向日葵畑と早咲きの桜の前で 作:卵スープの中のワカメ
「それじゃあ行ってくるから。いい子で待ってるんだぞ」
「うん、いってらっしゃい」
父と母は現代日本には似つかわしくない職業…殺し屋だった。
母方の祖父母も父方の祖父母もそのずっとずっと前の先祖も代々殺し屋稼業を営んでいた。
八歳になる直前に両親は死んだ。なんでも、両親に恨みを持った連中が両親の仕事中に殺し屋を仕向けたらしい。
不思議とそこまで悲しくはなかった。「次の瞬間には死んでいるかもしれない。そんな世界で生きている」と何度も聞かされてきたから。両親のいなくなった俺は田舎で隠居していた父方の祖父母が健在だったため、その人達に引き取られた。
それからはとにかく訓練の日々。祖父母から様々なことを学びつつ、空いた時間に母方の家の指南書を読んで四苦八苦しながら実践していく。
学習
実践
また学習
ただひたすらにその繰り返し。
そんなことを続けていくうちに今度は祖母が倒れた。元々高齢だったこともあったから仕方なかったと言えば仕方なかったと思う。そのおよそひと月後、後を追うように祖父も倒れた。
幸いと言っていいのかは分からないが、俺には父と母の家に伝わってきた技術に関することだけは才能があった。祖父母から学んだことは応用まで含めて簡単に修得したし、母方の家の技術も指南書と実践だけで本番でも使える領域まで仕上げられた。
当時は年齢的にも身体的にも問題しか無かったため仲介人の所に行っても門前払いをくらいかけたが、父と母、それから祖父母の名を出せばすぐに依頼を持ってきてくれた。
最初の依頼は12歳になったばかりの春、反社勢力の幹部の暗殺だった。随分と呆気なく終わったのを今でも覚えている。
次の依頼はその勢力の若頭。
その後も仲介人から依頼を受けては…
斬って
突いて
薙いで
折って
時々、撃って
また斬って
場所を変えて、武器を変えて、両手では数え切れないほどの命を奪った。
そんなこんなで自分の食い扶持を稼ぎつつ、時々祖父母と暮らしていた家に戻っては掃除をする。そんな暮らしを始めてから約2年が経った14歳の夏、とある出来事があった。その時のことは今でも覚えている。
頭上から蝉時雨が降り注ぐ。ジージージージー、ミーンミンミン…多種多様で聞き分けのしづらい鳴き声。聞き慣れているものとはいえ、聞いているだけで体感温度が上がっていく気がする。
頭の上には風鈴があるものの、今朝から一度も風鈴の音は聞いていない。風がないからここまで暑いのも当然だろう。
風鈴と屋根から少しだけ横に視線をずらせば、目に染みるほど鮮やかな青い空と山の向こうにあるそれはそれは大きな入道雲。それこそインターネットで『夏』と検索すれば出てきそうな景色が広がっている。
周りを見渡せば山、畑、田んぼ
民家は数えられる程しかなく、少し歩けば森と小さな川
最寄りのコンビニは往復5キロ
最寄りのスーパーは車で往復1時間
最寄り駅は夜になれば電灯に虫が集まる寂れた無人駅
そんな田舎に俺の祖父母の家はあった。
ずっと縁側で寝ているわけにもいかないし。そろそろ中に戻ろうと思い、身体を持ち上げる。
この家は祖父母が健在だった頃、俺と暮らすことになった際に流石に不便すぎるということでリフォームをして中は意外と快適なのだ。
そこで、ふと足音が聞こえてきた。軽やかさからして、少なくとも周辺に住む高齢者では無い。
どこかの誰かから恨みでも買って、ついにここがバレたかと思ったが直後に自分の考えを否定する。殺し屋にしては足音を隠す気が無さすぎる。
世の中にはハニートラップを主武装として暗殺を仕掛けるために敢えて自身の存在をアピールする殺し屋も存在するが、それともまた違う。ならば残るは一般人だけだ。
「あっ!オオクワ!!」
足音の主の声が聞こえた方向を見てみれば、肩にかからない程度の長さの明るいオレンジ色の髪と黄緑の瞳、白い半袖のシャツとデニムのショートパンツ、手に持った虫取り網と肩にかけた虫かご。
身長的には小学生か中学生か判別を付けづらいが、いかにも夏休み中に祖父母の家に遊びに来た孫娘といった風貌の女の子がいた。やはりと言うべきか殺し屋では無さそうだ。
そんな少女の目線の先には、庭に植えられた植物の中でも一際大きな木がある。
俺がその少女を見るのと同時、向こうもこちらに気付いたらしく声をかけてきた。
「すいません!クワガタ取らせて貰ってもいいですか?」
仕事に使う道具は全て家の中の隠し部屋にしまってあるし、バレることもないと思う。そう思って了承の旨を伝える。
「ありがとうございます!」
パッと顔を明るくしてから、礼儀正しくその場で頭を下げながらお礼を言って庭に入ってきた。その少女が庭の木に向かって虫取り網を構えて振り下ろす様子を縁側に座りながら眺める。そして虫取り網の中身を虫かごに移して目を輝かせる彼女の元へ近づく。
「どう?なんか取れた?」
「はい!」
そう言って虫かごの中身をこちらに見せてくる。かごの中には立派なオオクワガタがいた。
「オオクワガタ?」
「はい!最近は人工繁殖法が安定してきてるからそこまで高くは無いけど…それでも、天然モノでここまで大きいのってかなり珍しいんですよ」
「なるほど、詳しいんだ」
─────優れた殺し屋ほど万に通じる。
…知り合いが言っていた言葉だが、生憎と俺は昆虫に関してはそこまで詳しくは無い。きっと、少し前まで活動していて急に消息不明になった"彼"或いは"彼女"も昆虫について詳しいのだろう。
何故、性別が不明瞭なのかと問われればそれは偏に『変装の技能が高すぎて顔が分からない』という点からだ。
「そうだ。ねっ、お兄さん、もし良かったら虫捕り付き合ってくれませんか?」
「別にいいけど…急にどうしたの?」
「私、向こうにあるおばあちゃん家に遊びに来てるんですけど兄弟に暑いから出たくないって言われて…それでちょうど同じ歳くらいの人がいたからつい…」
そう言って少女が指を差した方向にある物を思い浮かべてみる。確かに向こうには老夫婦が住んでいるし以前話した時に孫がいるという話も聞いた。
「向こうって言うと倉橋さんのとこの?」
「そうです。知り合いなんですか?」
「今は街に住んでるけど少し前まではここに住んでたから。それに今でも帰ってくる度に世間話したりするかりね」
ちなみに彼女の名前は陽菜乃と言うらしい。「ああ、そういえば倉橋さんと話してる時に『陽菜乃』とか言ってたな。」と思いながら家を出て森に向かって歩を進める。
「そういえば私は今年で13歳ですけどお兄さんは?」
「俺はもう誕生日過ぎてるし14」
「そっか、じゃあ先輩だ…あ、先輩ですか」
「タメ口の方が楽ならタメ口でいい、それに好きなふうに呼んでくれていいよ。俺もそっちの方が気が楽だから」
「なら『先輩』で!」
「森って言ったけど具体的にはどこ探すかとか決めてあるの?」
「それなら大丈夫だよ〜。昨日のうちに罠仕掛けておいたから」
「罠って言うと…果物とか?」
「大体そんな感じ。ストッキングの中に焼酎かけたバナナとかパイナップルとか入れて何日か寝かせて発酵させたやつ」
(だよな。一瞬ワイヤートラップ想像しちゃったけど疲れてんのかな…)
「先輩?なんか見つけた?」
「んっ?いやいや、なんでもない。ただどんなのが取れるのかなって気になっただけだから」
「おっ!いい所に目付けるね。私が説明してあげましょう。ここら辺の植生からは…」
色々と話をしたが、一番困ったのは「どこの中学か」という質問だった。何せバカ正直に「通ってません」とは言えない。
「私は椚ヶ丘通ってるんだ〜。」
「椚ヶ丘って超名門じゃん。陽菜乃って意外と頭いいんだな」
「も〜、『意外と』って何、『意外と』って。…そういう先輩こそどこの中学なの?」
「あー……名前だけじゃ分かんないと思うけど」
「いいからいいから!教えてよ」
ここは適当に両親と暮らしていた頃に近所にあった公立の名前でも出しておこう。
「洛山ってとこ。知ってる?」
「ん〜…ごめん、ちょっと知らないかな」
「まあ特に有名でもなんでもないから仕方ないよ」
と、そんなこんなで森まで着いてすぐに行動を開始する。
「見て先輩!凄いよ、このカブトムシ!」
ああ、きっとこれが…
……………………ぅ
「先輩、こっちこっち!まだたくさん仕掛けてあるから急がないと日が暮れちゃうよー!」
…………がう……
次の日も────
「先輩、今日は釣り行こうよ!小川から少し上流に登るとイワナがいるんだって!大丈夫!私、こう見えて結構慣れてるから!」
……………………違う
次の日も────
「先輩!今日は夕方になったら向こうの丘まで行こうよ。暗くなると星がよく見えるんだって!」
違う。
次の日も────
「今日はバードウォッチングしない?運が良ければ一昨日釣りに行った渓流でヤマセミが見れるんだって」
違う。
何で人並みに夏を楽しもうとしてんだ。
少しだけ。ほんの少しだけだが普通の人が過ごすような生活を『楽しい』と思ってしまった。
同年代の人と話しながら色々なことをするなんて考えたこともなかった。
ましてや、自分がそんな世界でも過ごせることなんて。
「おーい、先輩?どうかした?」
そんな吐き気がするような気持ちの悪い感情を無理やり内側に押し込んで返事をする。
「なんでもない。あの川の上流だろ?さっさと行こう」
「先輩、今日は先輩のおすすめの所連れてってよ」
麦わら帽子を被り、白いワンピースを着た陽菜乃が唐突にそんなことを言い出した。今日も今日とてどこかで生物観察でもするのかと思っていたので一瞬呆然としてしまう。
「え、急にどうした」
「私、明日の朝の電車で帰るんだ〜。それでここ最近、は先輩のこと引きずり回してたなって思って、…だから最後の日くらいは私のことを引きずり回す権利を進ぜよう。みたいな?」
そう言っている最中に陽菜乃の服装を見る。汚れたら目立ちそうな白いワンピース、それにサンダル。この服装で山道を歩かせるのは流石に酷だろう。そこまで遠くなくて…ああ、そういえば近くに向日葵畑があった。そこでいいか。
そして向日葵畑に到着したものの、なんかとんでもないことになっていた。
「うわ〜!!ここすっごいね!」
どこを見ても黄色、黄色、黄色、黄色、黄色。視界一杯に広がる黄金色。もう少し遅い時期に来れば今度はコスモスが咲き始めるが、今はまだその様子は無い。
それにしても、最後にここを訪れたのは数年前。それがまさか数年の内に倍近い規模になっているとは思わなかった。恐らくは過疎化によってここの近辺住んでいた人もいなくなり、昔は家や田んぼ、畑だった所も贅沢に使って面積を増やしたのだろう。
「先輩、写真撮ってよ」
そう言ってカメラを起動してから、スマホをこちらに手渡してくる。
「はあ……それじゃあ撮るぞ」
そうしてスマホのシャッターボタンを押した後には、片手で麦わら帽子を押さえてもう片手でピースサインをしながら後ろにある大輪の向日葵にも負けない笑みを浮かべた少女の姿が写っていた。
「家の陽菜乃が本当にお世話になりました」
「いやいや、こちらこそこの一週間は楽しめましたから」
初日に着ていた白いシャツとデニムのショートパンツを身にまとい、無人駅のホームで電車を待つ人達と言葉を交わす。
ここにいるのは、大きめの旅行カバンを幾つも持った陽菜乃を含む倉橋一家、それからこの駅の近くに住む倉橋家の老夫婦、そして俺。
軽い世間話をしていると、直ぐに電車が来た。
「あっ!」
電車に乗り込む直前にふと思い出したかのようにこちらに駆け寄ってくる。
「先輩、スマホ出して」
その言葉に少しの困惑を覚えつつも持ってきていたプライベート用のスマホを取り出す。
「これ、私のアカウントだから」
そう言って見せてきたのはスマホを持っていれば誰でもやっている連絡用のアプリのアカウントを示すコードだった。
そういうことかと苦笑しつつ、同じくアプリを起動して陽菜乃のスマホの画面を読み取る。出てきたアカウント名は『倉橋陽菜乃』。それを友達の欄に追加しておく。
「ほら、追加したから早く乗れ。遅れるぞ」
「うん!それじゃあ先輩、またね」
「ああ、気をつけてな」
電車の窓の向こうで手を振る陽菜乃にこちらも軽く手を振って答える。
「ふふ、どうだい?ウチの孫娘はいい娘だろう?」
「はい。本当に」
そして、電車が見えなくなり老夫婦と駅のホームを出たところでスマホが振動し、何かが送られてきたことを教えてきた。
『昨日、先輩が撮ってくれた写真と先輩と撮った写真です!』
スマホの画面にはそんなメッセージと二枚の写真が貼付されていた。
呑み込まれれば自分の身体さえも見えなくなる嵐の中を前に進む。
足場は沼地のように最悪。
絶え間なく飛んでくる枯木が腕に当たり血が流れる。
それでも、あの時見つけた太陽が遠くで煌めいている。あの嵐の中でも分かるほどに眩しい太陽を目指してひたすらに前を歩きたくなる。
「やめっ…助け、ぁ」
それを忘れるために
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさ」
俺にはあんな笑顔を向けられる資格は無い。そう自覚しているからこそ発生する苛立ちをぶつけるように対象の首を断つ。
一人、また一人と殺していく度に自分の中の何かが黒く染まっていく気がする。
────それでも
『…輩』
────やめろ
『先輩』
「やめろ!」
雑念と共に刃に付着した血糊を払い落とす。
「何人…殺してきたと思ってる…」
たったの二年で二桁は殺してきた。そんな人間が今更一般人に溶け込んで青春ごっこ?笑わせるな。
人を殺すことに何も思わないという訳では無いが、そこは仕事、とっくに割り切ってる。ただ、それとこれとは全くの別問題だ。
「はいよ、今回の成功報酬だ」
「確かに」
「それからお前に新しい依頼が来てるぞ」
「依頼主は?」
「海外の資産家だ。どうやら海外でもお前の噂が広まっているらしい」
夢を見た。
夢の中で俺は腰が浸かるほどの深さの池のような場所にいた。
そして、血赤色の水と泥が混ざりあってどす黒い色をした人のような何かを形成していく。
『どうして私なの』
『父さん母さん、ごめん』
『嫌だ、死にたくない!』
その人型の何かから断末魔が聞こえてくる。それを見て一人でポツリと呟く。
「分かってるさ。俺が生きる世界はこっちじゃなきゃ…」
「せーんぱいっ!」
その一言で意識が一気に覚醒する。足音にも気付かずに寝入っていたようだ。
「陽菜乃か、一年ぶりだな」
「良かった〜、覚えててくれたんだ」
翌年、初めて会った時と同じ日付の同じ時間帯に陽菜乃は来た。
変わらない蝉時雨、変わらない景色、変わらない顔、変わらない声。なんだか自分だけが醜くなっていくようで嫌になる。
「いつまで寝てるの。ほら、起きなよ〜」
そう言ってこちらに片手を差し伸べてきた。その手を掴もうとして左手を伸ばし…
『お前のせいで』
不意に頭痛に襲われた。そして、その直後に陽菜乃の手を掴もうとしていた左手が血液で真っ赤に汚れているように見えた。
「…っ!」
咄嗟に左手を引っ込めて自力で身体を起こす。陽菜乃は頭の上にクエスチョンマークを浮かべているが気にしない。
「あれ?そういえばなんだか雰囲気変わった?」
「そうか?」
「んー…なんて言うかクラスに一人はいるめんどくさい人みたいな感じ」
「なんだそれ」
「そういえば先輩って今年受験でしょ?どこの高校にするか決めたの?」
「とりあえず行けるところでいいかな。近所の公立とかならあまり勉強しなくても行けそうだし」
そうは言ったが、客観的に見ても上位の大学に入れるレベルの頭はある。しかし、裏を返せば『大学レベル』でしかない。人を殺すための武器にするには程遠すぎる。
「優れた殺し屋は万に通じる」
俺の知り合いだけでなく祖父母までそう言って、とにかく様々な知識を与えてくれたからだ。
…高校とは言われたものの、現実を見れば選択肢は実質『就職(殺し屋)』の一択しかない。
「そうだ!先輩、暇なら今年はヤマメ釣りに行こうよ」
初日は渓流釣り
「ここら辺はどうだ?」
「いいね〜、目印つけとこう。あとは去年もたくさん取れた向こう側にも何ヶ所か仕掛けたいね」
二日目は虫捕りのトラップ作成と場所の吟味
「こっちって本当に電車少ないよね」
「…まあ、田舎だからな」
三日目は午前午後で二本ずつしかない電車に乗って隣町まで花火の買い出し
「残りはこことここと…あとはここだね」
「それなら俺は遠い方から回るわ。陽菜乃はあっちの方から頼む」
「おっけ〜」
四日目はトラップの設置
「見て見て!大きなミヤマ!」
五日目はトラップの回収と駅を二つ行った先の町の神社で催される夏祭り
その中でも一番記憶に残っているのは夏祭りの最後にあった花火大会だ。
「先輩」
「ん?」
現在位置は長い階段を昇ったところにある拝殿…から少し歩いた所にある休憩用のベンチ。
花火が始まる前の微妙な時間に黄色い浴衣を着て深紅の帯を締めた陽菜乃が話しかけてきた。
「なんか困ってるなら言ってね。力になれるかは分からないけど相談くらいなら乗れると思うから」
一瞬だが、呆然としてしまう。この一週間、色々と考えてはいたが顔には出していなかったはず。
考えられる可能性は二つ。
一つ目が本当に『はず』なだけで周りから見たら何か考えていたのがバレバレだったこと。
二つ目が陽菜乃の洞察力が異常に高いこと。
このどちらかだろう。とはいえ、ここでおいそれと殺し屋だということをバラす訳にはいかない。
「ありがとう、何かあったら相談するよ」
「………………そっか……急に変なこと言っちゃってごめんね」
その時の悲しそうな顔は、今でも忘れられない。
「線香花火ってこれはこれで味があっていいとおも」
「うん、私も普通の花火も好きだけどこっちも好き」
夏祭りに行った翌日。陽菜乃がここに泊まる最後の日は、去年行った花畑に行ったのと夜に倉橋家に混ざって手持ち花火をしてきた
結局、その夏も一週間近く陽菜乃と過ごすことになった。
「またね、先輩」
「ああ、また来年」
電車が出た後、数回バイブしたスマホを開けばそこには去年と同じように一通のメッセージに二枚の写真が貼付されていた。
『夏祭りと花畑で撮った2枚です!ご査収ください!』