小人族転生!不遇な扱いを受けるけど諦めないのは間違ってない 作:小人の英雄
祭りのドタバタ騒ぎが終わり、魔法を覚えて数週間後。俺は10階層周辺で活動していた。霧に加えてモンスターの質と量が増えて大変だったが、【夢幻世界】で訓練を積み重ねてきたので、今では余裕で攻略できる。余裕と言っても油断はしないが。
俺の持つ武器は短剣にナイフ、そして直剣。短剣はアキさんのやつ、ナイフは買ったやつ、直剣に至ってはナイフと一緒に買ったやつではなく、ヘスティアが俺のためにと、女神ヘファイストスから造ってもらったやつだ。ベルのナイフと同じ性能だ。昔の直剣はミノタウロス戦で折れかけて使い物にならなくなったので、ホームに置いている。なんにせよ武器には困ってない。······お金いくらぐらいするんだろ。
アビリティは、
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力:SS1043
耐久:SS1029
敏捷:SS1030
器用:SS1056
魔力:C680
魔法
【イマジン・バースト】
・スキル【夢幻世界】と接続
・制限時間1分
詠唱式【汝、夢幻を歩む者。炸裂せよ】
スキル
【転生者】
【反逆者】
【夢幻世界】
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アビリティがエグいほど伸び、ベルと同じくアビリティSが上限突破しちゃった。だって理不尽には困らないし···。魔法はヤバかった、と言っておく。戦略の幅が、戦力差をひっくり返せるほどヤバかった。魔法を獲得したお陰で魔力は増えたが、ランクアップはベルと同じ時期でいいですよ、とヘスティアには言っておいた。魔力を最低Sまで伸ばしたいしね。まあ、ベルもそろそろランクアップするんですが。
そうそうベルと言えば修行の毎日だったが、最近は探索に集中しているそうだ。聞けばサポーターを雇ったとか。修行のお陰で、アビリティは俺ほどとはいかなくともかなり成長している。原作通りならそのサポーターは冒険者にとって厄ネタだが、もはや何も言うまい。がんば。
ヘスティアは頭が痛むのか、ステータス更新時は顔色が優れてない。その証拠に頭痛薬の空き瓶がホームに転がってたし。今度箱でプレゼントします。
「っと、おお?」
周りを見れば、オークにインプにシルバーバック、その他モンスターがわらわらと集まってきた。それに変な匂いも······。耳を澄ませば声が聞こえる。
「リ、リリ!どういうこと!?」
「ベル様なら大丈夫ですよ、それじゃ」
原作さんこんにちは。ベルから武器を取り上げるだけじゃなく、モンスターをけしかけるリリルカさんのクズムーヴよ。やってることヤバいよ、反省しな?
俺は駆ける。
「面倒なことに巻き込まれてんな、ベル!」
「! この声はサハラ!?」
「事情は知らん!が、ここは俺が何とかするから用を済ませて来い!」
バッタバッタと斬り倒す。魔石を回収したいが、それどころじゃなさそうだ。次々現れるが、斬る。任せることを躊躇ってたベルだが、俺の戦いを見て大丈夫だと判断したようで、駆け出した。ベルとすれ違う形で金色の風が吹く。
「手伝います」
「助かります」
部屋中に溢れていたモンスターは、援軍によって凪払われる。速い。一瞬で終わった。
「どうも、すいません」
「いえ、大丈夫です······あ、君は」
「ええ。酒場ぶりっすね」
援軍の正体は【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。【ロキ・ファミリア】の幹部にして最近Lv.6に登り詰めた実力者にして、ダンまち不動のヒロイン。そして、おほっアイズたん可愛い(キモい)
アイズさんは困ったような表情を浮かべる。やはり可愛い。
「あの······」
「え、ああ、酒場の件なら別に気にしてないですよ。アキさんがズバッと言ってくれましたし、謝罪も受け取りましたし。それとも、連れの方ですか?」
「ううん、それもあるけど······。君にも謝りたかった。ミノタウロスを逃がしてしまって、その、ごめんなさい······」
アイズさんは謝罪する。根が真面目なのだろう。もう一ヶ月立つのに気にしてるとは。
「確かに貴方達がしたのは悪いことなんでしょう······。ですが、あの戦いは自分を強くしてくれました。むしろ感謝してるぐらいで、今さら責めたりしませんよ」
「本当に···?」
「本当に」
「本当の本当に······?」
「本当の本当に」
「······本気と書いて」
「マジですから!責めませんから!」
天然かこの人!?天然だったわごめんなさいね!
「君の名前は?お連れの子の名前も教えて欲しいな。あの子にも、謝りたいから······」
「サハラ・ジーニです。連れはベル・クラネル。ベルも自分と同じ気持ちだと思いますよ」
「ん、サハラとベル、だね。覚えた。よろしくサハラ、私のことはアイズって呼んでほしいな」
「はい、よろしくアイズさん」
二人はくすりと微笑む。なんだろ、いい感じの雰囲気が──
「「!」」
咄嗟に、反射的に虚空を見る。視覚的には何もないが、何かいる。
「これは驚いたな。【剣姫】だけではなく、小人族の君にも気取られるとは」
虚空から現れたのは、死神にも見える黒衣の人物。はい、過去の出来事によって骨となり愚者を名乗るフェルズさんですね。こんにちは。
「······誰?」
フェルズさんです。
「ただ者じゃないですね」
敢えて知らん顔。······あれ?この時期のフェルズさんって何かあったよな。外伝だった·····あ。
アイズさんと俺は剣を構える。怪しさ満点だから、ね。
「なに、しがない魔術師さ。ルルネ・ルーイに冒険者依頼を頼んだ人物と言えば分かってもらえるか」
「24階層でモンスターの大量発生が起こった。これを調査、あるいは鎮圧してほしい。報酬を用意しよう」
「これには【リヴィラ】を襲撃した人物···例の“宝玉”が関係している可能性が高い」
淡々と喋る。それを聞く。いや部外者の俺に聞かせてもいいの?消されない?
「改めて、【剣姫】·····そして」
え?
「サハラ・ジーニ。君達の力を貸してほしい」
「「!」」
これには俺もアイズさんもビックリ。Lv.1の小人族にできることはない。中層なら尚更だ。
「えと、ファミリアに伝言を残したいんですが」
「! 行くの?」
「まあ、はい」
下手に関わるべきではないのだが、フェルズ──恐らくバックにいるウラノス──に頼まれたのには意味があるはずだ。無名の俺を知っていた。それが証拠······になるのは怪しいが。
アイズは俺の意見を尊重し、何も言わなかった。
「恩に着る」
フェルズは消えた。俺達二人は異常が起きてる階層へと足を運んだ。
捕捉
ベルはオリ主が早めにきたことでプロテクターを落とさなかった。だからアイズは何も拾ってない。
フェルズが知ってた理由。ウラノスがなんか感じとったから。以上。
オリ主の到達階層は12階。これは非公式で、公式は7階層にしている。担当のミイシャさんは頭に?を浮かべるが、まあいいかと流した。適当である。