにした。
「······? 私の武器が無い」
「お前の武器ならさっき売れたよ。よかったな」
「······マジか」
Lv.1の時造った剣が売れたらしい。当たり前だが未熟も未熟、さらには素材が足りず小人族用にした粗末な剣。粗が目立つから値段は抑えたが······。
「う~ん」
貧困な冒険者は大勢いる。値段しか見てない冒険者もいるだろう。
「どんな人だった?」
「小人族」
小人族用を小人族が使うのは問題ない······が、あれを使って死なれても寝覚めが悪い。······もしかして、主神団長から詰められる?最悪クビ?いやいやいやいや、有り得ないだろそんなこと。冒険者が死ぬのはダンジョンだよ?バレるわけないない。それに職人気質な二人だ。きっと使用者の責任だ、とか言うに決まってる!······ホントに?
「探すか」
探して造り直すことを誓う!証拠隠滅を徹すれば問題なし、ヨシ!
グッ、と握り拳を作ってその場を後にする。一人で盛り上がる同僚に、店員は呆れた視線を送った。
てかそんな武器を売り物にすんなよ。
この主人公、実は敵の攻撃・弱点を直感で把握でき、剣技も比例してメキメキ上達している。夢の中、品質最悪な駆け出し用の武器(※幾つか駄目にしてる)で上層の中でもトップクラスの硬さを誇るキラーアントを倒しまくってるから。ヤバい。
ランクアップ可能な理由。夢の中でいくらでも理不尽を作れる。アビリティが低い状態かつ低品質の武器でキラーアントを倒しまくればそうなる。昇華条件がDが一つ以上だった(気がする)し。
ベル・クラネルとの邂逅は次回。