Q、遊戯王世界のテンプレ事件を解決するには?(連載版) 作:黒霧春也
闇のデュエル(仮)でギリギリの戦いを制した後、俺とウィンはショップに戻り手に入れた最新弾のボックスを開封したが……。
「あのさウィン。これってほぼ爆死だよな」
「えっと、魔法戦士・ブレイカー(スーパー)の売値が1万3千円なので当たりの分類ですよ」
「マジかよ」
元の世界ではあり得ないレベルの爆死のように見えていたので落ち込んでいたが、この世界では当たりの分類らしいので違う意味で驚いた。
「自分の中にある感覚がズレていく気がする」
「そこは慣れていってください」
「ハハハ」
「め、目のハイライトが消えてますよ!?」
笑えないが笑ってしまう自分がいる中、なんとか気持ちを立て直す。
だがショーケースのレアカードの値段を見て精神が崩壊していくとはこの時は思ってなかった。
「ジェムナイト・パールが30万で大地の騎士ガイアが25万とかおかしすぎるだろ……」
「それは言わないでください」
「そ、そうか」
気持ち的には突っ込み疲れたので近くにある椅子に座って周りを見る、少し離れた席で変わった髪型をしている少年がデッキを組んでいるのかテーブルに置かれたカードを入れ替えていた。
「どうすればいいんだ?」
彼のデッキはローレベルのモンスターが多いので火力が低そうに見えるが、シンクロモンスターが1枚置かれているのでそのカードを使えば強くなりそうだ。
なので彼のデッキ内容を見ていると、隣の席に座っているウィンが口に手を置きながら笑顔を浮かべた。
「マスターならカボチャ頭の彼のデッキをどう組みますか?」
「か、カボチャ頭ってしつ……。まあ、俺が組むならエースっぽいジャンク・ウォリアを活かす為にレベル2以下のモンスターを多めに入れるかな」
「ほうほう、他にはどうします」
「ジャンク・シンクロンと調律は確定枠で他にはドッペル・ウォリアやボルト・ヘッジホッグを使って展開しつつ、ソニック・ウォリアで火力を上げたり色々あるぞ」
「おお、なるほどです!」
説明口調になってしまったが俺はウィンとデッキの組み方を話していると、カボチャ頭と呼ばれた深緑色に黄色のメッシュが入った高校生くらいの少年がコチラをガンしなから声をかけてきた。
「あの、もしかしてオレのデッキが気になるのか?」
「ん? ああ、勝手に話のネタにしていたな」
「いや、そこは気にしてないんだが」
「では何か?」
「悪いがデッキを組むのを手伝ってくれないか?」
「「はい?」」
コチラが謝罪の言葉を口にしようとした時、カボチャ頭の少年は目力を強くしながら肩を掴んできた。
「えっと、ドユコトですか?」
「簡単に説明するとオレが通っている学園のテストに使うデッキを組むのに手伝って欲しいんだよ」
「おおう(汗)」
真剣な表情で頼み込んでくる少年の言葉を聞いて悩んでいると、ウィンが話を動かしてくれた。
「それでわたし達のアドバイスが欲しいのですね」
「ああ、それで時間大丈夫か?」
「うーん、ちょっと考える」
(てか学園でデュエルのテストがあるのか……)
アニメみたいな展開だなと思っていると、俺の肩を掴んでいた手を離したカボチャ頭の少年はコチラに向けて手を合わせてきた。
「そう言わずに頼む!」
「おお!? わ、わかった!」
「! サンキュー!」
「マスターいいのですか?」
「まあ、大丈夫だろ」
この時、俺は軽い気持ちでカボチャ頭の少年の頼みを引き受けたが彼の名前を聞いて俺は思わす固まった。
「はぁ……。あ、ちなみに名前ですがわたしはウィンでコッチは風宮宗也さんです」
「ウィンに宗也さんか。あ、オレの名前は遊先一夜だ!」
「ああ、よろ……ん? あのゆうさきのユウの字ってもしかして遊(あそぶ)のユウか?」
「そうだけど?」
「な、なるほど」
(おいおい!?)
ここでカボチャ頭の少年の名前に《遊》の字が入っているのが確定したので、俺はガクガク震えそうになりながら苦笑いを浮かべた。
「ま、まぁ、それよりも君のデッキコンセプトがよくわからないんだが?」
「そうか?」
「ああ、初見はジャンク・ウォリアを活かすデッキだと思ったけどローレベルが少ないんだよな」
「え?」
「あー、このデッキ内容だとジャンク・ウォリアの効果が活かしにくいですね」
「そうそう」
見た感じレベル3、4のモンスターが多めなのとキーとなるジャンク・シンクロンが1枚しか入ってない。
これだとジャンク・ウォリアの効果は活かしきれないので組み直さないといけなくなる。
(まあ、そこは本人次第だな)
ジャンク・ウォリアを活かすデッキに組み直すのかゼロから作り直すのかは本人次第。
俺はその2択で考えていると遊先は少し唸った後にジャンク・ウォリアのカードを手にした。
「宗也さん、オレはコイツを活かすデッキを作りたい」
「! そうか、なら組み直さないとな」
「はい!」
「あ、わたしも手伝います」
「おう、よろしく頼むぜ!」
ウィンも頷いてくれたので俺達は使えそうなカードを30円ストレージをメインに探し始めた。
「って、狙いのカードは何かありますか?」
「とりあえずジャンク・シンクロンや調律とかはシングル買いでストレージはレベル2以下で使えそうなモンスターを中心に集めていきたいな」
「了解です!」「わかった!」
(おっ、チューニングサポーターにワンショット・ブースターを発見)
まずはレベル1のモンスターが入っているストレージを漁ると使えそうなカードを発見したので机に置く。
「しっかしストレージのカードは軒並みステータスが低いな……」
「でも使えそうなカードは結構ありますよ」
「それって効果的にか?」
「ですです! てか遊先さんはステータスしか見てないですよね」
「まあな!」
遊先とウィンの相性は意外といいみたいで楽しそうに話しており、俺も混ざりたいと思っているとここでやばいカードを見つけた。
「! ノーマルのうららと増Gがストレージに入っているのかよ!?」
「ん? ああ、ソイツらはよく見かけるぜ」
「マジかよ!」
レア度がノーマルとはいえ灰流うららや増殖するGなどがストレージに入っていたので思わず3枚ずつ確保する。
(こりゃ天国だな)
手札誘発や低レベルでも使えそうなカードを発掘していると隣にいる2人は飽きてきたのかストレージエリアを離れて他のカードを買いに行き始めた。
「あ、熱中しすぎた」
ある程度欲しいカードが集まったので遊先とウィンを探していると2人はショーケースで必要なカードを選んでいた。
(必要なカードは買えたっぽいな)
俺達は互いに欲しいカードを購入して元の席に帰還。
そのまま遊先のデッキを組み替え1人回しをしてもらった結果、本人曰く前よりも動きがかなり良くなったとの事。
「めっちゃ周りが良くなったな」
「そりゃ前のデッキに比べるとそうだろうな……」
「ですね」
エクストラや一部のカードは足りてないがジャンクドッペル(通称ジャンド)っぽい物は完成。
なのでホッと一息ついていると遊先が完成したデッキをシャッフルしながら口を開いた。
「なあ、デュエルの相手をしてくれないか?」
「ん? ああ、別にいいけど」
「よっしゃ!」
「あ、でもデュエルコートは他の人が使っているみたいですよ」
「マジかよ! ったく、卓上でやるしかないか!」
「だな」
こうなる事を見越してウィンが屋上のデュエルコートが使えるか店員さんに確認してくれたみたいだ。
(意外と仕事が早いな)
俺はウィンに感謝の言葉を述べつつ、テーブルを挟んで遊先と向かい合った。
「とりあえずやるか!」
「ああ! よろしく頼むぜ!」
「2人とも頑張ってください!」
「「せーの、デュエル!!」」
風宮LP4000VS遊先LP4000
〈状況・形式、テーブル・スタンディングデュエル〉
遊先がスマホを取り出してライフカウンターを用意。
そしてコイントスの結果、先行を取れたので俺達は互いにデッキをシャッフルしてデュエルを始めた。
(さてと、いきますか)
今回は前世と同じくテーブルデュエルだが、コチラの方が安全なので俺は落ち着きながら展開を考えていった。
ーーー
〈登場キャラ〉
・名前、遊先一夜
・性別は男性、一人称はオレ
・年齢、16歳(高校1年生)
・見た目、カボチャっぽい深緑髪+黄色髪で小柄な少年。(見た目は遊戯王・アークファイブの榊遊矢に近い)
・性格は明るく振る舞っているが自信があまりなく内気気味な少年
・デュエルの腕、初心者に毛が生えたレベル(転移先のレベル水準なのでウィンよりも低い)