コーラルの井戸の底で   作:WhatSoon

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#8 壁越え

私はヴェスパー部隊用のブリーフィングルームで、端末を開く。

静脈認証すれば『V.IV ラスティ』と表示されて、画面が開く。

そのまま私は、特務資料を表示させた。

 

 

企業達が『壁越え』と呼んでいる作戦。

それは『ルビコン解放戦線』が武装化した要衝……通称『壁』と呼ばれる要塞の攻略である。

 

山々を塞ぐ壁状の要塞であり、企業の物資運搬などを阻害している。

多数の固定砲台、MT部隊……そして、壁上には重装機動砲台『ジャガーノート』が控えている。

 

地上での突破も、上空からの突破も困難な難所……それが『壁』だ。

 

これには『アーキバス』も、敵対企業である『ベイラム』も煮湯を飲まされている。

どちらが『壁越え』を先に果たすか……と、競い合っているのが現状だ。

 

『壁』を再利用できれば、コーラル争奪戦で有利に進められる。

企業達は我先にと侵攻準備をしていた。

 

そして、昨日……『ベイラム』が飼っているAC部隊『レッドガン』とMT部隊による『壁越え』が行われた。

 

結果は惨敗。

参加した『レッドガン』のメンバーが1名死亡し、MT部隊も壊滅している。

 

それだけ、あの防壁は強固だという事だろう。

しかし、『ベイラム』の失態は『アーキバス』に取って好機でもある。

 

彼等の侵攻は失敗したが、『ルビコン解放戦線』も無傷とはいかない。

……事実、『ルビコン解放戦線』のNo.2……帥叔ミドル・フラットウェルから伝達があった。

 

アーキバスからの侵攻に合わせて、最悪の場合は『壁』を放棄する、と。

ここで徹底抗戦した所で、恐らくは……悪戯に被害を増やすだけだ。

 

そして、アーキバスから情報が流れている事を悟られないよう……既に、主要部隊は様々な理由をつけて離脱したらしい。

『ルビコン解放戦線』が所持している、数少ないAC乗りも防衛には参戦させないそうだ。

 

つまり、現在『壁』に残っているのは……捨て駒という事だ。

 

非情な決断だ。

だが、力無きルビコニアンには必要な決断だ。

何かを捨てられない者には、何かを得る事は出来ない。

 

我々はまだ、ルビコンを解放させるには力が足りない。

今はまだ、力を蓄える時だ。

 

 

そうだ。

我々には、御旗が必要なのだ。

 

ルビコンを解放するには、現在のトップである帥父サム・ドルマヤンでは駄目だ。

彼には決断力が足りていない。

 

純粋な力……そして、どこまでも飛べるような翼……この、ルビコンの灼けた空の向こうまで飛び立てる存在が必要だ。

 

私では足りない。

帥叔ミドル・フラットウェルでも足りない。

 

もう一手、必要だ。

 

そこをセラに期待していた。

実力はある、将来性も。

 

だが、彼女は……穏やか過ぎる。

争い事に向いていない。

 

……このヴェスパー部隊に居る事ですら、相応しくないと思っている。

争い事など知らない場所で、生きていて欲しいと願う程に。

 

……いや、私が彼女に争って欲しくないだけか。

 

 

私はタブレットの電源を落とし、席を立った。

 

 

今回の『壁越え』には、私が参加する。

セラは別稼働として、増援部隊を叩く。

 

直接的に『壁越え』を果たすのは私だ。

……いや、それともう一人。

 

セラと戦い、同等以上の力量を見せた独立傭兵……『レイヴン』。

彼も私と共に『壁越え』を行う。

 

……しかし、『レイヴン』か。

その名は知っている。

彼がセラと戦う前からだ。

 

この惑星、ルビコンの外にコーラルの情報を持ち出した主犯の名前だ。

 

だが、死んだ筈だ。

……ならば何故、生きている?

 

亡霊ではないだろう。

……死人を騙る傭兵に違いない。

 

そして、代理人はあの『ハンドラー・ウォルター』だ。

只の騙りではあるまい。

 

……だが、まぁ良い。

 

重要なのは名前ではなく、その背景だ。

一体何を背負って、何故戦うのか。

 

私はそれが知りたい。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

『街区防衛部隊に報告!裏手にもACが──

 

 

AC、スティールヘイズの右腕装備……バーストハンドガンで四脚の重装甲MTを撃墜する。

 

 

『クソッ、何が起きて──

 

『何を考えているんだ!俺は帥叔のファイルを見──

 

 

戸惑う同胞達を、撃つ。

 

 

『コーラルよ!ルビコンと共にあれ!』

 

 

ルビコン解放戦線の兵士が、警句を唱えながら吶喊してくる。

すれ違いざまにレーザースライサーで引き裂き、離脱する。

機体が爆散し、中に居た兵士は即死だろう。

 

 

「……灰に塗れた警句をいくら唱えたところで、そこにはルビコンを変える力などない」

 

 

帥父サム・ドルマヤンの警句を口にしても、言葉は言葉でしかない。

力無きルビコニアンを奮い立たせても、無力には変わりない。

 

彼等は、このルビコンを解放したいと願う同胞ではある。

だが、今はまだヴェスパー部隊の第4隊長という立場が必要なのだ。

 

……謝罪はしない。

彼等の望みを背負い、それを叶える事。

 

それだけが贖罪となる。

 

 

「……この場は片付いたようだな」

 

 

焼け焦げたジャンクと化したMT達を見渡し、手元を確認する。

味方である独立傭兵『レイヴン』の位置情報を確認すれば……成程、既に壁の内部へと侵入しているらしい。

 

……期待通り。

いや、期待以上……と言った所か。

 

通信回線を開き、『レイヴン』へと飛ばす。

 

 

「聞こえるか。こちらV.IV ラスティ」

 

『…………』

 

 

相手からは返答はない。

しかし、何かが動く音が聞こえる。

 

……セラの言っていた通りだな。

この『レイヴン』、言葉を交わすつもりがないのか……それとも、言葉を交わせないのか。

 

気にせず、言葉を紡ぐ。

 

 

「どうやら、話に聞くより出来るらしい。こちらもスピードを上げていく」

 

『…………』

 

 

そのまま通信回線が遮断された。

……世辞を言ったつもりではなかったが、相手が好意的になっているのか、不機嫌なのかも分からないのは……少し、やり辛いな。

 

まぁ、いい。

 

 

「彼だけに『壁越え』はさせない。悪いが急がせてもらう」

 

 

私は、壁に搭載された砲台へ目を向けた。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

「……ラスティ」

 

 

破壊された大型の輸送ヘリを踏み、私は遠く離れた『壁』へ目を向けた。

 

足元にあるのはアーキバスの壁越えを妨害しようと、増援に向かおうとしていた『ルビコン解放戦線』だ。

 

数は多いが、質は悪い。

 

しかし……あの『壁』。

上部に待機している重装機動砲台『ジャガーノート』は厄介な兵器だ。

前面の装甲は攻撃を通さない程に硬く、分厚い。

その分、背後からの攻撃には弱いだろうが……重装機動砲台の名は伊達ではなく、背後を取らせないように立ち回るだろう。

 

単機での攻略は困難……だが、ラスティはV.IVだ。

敗北はないだろう。

 

だが……独立傭兵『レイヴン』。

彼はどうだ?

彼も『ジャガーノート』に遅れを取るとは思わない。

 

私が懸念しているのは別だ。

あの得体の知れない傭兵が、ラスティに牙を剥けば……。

 

アーキバスに雇われている以上、あり得ない話だが、絶対にないとは言い切れない。

そう考えれば、少し不安になってしまう。

 

 

……いや、心配するよりも報告が先だ。

息を深く吐き、通信回線を開く。

 

 

「こちらV.IX セラ。増援部隊の殲滅が完了しました」

 

『……確認しました。こちらV.II スネイル。その場で待機を──

 

 

スネイルが言葉を詰まらせた。

思わず、訝しむ。

 

 

「どうかしましたか?」

 

『いえ、そうですね……V.IX、貴方も『壁越え』の手伝いをしなさい。独立傭兵とV.IVは既に内部まで進行しています』

 

「……了解しました。V.IX セラ、作戦を続行します」

 

 

通信回線を切る。

 

……何故、今更『壁越え』の手伝いを?

スネイルは何か企んでいるのか?

 

……いや、それでもラスティの手助けが出来るのであれば、悩んでいる暇はないだろう。

 

私はAC『トゥームストーン』のブースターを最大稼働し、スクラップの山から飛び出した。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

重装機動砲台『ジャガーノート』。

複数の車輪の上に強固な装甲と、大口径の砲台を取り付けた戦車だ。

 

ミドル・フラットウェルから聞いてはいたが、随分と頑丈そうな作りだ。

旧時代的な兵器だが、侮る事は出来ない。

 

そんな兵器の前に、ACが一機立っていた。

私はそのACの側に『スティールヘイズ』を着地させた。

 

 

「君がレイヴンか。V.IX……セラが世話になったと聞いている」

 

『…………』

 

 

やはり会話は出来ない。

 

だが……彼は旧世代の強化人間か?

不思議と、その感情が読み取れる。

 

コーラル神秘主義者ではないつもりだが……何か、彼の感情が目で見える気がした。

 

 

「……君は、あのハンドラー・ウォルターの子飼いらしいな」

 

 

目の前の傭兵の飼い主は『ハンドラー・ウォルター』だ。

複数の強化人間……通称『猟犬(ハウンズ)』を従えている。

彼はその内の一人、という事だろう。

 

 

「これも巡り合わせだ。共に、壁越えといこうじゃないか」

 

『…………』

 

 

レイヴンからは、同意するような意思が感じられた。

少なくとも、私を味方だと認識してくれたようだ。

 

『ジャガーノート』が、こちらに迫ってくる。

 

 

「来るぞ……轢かれるなよ」

 

 

左右に散開し、私とレイヴンは『ジャガーノート』への攻撃を始めた。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

『壁』の頂上で、二機のACが『ジャガーノート』の相手をしている。

ラスティとレイヴン、その二人のACだ。

 

ブースターを停止させ、気付かれないよう離れた位置に着地する。

 

隠れて、二人の戦いを見学する。

彼等はジャガーノートを挟み込むように旋回し、走行の薄い背部への攻撃を蓄積させている。

機動力の高いAC、スティールヘイズに乗っているラスティが囮となる事で、レイヴンは攻撃に集中できているのだろう。

 

ラスティはレイヴンを庇うように立ち回っている。

レイヴンはジャガーノートの意識が向き過ぎないように、攻撃頻度を調整している。

 

上手い。

一目でそう思った。

 

だが何故か、少し苛立つ。

……危うげもなく敵を倒せるのに、何を苛立つ必要があるのだろうか。

自分でも分からな──

 

いや……これは、そうか。

『嫉妬』という奴か。

 

ヴェスパー部隊の複数投入という大型の任務は稀にしか発生しない。

私も、ラスティと肩を並べて戦った事はない。

 

 

それなのに──

 

 

しかも、あのレイヴンと──

 

 

不快だ。

 

 

……息を深く吐き、目を閉じる。

 

 

「……いけないですね。冷静さを失っては」

 

 

苛立ちを振り払い、ACトゥームストーン背部のレーザーキャノンを起動する。

ジェネレーターと連結し、エネルギーを充填する。

 

瞬間、隠れていた場所から飛び出し、ジャガーノートの背部にレーザーキャノンを発射した。

レイヴンは私に気付いていたようで、既に距離を取っていた。

 

光がジャガーノートに直撃した。

 

……どうやら、あの装甲は銃弾や爆発には強いようだが、エネルギー兵装には弱いようだ。

明らかにジャガーノートの動きが鈍った。

 

通信回線が開く。

 

 

『セラ!?何故ここに──

 

「V.II スネイルからの指示です」

 

『スネイルからの……?』

 

 

ジャガーノートがロケットランチャーを周りに発射した。

直撃は狙わず爆風による仕切り直しを狙っているのだろう。

 

 

『くっ、まぁ良い。それなら君も──

 

 

ラスティが駆るスティールヘイズがブーストを吐き、ジャガーノートから離れた。

 

 

『なっ……スネイル!?……っ、了解した』

 

 

何やら、誰か……恐らくスネイルと通信していたらしい。

青い機体の頭部が、私へ向いた。

 

 

『セラ、司令部のスネイルから伝達があった。壁内部の残党がこちらに迫ってきているらしい』

 

「それは……そうなのですか?」

 

 

壁の内部に、残党?

私は増援部隊を排除している。

完全に元から、壁内部に隠れていたのだろうか?

もしそうならば、何故、最初から攻撃しなかった?

 

私の疑念に、ラスティも気付いているらしい。

少し声のトーンを落とした。

 

 

『……『そう』らしい。悪いが君達にここを任せる』

 

「……了解しました、ラスティ。ご武運を」

 

『それは私の台詞だ……死ぬなよ』

 

 

通信が切断され、ラスティが離脱した。

壁内部に戻り、その残党を落としに行くらしい。

 

私は空中で素早く旋回し、レイヴンの隣に着地した。

 

 

「二度目の協力になりますが……貴方に協調性は求めません。個人の技能で、あの兵器に方を付けましょう」

 

『…………』

 

 

レイヴンは言葉を返さなかった。

だが、彼の同意が『目で』『聞こえた』。

旧型の強化人間はコーラルを体に内包している。

 

私のようにコーラルを視認できる存在ならば、感情を読むことも出来る。

 

 

彼のAC『ローダー4』の隣に、私のAC『トゥームストーン』を並べる。

 

以前見た武装とは異なっている。

右肩に装備していたミサイルは左肩に、空いた右肩には……二連装のグレネードランチャーを装備していた。

 

スラスターの炎の色も変わっている。

ジェネレーターの燃焼効率が上がった……という事か。

 

どうやら、以前よりは装備もマシになっているようだ。

 

 

重装機動砲台、ジャガーノートがこちらに向けて走り出した。

機関砲を乱射し、ロケットランチャーが放たれる。

 

私とレイヴンは示し合わせた訳でもなく、互いに反対方向に避けた。

 

ジャガーノートは……私を追うつもりか。

 

 

「……舐められたものですね」

 

 

機関砲をパルスバックラーで防ぎつつ、回避行動を取る。

ミサイルとロケットランチャーの直撃は避けなければならない。

爆発によってパルスバックラーを貫通し機体にダメージが入ってしまうだろう。

 

絶え間ない機関砲の掃射に気を取られつつも、ロケットランチャーを回避する。

高誘導のミサイルは機体に引き寄せて、ギリギリで回避する必要がある。

 

気を抜けない。

 

 

「……流石はラスティ、ですね」

 

 

彼のACにはパルスバックラーが装備されていない。

機関砲すら回避し続ける必要があっただろう。

 

だが、私が見た限り彼のAC、スティールヘイズは無傷だった。

それは卓越した技量と、高速戦闘に追従する思考速度が為せる技だろう。

V.IVに相応しい技量だ。

 

勝手に少し、誇らしく感じてしまう。

 

私は機体を上昇させ、レーザーキャノンを構える。

エネルギー供給は控えさせ……出力は絞る。

 

正面からでは、ジャガーノートへの有効打にはならない。

だから狙いは攻撃ではなく、目眩しだ。

 

質より、量を優先する。

 

右手のレーザーハンドガンと共に、出力を絞ったレーザーキャノンを連射する。

ジャガーノートは壁のような形状をした戦車だが、必ずどこかに外部を確認するためのカメラがある。

 

それを光で撹乱する。

 

結果、宙を舞う私に向けて攻撃を乱射しているが……あらぬ方向へと弾を飛ばしている。

これならば回避も容易くなる。

 

そい考えた瞬間、ジャガーノートの背後へ、レイヴンがパルスブレードを叩きつけた。

だが、前面より装甲が薄いとはいえ、重装機動砲台の名前は伊達ではない。

 

致命傷にはなり得ない。

しかし、それもレイヴンには想定済みだったのだろう。

 

アサルトライフルを構え、密着した状態でジャガーノートに発射した。

何度も、何度も炸裂音が聞こえる。

 

やがて、ジャガーノートに衝撃が蓄積されていたのか、脚部のキャタピラが悲鳴を上げた。

 

姿勢を崩した。

間違いなく、今は動けない。

 

レイヴンはジャガーノートの背部を蹴り、反動で距離を取った。

そして、右肩に装備されている二連装のグレネードランチャーを構えた。

 

瞬間、私は巻き込まれないようにジャガーノートから離れた。

 

直後……グレネードランチャーが二発、ジャガーノートに向けて発射され──

 

 

炸裂した。

 

 

流石に装甲が分厚くとも、あの威力は受け止められない。

ジャガーノートの装甲は破れ、機体内部の弾薬に引火していく。

 

小さな爆発が、ジャガーノートに内部から連続で発生している。

 

 

『コ──ル──共に──あ──

 

『誰か──あぁ──

 

 

耳に、彼らの断末魔の叫びが……彼等が口にしていたコーラルを通して、聞こえてくる。

 

 

「…………」

 

 

……嫌な気分だ。

自分がどれだけ身勝手な事をしているのか、理解してしまうからだ。

 

直後、ジャガーノートは破片を撒き散らし、爆散した。

中に居たパイロットの声も、もう聞こえない。

爆炎に呑み込まれ、焼け死んだのだろう。

 

粉々になり原型を留めていないジャガーノートを、私は見下ろした。

 

……目を閉じて、機体の中で……私は黙祷した。

彼等は立場が違っただけで、私と同じルビコンで生まれた……ルビコニアンだからだ。

人とコーラル……異なる生物だが、それでも私達はルビコンで生まれた隣人だ。

 

それを殺したのだから……頭を下げるぐらい、したくもなる。

 

そして、黙祷後……独立傭兵『レイヴン』へと顔を向けた。

 

 

「貴方には言いたい事がありました、が……まぁ、良いです。今は無事に生き残れた事を喜びましょう」

 

 

色々と口にしたい事があったが、今は……壁の頂上から見えるルビコンの空を見ていたい。

この空の美しさに、言葉は無粋だ。

 

どこまでも、コーラルに灼けた空が……地平の果てまで続いていた。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

『新着メッセージ、1件』

 

『やぁ、レイヴン。こちらV.IVラスティだ』

 

『まずは『壁越え』について、君の協力に感謝しよう。噂に勝る腕前だった』

 

『……それと、共に戦った縁だ。ひとつ伝えておこう』

 

『『壁越え』でアーキバスは……君と、V.IXを捨て駒にするつもりだった』

 

『まず、君についてだが……『壁越え』の立役者になるであろう君が死ねば、功績を『アーキバス』が独占できると考えたからだ』

 

『そして、V.IX。セラについてだが……彼女は、上の連中……いや、その一部から危険視されている。君は知らないだろうが……彼女は少し、特殊な立ち位置でね』

 

『……すまない、話が逸れたな』

 

『兎に角、君と彼女は生き残った。上の連中は君達を過小評価していた訳だ』

 

『だが『壁』は落ちた。上の連中も君の名を覚える気になるだろう。この私や、彼女と同じようにね』

 

『ではまた、会おう。次に相対する時も、敵ではない事を願わせて貰おうか……『戦友』』

 

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