Q、遊戯王世界のテンプレ事件を解決するには?(連載版)   作:黒霧春也

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6話・炎のデュエリスト(別視点)

 風宮宗也とウィンが大都市・ムーンレイシティに転移した日の深夜。明かりが消えたビル群の中を入る黒いローブを着た不審者とそれを追いかける2人の女性がいた。

 

「可憐、このままだと追いつけないわよ!」

「そんなのわかっているわよヒータ!」

 

 不審者を追いかけているのは可憐と呼ばれた20歳くらいの呼ばれた赤髪ポニーテールの女性と火霊使いヒータみたいな見た目をした少女。

 2人は不審者を追い込むために走っているが、相手もなかなかにやり手なのか追いつかてない。

 

「クソっ! なんなんだよアイツらは!」

 

 不審者はイラつきながら近くの公園に入って逃げ回るが、たまたま足元に転がっていた空き缶を踏みつけて地面を転がる。

 

「チャンス! ヒータ、目標を捕まえるわ!」

「ええ、任せなさい!」

「! しまった!」

 

 なんとか立ち上がる不審者だったがヒータが飛ばした手錠型の拘束具ことデュエルアンカーが相手を拘束して逃げられないようにした。

 

「チイィ! お前らは何者なんだ!」

「アタシ達が何者かはデュエルで確認する事ね!」

「はっ! そうかよ」

 

 右足を拘束されている不審者はイラつくようにデュエルディスクを展開。そのまま相手の女性を睨み唾を地面に吐き捨てた。

 

「こんな奴らなんて叩き潰してやる」

「その言葉アンタにそっくり返すわ」

「はっ! いくぞ!」

「「デュエル!!」」

 

 不審者LP4000VS赤髪の女性(可憐)LP4000

 

 不審者VS赤髪の女性のデュエルが開始したと同時に公園の敷地内が黒い煙に覆われた。

 

「ハハッ、これで気兼ねなくお前を倒せる!」

「それはどうかしら?」

「チッ、調子に乗りやがって!」

「まあ、貴方が可憐に勝てる可能性なんてゼロに近いけどね」

「なんだと!?」

 

 ヒータの煽りにムカついたのか不審者は地面を何回も蹴り付けるが、それを無視して赤髪の女性がターンを奪い取った。

 

「騒いでいるところ悪いけど先行はもらうわ!」

「あ、おい!?」

「アタシはアチャチャアーチャーを召喚して効果発動! 相手に500ポイントのダメージを与えるわ!」

「なっ!? アツッ!」

 

 アチャチャアーチャーATK1200

 不審者LP4000→3500

 

 フィールドに現れた独特な服装の狩人が放った火矢は不審者の腕に軽い火傷をおわせた。

 

「だから言ったのに……悪い事は言わないから邪鬼のカードを差し出してサレンダーしなさい」

「ハッ、お前は黙ってろ!」

「あらら、せっかくの忠告なのに無視するのね」

 

 ヤレヤレと首を振っているヒータを尻目に赤髪の女性はカードを1枚伏せてターンを終了。

 そのまま不審者のターンになったがここで赤髪の女性が煽るような言葉を口にする。

 

「さてと貴方のターンだけど大丈夫かしら?」

「テメェ! オレのターン、ドロー!」

「なるほど、勢いだけはありそうね」

 

 かなりイラついているのか不審者は勢いよくカードを引いたがお目当てのカードじゃないのか舌打ちをした。

 

「いちいち煽りやがって! オレはゴブリンエリート部隊を召喚して攻撃するぜ!」

「ぐっ!?」

 

 ゴブリンエリート部隊ATK2200

 赤髪の女性LP4000→3000

(ダメージ、2200−1200=1000)

 

 先程の仕返しなのか白銀の鎧を着たゴブリンの騎士達が狩人を囲むように剣で串刺しにして破壊。 

 その余波を受けた赤髪の女性は軽く吹き飛び、そのまま頬が破片で切れたのか血を流す。

 

「ザマァみやがれ! オレはカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 攻撃を終えたゴブリンエリート部隊は自身の効果で守備表示になり、不審者はライフが逆転した事で調子に乗り始めた。

 だが頬の血を手でぬぐい舐めた赤髪の女性は笑顔を浮かべながらカードを引いた。

 

「アタシのターン、ドロー! 魔法カード・予想GUYを発動してデッキからグレート・アンガスを特殊召喚するわ!」

「ぐっ、このタイミングで攻撃力1800のモンスターか!」

 

 グレート・アンガスATK1800

 

 予想GUYの効果でデッキから現れたのは赤い皮膚を持つ鬼みたいなモンスター。

 コイツの攻撃力がゴブリンエリート部隊の守備力1500を越えているため不審者は焦っているが、赤髪の女性は笑顔まま展開を進めた。

 

「さらにレッド・リゾネーターを召喚して効果で手札の火霊使いヒータを特殊召喚するわ!」

「チューナーを含めてモンスターが3体も揃っただと!?」

 

 レッド・リゾネーターATK600

 火霊使いヒータATK500

 

 堂々とフィールドに現れたのは音楽の授業で使いそうなトライアングルっぽい楽器を持った小型の悪魔と赤髪の少女っぽいモンスター。

 この2体を含めた3体のモンスターが不審者を威嚇するように睨んでいた。

 

「だ、だか! コイツらじゃオレを倒し切れないぞ!」

「ええ、だからこうするのよ!」

「は?」

「やっちゃえ可憐!」

 

 デュエルアンカーの鎖を持っているヒータは次の展開がわかるのか盛り上げ係になり、赤髪の女性は獰猛な笑みを浮かべたまま空を見上げる。

 

「レベル4のグレート・アンガスにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング! シンクロ召喚レベル6! 現れてレッド・ワイバーン!!」

「なっ!? ここでシンクロ召喚だと!」

 

 レッド・ワイバーンATK2400

 

 空に飛び上がったグレート・アンガスが星に変わり、緑色のリンクを作り出したレッド・リゾネーターと共に光の柱に変化。

 そのまま光の柱から現れたのは濃い赤色の皮膚を持つ翼竜ことレッド・ワイバーンが地面に降りだった。

 

「可憐もギアが入ってきたみたいね」

「まあでもトップギアではないわよ」

「ですよねー」

「コイツら! シンクロモンスターを呼んだからって調子に乗るな!」

 

 シンクロモンスターを呼び出された事で不審者は焦り始めたが、彼の災難はここから始まった。

 

「あ、このタイミングで手札のインフェルノの効果発動! 墓地の炎属性モンスターのアチャチャアーチャーを除外して自身を特殊召喚するわ!」

「だ、だがこれでお前の手札はゼロだぞ!」

「それで? アタシはフィールドの火霊使いヒータとインフェルノを墓地に送りデッキから憑依装着ーヒータを特殊召喚!」

「またデッキから特殊召喚かよ!」

 

 不審者はこのタイミングでニビルが欲しいと思ったが激レアカードなのでもちろん持ってない。

 なので歯がゆい気持ちになっているとやっとのこさメインフェイズが終了してバトルが開始された。

 

「バトル! アタシは憑依装着・ヒーターでゴブリンエリート部隊を攻撃!」

「ゴブリンエリート部隊は守備表示だからオレはダメージを喰らわない!」

「それはどうかしら?」

「なに!」

「ヒーターは自身の効果で特殊召喚された場合に貫通効果を持つわ!」

「つ、つまり……」

「ウチ(憑依装着ーヒータ)の攻撃でアンタにダメージが入るって事よ!」

「なんだと!? ぐあぁ!」

 

 不審者LP3500→3150

(ダメージ、1850−1500=350)

 

 憑依装着ーヒータが放った炎の渦は防御状態だったゴブリンエリート部隊を貫き爆発。

 その余波で不審者にダメージが入り相手は軽く後退した。

 

「続いてレッド・ワイバーンでダイレクトアタックよ!」

「!? うあぁ!」

 

 不審者LP3150→750

 

 レッド・ワイバーンが口から放った炎のブレスが不審者に直撃し、本人は勢いよく地面を転がっていく。

 

「なっ、ぐっ……」

「さてそろそろ終わりかしら?」

「ま、まだだ!」

 

 赤髪の女性は決着がついたと思ったが不審者はボロボロになりながら立ち上がり彼女を並んだ。

 その目は弱々しいが闘志がハッキリ残っており、デュエルはまだ終わりを告げそうになかった。

 

 

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