Q、遊戯王世界のテンプレ事件を解決するには?(連載版)   作:黒霧春也

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5話・風属性デッキVS簡易ジャンド

 流れるように始まったテーブルデュエル。

 先行は俺なので5枚ある手札を確認しながら展開していく。

 

「では俺のターン。まずはモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド!」

「見た感じは守りを固めましたね」

「そりゃそうだろ」

 

 前の世界みたいにソリティアをするデッキではないので序盤は守りを固めていく。

 

(金田さんの事を言えないな)

 

 俺は金田さんとのデュエルを思い出しながら反省していると、テンションを上げた遊先が勢いよくカードを引いた。

 

「オレのターン、ドロー! よし、手札からスピード・ウォリアーを召喚してそのまま攻撃!」

「裏守備モンスターは守備力900のシールド・ウィングだが自身の効果でこのバトルでは破壊されない!」

「おおっ!?」

 

 召喚されたスピード・ウォリアーが勢いをつけた回し蹴りをコチラに向かって放つが、俺の裏守備モンスターのシールド・ウィングが反転してその攻撃を受け止めた。

 

 シールド・ウィングDFF900

 スピード・ウォリアーATK900→1800(召喚時効果)

 

 スピード・ウォリアーは召喚に成功したターンの攻撃時、元々の攻撃力が倍になるのでシールド・ウィングの守備力900を上回った。

 でもシールド・ウィングは自身の効果で1ターンに2度まで戦闘では破壊されないので互いにモンスターが残る結果になった。

 

「さて、攻撃は防いだがどうする?」

「うーん、ここはカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

「最初の立ち回りは互いにまずまずですね」

「そうだな」

 

 特に大きな動きがなく慎重な立ち上がりになったのでそう見えるが、俺はデッキからカードを引いてギアを上げていく。

 

「ドロー! 俺は魔法カード・ナイトショットで相手の伏せカードを破壊する!」

「くず鉄のかかしが!」

「やっぱりマスターは堅実ですね」

「そらそうだろ」

(ギャンブルはあまり好きじゃないからな)

 

 今引いたナイトショットのおかげで相手の伏せカードを破壊できたが、召喚以外で展開するのは難しいので安定作をとっていく。

 

「だけどまだスピード・ウォリアーが残っているぞ」

「ああ、だからサファイアドラゴンを通常召喚する」

「こ、攻撃力1900……」

「マスターは大人気ないですね」

「それは言うな」

 

 藍色の皮膚を持つドラゴンことサファイアドラゴンを召喚したが、ウィンに大人気ないと言われて少し傷ついた。

 てかこれで大人気ないと言われるなら前の世界のデュエル内容を見たらぶっ倒れるぞ!?(八つ当たり)

 

「それで攻撃するのですか?」

「当たり前だろ! 俺はサファイアドラゴンでスピード・ウォリアーを攻撃」

「ちょっ!?」

 

 遊先LP4000→3000

 

 サファイアドラゴンの攻撃でスピード・ウォリアーを撃破。

 そのまま相手フィールドが空になったので俺は安心しながら手札のカードを場に伏せた。

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

(この状況で遊先はどう動くかな?)

 

 今のフィールド的には俺の方が有利だが、相手の手札は4枚あるので油断できない。

 そう思っていると遊先は目を笑顔を浮かべながらカードを引いた。

 

「いくぞ! オレのターン、ドロー!」

「ここで逆転出来るかですね」

「そうだな」

「逆転? その言葉は実行出来そうだぜ」

「「!!」」

 

 このタイミングでいいカードを引いたのかと驚いていると、向こうは笑顔のまま1枚のカードを発動した。

 

「速攻魔法・手札断殺を発動! コイツの効果でオレはボルト・ヘッジホッグとソニック・ウォリアーを捨てて2枚ドローする」

「ぐっ! 俺は三つ目のダイスとスキルサクセサーを捨てて2枚ドロー」

 

 ここで遊先は手札効果+墓地で効果を発動できるボルト・ヘッジホッグを捨てたのでおそらくあのカードが手札にあるのは予測できる。

 

「よし! さらに調律を発動してジャンク・シンクロンを手札に加えてそのまま召喚! そして効果で墓地のソニック・ウォリアーを蘇生させると同時に手札のドッペルウォリアは自身の効果で特殊召喚する!」

「これはすごい展開力ですね」

「いや、まだまだ展開できるぞ」

「え?」

 

 怒涛の連続召喚に調律の効果でデッキトップからシールド・ウォリアーが墓地に送られた。

 これは流石に愛されすぎだと恨み半分で羨ましがっていると。

 

「ついでに墓地存在するボルト・ヘッジホッグはフィールドにチューナーがいる場合、自身を特殊召喚できる!」

「え、あの、マスター?」

「先に言っとくが本家はもっとやばいぞ」

「嘘でしょ……」

 

・ジャンク・シンクロンATK1300

・ソニック・ウォリアーDFF0

・ドッペル・ウォリアーDFF800

・ボルト・ヘッジホッグDFF800

 

 ジャンク・シンクロンの効果も含めて遊先のフィールドにモンスターが4体揃った。

 というか、試し回しと簡単なアドバイスをしたとはいえさっき作ったデッキをここまで回せるのは才能がありすぎないか?

 

(これが主役の力か?)

 

 デュエルの展開的に珍しいのか周りの人達もちょくちょくコチラを見ており、各々の意見を口にしていた。

 

「アイツ、一気に4体のモンスターを揃えたぞ」

「でも、サファイアドラゴンの攻撃力よりも低いモンスターしかいないわよ」

「いや待て! ジャンク・シンクロンはチューナーだぞ」

「! おいおい!?」

 

 好き勝手言葉を口にする外野をよそに、遊先はフィールドゾーンに存在するモンスターを一瞥してニヤッと笑う。

 

「オレはレベル2のソニック・ウォリアーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング! シンクロ召喚レベル5、ジャンク・ウォリアー!!」

「ゆ、遊先さんのエースモンスター!」

「そうだ! そしてまずはソニック・ウォリアーの効果でオレのレベル2以下のモンスターの攻撃力を500ポイントずつアップさせるぜ!」

「うん? 守備表示のモンスターの攻撃力をあげて何になるんだ?」

「お前、ジャンクウォリアーの効果を知らないのか……」

「はい?」

 

・ジャンク・ウォリアーATK2300

・ドッペル・ウォリアーATK800→1300

・ボルト・ヘッジホッグATK800→1300

 

 コチラのデュエルを見ていた一部の人達が墓地に送られたソニック・ウォリアーの効果を聞いて頭を傾げていた。

 だが遊先が次に発動したジャンク・ウォリアの効果を聞いて彼らは固まり始める。

 

「さらにシンクロ召喚に成功したジャンク・ウォリアーの効果を発動! コイツはオレのフィールドに存在するレベル2以下のモンスターの攻撃力を自身に加える事ができる!」

「は? え、それじゃあ……」

「ドッペル・ウォリアーとボルト・ヘッジホッグのレベルは両方2だからコイツらの攻撃力をジャンク・ウォリアーに加算するぜ!」

「はあぁ!? そうなると攻撃力の合計は」

 

 アタフタとする外野をよそに俺は計算した答えを口にする。

 

「攻撃力4900……」

「あの、めっちゃ攻撃力が上がってませんか!?」

「そうだし、ぶっちゃけやばい」

 

 ジャンク・ウォリアーの効果は永続なので対処しない限り攻撃力4900のモンスターが永久的に残る事になる。

 

(マジでどうしよう)

 

 ぶっちゃけ対抗手段があまり思いつかないので冷や汗を流していると、向こうは自信満々にいい笑顔を浮かべていた。

 

「ローレベルのモンスターにも使い道があるとは」

「まあ、カードは使い方次第で化けたりするのはあるからな」

「だな! ってデュエルに戻って、ジャンク・ウォリアーでサファイアドラゴンを攻撃!」

「この瞬間リバースカードオープン、ダメージダイエット!」

「おお! これでマスターが受けるダメージは半減しますね!」

「でも大ダメージには変わりないぜ」

 

 ジャンク・ウォリアーの一撃を受けたサファイアドラゴンは破壊され、俺は遊先と言う通り大ダメージを受けた。

 

 風宮LP4000→2500

〈実際は3000ポイントのダメージだが罠効果で半減〉

 

 手札断殺を含めて3枚の展開でここまでされるとは……。

 

「さらにオレはカードを2枚伏せてターンエンド!」

「! おいおい……」

「あのマスター、この状況って押されてないですか?」

「それは言わないでくれ」

 

 俺だって思っていることなのにウィンに言われてさらに落ち込むが、今は気持ちを切り替えてデッキからカードを引いた。

 

「よし! 手札から風霊使いウィンを召喚して効果発動。自身とフィールドのシールド・ウィングを墓地に送りデッキから憑依装着・ウィンを特殊召喚する!」

「おお、わたしだ」

「え? ああ、コスプレ的にか」

「そ、そうそう」

(覚えてろよウィン)

 

 ウィンの正体が精霊なのはバレてないみたいでホッとしつつ、俺はさらに展開していく。

 

「まあ、話を戻してリバースカードオープン! リビングデットの呼び声で墓地のサファイアドラゴンを特殊召喚!」

 

・憑依装着・ウィンATK1850

・サファイアドラゴンATK1900

 

 コチラが特殊召喚したのは風霊使いウィンよりも少し成長(?)した姿の憑依装着・ウィンとさっき破壊されたサファイアドラゴン。

 この2体復活させたがまだまだ手が足りないので手札のカードを使い進めていく。

 

「そして手札のSRタケトンボーグは自身の効果で特殊召喚して効果発動! コイツをリリースしてデッキからチューナーモンスターのSR三つ目のダイスを特殊召喚する!」

「おお! 宗也さんもシンクロ召喚するのか!」

「まあな」

 

・SRタケトンボーグDFF1200

・SR三つ目のダイスDFF1500

 

 コチラも必要なモンスターが揃ってきたので一気に展開していく。

 

「俺はレベル4のサファイアドラゴンにレベル3の三つ目のダイスをチューニング! 天空の風を纏いし飛竜よ、その力を具現化させ我が元に集え! シンクロ召喚レベル7! 風天竜・ウィンドテンペスト!!」

「罠発動、神の宣告!」

「え?」

「コイツの効果でコストを払い風天竜・ウィンドテンペストの特殊召喚を無効にして破壊させてもらうぜ!」

「あ、はい……」

「えええ!? マスターのエースモンスターが!」

 

 遊先LP3000→1500

 

 ライフが半減する神の宣告を使われた結果、俺のエースモンスターである風天竜・ウィンドテンペストは効果を発動できず破壊された。

 てかこのタイミングで神の宣告が来るとは思わずに固まってしまったが、深呼吸をしてなんとか気持ちを落ち着かせる。

 

「ふう、よし! バトルに入って憑依装着ウィンでドッペル・ウォリアーを攻撃!」

「悪いがドッペル・ウォリアーは守備表示だからダメージはないぜ!」

「あ、コイツは守備貫通持ちなのでダメージが入るのと墓地のスキル・サクセサーで攻撃力を800ポイントアップさせる!」

「ん? ってことは」

「わたし〈憑依装着ウィン〉の攻撃力はスキルサクセサーの効果で2650になるから……」

「守備力800のドッペル・ウォリアーを攻撃すると1650のダメージだな」

「お、オレの負けか」

  

 最後のフィニッシュがなんとも言えないが決着はついたので互いに深く息を吐いて顔を見合わせた。

 

 遊先LP1500→0

 勝者、風宮

 

 最後はアッサリデュエルが決まったのでお通夜ムードが流れたが、周りにいた人達が互いに顔を合わせた後。

 

「2人ともいいデュエルだったぞ!」

「最後はともかく面白かったわ!」

「次はぼくの相手をしてくれよ!」

 

 拍手と共に対戦希望者が現れたので俺達3人は少し困惑するが、彼らを放置するわけにはいかないので一言。

 

「ではよろしくお願いします!」

「「「コチラこそよろしく!」」」

(このままだと終わりそうにないな)

 

 今日は休日なので大勢の人が集まっており、俺達は満足するまでデュエルをやり続けることになりクタクタになるのは別お話し。

 

 

 

 

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