【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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幕間8 『アネッサとカーシャの優雅な午後』

 

「本日はお招きいただきまして〜、真に光栄の至りでございます〜」

 

「今はあなたと私だけなのだから、そんなに畏まらなくても良いわよ」

 

「そ〜お〜?じゃあ遠慮なく〜」

 

「ふふ…相変わらずみたいで安心したわ」

 

 ある日の午後。

 エーデルワイス歌劇団の舞台女優であるアネッサは、イスパル王国の王妃であるカーシャに招かれて二人きりのお茶会に参加していた。

 

「カーシャも元気そうで何よりだわ〜」

 

 アネッサは相手が王妃であっても気後れすることはなく、普段のペースで会話している。

 

「本当に久しぶりね。私が学院を途中退学して以来だから、もう十数年になるのよね…」

 

「そんなに経つのね〜。でも〜、あなたは見た目が全然変わらないわね〜」

 

「…いや、あなたの方が変わってないわよ。何なのその若々しさは…十代でも通じそうよ?」

 

「そ〜お〜?まあ、まだギリギリ二十代だし〜。これでも八歳の娘がいるのよ〜」

 

「それはカティアからも聞いたわ。…あなたが駆け落ちしたって噂で聞いたときは驚いたものよ」

 

「うふふ〜、私にとってティダとの出会いは運命だったのよ〜」

 

「あらご馳走さま…。どんな人なの?」

 

「そうね〜、カッコ良くて、強くて、優しくて、頭が良くて……」

 

 と、アネッサはティダの素晴らしさを延々と語り始めた!

 カーシャはこの話を振ったことを大いに後悔する事になる。

 

 

 

 …

 ……

 ………10分後。

 

 

 

 

「…と言う訳で〜、私はティダに付いていくことに決めたのよ〜。それからね〜…」

 

「あ、あら?…まだ続くのね……も、もういいわよ…?ティダ(だんな)さんの素晴らしさは、よ〜く分かったから!」

 

 じっと耐えて話を聞いていたカーシャはついに音を上げて、アネッサの話を遮った。

 流石にこれ以上は耐えられなかったらしい…

 

「あら〜、これからが凄いことになるのに〜?」

 

 凄いって何…?

 カーシャはそう思ったが、また話が続くのを恐れてスルーする事にした。

 何だか目が怪し気な感じがしたし…

 

「そ、それよりも。カティアからあなたの話が出たときはびっくりしたわよ」

 

「ふふ…人の縁というものは〜、不思議なものよね〜」

 

「そうね…あの子は不思議な魅力があるから、そういう縁も色々と引き寄せるのかも」

 

「そうね〜、カティアちゃんは本当に不思議な子だわ〜。私も本当の妹のように思ってるのよ〜。…でも〜、『縁』と言ったら気になるのはやっぱりカイト君との事よね〜」

 

「あの子の恋人よね。どうなのかしら実際のところは?」

 

「ん〜、相思相愛は間違いなしよね〜。あとは切っ掛けがあれば一気に〜…うふふふ〜」

 

「切っ掛け、ね。あなたはそのカイト君の事をどれくらい知ってるのかしら?」

 

「ん〜?…そうね〜、レーヴェラントの…と言うのは知ってるわ〜」

 

「あら?本人から聞いたの?」

 

「いいえ〜。ウチのメンバーの何人かは知ってるみたいだけど。私は直接は聞いてないわ〜。でも、私もレーヴェラントの出身だからね〜。色々と情報の伝手はあるのよ〜。あとは推測だったんだけど〜、あなたの反応を見ると合ってたみたいね〜」

 

「あらやだわ…カマをかけられたの?」

 

「まあまあ良いじゃない〜。今の私はただのお節介オバさんなのよ〜」

 

「はぁ……あなた実家に顔見せたりしないの?」

 

「勘当の身ですから〜」

 

「子供も生まれたんだし、もう許してもらえるんじゃないの?」

 

「別に今更許されたい訳でもないわ〜。私は今の暮らしが幸せだからね〜」

 

「そう…でも、そうね。舞台上のあなたはとても輝いていたもの。娘さんも出てたのよね」

 

「そうよ〜、今回がデビューね〜。ちょい役だけど〜、親子で出演する夢が叶ったわね〜」

 

「ふふ、羨ましいわね」

 

「あら〜?じゃあ、カーシャもカティアと〜…あとはクラーナちゃんだっけ〜?一緒に舞台で歌うのはどお〜?」

 

「それはそれでとても素敵だと思うけど、あれほどの歌声を聞かされるとね……本当に凄かったわ。今や民の間では、すっかりその噂で持ち切りらしいわよ」

 

「そうみたいね〜。なんせ王女様が歌姫やってるんですもの〜、話題性がある上に実力も申し分ないから当然よね〜。何にせよ、王都でもやっていけそうってダードさんが胸を撫で下ろしていたわ〜」

 

「国としても民に素晴らしい娯楽を提供することが出来て良かったわ。ひいては政治の評価にも繋がるし」

 

「持ちつ持たれつなのね〜」

 

 

 

 

 二人が話に花を咲かせていると、コンコンと扉がノックされる。

 

「どうぞ」

 

「王妃様、お客様、ご歓談中に失礼いたします。カティア様がお出でですが、お通ししてもよろしいでしょうか?」

 

「あら、帰ってきたのね。入ってもらって」

 

「承知しました」

 

 

 

 

「母様失礼します。姉さんが来てるってお聞きしたので参りました」

 

「カティア、おかえりなさい。ちょうど良かったわ。せっかくだから、あなたも参加していきなさいな」

 

「カティアちゃん、ご一緒にどうぞ〜」

 

 

 

 そうして、その後はカティアも加えて、女性三人で優雅なアフタヌーンティーを楽しむのだった。

 

 

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