【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第七幕 32 『武神杯〜本戦 四強』

 

『勝者、ティダ!!』

 

 ワァーーーーッッ!!!

 

 私とシフィルさんの試合のあと順調に試合が消化され、今は第一回戦第六試合…ティダ兄が圧倒的な強さを見せて瞬殺で終わらせたところだ。

 

 

『ティダ選手、あっと言う間に…きゃっ!?』

 

『きゃ〜〜っ!!ステキよ〜ティダ〜!!愛してるわ〜!!!』

 

『…うるせえぞ、アネッサ』

 

 もう…恥ずかしいよ姉さん…

 と言うか、ずっとそこで解説(?)続けるの…?

 

 

『え、え〜と…ティダ選手はエーデルワイス歌劇団所属で、Aランク冒険者でもあると言うことですが…ダードレイさん、予選では他の選手全員を戦わずして降参させ、今も試合開始とほぼ同時に決着がついてしまったので、未だにその実力の底が見えないのですが…』

 

『ティダは凄いのよ〜!私の旦那さんなのよ〜!』

 

 …これはアレだね。

 女性人気が出そうなのを牽制しようとしてるね。

 素の可能性もあるが…

 

『ええいっ!お前は黙ってろ、このバカップルが!…コホン。ああ、アイツは猛者揃いのウチの中でも特に強えんだがな…[閃刃]の二つ名が示す通りとにかく速え。さっきはまるで本気出しちゃいねえんだが、本気になりゃあ目で追うのすら難しくなるぞ』

 

 そうだね、ティダ兄がウチのメンバーでは最速だ。

 私や父さんでもその動きを捉えるのは一苦労だよ。

 

 

『で、見ての通り二刀流だ。あの速さで二刀が襲いかかってくるんだ。生半可な実力じゃあ、一合たりとも打ち合うことは出来ねぇだろ』

 

 二刀流ってのは単純に二刀あるから強くなる訳じゃない。

 優れた技が無ければむしろ一刀よりも弱体化してしまうだろう。

 その点、ティダ兄は二刀剣士の到達点にいると言っても過言ではない。

 

 

『なるほど…まだまだその実力の全てを見せてはいませんが、今後の強者との戦いが楽しみですね!』

 

『ああ。少なくとも準決勝、決勝あたりになれば、アイツと互角に闘えるヤツが出てくるだろうからな』

 

 私がこのまま勝ち進めば、決勝戦で当たる可能性があるということだ。

 その前に、あのイーディス選手も相当な強者だと思うけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして更に試合が消化され、当のイーディス選手の試合はと言うと…

 

『そ、そこまで!!勝者、イーディス!!』

 

 第一回戦最後の第八試合。

 ティダ兄と同じく一瞬で勝敗が決まる。

 

 相手が不用意に近付いて来たところを、あの鞭のようにしなる奇剣で一撃。

 対戦相手から見たら、懐に入った!と思ったら背後から斬られて何が起きたのか分からなかっただろう。

 

 

『イーディス選手、強い!!たった一撃で試合を決めてしまいました!!』

 

『ふむ…やはり強えな。しかもだ、[双蛇剣]の二つ名から察するに…本来は二刀流なんだろ?あの奇剣を二刀同時に扱うとすれば…とんでもねぇ技量ってことだ』

 

『彼もまだまだその実力を出してはいないと言うことですね!!』

 

『ああ。準決勝まで行けば面白い試合が見れそうだな』

 

『勝つのはティダよ〜!』

 

『だぁ!?まだいるのかお前!』

 

 父さんが呼んだんでしょ。

 

 

 ともかく、これで第一回戦の全ての試合が終わり、ベスト8が出揃った。

 特に強者と見込まれているのは、ラウルさん、ティダ兄、イーディスさん、そして自分で言うのも何だが、私、の四人だろう。

 それぞれがAランク冒険者級の実力を持つが、当たるのは準決勝以降となる。

 

 他の選手たちはBランク上位くらいの実力と見ている。

 弱いわけではないが、Aランクと比べたら今一歩と言うところ。

 もちろん油断は出来ないのだが、第二回戦は順当な結果になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と言うことで、第二回戦の各試合はダイジェストでお届けします。

 

 

 

 

〜第二回戦第一試合 ラウル 対 ジャン

 

 

「オラァーーーっ!!!」

 

「ぐはっ!?」

 

 試合開始とともに飛び出したラウルさんの拳が、対戦相手にクリーンヒットする!

 相手は敢え無く舞台外まで吹き飛ばされて試合終了。

 

 

『勝者、ラウル!!』

 

 

 

 

 

 

〜第二回戦第二試合 カティア 対 オーベール

 

 

「[雷槍]!!」

 

「くっ!」

 

 私の放った雷撃の魔法は既のところで躱されるが…

 

「[烈]!!」

 

 私の言葉と共に雷の槍が破裂し、細かな電撃が相手に纏わり付く!

 

「アバババババッッ!!?」

 

「せやぁーーっ!!」

 

 ビュンッ!!

 

「ぐはぁ!!」

 

 電撃で痺れて動けなくなったところを、間合いを詰めて薙刀の斬撃でとどめを刺す!

 

 

『そこまで!!勝者、カティア!!』

 

 

 

 

 

 

 

〜第二回戦第三試合 ティダ 対 ロドリグ

 

 

「…ふっ!!」

 

「あぐっ!?」

 

 ティダ兄は目にも止まらぬ速さで敵の背後に回り込み、双剣の斬撃を見舞った。

 まともに打ち合うことなく相手は戦闘不能に。

 

 

『勝者、ティダ!!』

 

 

 

 

 

 

〜第二回戦第四試合 イーディス 対 アルド

 

 

「…」

 

「…ちっ!俺も一刀で十分って事かよ!舐めるなァ!!」

 

 激昂したアルド選手が一気に間合いを詰める!

 

 イーディスさんの蛇のようにうねる剣が襲いかかるが、流石にここまで勝ち抜いただけあって難なくそれを躱す。

 

 だが、イーディスさんが、クンッ!と手首を返すと、躱したと思った剣の切っ先がアルド選手の背後に回り込んで首筋を狙う!

 

「はっ!それは前の試合で見たぜ!!」

 

 一回戦でそれを見ていたのが功を奏したのか、アルド選手は背後からの攻撃も躱して遂に剣の届く範囲まで踏み込んだ!!

 

「もらったァ!!」

 

 あ…それはアカンやつだ。

 『もらった!』の80%は、実はもらってないんだよ(経験者談)。

 

 ドゴォっ!!

 

「ぐはぁっ!!?」

 

 イーディスさんの剣を持っていない方の拳が深々とアルド選手の腹にめり込み…

 そのまま戦闘不能と判定されて場外に弾き出されてしまった。

 

 ラウルさんばりの拳打だったねぇ…

 あんな技巧を要する武器を使ってるのに、パワーも凄まじい。

 というか、全身を鎧で身を固めながら、それを感じさせない俊敏さで動いてるのだからパワーもあるってことだよね。

 

 

『勝者、イーディス!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これで四強が決まった。

 

 本戦初日の試合はここまで。

 明日は準決勝、決勝となる。

 

 いよいよラウルさんとの戦い、そしてそれに勝てれば…ティダ兄かイーディスさんだ。

 

 実力伯仲で誰が優勝してもおかしくないとは思うが…もちろん、私も負けるつもりは無いよ!!

 

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